孤島事件簿序章12

午後8時10分 館2階の202号室


Nは既に真っ赤に顔を染めている少女を何とか運び込んだ。
とりあえずベッドに座らせ窓を開ける。 夜空には既に無数の星々が散りばめられていた。


「…大丈夫か?」
「……………(こくこく)」
「……………(ほわ〜)」



「…大丈夫ではなさそうだな」


「やれやれ… しばらくベッドで横になってろ。 今日は風が涼しいからな、夜風にでも当たって酔いをさますといい」
「……………(むすー)」
「その状態では仕方が無かろう。 もとはといえば姫菜に原因があるのだが…
 なに、まだ1日目だ。 今日はゆっくり休んで明日からまた遊べばいい」

Nの言うことは理解できる。 でもちょっとだけ反抗してみたいような、少女はそんな複雑な表情をつくる。


「わかってくれるな?」
「……………(こくん)」


「さて、悪いが俺は戻るぞ。 あいつらを野放しにしておくと気が気でないからな…」

お大事に、とそう付け加えてNは部屋をあとにした。


「……………(じー)」







「……………(ZZZ)」



次のページ
2007年12月12日(水) 00:58:20 Modified by ID:IrOa8HEmTQ




スマートフォン版で見る