夜。月が空に昇りきる頃に、鈴の音が鳴る。
ちりりんちりりんと風鈴のように、か細いながらよく通る音が鳴る。

「ひあっ、あっ、あっ、ぁあ!」

澄んだ鈴の音に、時折くぐもった水音が混ざる。かすれた嬌声が重なる。
広々とした和室の、ほんの一角を薄明かりが照らしている。

「……鈴音さん、いま、どうなってるか、言ってごらん」
「ひぅっ……、こ、こすれて、奥まで……ひゃあぅ!」

音の主たちは、ぼんやりした光を切り取る影だった。
男が女を後ろから組み敷いていた。四つん這いになった女の長い髪が、扇のように広がって見える。
硬質な青白い色味の敷布団と、何もかも溶かし込んでいきそうな乳色の蠢きの上を、黒い流れが裂くように見える。
男が剛直を突き入れると、女の背が波打って、長い髪が揺れる。黒い流れの上の方、鈴をあしらった鼈甲の平内簪が音を立てる。
ちりりん、ちりりんと涼やかな音を立てる。その響きが、中空を曇らせそうな熱い吐息と、一瞬だけ絡まる。

「やり直し。次は、どんな感じかな、教えて」

男は抽送の角度を変える。女は布団に突いていた肘を震わせ、シーツの皺を増やす。
鈴の音の拍子が変わる。男は浮き上がりかけた女の腰を支えながら、水音を立てる源に手を差し伸べる。

「ひんっ、はぁうっ、んんんーーっ!」
「声、我慢してるのか。いいけど。しても、しなくても、可愛いから」

男は手馴れた様子で、律動に揺られる女の秘所をまさぐる。貫いたまま剛直の動きを止め、そろそろと忍ぶように指が行き来する。
手触りだけで女の肉芽を探り当てると、既に秘所から腿まで垂れた愛液を拭っては肉芽に塗りつける。
敏感な部分に、何度も愛液を塗り重ねられる。包皮越しのぬるついた刺激が、こそばゆい感覚を沁み出させていく。

「鈴音さんは、ここを、いじられる方が好きかな。軽くやっただけなのに、締め付けがすごくきつくなった」

女の身体がびくつくと、男の剛直に貫かれたままの肉壷も反応する。さらなる刺激をせがんで、肉壷は剛直に絡みつく。
それが自分のものであると主張するように、深く咥え込んで離さない。
男は包皮の上から、肉芽を捏ねはじめる。肉芽の形がぐにぐにと変えられ、身体の奥が引き攣られる快楽を送り込む。


「そ、それは、あなたが、いつもそうやって……」
「俺のせいかな。鈴音さんは、自分でいじったことない?」

男は女の肉芽の包皮を剥いて、指の腹で軽く挟んで擦り出す。
ふくらみだした肉芽は、男の指によって捻られ、押し潰され、引っ張られ、その度に女は身を捩らせた。
不規則になった鈴の響きが、押し殺された嬌声の代わりに、女が翻弄されている劣情を物語る。

「本当に、自分では触ったこと無い?」
「は、あぁぁんっ、やぁあっ、だ、駄目っ、ですっ、私、私はまだっ」

女の懇願を無視して、男は肉芽を責め続ける。上から撫でつける。根本から二本の指で抓んで扱く。
愛撫から逃れようとする腰を、男はもう一本の腕で抑え付ける。そのはずみで肉壷が剛直に抉られ、悲鳴じみた声が漏れ出す。

「やめっ、やめてください……! あぁぁっ、だめ、いやです、そんな、まだっ」

長い髪を激しく振り乱して、女はいやいやと首を揺らした。
またちりんちりんと鈴の響きがする。男は責めを緩めない。女の腰に密着して、剛直を横にスライドさせる。
小さな円を描くようにかき回す。肉壷と肉芽から流れ込んでくる感覚に、女は意識を飲み込まれていく。
女は最早顔から敷布団に突っ伏していた。両腕が身体を支えられていない。
男に抱えられた腰だけが、高く突き上げられてがくがく震えている。女の羞恥心を煽るには十分な体勢だった。

「いやぁっ! ゆ、ゆるしてっ……まだ、まだいきたくっ、あああぁああっ!」

男に言葉を向けようとして、突っ伏した敷布団から顔を上げたとき、女の身体が痙攣する。
乳白色の背中。艶のある鴉色の髪。男にしっかりと掴まれた尻たぶ。まだ少女らしさが抜けていない華奢な脚。
シーツに食い込んだ指。外からは見えない女の秘所。器を溢れ出した悦楽が血を通して、身体の制御を女の脳裏から奪っていく。
あるかないかの切れ切れの女の声が、乱れた呼吸と綯い交ぜになって口唇から零れる。ちりんちりんと鈴が鳴る。
女がのたうつ様を、男は無言で見下ろしていた。

「ひ……どい、です……私は……あなたといっしょに……」
「いっしょに?」
「……やっぱり、あなたはひどいです」
「だって、鈴音さんが嘘つくんだもの。嘘のひとつくらいついてもいいけど、いじわるしたくなっ

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