孤島事件簿序章6

1日目 午後4時  ビーチ


さっそく水着に着替えてスタンバっていた姫菜は遠くから2人の人影が近づいてくるのを見た。
ちなみにその傍らの水銀燈は呆れつつもまんざらでもないような表情。

「やっほ〜! レナちゃん、アシュトンくん、遅いよ!」
「あはは、ごめんねっ! 準備に少し時間かかっちゃって…」

無難な水着に白のTシャツ姿のレナに対し、派手な水着の姫菜。
対極のような2人だが、どちらも良く似合っている。
なりゆきで男1人紛れ込んでしまったアシュトンが見とれていたのも無理は無いだろう

「ちょっとアシュト〜ン? 生きてる?」
「………ハッ!? ああ、うん…ははは…」



「は〜い、お待たせしました!」
ブリジットは水着ではなくショートデニムにTシャツで、ビーチボールを小脇に抱えていた
ついでに言っておくと、アシュトンの視線は今度はブリジットに向いていた

「あれ? ブリくんは水着じゃないね。 泳がないのかい?」
「う〜ん、そうですね〜、やっぱりイメージって大切じゃないですか。 ほらキャラ的な」
「あ、そういえばそうか…」
「どうかしたの、アシュトン?」
「え? いや、何でも…」

「ウチは浜辺で眺めてますんでどうぞ心置きなく泳いでてくださいね」

「にゃはは、そんじゃさ、ブリくんには悪いけどさっそく泳ごうじゃないか♪」



快晴の空の下、いかにも夏らしい風景がそこにあった。



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2007年12月12日(水) 00:46:20 Modified by ID:IrOa8HEmTQ




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