……ふぅ
無事、二回戦も事なきを得た。残すところは準決、決勝だ


｢おっかえりー！お昼でしょ！？さぁさぁ！食べて食べて！｣
…そしてコイツ
目の前に広げられたのは花見か何かを思わせるような豪華絢爛な昼食
｢……２人分か？｣
｢違うよ！そんなわけないじゃん｣
そうだよな…つまり、部全員に作ってきたというわけか
……午前の事を反省、そして感謝だ
｢あー、気持ちは嬉しいんだけどな、みんな弁当とか持ってきてるかもしれないぞ？｣
｢？？え、うん｣
｢だから食えない…かもなんだが｣
｢？いいよー別に、お弁当持ってきてるんでしょ？｣
｢別にって……みんなに食べてもらうんだよな？｣
｢違うよ？うふふ〜♪あなた１人分に決まってるじゃん〜♪私の分はこっちー｣


…………


｢いやー、悪い悪い！まさか部員がみんなして昼を忘れるなんてなーあっはっは！｣
｢いや、むしろかなり助かってる、わりとマジで｣
｢んー？よく分からんけどみんなで囲むメシってのはいいもんだな！｣
｢ぶーぶー……どうしてさー……｣
｢ふてくされるな、あんなに食えるか！｣
ﾊﾟｼｯ
｢あいたっ！…何よー……せっかく二人でって…｣
……ならば次は人間的目測の２人分にしろ


｢ふー…準決は…とあと十分か…｣
大丈夫かな腹
｢頑張ってね！私の手作りランチを食べておいて負けるのは無しだよ！｣
コイツは相変わらずだし
｢またわけのわからんことを……｣
｢わかってよ！私も頑張ったんだからあなたも頑張ってって事！｣
｢…はいはい、まったくガキの時からずっとだよなー、お前の性格も｣
不意に会話が途切れた
｢…おい？ぼーってするとこじゃ…｣
｢……あのね…私さ……｣
｢？ああ、どうした？｣



まもなく、準決勝を開始します。出場なさる方は……


｢あ、わりぃまた後でな！｣
｢え、あ……が、頑張ってねー！！｣
…何回同じこと言うんだろ……



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