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自室での仕事を終え、寝室へと近づいていくと話し声が聞こえた。
ヴィヴィオでもいるのかと開いたままのドアから顔をのぞかせると、
ベッドに腰掛け楽しげに携帯端末で話していたなのはが、私に気づき顔を上げた。
「あ、フェイトちゃん。換わる? ユーノ君だけど」
「ううん。私はいいよ。ゆっくり話してて」
「そう?」
特に用事のない私がこう答えると、なのはは話せばいいのにといった感じで小首を傾げ、
……うん、うん。フェイトちゃんがね……と携帯に向かって話しかける。
いくら恋人でも人の通話に聞き耳を立てているのは趣味が悪いから、
私は私で友達にメールでも送ろうかと思ったけれど、弾んだ声で話すなのはを見て悪戯心が湧き上がる。

――いいや、違うか。

そんな可愛い感情じゃない。
私が側にいるのに、私を見ないなのは。
楽しそうな顔。嬉しそうな顔。
とても好きな表情なのにその顔を向けているのが私ではなくて。
それが寂しくて、胸が苦しくて、後ろからなのはをぎゅっと抱きしめた。
「えっ! ふぇ、フェイトちゃん!?」
驚いて声を上げてこちらを振り向こうとするなのはだが、しっかりと捕まえているから私の顔は見えない。
だから「ごめんユーノ君ちょっと待ってて」と保留ボタンを押して、
「フェイトちゃん、どうしたの?」
心配そうに問いかける声に私は答えない。
困らせているのに、なのはが私を気にかけてくれているのが嬉しくて、
駄々をこねる子どものような自分が情けなくて、
黙ったまま抱きしめる私に、なのはは少し考えこみ、そして保留を解除した。
「ユーノ君? ごめんね、今ちょっと立てこんでるから……っ!!」
おそらく電話を切ろうとしたなのはの耳をはむっと咥えると、
なのははビクっと体を震わせた。声は無理やり我慢したみたいだ。
携帯からはユーノが心配そうになのはを呼ぶ声が聞える。
『ちょ、ちょっとフェイトちゃん!! 今切るから待って!!』
念話での呼び掛けを無視して私はなのはの耳を口ではさみ、舌を這わせて愛撫する。
なのはは敏感に反応しながらも口を押さえて我慢している。
声、出せばいいのに。
興奮と嫌らしい感情が胸の中で渦巻いていた。
なのはが私の腕の中で感じている。
そんななのはを見せつけて、なのはが私のものだと電話の先にいる幼なじみに見せつけたい、と。
…………分かってる。なのはは物じゃない。本当は私のものでもないし、誰のものにもならないことは。
そういうなのはが好きだということも。
それでも、どうしようもなくなのはが欲しくなる。
形のよい耳を味わうように舌でなぞるとなのははふるふると私の腕の中で震える。
自分の唇を噛んで声を出さないようにしているけれど、息が荒くなり始め、
後もう少し――


と一気に責め立てようとしたところで、
「ごめんまた電話するね!!」
早口に言ってなのはは電話を切ってしまった。
…………残念。
がっかりしていたのもつかの間、
「フェイトちゃん、どうしてこんなことするの?」
少し冷たい声に血の気が引いた。
怒らせてしまった。
当たり前だ。
大事な幼なじみとの会話を邪魔してしまったし、なのはの問いに答えなかった。
なのははきちんと言葉をかわさないことを嫌う。
嫌われるようなことをしてしまった。
どうしよう。どうしよう。どう答えればいいんだろう。
頭の中が混乱してグルグル回る。
でも、嘘をついたらもっと嫌われると覚悟をして、
「……やきもち、やいた」
シンプルに思ったことを伝えた。
抱きしめた手を解き、項垂れて続ける。
「それで、なのはに構って欲しくて……子どもみたいなことした。ごめん」
するとなのはは「はぁ〜〜」とため息をついてこちらを向いた。
顔を見ることは出来ないけれど、呆れ返っているのだろう。
「ねえ、フェイトちゃんはユーノ君に私のエッチな声を聞かれてもいいの?」
「え……」
聞かせたいと思っていた。
私がなのはを愛撫しているときの声を。
でも、よくよく考えてみれば……それは私だけが知っている
なのはのいやらしくて可愛い声を聞かせるということであって……
「ちょっといやかも……」
私が言うとなのははほっと息をついた。
「だよね。私は絶対嫌だよ。フェイトちゃん以外の人に聞かせるのも。フェイトちゃんの声を誰かに聞かせるのも」
「……うん」
確かにもったいないことをするところだった。
と納得すると同時に、普段は見えないなのはの独占欲が現れたようで胸に歓喜が湧き出す。
なのはは恋人同士の秘め事を私としか出来ないこととして大切にしてくれているのだ。
そう考えるとくだらない嫉妬心が霧散してしまった。
「ごめん、もうしない」
「うん♪」
顔を上げて再び謝るとなのははニコッと笑ってくれた。
……許してくれたみたいだ。
と、安心したものの、なのはは私の頬をすっと撫でて言う。
「でも、お仕置きしなきゃ、だよね」
「ぁ……」
艶っぽい視線に絡め取られた。
日頃健康的な彼女からは想像もできないほどの色気が放たれる。
これも私しか知らないなのはだ。
誰にも見せたくない。見せはしない。
そう決意しながらも、なのはに弄ばれることに悦びを感じて、彼女に身を任せていった。

おわり
2012年04月28日(土) 13:41:31 Modified by sforzato0




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