孤島事件簿事件編5

午後8時 第7棟


犯人はこの中にいる…… その一言で空気が凍りついた。

信じられない。 信じたくないためか、やはり一部の者以外は食い下がる。
「この中にって… おいおい冗談だろ…? 何を根拠にそんな…」
「そうですよー。 昨日から丸一日以上、何も無かったのに今頃になってなんでそんなことを…」

「動機も犯人も俺にはさっぱりだ。 だが、この島には俺とお前ら以外にいるはずがない…
 何故ならこの島の位置を知っている者は俺ら以外にはいないからな。
 仮に偶然知っている者がいたとしてもこの3泊4日という短い期間にたまたま巡り合ったというのは考えられん。」

「そういわれると…私たちだって島の詳しい場所まで教えられてたわけじゃないしねぇ…」

「そういうことだな。 俺とて信じたくは無いが今は言わば緊急事態だ。 情は捨ててモノを見るべきだろう」

「……」


もはや沈黙するしかない一同。





その時、沈黙を破ってメイドが駆け込んできた。

「主っ…! 船、船が……!」
「どうした? 落ち着け、船がどうした?」

「船が…ありません……」



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2007年12月13日(木) 14:15:36 Modified by ID:EQGqrbo60g




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