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770 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/05(金) 06:32:51 ID:aOnhbZKI
高町士郎編


その日の翠屋には、開店時間を過ぎているというのに
いつものような賑やかさは無く
ただ、店前にCLOSEDと書かれた板がドアから提げられていた。
それだけを確認すると、わたしはなのはの家へ視線を向ける。
「なのは・・・」
何度くぐったのか覚えていない高町家の門、ただ会いたくて何度も叩いたなのはの部屋の窓。
まだ、あれから二日しか経っていないというのに懐かしさ、郷愁すら覚える。
故郷を持たないわたしにとっては、母さん達と過ごしたあのマンションよりも
この家こそが、そんな心の拠り所
暖かさの、象徴だった

士郎さんが居て
桃子さんが居て
美由希さんが居て
恭也さんが居て
なのはを囲む

それはまるで、愛情の詰まった花篭で
きっと、理想的に
幸せな家族

幼いわたしは、その眩しさと美しさに憧れて

その中へ、入りたかったんだ

771 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/05(金) 07:48:21 ID:aOnhbZKI

わたしが独りそんな思索に耽っていると
「あれ・・・フェイトちゃんじゃない
こんな所でどうしたの?」
背に、そんな言葉を受けた。
聞き覚えのある声に振り返ると
そこには不思議そうな顔をしてこちらを見るなのはの姉
美由希さんの、姿があった。
「お久しぶりです。美由希さん」
「うん、久しぶり。でも、何してたの?
入れば良いのに」
「えぇと・・・その・・・」
思わずわたしは口ごもってしまった。
本当のことを言うわけにもいかないし・・・・
なんて答えれば良いんだろう
そんな風に悩んでいるわたしを余所に、美由希さんは何か思い出すように考える仕草を取る。
そして
「あぁ、そう言えば今家に誰もいないんだったっけ」
その口から、何でもないように出た言葉は
わたしにとってまるで予想外のものだった。
「え・・・誰も居ないって?」
「えぇとね、なのはのお見合いに行くから
昨日から京都の方に・・・」
それ以上、美由希さんの言葉はもう、わたしの耳には届いてこなかった。
身体は、凍り付いたように動かない。
頭の中だけが、幾つもの可能性をぶつけ合い正答を選び出そうと活動を続ける。
エイミィから聞いた場所は、海鳴市内のホテルだったはず・・・
ならエイミィが嘘をついた?
ううん、違う。きっとそっちから洩れるのをわかっていて
事前に変更したんだ・・・

774 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/05(金) 10:11:20 ID:aOnhbZKI
その周到さに舌を巻く。
きっと、これは
わたしに対する忠告なのだろう。
これ以上踏み込むべきではないという
「あの、美由希さん。その場所、何処だかわかりますか?」
「え?・・・あ、うん。ちょっと待っててくれるかな」
昔のわたしなら、きっとこれで我慢して諦めてた。

妥協して

自分を慰めて

言い訳して

自分の気持ちを誤魔化す。

『友達だから』
それは便利な言葉
友達だから、傍にいる
友達だから、これは恋じゃない
友達だから・・・

そんな言葉は、もう要らない。

その言葉は、炎が焼き尽くし
断片さえもあの雨と共に海へ流れて消えた。

わたしは、もう
なのはの事を
『友達』と呼んだり
しない

839 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/06(土) 06:57:49 ID:55JiDs/0
走る

ただ、ひたすらに走る
美由希さんから貰ったメモを手に握りしめて。

海鳴から京都までは、急いでも2時間はかかるだろう

今は午前10時30分

お見合いの開始時刻は13時ちょうど

一分一秒たりとも、無駄にしている時間なんて無かった。


841 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/06(土) 07:40:12 ID:55JiDs/0
数分後

駅の改札の前で、わたしは途方に暮れていた。
手の中には硬貨が数枚。
京都に行くような事態になるなんて考えもしなかったから、財布は家に置いたままだったのだ。
相変わらず、肝心なところで抜けている自分が疎ましくなる。
こんな大事な時にまで、失敗するなんて・・・

でも、今は落ち込んでいる暇なんて無い。
幸いなことに、携帯はあるので家へ連絡してアルフに届けて貰おう。
わたしは、そう頭を切り替えて携帯を開いた。

番号を押して・・・そこまでしてディスプレイに何の光も灯っていない事に気付く。
電源ボタンを押しても、反応がない。
慌ててあちこち見回し裏返してみると、バッテリーの蓋には亀裂が走り
中のバッテリー自体も、強い衝撃を受けたかのようにして割れていた。
辺りを見回しても、公衆電話は既に撤去されており
通行人の誰かに貸して貰うにしても、事情の説明や成功率を考えると時間的なリスクが高過ぎた。
家までは走って10分ほど、次の電車の時刻までは15分
これを逃せば、次もまた15分待たなければならない。
有効な手段は何も思い浮かばなかった。
間に合わない・・・
そんな暗い考えを振り切り、息を整える。
走るしかなかった、無理でも何でも。

そう覚悟を決め、一歩足を踏み出す

その瞬間

わたしの後頭部には重い衝撃が叩き込まれた。

842 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/06(土) 08:24:09 ID:55JiDs/0

その勢いで、前へ倒れ込みそうになるのを慌てて立て直す。
後ろ頭と首筋には、今の衝撃のせいか冷たい感触があった。
続いて、ドサッと言う音と共に地面に落ちた物を拾い上げる。

「・・・氷嚢?」
別名:氷枕。
これがわたしの後頭部に当たった物の正体・・・何だと思うんだけど

何故氷嚢・・・?

「少しは頭冷えた?」
悩んでいるわたしに、そんな声がかかる。
「うん・・・少しだけだけどね」
顔を上げずにわたしがそう答えると
「・・・・・・・」
何だか少し相手の不満そうな気配が漂ってきた。

ゆっくりと顔を上げると、その姿が目に入ってくる。

数m先の駅前ロータリーに止まる高級車。
その車の屋根に堂々と立ち、手には第二第三の氷嚢。
「だから、それは投げないで欲しいんだけど」

その髪は、太陽の下でこそ本来の輝きを見せる。

「行くわよ、乗んなさい!」

氷嚢を投げ捨て、屋根から飛び降りると彼女は一方的に告げた。

いつもの、ように


843 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/06(土) 09:48:44 ID:55JiDs/0
「でもアリサ、何であんな所に・・・」
車中にて、わたしは当然の疑問をアリサにぶつけた。
「・・・・・・・」
アリサは黙ったままこちらを睨む。
その目元には、寝不足のためかわずかな隈が出来ていた。

「ん・・・」
わたしがその反応に何を言って良いのかわからず、言葉を濁していると
アリサは自分のバッグを開けて、くずかごに投げ捨てるときのように丸まった紙を取り出し
有無を言わさずわたしに押し付けた。
「えと・・・」
わたしが訝しがりながらもその紙を開くと、中からは慣れ親しんだ金色の三角形のフォルム。
それは六課に預けてきたはずの、わたしの相棒
「・・・バル・・ディッシュ?」
『Yes sir』
インテリジェントデバイス・バルディッシュの姿があった。
包んでいた紙にも、良く見れば内側に文字が書いてある。
『魔法使用許可証』
その文句が目に入った時、それまで黙っていたアリサは口を開いた。
「それ、はやてからよ。あんたに渡して欲しいって、今日の朝渡しに来たの」
不機嫌そうな顔のままアリサは喋る。
「はやてが・・・・?」
「あたしは自分で渡せって言ったんだけど、それは出来ないって言うから渋々ね」
許可証にははやての署名と、本局承認の印が押されていた。
そして、隅に一言だけ
『ガンバレ』


急いで書き加えたのがわかる走り書きのようになった応援の言葉が
添えられていた。

845 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/06(土) 10:23:27 ID:55JiDs/0

朝に出し切ったはずの涙が、瞳からまたこぼれそうになる。

わたしは・・・はやての愛を受け入れてはあげられなかったのに

それなのに・・・

はやての顔が、昨夜の出来事が、様々な思いが頭を駆け巡る。
わたしには、それを止めることは出来なかった。


ボスッ

「きゃあっ!?・・・つ、冷たい」
そんなわたしの頭の上に、冷たいものが乗せられた。
急な冷たさに驚いてわたしの体は反射的にシートから跳ね上がる。
その勢いで、頭の上から滑り落ちたのは
先程と同じ、氷嚢だった。
「あんたねぇ、この場に及んでまでうじうじ余計なこと考えてんじゃないわよ」
乗せた張本人は、そう言ってわたしの事を力強い視線で見つめてくる。
先程までの不機嫌そうな眼と、隈は影を潜め
その瞳には美しい炎が宿っていた。

「あんたとはやての間で何かあったのはわかる
でも、あたしはそれを聞いたりなんかしないわ」
アリサはそこで一度言葉を区切ると、息を吸い込み
「あんたが今一番
ううん、頭の全てを使って考えなくちゃいけないのは、なのはの事よ!!
他の悩み事なんか捨てなさい、それが大事な友達の事でも。
あんたはもう、選んだんだから。
他のことを考えてる暇なんて無いのよ!!」
そう、言い切った。

846 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/06(土) 10:48:46 ID:55JiDs/0
前みたいに、殴られはしなかったけれど
同じ様な衝撃が、心に響く。
「ごめん。ありがとう、アリサ」
アリサの眼を
ううん、しっかりと前を見据えて礼を告げる。
そして最後にもう一度だけ紙へと目を落とすと。

ありがとう、はやて
と心の中で呟き。
その顔を、思いを、頭の中から消し去った。

それが完全に消え去ると共に
代わって、わたしの頭の中には奔流のような勢いで思い出と想いが流れ込んでくる。
その、総てには

どんな些細な物にも、なのはの姿があった。

初めて出会った時

手を、差し伸べてくれた時

友達に、なった時

一緒に出かけた時

一緒のベッドで、眠った時

そして、なのはが涙を流した時

全部、覚えている。
その時に抱いた、自分自身の想いも。


847 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/06(土) 11:49:50 ID:55JiDs/0
「お嬢様、ハラオウン様。
そろそろ高速に入りますので、シートベルトをお締めください」
話が終わるのを見計らっていたのかしばらく間を置いてから、車内に運転手の鮫島さんの声が響く。
わたしとアリサはその言葉に従ってシートベルトを締めた。
「フェイト、あと時間はどれくらいあるの?」
そうアリサに言われて時計へと目をやると、針は既に11時30分を指していた。
「あと、一時間半・・・」
「そう・・・普通に行ってたら間に合わないわね・・・。
鮫島っ!
一時間以内に京都までよ、わかってるわね!」
「了解しました」
そんな主従の対象的なやり取りの後
料金所を抜けた車は、急激にスピードを上げ始める。
既にメーターは150と言う数字を振り抜き、200へとその針を進めていた。
その加速に、わたしの体はシートに押し付けられる。

高速道路とは言えアメリカのように直線ばかりでは無いから、曲がりもあればSの字を書いたような蛇行路も多々存在する。
こんな速度を出しながらも、鮫島さんは長い車体を手足のように操り
タイヤを削りながらドリフトをかけ
前を行く車にバッシングし、道を譲らせて
それを難なく越えていった。

もちろん、車内はその度に右に揺れ左に揺れと
わたしたちの体をシェイクしていったのだけれど。

862 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/06(土) 20:59:54 ID:55JiDs/0
「アリサ、大丈夫?
顔・・・青いけど」
「うぷっ・・・だ、大丈夫よっ!」
そうは言うけど、あまり大丈夫そうには見えなかった。
顔は真っ青だし、眼もあちらこちらに泳いでいる。
高速移動に慣れたわたしでも、さっきから胃の辺りがムカムカするし
一般人にこの加速と急なブレーキング、ドリフトによるカーブはかなり辛い気がする。
「・・・本当に・・・大丈夫、なんだから。
この位、前に峠で豆腐屋とやり合うことになった時よりずっとマシよ・・・」

豆腐屋・・・さん?
何のことなんだろう
「それに、あんただって少し顔色悪いわよ」
話している方が少しはマシなのか、アリサはそうやって会話の矛先を向けてきた。
「別に気持ち悪くなったりはしてないよ」
「お見合いが心配?」
「そう・・・なのかな・・・」
「安心なさい、お見合いって言ったって即結婚とかそんなんじゃないから
あたしだって何回かやらされてるけど、この通りピンピンしてるわ」
そう言って、自分も辛いはずなのに
何でもないという風に笑い飛ばしてくれる。
わたしには、言葉の中身よりもアリサのその態度が嬉しかった。


865 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/06(土) 22:00:12 ID:55JiDs/0
わたし達がそんなやり取りをしていると、また会話の切れたのを見計らって運転席の鮫島さんが声を発した。
「お嬢様、先程から白バイとパトカーが二台ほど後方から迫ってきておりますが、如何致しましょう」
淡々とハンドルを操りながら、同じ様に淡々と告げられた言葉に
わたしの思考は正しくその事実を理解できていなかったが
「そうなんですか、パトカーが・・・って、えぇぇ?!」
口に出してみると、途中でどんな事態なのかは容易に理解できるに至った。
「遅かったわね。もっと早く出てくると思ってたんだけど」
「本日は反対車線でトレーラー事故があったようですので、その影響かと思われます」
「そう、いいわ
全部まとめて叩き潰してやんなさい
プライドがズタボロになるくらいに !」
「あ・・・アリサ?
もう、ここで大丈夫だから・・・穏便に」
アリサの目は明らかに据わっていた。
わたしは何とか止めようと言葉をかけたが、まるで耳に入らないのか
その目は何処か遠くを見ている。
「人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られてGo to Hellよっ!!」
「了解しました」

了解しないでください・・・

そんなわたしの心の声も届かないまま、わたし達の乗る車は更なる加速を始めたのだった。

866 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/06(土) 22:33:39 ID:55JiDs/0
30分後・・・

車は高速を降り、国道を走っていた。

この短い間に

最初は氷を地面にバラまいて三台のパトカーをクラッシュさせ
それに巻き込まれた二台の白バイが横転していた。

その後時速300KM近くまで跳ね上がったメーターと共に、検問を力ずくで突き破り

その勢いで料金所を突破

そのままガードレールを突き抜け・・・京都の山中にダイヴして


現在へと至る。

海鳴を出る前とは見違えてボロボロになった車は
近くの路上駐車帯を見つけると、そこで息を引き取るかのようにして停車した。
「ここまで、みたいね。
ごめん、本当は最後まで送れれば良かったんだけど」
謝るアリサに、わたしは首を横へ振って応えた。
鮫島さんがドアを開けると共に、ふたりして車外へと出る。
「ここまで来れれば、後は自分で何とかするよ
ありがとう、アリサ」
「止しなさいよ。友達でしょ?」
そう言って、アリサはいつものように不敵に笑う。
しかし、何を思ったのかすぐに真面目な顔に戻り
わたしを見つめ直した。


868 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/06(土) 22:59:19 ID:55JiDs/0
「フェイト、あんたはなのはの事が好きなのよね?」
「うん・・・好きだよ」
わたしがそう答えると、その答えに不満なのか
アリサは変な顔をする。
「あのね、あんたその調子で告白できるの?」
「?」
「ああ、わからないならいいの
あたしから最後の餞別をあげる。
あたしが今から言う言葉を、同じように
自分の言葉に直して言いなさい!」
そう言い放つとアリサは目を瞑り、息を吸い込む。

そして
「あたしはすすかが好き!!!
世界の誰よりも!!
誰にも渡したりなんかしない!!
誰にも触れさせたりしない!!
あたしは・・・すずかを
愛してるんだから!!!」
自らの想いを、全て言葉に乗せて外へと解き放った。

その声の大きさに、重さに
何事かと道行く車や人が振り向くのも意に介さず
ただ、その思いの丈だけを告げる。
その言葉は、確かにわたしの心へと影響を与えていた。
想う相手は違っても、わたしと何処か似たアリサの不器用な愛情に
心が、震えた。


870 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/06(土) 23:31:21 ID:55JiDs/0
わたしは、アリサと鮫島さんに向かって頭を下げた。
そんなことでお世話になった分をわずかも返せるとは思わなかったけれど、下げずにはいられなかった。

そして、胸を張って言う。
恥も外聞も捨てて、ただ自分の想いだけを
「わたしは、なのはが好き

きっと、ううん、この想いは誰にも負けない!

ユーノにも、他の男にも、女にも、絶対に渡さない!!
女の子同士だって後ろ指を指されても、例え子供が作れなくても
絶対にわたしがなのはを幸せにしてみせる!!

わたしは・・・なのはを愛してるんだから!!!」

そう、それがわたしの一つだけの答え

そう言い切ると同時に
それを聞いていたアリサは、わたしの背後に回り込む。
そして叩くように思い切り、わたしの背中を押し出した。
「行ってきなさい、馬鹿王子!
ちゃんとあんたのお姫様をその手に掴んで、離すんじゃないわよ!」
その言葉と手に押され、わたしは空へと飛び立つ。

なのはの待つ所へ

わたしが居るべき場所へ

振り返る道は、もう無い。

空は雲一つ無く
ただ、青く広がっていた。

871 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/07(日) 00:22:51 ID:Xjs3Gr0p


フェイトは全ての迷いを捨てて飛び立っていった。
これで、あの二人ならきっと大丈夫。
だってこのあたしの、親友なんだから。

しかし・・・
「さて・・・この車どうしましょうか」
そっちの問題が解消すると、次は近場に問題が山積みになっていた。

スピード違反
公務執行妨害
器物損壊

そう言えば高速料金も払ってない。
「他に暴走行為等、諸法にもいくつか触れております」
そう付け足す鮫島をあたしはギロリと睨んだ。
バレバレだったのかもしれないけど、人の心を読むのはやめて欲しい。
「これ、放っておいても結局バレるわよね?」
「はい、確実に」
念の為聞いてみたけれど、帰ってきた言葉は予想通り。
なら
「いっそ、このまま外国にでも行っちゃいましょうか」
うん、思い付きだけどこれは名案かもしれない。
幸い何処に行くにもパスポートと自分名義で作ったカードは常備している。

それに・・・フェイトのひたむきになのはを求める姿は、あたしの心にも飛び火していた。
叫んだすずかへの想い、それには一片の曇りもない
でも、想いだけではあたし達は届かない。
家が、社会が、あたし達を縛り付ける。
だから、それに打ち勝つための力が必要だった。
家のではなく、あたし自身の力が。

872 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/07(日) 00:45:17 ID:Xjs3Gr0p
「鮫島!
家の会社の株式名義はどの程度移せてる?」
「12%程と記憶しております
数がかなり増えていますので、発覚するのも時間の問題かと」
「そう、それじゃあ後でそれを送ってちょうだい
あたしはこのまま、アメリカに行くから」
散歩にでも行くように、あっけらかんと告げる。
「承知しました」
鮫島は、いつものようにただ深く礼をするだけだった。
「・・・アメリカに行ったら、すぐに足が必要になるわ
あっちは自動車社会だしね
お前もなるべく早く来るのよ」
「承知しております」
鮫島の態度は変わらない。
でも、あたしはもう長い付き合いになったお抱え運転手を信頼していた。
彼は、あたしとすずかをずっと一番傍で見守り続けてきた人間なのだから

持ち物は大して多くない。すずかにしばしの別れの挨拶も出来ないのは悲しいけれど

きっと、すぐに帰ってくるから

待ってて、すずか・・・


873 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/07(日) 01:06:44 ID:Xjs3Gr0p
最後に、長年乗り慣れたリムジンへ別れを告げようと振り返ると。
ボンネットの上には、灰色の毛並みをした綺麗な猫が座っていた。
「それ、気に入ったの?」
「にゃあ」
「なら、あんたにあげるわ。
あたしの大切なものだったんだから、大事にしてよね」
「にゃう」
端から見れば滑稽に見えるだろうと言えるやり取りを交わす。
でも、会話が成立していなくても
あたしにとっては
自分の気持ちにケリをつける大切な儀式だった。

そして、それを終えると
もう二度と振り向かずに
前へと、歩き出す。

背後には、猫の姿も、車の姿も
もうなかった。



一年後

少女は大人になり

驚異の天才トレーダーとして、バニングスの関連企業に敵対的買収を仕掛け
乗っ取りを成功させる。
そして、自由を得た女性は大輪のバラの花束を持って
愛する人に求婚をするのだが・・・

それはまた、別の物語

879 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/07(日) 09:13:10 ID:Xjs3Gr0p
アリサと別れてから、わたしはレーダーや目視にひっかからないよう注意して飛んでいた。
残り時間は30分少々
市内にはすでに到達しているので
後は捜し出すだけ。
「この距離なら、魔力所有者を探知した方が早いかな・・・」
初めて訪れる不慣れな土地では、あまり住所等は当てに出来ない。
大まかな位置特定程度に使えれば御の字なくらいに思っていた。
「大きな魔力反応が・・・2つ?」
ひとつはなのはとして、もう一つは・・・
もしかして、これがお見合い相手なんだろうか・・・
その二つの反応はとても近い。
もう、時間もあまり無い。二人が既に同じ建物内に入っている可能性は十分にあった。

出来れば始まる前に止めたかったんだけど・・・

そう思ってから頭を振り、その考えを打ち払う。
どんな状況であっても、やらなくちゃいけないことは
伝えなくちゃいけない言葉は、一つだけだから。

『Sonic Move』
自身の最高の速度で、駆ける。

今は、ただ一秒でも早く
この胸の想いを、伝えたかった。

880 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/07(日) 09:44:35 ID:Xjs3Gr0p
雨露でわずかに濡れた庭石を踏み締める。
草木にも、わずかな水気が残り
大きな鯉が戯れる池の水は、かすかに濁っていた。
そんな純和風の造りの庭園の中心へと、わたしは降り立った。
そして、そのまま一歩ずつ目の前の座敷に向けて歩を進める。
座敷の中には男性が二人、女性が一人。言うまでもなく、それが誰なのかは解っていた。

「なのは!!」

わたしは力いっぱいに、自分の声の限りに
その人の名前を呼んだ。
10年前のあの日から、何度同じ名前を口にしただろう
確認するように、呟くように、囁くように、そして少しだけ恐れるように

でも、今は違う

想いの限り

ただ、愛する人の名前を

叫ぶ。

「フェイト・・・ちゃん?」
振り向いてくれたなのはは、何故か悲しそうな表情をわたしへ向ける。
そんな顔は、見たくないのに
そんな表情を、させたくないのに

でも、そんな願いを余所に
「二人は、婚約したんだよ。
今日、この場でな」
士郎さんの口から出た事実は、わたしの心を引き裂いていった。

881 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/07(日) 10:31:38 ID:Xjs3Gr0p
婚約・・・
その言葉を心の中で反復する。
婚約、それはつまり・・・
結婚の、約束。

なのはは、そうまでしてヴィヴィオの事を護りたいんだろうか・・・

でも

わたしは
「わたしは、なのはの事が好きだよ」
わたしの想いを、伝えるためにここに来た。
それ以外のモノなんて、関係無い。

座敷に上がり、なのはの前に立つ。
そして、今度は想いの全てを込めて

「わたしは、なのはを愛してる」

ただ一人のために、言葉を紡いだ。

その言葉に、周囲一帯の空気が止まったかのような静寂が訪れる。

そんな中
「わたしだって・・・」
小さな声でぼそりとなのはが呟く。

「わたしだって、フェイトちゃんが大好きだよ!
でも、ヴィヴィオのためを思うと・・・
どうしていいかわからないの
わたしが、傍にいてあげないと・・・あの子はまたひとりぼっちになっちゃう!
だから・・・だから、こうするしか」

882 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/07(日) 11:00:19 ID:Xjs3Gr0p
なのはの想いが、悲痛な叫びが
伝わってくる。

でも

それは、ヴィヴィオのための言葉

それが、悲しかった

だから
「ねぇ、なのは
わたしとヴィヴィオ
どっちを選ぶの?」
なのはを傷つけるとわかっていながらも、この言葉を使う。
なのはが息を飲む音が、微かに聞こえた気がする。身体は、今にも倒れそうな位に震えているのが解った。

でも、抱き締めてはあげられない。
わたしは勝手に動き出そうとする手足を止めながら
なのはの、答えを待っていた。

「・・・君は、彼女の何なんだ?」
そんな中、唐突に今まで黙ったままだった男性が口を開いた。
「あなたには関係無い」
「僕は、彼女の婚約者だ 聞く権利はあると思うが?」
「これは、わたしとなのはの問題だ」
不躾な質問をしてくる男の言葉を、わたしは切って捨てる。
婚約者、という言葉を強調して言ってくるその態度が
凄く、気に入らなかった。

901 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/07(日) 14:33:59 ID:Xjs3Gr0p
「君は、彼女の友達か?」
「・・・違う、友達じゃ、無い」
「なら、何だ?
彼女に懸想でもしているのか?」
男は嫌な笑みを浮かべながら言った。
顔に似合わない、どちらかと言うとそんな印象を受ける奇妙な笑み。
わたしは、その言葉に対して無言でバルディッシュを突き付ける。
それ以上、この男にわたし達の関係を喋られたくはなかった。
「・・・ハラオウン執務官、これは何のつもりだ?」
「・・・・・」
わたしは答えない。
これ以上問答を続ける気なんて無かった。
「フェイトちゃん、やめて・・・」
「なのは・・・」
「お話するのは、わたしとだよ
だからそれは下げて」
なのははそう言ってバルディッシュに触れると、その柄を下に下げさせた。
「ねぇ、フェイトちゃん。
わたし達は、もうお友達じゃないの?」
さっきわたしの口から出た言葉をなのはは口にする。
「うん・・・もう、友達じゃない」
それに応えると共にわたしは言葉を続ける
「わたしは、なのはを愛してる
それは、友達の気持ちじゃなくて
本来なら異性に抱くような、そんな気持ち
だから、もう
友達では、いられないんだ」
わたしは、そう告げるとなのはへ向けて手を差し出した。

916 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/07(日) 15:31:51 ID:Xjs3Gr0p
その手を見て、なのはは戸惑いを見せる。
「わたしは・・・フェイトちゃんも、ヴィヴィオも、どっちも大切なの!
どっちも無くしたくないの!」
なのははそう言ってイヤイヤするかのように髪を振り乱す。
最初にわたしが言った事を、気にしているのだろうか。
「なのは」
わたしは、安心させるために精一杯の笑顔を見せてなのはの名前を呼ぶ。
「大丈夫、大丈夫だから・・・
ヴィヴィオの事も
なのはが大切に思う全ての物も、わたしにとってとても大切なものだよ」
だから、守ってみせる
なのはのために

そう、誓うから

だから、笑って欲しい

もう、悲しい顔はしないでほしい
「だから、わたしと一緒に歩いて欲しい。
手を繋いで、最期の時まで
三人で、一緒に歩こう?」
「フェイト・・・ちゃん」

そう、わたしが右でなのはが左で、ヴィヴィオが真ん中。

片方の手をわたしたちの娘と繋いで

もう片方の手で、お互いを繋ぐ

二人でヴィヴィオに愛情を注いで

そしてお互いを愛し合おう

917 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/07(日) 16:00:24 ID:Xjs3Gr0p

そして、わたしの想いは届き

わたし達の手はお互いの拠り所を見つけ出した。
「なのは・・・きっと、ううん・・・絶対に幸せにするから」
「うん・・・うん・・・」
なのはの顔を、そのまま胸へ抱き締める。
もう、離さない。

絶対に。

そんな思いにわたし達が浸っていると。
無粋な声がその空気を破った。
「なのはさん、あなたは婚約者である僕を放っておいて
その女と一緒になると?
まさか、女同士で?」
馬鹿にしたような声で男は喋る。
でも、わたしは相変わらず顔と表情が合わない人だ、という印象しか受けなかった。
もう、どんな言葉もわたし達を離す事なんて出来はしないから。

でも、そんなわたしとは逆に
なのはは一歩前に踏み出すと、男の頬を思いっきり張り飛ばした。
「確かにわたし達は女同士ですから、結婚も出来なければ
血も残せません
でも
わたしの想いも
フェイトちゃんの心も
きっと、わたし達の娘が継いでくれます」
そう言って、二度と男の方を向くことは無かった。

これで、残る壁は
後、一つだけ

918 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/07(日) 16:19:23 ID:Xjs3Gr0p
わたしは、なのはの目を見つめてから
その手を離す。

これは、わたしがしなくちゃいけないことだから

庭園に降り、座敷の方へ向けて膝を折る
庭の砂利が足に食い込むけれど、気にしない。
これが、この国での誠意を伝えるための唯一の方法だから。

そして、わたしはそのまま地面に手を合わせ
頭を、下げた。

「お義父さん!
娘さんを・・・なのはを、わたしにください!」
額を地面に擦りつけながら、必死に懇願する。
士郎さんも、高町家の家族も、なのはの大切なものだから
わたしは、ただただ頼み込む。
「絶対に、幸せにします!
もう、なのはに悲しい顔をさせたりなんてしません!
なのはも、ヴィヴィオも、わたしが守っていきます!」

そう言いながら頭を下げ続ける。


919 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/07(日) 16:42:57 ID:Xjs3Gr0p
「お父さん・・・」
士郎さんは、最初にわたし達が来た時から同じように
何も言わない。
ただ目を瞑り、沈黙を保っていた。



どの位時間が経ったのだろう。
足は食い込む砂利と慣れない正座のせいか、ほとんど感覚がない。
擦りつけた額からは血が滲みだしていた。
でも、止めるわけにはいかなかった。
何も持たないわたしには、他に誠意を示すものはないのだから


そして・・・空に赤みが差す頃
わたしの頭に、軽い何かがぶつかった。
地面に落ちたそれを見ると

「紙・・・飛行機?
・・・!」
その一部から除く文字に気づき、わたしは慌ててその紙を開く。

『養子縁組同意書』
あの日、高町家に預けたままになっていた紙。それが、今ここにあった。

そして、それには

確かに・・・
『高町 士郎』
と言う無骨な字と共に、印章が捺されていた。

921 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/07(日) 17:15:31 ID:Xjs3Gr0p
慌てて頭を上げる。
でも、もう座敷には士郎さんの
ううん、お義父さんの姿はなかった。

目に入るのは、涙を流しているなのはの顔だけ
わたしは、ヨロヨロと立ち上がると
「なのは」
名前を呼ぶ。
そして、胸に飛び込んできたなのはの頭を優しく抱き締めた。
「約束したのに、また泣かせちゃったね」
「ううん・・・違う、違うよ。悲しくなんて無いの」
なのはは、そう言ってからわたしの胸に顔を埋めた。


日が沈み辺りに夜の帳が降り始め、電気の明かりがあちこちを照らし始める。
それは、それで綺麗な光景なのだろうけれど
何だか世界が途端に狭くなったように感じられる。
そんな時間に、わたしはとても良い事を思い付いていた。
「なのは」
胸の中のなのはに声をかける。
「?」
「なのはに、見せたいものがあるんだ」
なのはは不思議な顔をしながらもわたしの首に手を回し、しっかりと抱き付いた。
わたしも同じように背に手を回して、離さないようにしっかりと抱き締める。

そして、次の瞬間には二人の姿はもう既に庭園には無かった。

街の人々の幾人かがふと空を見上げる

その夜空を
美しい一つの光が
流れ星のように、渡っていった。

923 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/07(日) 17:38:17 ID:Xjs3Gr0p

「二人は、もう行ったかい?」
襖を開け、わたしは座敷に姿を見せる。
「ええ、元気に飛んでいきましたよ」

そう聞いてわたしは、二人の『娘』が飛んでいっただろう空を見上げた。

「君にも迷惑をかけたね。嫌な役目だったろう?」
「いえ、そんなことはありませんよ」
目の前に立つ青年はパタパタと胸の前で手を振る。
それは何だか、とても似合ってない。

しかし、わたしはそれには言及せずに言葉を続けた
「前に、子供を育てるには両親が必要だ、とあの二人に言ったことがあるんだ」
まだほんの、三日前の事だった。

「その話には、続きがあってね
両親とはふたおや、つまり二人の親、とも読む。
片方の親が甘やかし、片方の親が厳しく躾る。
それは場合によって役割も交互するし、どちらが必ずしもどちらを担うというわけではないが
子供を育てると言うことは、それだけ大変なんだ。
一人の親では、そのどちらもこなすことなんて出来はしないのだからね
だから、親は二人必要なんだ。
でも、それが男性と女性の二人である必要は、かならずしも無い」
「だから、こんな風な場を用意したんですか?」
「ああ、色々な人達に力を貸して貰ってね」
そう言って、わたしはその人たちの顔を思い浮かべた。

924 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/07(日) 17:57:26 ID:Xjs3Gr0p
目を開けると、青年の姿はもうなかった。

「もう、行くのかい?」
「ええ、妹バカなお兄ちゃんが
報告を今か今かと待ってるでしょうし」
「彼等にも宜しく伝えてくれないか
その内、時間が出来たら遊びに来てほしい、とも」
「わかりました、伝えておきます。
それでは、これで失礼しますね」
そう言って、目の前の少女はわたしにペコリとお辞儀をした。
それにつられて、頭から生えた大きな耳と尻尾がピョコンと跳ねる。
「ああ、気をつけて」
そう言うと、少女は胸の前で小さく手を振りながら、消えていった。

うん、やっぱりその姿の方が様になっている。

「さあ・・・早く家に帰らないといけないな」
家には大事な妻と娘、そして店が待っている。

二人の娘と孫を迎えるためにも、急いで帰って仕込みをしなければならない。

やらなければいけないことは山積みだ。

そんな充実感と満足感が混ぜ合わさったような感情を持ちながら

わたしは一人、海鳴への

わたし達の高町家への

帰途に、ついた

925 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/07(日) 18:03:50 ID:Xjs3Gr0p
だーっ
何とか土日で終わったーっ!!!

これで、士郎編終わりでス。
もう少し細かく書いても良かったんですが百合の本筋からずれるので省きました。

次に最後の高町なのは編が入って

ラストエピローグで終了になります。


しかし・・・

1000までに終わらなかったorz

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2007年10月27日(土) 16:09:08 Modified by nanohayuri




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