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第十六景 牙 (きば)

あらすじ

寛永五年駿府城、この日藩主忠長の閨房に奉仕することを命じられたのは、下級藩士津田弥一郎の娘さと。身体を取り調べられ、髪を解き着替える。さとにとって徳川家という身分は、あまりに恐れ多く恐怖ですらある。忠長が入室すると、さとは畳に頭をこすりすぎてふるえた。頭を踏みつけられ首を絞められたとき、さとの脳裏に今日までの思い出がめくるめいた。忠長の暴虐を止められるものはこの城には一名も存在しない。

同年遠州掛川 忠長が遠州の統治者となると、仕官を求めて多くの牢人者が掛川宿に集まった。中でも六月にやってきた八人連れは、人目無くば斬り剥ぎも日常茶飯事という不逞の輩である。町でいざこざを起こしても役人は動かぬ、そう自惚れていた。飯所では仕官について話し合い、腕の証を立てるために有名な虎眼流をいかれ剣法と嘲笑していた。そのとき外で聞いていた虎眼流中目録、近藤涼之介が怒鳴り込んで来た。浪人の一人が笑いながら近づいた所、小刀による流れ一閃。その刹那、残りの浪人が涼之介を取り囲み、ただひとり丹波蝙也斎が笑顔だった。

伊良子清玄仕置きから三年が経過している。
岩本道場の内弟子の部屋では、涼之介が牛股たちを前に果し合いの契りをしてしまったことを謝っている。平謝りの涼之介を牛股が止め、でかしたと褒めた。笑うという行為は本来攻撃的なものであり、獣が牙をむく行為が原点である。
舞台
駿府城?、遠州掛川、御食事処なす屋?虎眼流指南岩本道場?
道具
鉄扇?小刀?へし切長谷部?斬馬刀?飛苦内?分胴鎖?
主要単語
藩史、暗君、外様、閨房、寝所、思召、奥御殿、侍女、走馬燈、驕児、御前試合、牢人者、不逞の輩、侠客、
無礼討ち、京、麒麟児、流れ、中目録、水月、神夢想林崎流、私闘、陣馬峠、笑う
詳細

掲載ページコマ文字
チャンピオンRED 2004年12月号
単行本4巻
36ページ136コマ文字

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最終15巻

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