第二十二景 二輪 << 物語 >> 第二十四景 戯れ
遠州掛川、源之助らは賎機検校の屋敷に招待された。しかし、賎機検校こそは伊良子清玄と結託し、五名もの同門の士を死に至らしめた黒幕と見て間違いない。検校に遣わされた乗物に揺られる虎眼は、この事実を何処まで把握しているのだろうか。当道座の最高位者賎機検校。かつては徳川家康に招かれて琵琶を演奏し、過分の栄誉を賜る間柄であり、現在はその鍼術を持って、あの徳川忠長の侍医を務める。そのびわの前で虎眼が検校を待っていた。検校が到着し、伏せていた面を上げると、そこには門人たちの前では決して見せぬ表情で挨拶をした。己をいたわり、はやく跡目を選んで殿を安堵させてやらねばと検校が告げた。更に虎眼流は掛川の宝というと、虎眼は再びあのへつらいの笑み。京呼んだのは一流の剣客たる虎の目を借りたきがゆと話を続け、夕雲と名乗るまつげすらない小姓が箱を持ってやってきた。夕雲の太刀を鑑定して欲しいと検校がいい、虎眼が見たがはがね・鍛え・焼きすべてにおいて問題外。「斬れませぬ、飾りかと」と結果を告げた。その結果を聞いた検校は高弟の一人、源之助に夕雲の稽古をつけてもらえないかといった。
屋敷の中庭に移り準備をする源之助ら。牛股が調べた細工の無い木剣を受け取ろうとした時、虎眼が先に受け取った。虎眼は戯れなれば自分がと検校にいい、心配する高弟たちに下がれといい構えた。夕雲は腕を内側にねじると口と同線上に、左手は掌を地面に向けて頤の下に。以西把儞亜剣術独自の構え。源之助と牛股は虎眼と同じようにあの剣は問題外と考えていたその時、剣がうねり虎眼を突いた。
ほぼ同時に奥の襖が空き、男と女が出てきた。清玄といくである。
屋敷の中庭に移り準備をする源之助ら。牛股が調べた細工の無い木剣を受け取ろうとした時、虎眼が先に受け取った。虎眼は戯れなれば自分がと検校にいい、心配する高弟たちに下がれといい構えた。夕雲は腕を内側にねじると口と同線上に、左手は掌を地面に向けて頤の下に。以西把儞亜剣術独自の構え。源之助と牛股は虎眼と同じようにあの剣は問題外と考えていたその時、剣がうねり虎眼を突いた。
ほぼ同時に奥の襖が空き、男と女が出てきた。清玄といくである。