なりいたの一日 夜2

コン、コン。
「空いてるぞ」
ザトーが出て行ってから数分後、再び扉がノックされる。やってきたのは、
「失礼する。ザトー様がこちらを伺ったと聞いたものでな」
「……ストーカーのストーカーか」
これまた意外な客だった。
アサシン組織の重鎮、ヴェノム。色々説明するのは面倒なので、ザトーの右腕とだけ言っておこう。
「貴殿はこの空間ではそれなりの知名度を持つそうだが、口は慎んだ方が良い。……それより、ザトー様の行方を知らないだろうか?」
「やはりストーカーだろう。……保障は無いが、闇カイのところにいると思うぞ」
「そうか。礼を言う」
簡潔な遣り取りだけして、ヴェノムは部屋を後にする。
余程ザトーのことが気になると見える。どう見てもストーカー……
いや、温情に報いてのことだろうし、茶化すのはこの辺にしておこう。


…………でも、やっぱり怪しいよなぁ……。


しかし、この調子だと次は誰が来るのだろうか?
ギルティギアやメルティブラッドの関係者は、できれば勘弁願いたいものだ。
俺は純度100%の完全な一般人。格ゲーキャラの体力に付き合えるほどタフではない。
ベッキーとかアルルゥとか、その辺りが俺の希望なんだが……

「おい、N! いるか!? いるんだろ!?」

だが願いは虚しく。
ギルティ出身の忍者の声を聞いてしまう俺の耳であった。


夜1へ  夜3へ
2007年12月15日(土) 14:38:40 Modified by nariita




スマートフォン版で見る