[109]さばかん つかいまなのなのは1<sage> 2006/11/21(火) 00:04:31 ID:ZC3ua4dA
[110]さばかん つかいまなのなのは2<sage> 2006/11/21(火) 00:05:58 ID:ZC3ua4dA
[111]さばかん つかいまなのなのは3<sage> 2006/11/21(火) 00:07:15 ID:ZC3ua4dA
[112]さばかん つかいまなのなのは4<sage> 2006/11/21(火) 00:08:32 ID:97Yhx6fk
[113]さばかん つかいまなのなのは5<sage> 2006/11/21(火) 00:09:19 ID:ZC3ua4dA

 前回までのあらすじ。
 僕の名前はユーノ。ある日養子になる。
 そこの主人グレアムさんが突然の自殺。
 あらすじ、以上。
 
 人が欠けると言う重みを、人は小さな所で知る。
 家事、その作業は僕が思った想像以上に厳しいもので、
毎日なんてとてもやってられないものだった。
 それを一人でこなしていたグレアムに感心したかったが、
僕の愛しい人フェイトとアリシアを殺した罪がそれを邪魔する。
 僕らは相談した結果家事当番を交代してやっていくことになった。
 僥倖にも僕は料理ならそこそこできた。チャーハン位しかつくれないけど。
 彼の死は易々と埋まる。人のレゾンデトールってなんだ?

 それからの日々、僕の苦痛が強くなる。
 フェイトはクロノにべたべたしっぱなしで、僕には時々しか、喋ってくれない。
 今更実感したが、彼女は人間ではなく、都合のいい道具。
 道具は所有者のもので、所有者は占有する当然の権利があり、排他的に
使用。
 所有者でない僕には触らせてもくれないのか?クロノ!!
 
 そんな怒りがね、毎日緩慢に続いちゃったから、あいつ、
           殺しちゃった☆

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 凶器は椅子だったが、厳密に言うならほっぺにちゅ〜☆がそれだ。
 離れの図書館で寝たいたクロノはフェイトにほっぺにちゅ〜されて
 それからトイレに向かった。それだけ、本当に、それだけ。
 激しいセックスの現場を見た訳でもないし、愛の言葉を聞いた訳でもない。
 それは別に愛してなくてもできる。
 でも、道具で、一方的に使われる彼女は、愛なんて芽生える筈が無い。
 
 そう思っていたのに、あの、歩くように自然な口付けはなんだったんだろう?
 
 それを考えてすぐだった。

 憎悪、憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪。
 僕の世界にべっとりと蔓延、時に進退、時に停滞、時に加速。
 喉が渇く、でも、そこは飽食、これ以上満たせない筈なのに餓えてうえて。
 足りている、表面張力まで上昇、流れる川を眺める、平静。
 そこに流れた船。
 それが、僕だったらと思った、思ったおもった。
 べっとり。
 静寂だけの空間に染み入る赤。どんどん広がり、鉄の臭いが彼を殺したのだと
 実感させる。
 僕が殺したんだよね?
 何を今更。
「はは・・・ははははははははは!!!!!!!!!!!!!
 ざまぁみろーざまぁみろーこのくずくず!!
 僕の欲しい『もの』を奪いやがって、報いだ!むくいむくいむくいー!!!
はははははははは、は」
 何故だ。言い足りないはずが、もう終わってしまう。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 まるで射精みたい。汚らしいものを撒き散らしてすっきり。
 でも、何故、つたう涙が、止まらないのか。
 フェイトが来るまでに、僕は涙を止めようと努力した。

「え・・・クロノ、クロノ・・・なんだよ、ね?」
「うん、そうだよ」
 僕はその場に相応しくない笑顔をフェイトに向ける。
「うわああああああああああああああああああああああん!!!!!!!!!!」
 泣きじゃくるフェイトの二の腕を掴んで僕は言う。
「フェイト、僕とセックスをしよう」
「え・・・?」
 泣きじゃくったフェイトは余りの唐突さに、僕の方を向く。
「せ、セックスって・・・」
 その顔に超至近距離で近付き言った。
「君の主は死に、魔力の供給が止まった。と言う事はだ、
君はもうじき、消える」
「え・・・・・・え?」
 後退するフェイトは困惑した顔を暫くしたが、確かな
意思で答える。
「私は、クロノが死んだら、死ぬって約束しただから・・・」
「黙れ!!!!!!!!!!!!!!」
 腕を掴み、クロノに触れさせる。
「つ、冷た・・・」
 フェイトは人ならざる冷たさに恐怖し手を引っ込める。
 だが、手についた血はべっとりと、触った証を赤々と残す。
「ひっ・・・!」
「君は、こんな風になりたいのか!?ただの肉の塊で、血を撒き散らす、
それだけ、それだけなんだぞ!人の形もしていない、ただの冷たい、肉。
何も痛まない、何も感じない、何も無い!
想像できるか?何も無いんだぞ。この世にそんな世界があるか?
 無いね!あらゆる場所には何かが必ずある。
死ぬって言うのは、君が思っている程安楽的では無い。
確かに、命を賭すると言うのは魅惑の果実。
だが、一度きりの味に全てを賭するのは愚の骨頂!!!!」
 フェイトは停止したように僕に耳を傾け、その言葉が少しまた
少しと浸透して震える。
 そして、クロノを見て。フェイトは何かを思い出す。
 それは恐らく、自分が言った余りにも軽過ぎた台詞。

「心配しなくても、クロノが死んだら私も死んであげる!!」

 決壊した思いが、涙に変わる頃、彼女は僕の使い魔になった。
「ア・・・あ、あ、あ、ああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああ
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
や、ややややややーーーーーーーーーーーー
やだ、なんで、な、んで、私、死にたくない。死にたくない。
こ、こんな風になりた、く、ない!美味しい御飯が食べたい。もっと
楽しいことがしたい。いっぱい漫画を読みたい。テレビも見たい。
何も無いなんて、やだよぅ・・・!」
「だったら、僕の使い魔になって、僕とセックスをするんだ」
 これは取引なんて平等さでは無い、ただの強迫。
「え・・・」
「この場で、だ」
 椅子に座り足を広げ、パンツごとズボンを下ろす。
 既にいきり立った自身をピクンと動かし、フェイトを驚かす。
「あ・・・」
 思わず目をそらすフェイト。
「嘗めて」
 近くによるフェイトはおそるおそる僕の竿に触れ、
その裏っかわを初めは触れるように、しだいに大胆に
舌で擦る。
「うっ」
 初めての感触に思わず声が漏れる。
 刺激が強く、気持ち良いというよりは痛みに近い
掻痒感がする。
 だが、それより強い刺激を求めずには要られなかった。
「フェイト!」
「うわっ!!」
 びりっと音をたててフェイトの服を破き、フェイトを裸にする。
 夢で何度も見た裸だっただけにその感動もひとしお。
 見るだけでは我慢できず、フェイトの秘所に指を滑らす。
「ぐっ、思ったより、狭い」
 くちゃくちゃと出し入れした指は段々と濡れ、魅惑の蜜に包まれる。
「ん・・・あっ!」
 その感触を指で味わい、もう、我慢の限界だった。
「フェイト、いれるよ」
 フェイトの秘所に亀頭を擦らせじらす。
「無理・・・だって、こんなの、はいるはずが、」
「何度もクロノに抱かれたくせに、何を今更!!」
 ぶち抜く。ような強さでフェイトの中に進む。
「ぐっあっ・・・いた、いたいっ・・・!!」
 そんな言葉を無視して、所謂(いわゆる)ビストン運動をする。
 しかし、クロノが慣らしていたものだからもっと緩いと思っていたのだが・・・狭い。
 それでも構わず腰を振る。
「いたい、いたいよぅ・・・クロノ、クロノー!」
「うるさいっ!!!!」
 ドン。
 フェイトの髪を乱暴に掴み、床に頭を叩きつける。
「五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い
五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い!!!!」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン。
 それきりフェイトは黙ってしまう。
「はっはっはっはっはっはっ。くっ!」
 それからもう暫く、暫くかは自分では分からないが、使い魔の儀式と言う名の
強姦をユーノは只管(ひたすら)楽しんだ。

 蜜月はただのエゴ。
 フェイトを飼いならす日々がはじまった。
「んっ、ちゅっくっ・・・」
「はっ、ん・・・」
 これは朝食。フェイトは僕の口移しで大好きな玉子焼きをごくりと飲み込む。
 これはルールだ。
 あらゆる飲み食いは僕の口移しでないと無理。
 最初の頃はあまり守らなかったが、折檻を加えるとあら不思議。
 今では従順。叩けば直るなんてまるでテレビみたいだとフェイトに嘲笑した
事もある。
 その2
 常に首輪を付ける。
 勿論鎖付。着替える時も風呂に入る時もトイレの時も・・・僕達はずっと、一緒。
 その3、これが最も重要。
 毎日セックス。
 これが想像以上に辛かった。作業と化した性行為は、快楽よりは疲れの方を
強く感じるのだ。
 それでもする。それは、性欲なのでは無く、ただの、独占欲だった。
 こんなにも僕はフェイトを愛していた。なのに、何で君はあの忌わしい名ばかり言う。
「クロノ、クロノーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
 ガン。
 壁に何度も打ち付けて黙らせる。

 それが毎日だ。僕の目的は、次第にクロノを忘れさせる事に集中していった。

 だが、僕は使い魔については何にも習っていない。書物も、秘密保持目的で
残っていない。
 だから、手段はおのずと一つになる。
 記憶を、壊しちゃえ。

 様々な暴力と性行為。それを混ぜても、中々彼女はクロノを忘れてくれない。
 だが、効果は確実にフェイトに現れていた。
 これは決定打の話。

 ザアアアアアアアァ。冷たい雨の中。僕は縁側に座り、その光景を眺めている。
「う・・・・・・・・・・・・ううっ」
 フェイトは今、裸で木に縛られ、何時間も雨に打たれていた。
 夏だったから余裕だと思っていたフェイトだが、雨は体温を確実に奪い取り、
 体は極寒となっていた。
 感覚は敏感となり、木のざらついた感触が刺すように痛い。
 傘をさしたユーノがフェイトに向かってくる。
 解放してくれるのかと思ったフェイトだったが、予想外の言葉に困惑する事となる。
「フェイト、暖まりたいかい?」
「うん!!うん!!」
 もう必死だった。極寒の大地に太陽が輝いて手が届くのなら、死ぬと分かっていても
飛び込むだろう。
 結果として、命の次の次位に大切なものを失った。
 ボウと燃える大きな炎にフェイトは一瞬だけその暖かさに喜んだ。
 だが、そこまで大きな炎だ一体何を燃やして。
「あっ・・・ああ!!!」
 それは、クロノのお気に入りの場所、離れの図書館だった。
「はは、ははははははははははは!!!!!!!!」
「ああああああああああああああああ!!!くっクロノクロノがー!!!!」
 燃える、大切な思い出が、大切な、場所が、燃える。
 心の支えだった。
 ユーノの度重なる様々な暴力に、耐えられたのは死んだクロノの場所がたしかに残って
いたからだ。
 だが、その支えはぼきりと折れて、無形と化す。
 その衝撃が大きかったのか、フェイトは意識を失った。
 
 フェイトは思い出す。まだ私が二人だった頃を。
 母さんは仕事の事情から離婚し、そして、
 離婚してから、私達がお腹にいる事が分かったらしい。
 しかも双子。母さんは仕事のストレスと子育てのストレスから
 私達を虐待する。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何それ?
  
 なんて救いの無い、暴力の包む世界。
 こんな世界、いらない。
 
 ぷつり。

 彼女の何かが、そこで途切れた。
つづく

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目次:つかいまなのなのは
著者:さばかん

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