孤島事件簿序章17


2日目 午前6時30分  館二階の201号室


既に夜が明けてかなりの時間が経ち、気温も嫌になるほど上昇していた。
夏の朝特有の気だるい空気である。

そんな気だるい空気もお構い無しに元気そうにしているのはやはり蝉たちだけである。
と、思ったら、ここにも案外元気な少女がいた。


「……………(くいくい)」
「…ZZZ」

「……………(つんつん)」
「…ZZZZ」




「……………(じー)」



「……………(ぎゅっ)」
「痛っ……何だお前か……なにもつねらんでも…」

「……………(ぐいぐい)」
「む…まだ6時半ではないか。 悪いが疲れが溜まっていてな…もう少し寝かせてくれ
 そうだ、食堂に行ってメイドの手伝いでもしてやってくれ。 あいつが起きてたらの話だが…」

「……………(むー)」
「…俺もしばらくしたら行く。 たぶん。 まあ退屈だろうが勘弁してくれ… というわけで俺は再び寝る……」



「……………(じー)」
「…ZZZ」





「……………(てくてくてく)」



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2007年12月12日(水) 01:08:21 Modified by ID:IrOa8HEmTQ




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