なりいたの一日 夜3

「居留守中だ」
格ゲーキャラにうんざりしつつ、思いっきり嘘をつく。しかし、
ガチャッ!
「おい、N! この辺りをアサシン連中が通ったって聞いたんだが、そりゃマジか!」
天然なのか無視されたのか知らんが、何らかの反応は欲しいものだ。
乱暴に扉を開けたエセ忍者ことチップに対し、大きな溜息をつく。
「……ストーカーのストーカーのストーカーか。まったく、お前らときたら……」
「んなこたどうでもいいから早く教えやがれ! 逃がしちまうだろうが!」
気が短い奴だ。そんなことだから、スピードだけの男などと揶揄されているのだろうに。
「……闇カイのところに行け。多分、そこにいるだろう」
スマンな、闇カイ。多分今日のお前は、厄日だ。
「サンキュ! 恩に着るぜ!」
「と、待て。さっきお前のところに客が来てたぞ。「シッショーと言ってくれ」とか何とか」
「そいつにゃ『トゥレイの日はまだ先だ』って伝えといてくれ! じゃあな!」
別れを告げるや否や、トゥレイ! と言って転移する……扉を開けっぱなしのままで。
…………。
「貴方、一体何をやっているの? 部屋が丸見えよ。……寒くないの?」
「確かに現在俺の部屋の扉は開けっ放しだが、誰も覗いて欲しいとは思ってないぞ、白レン」
「な、なら早く閉めなさいよね///  風邪を引いても知らないんだからっ///」
言われなくても、と答えながら扉を引く。……バタン。


はぁ……疲れた。NON団も楽ではない。


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2007年12月15日(土) 14:43:35 Modified by nariita




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