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第三十二景 無明逆流れ (むみょうさかながれ)

あらすじ

岩本家に到着した源之助、小刀に添えられた右手は屋内戦への備え、血の臭いのする方向へ急いだ。公用の間につくと死体が散乱する中、三重が一人座っている。この光景に出くわしても源之助の鼓動は乱れなかった。血まみれの三重の脈を諮り外傷のないことを確認すると、縁側に伏した虎眼を発見。先生と駆けつけるがすでにとき遅し、三重はこの惨事の中お帰りなさいませと声を掛けた。気道に詰まった血泡を吸い出そうとする源之助だが、その時駆けつけた役人大沼官兵衛の目には、遊女の如く真紅の着物で血塊の中に座する娘と、屍の血をすする若党と見えた。

岩本家は閉門となった。目撃者として、虎眼の乱心と清玄の正当防衛を役人に証言した金岡は、こののち江戸に大道場を開いたが、その資金の出所は定かではない。

同月駿府城、清玄は忠長の前に座っていた。掛川の虎を仕留めた清玄の技が見たいと忠長がいうと、縄で縛られている藩士とその妻が連れられてきた。駿河藩士卯月修三郎は、新婚十九日目の妻小夏が藩主忠長に夜伽を命じられたことを不服とし、藩外への逐電を試みたが捕縛されていた。斬れ、忠長がそうつぶやくと卯月の縄が解かれ大小が与えられた。三枝に目の前の侍と立ち会い勝てば子夏にお咎めは無いといわれ、清玄も立ち合いますると返答し、あの構えをする清玄。盲目の侍にも自分同様の理不尽な事情があるに相違ないと卯月は察した。それはどう見ても先頭をする姿勢には見えない。心の中で妻のため許せといいかけた瞬間、卯月はすでに斬られていた。そのまま小夏も殺害。白砂の庭に赤い花が咲いた時、忠長の鼻腔が開いた。

忠長が目を輝かせて聞いた。 「何流か」

「無明逆流れ」
舞台
岩本虎眼屋敷?駿府城?江戸?
道具
日本刀?提灯?着物??
主要単語
無明逆流れ、小刀、縁側、虎子、役人、遊女、閉門、濃尾道場、当道者、藩士、夜伽、逐電、閨房、大小
詳細

掲載ページコマ文字
チャンピオンRED 2006年5月号
単行本7巻
32ページ97コマ文字

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最終15巻

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