[278]さばかん つかいまなのなのは1<sage> 2006/10/12(木) 22:59:18 ID:79U/JT+m
[279]さばかん つかいまなのなのは2<sage> 2006/10/12(木) 23:00:44 ID:79U/JT+m
[280]さばかん つかいまなのなのは3<sage> 2006/10/12(木) 23:01:51 ID:79U/JT+m
[281]さばかん つかいまなのなのは4<sage> 2006/10/12(木) 23:03:23 ID:79U/JT+m
[282]さばかん つかいまなのなのは5<sage> 2006/10/12(木) 23:04:51 ID:79U/JT+m

 まいねーむいずなのはたかまち(私の名前は高町なのはだよっ!)
 現在は魔法少女あんど使い魔やってます。
 好きな言葉は、

 正義無き力は無能なり、されど、力無き正義もまた無能なり・・・ BY 大山倍達

 私は魔法少女となり、この二つの「無能」を叩き潰す事を目標としています。
 今日もさっそくお仕事お仕事・・・☆

 鳥居を挟む影が二つ。運命を凝視するかのようにその影はじっと佇む。
 一つは犬の化け物・・・と言うべきだろうか。双眸はギラギラと殺気立ち、今にももう一つの影を
喰らいそうだった。
 
 弱者が、命乞いか?
 
 なのははふっと華で笑い、軽く構えた。
 その態度に腹が立ったのか、大犬は見えない程のスピードでなのはの周りを走る。
 それが、ニンジャの分身の術のようにどこにいるか分かりにくくする。
 だが、それを分身の術などと言っては歴代の忍者に申し訳無い。
 単に、見えにくいだけだ!
 だが、それでも捉えられない。大犬の化け物はその行動範囲を更に広げ、
 そのパターンは読めない。その証拠になのはのバリアジャケットには爪跡が何閃にも
 刻まれている。・・・これではきりが無い。
 なのはは何を思ったか、構えを解き、ただ一言。

 さあ来い!お前を地獄と言う名の弱者の檻に叩き込んでやる!!!

 大犬は再びなのはに襲い掛かる。
 がぶりと、なのはは右腕を咬まれた。
 だが、大犬の様子がおかしい。その、木の幹のように細い腕を今だに千切れていない。
 必至なって咬むかむかむかむ!!咬めないと判断した大犬は離れようとするものの抜けない!
 そして、この犬はまだ気付いていない。自分の後ろにある、ギロチンを。
 勿論、腕を咬ませたのはわざとだ。その証拠に利き手でない右腕を咬ませている。
 両腕にありったけの魔力を通した腕は牙を絡め、離そうとしない。
 まるで何処かの暗殺拳の技みたいだ。凶器にわざと刺され、凶器を奪う。
 その発見を、なのははひらめきだけで発見してしまう。
 狼狽する大犬の首をなのはの手刀が綺麗に切断する。
 ドブリ。白のバリアジャケットが赤く染まる。
 ホースみたいに血を撒き散らす機能以外有しなくなった首と体は徐にバランスを崩し、ドタンと倒れた。
 その光景を見た者は言わずにはいられないだろう。
  
 悪魔と。
 
はははははは!!!!!!この世界を拳一つでかえてやる!
 平和を愛を幸福を!!この拳で、取り戻すのだ。
 私には敵はいない!さぁ、ついて来い!!未来永劫、私の時代だ!!!!!!!
 あははははははははははははは!!!!!
 あーっはははははははは、
「すな」
 ぽこっ。はやてちゃんの頭を小突く。
「いたたたたたた・・・なのはちゃんいたい〜〜」
「人の評判を下げるようなナレーターしないでよ、はやてちゃん」
「だって、なのはちゃん魔法の上達早いし。私がする事と言ったら、熱く燃え滾るナレータとして
 なのはちゃんの傍にいる事しかできないし・・・」
 舌をぺろっと出して謝罪。調子いいなぁ・・・
 はやてちゃんは肉塊の中からジュエルシードを探し出し封印を施す。
「なのはちゃんご苦労さん。全身血だらけやし、どや、私の家で風呂でも」
 バリアジャケットを解き、咬まれた腕に治療魔法を施しながら、はやてちゃんは有り難い事を言う。
「うん、そうするよ」

 じゃあああああああああああああああああああ。シャワーの音が安心感を高める。
 はやてちゃんが私を使い魔にしてからそこそこの日数が経過している。
 事情はあんまり話してくれないけど、はやてちゃんは私を殺すと言うリスクを背負ってでも、成し遂げたい
事があるんだ。だったら、私にも少しは強力できる事があるはずだ。
 ・・・実は、あんまり納得してないけど。
 血の独特の臭いが中々消えない・・・さっき私はあんなものをどばっとぶっかけられてしまったのだ。
 私に報われる日は、来るのだろうか。
「続く・・・」
「何が続くんや?」
「いや、何となく物語風にしてみれば面白いかなぁ・・・って、え?」
 私はガチゴチになった体を横に向ける。
 そこには風呂につかるはやてちゃんがいた。
「はろー(はぁと)」
「は・・・はぁとじゃな〜〜〜〜い!!!なんではやてちゃんがここにいるの!!」
「いやぁ、そろそろ体が疼くんじゃないかなぁって」
「でてけ」
「い〜〜〜や」
 なんて横暴な。でもよく考えたら別に女の子同士だから悪く無いのかも知れない。
「だってなのはちゃん、あの日、私に快楽をたっぷり教えてくれて、」
「やっぱでてけ」
 暫くこんな感じの事が続いて。結局観念したのは私だった。
 風呂につかり、はやてちゃんとの暫しの会話。
「明日のプール。楽しみやねー」
「うん!あそこのプールは広いし、楽しいし、それにウォータースライダーが凄いの」
「おお〜私は言った事が無いからなぁ。なのはちゃん、ちゃんとエスコートしてや」
「はいはい」
「明日は友達みんなで遊んで、疲れた体をリフレッシュしてな!」
 明日は土曜日。この度新たに建てられた温水プールに私とアリサちゃんとすずかちゃんと
で一緒に行った話を聞いたはやてちゃんが行きたい行きたいと強く希望。
 だったら、今度また一緒に行かないかと言う話になったのだ。
 私、アリサちゃんすずかちゃんはやてちゃん(あいうえお順)この4人で温水プールへ
レッツゴーするのだ。
「水着に興奮して浮気してら嫌いやで、なのはちゃん」
「ははは・・・」
 笑うしかない。
 この青空に感謝。
 温水プール施設前に集合した4人は笑顔で更衣室に入っていく。
「んじゃあ先に行ってるわよー!行こうか、すずか」
「うん」
 先に着替えた二人のスタイルの良さに驚きつつ、二人は着替えるスピードを高めた。
「なのはちゃん、こう言う所は盗撮の楽園や。ちゃんと警戒せな」
 はやてちゃんは瞳をキラっと光らせて言う。
「大丈夫大丈夫。警備員さんもいるし、男の人は入って来れないよ」
「盗撮をするのは何もエッチなおじさんばっかりやないよ」
「ん、そうなの?」
「そや、お金欲しさでやる女の人もいるからちゃんと注意せんとあかんよ。ロッカーの上に置いてある
ポーチには要注意や」
「へー。はやてちゃん物知りだね」
 ワンピースを着終え、私はプール広場に向かう。
 歩きながら振り返り、はやてちゃんに声をかける。
 が、その声が思わず止まってしまった。
 はやてちゃんのロッカーの上にあるポーチ。
 見なかったことしよう。

「二人とも遅い!」
「「ごめんごめん」」
「それじゃいこか!」
 4人で最初は手堅く広いだけのプールで浮かんだりして遊ぶ。
 泳いだり、風呂みたいに浸かってみたり。死体のふりをしてみたり。
 とにかく色々した。暫く遊んだ私達は別のプールへと向かう。
 ここのプールは色々とある。中には温泉もあり、老若男女に人気だ。
 温泉の例として
 泡風呂。露天風呂。塩風呂。砂風呂。
 タイヤ風呂
 って、最後のはたんなる不法投棄じゃねぇか。
 なんてボケが何人に通用するだろうか。
 その温泉はプールとして遊んでもOKなので、落ち着いて入るのには不向きっぽい。
 その途中、なんか舞台を発見した。
「すずか、あんなの前にもあったっけ?」
「パンフレットで見たけど、あそこで歌ったり、遊んだり、決闘したり、色々できるみたいだよ」
「ふ〜ん。じゃあ歌ってみる?」
 何で急にそんな流れに?
 不自然過ぎる流れに自ら乗ったアリサちゃん。ここでのってあげなくちゃ失礼だと思う。
「うん、いいんじゃないかな。アリサちゃん、歌っちゃいなよ!」
「私もアリサちゃんの歌を聞きたいなぁ」
「アリサちゃん歌って歌って」
 ありさ・ありさ・ありさ。そんなシュプレヒコールに包まれて、アリサちゃんはマイクスタンドを手に取った。
「2番アリサ歌いま〜す」
「だけど、貴方の前に行くと、ツンツンしちゃうの〜♪」
 以下略。
「・・・ふ〜どうだった。私の歌は」
 夢中で歌っていたアリサはノリノリで「はじめてしましょう」「ほんきパワーのだっしゅ」「だんなさまへ」
など、明らかに誰も知らない曲を歌い終えた頃にはもう誰もいなかった。
「・・・な、なによ〜!!!」
 友達は大切にしようね。

「ねぇ、アリサちゃんを一人にしてよかったの?」
「ひと〜み〜閉じて〜〜〜〜〜お休み。たらららららら。らは〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪」
「対抗しない」
「だって、一人ばっかり楽しそうでちょっとむかーってな」
 浮き輪の上に浮かび、サングラスをかけて、マミーをちゅうちゅう吸いながらはやてちゃんは言う。
「そんなに歌いたいなら一緒に歌えばいいのに」
「ええんや。歌の楽しみ方にも色々ある」
「それに、いなくなったと見せかけて、すずかちゃんが隠れてるし。あの二人、できとる?」
「それはない」
「あはははははははははは・・・ん」
 明るくなった、表情が一気に険しくなる。この表情になる時を私は・・・知っている。
「なのはちゃん」
 私は黙ってこくんと頷いた。
「ごめん、仕事や」
「うん」
「しかも場所は恐らく・・・ここのプール」

「ちょ、ちょっと何すんのよ〜」
「きゃ〜!!!!!」
「ぐはっ!本物の触手プレイ!!!」
 どこから持ってきたのか、ビデオカメラで水の化け物に襲われているアリサちゃんとすずかちゃんをとっていた。
 しっかもすっぽんぽん!
 今回の相手は水着コレクターの願いでも具現化したのか、水の抜けたプールの隅に女性の水着が山積みされている。
「は・や・て・ちゃん」
「ごめんごめん」
「でもどうしよう。人前で魔法少女に変身する訳にも行かないし」
「もう寝とるよ」
「ええー!!」
 見れば、プールの人間が全員寝ていた。だが、何故。
「催眠ガスにきまっとるやん」
 にこっと笑顔で。
「そ、そうなんだ」
 笑って誤魔化さないでよ。 
 
 バリアジャケットを装着したなのはは水の塊を凝視する。
 化け物は飽きたのか、アリサとすずかを離していた。
 なのはにとっては好都合。素早く敵に立ち向かう。
「待った」
「なのはちゃん。この敵は明らかに拳では無理や。本体をあぶりだして、そいつをどうにかせな」
「でも・・・どうやって」
「あぶない!」
 結界で水の触手を防ぐはやてちゃん。まるでガチャポンの半分みたいだなと思い、ある事を
閃いた。
「はやてちゃん!耳かして!!!」
「え・・・成る程。よっしゃ!久々の活躍や!!!」
 再び敵は触手を伸ばしてくる。だが、その攻撃は中空で弾かれた。
 それは結界だった。しかも、良く見てみると、水の怪物の巨体を覆っていた。
 見ようによってはガチャポンだった。
 その玉を少しずつ中で細かくしていく。
「よしっ!あの動く水が本体や!結界内で切り離しとるから他の水は一切動かん。間違い無い」
「でもあの本体。ジュエルシードが見えないよ」
「恐らく。あれごと封印しろってことや。あっ!」
 バチンと結界を破る水の本体。屋根を突き破って逃げようと言うのか化け物は高く飛ぶ。
「っ!なのはちゃん!飛んで追いかけるんや」
「残念!私、飛べないんだ」
「が〜ん!そんな風に潔く言われてもなぁ・・・」
「でも、
 体は飛べなくても、私は、
 心が飛べるから」
 そう言うなりなのはは高く跳躍する。打ち上げ花火より速く美しい跳躍そのジャンプで一発で間合いを
詰める。
「一滴も逃がさない!!!」
 マシンガンの如く打つパンチは砕く事が目的ではない。逃げない為に形を固定する事に目的がある。
 地面に落ちる数秒で、なのはは本当に水を一滴たりとも零さなかった。
 封印が上手くいった事は言うまでも無い。
「ふぅ・・・ご苦労さんなのはちゃん」
 親指を立ててグッドをする。はやてとなのはは手を打ち合った。

「じゃーねー」
「またね、なのはちゃん」
 アリサちゃんとすずかちゃんが手を振る。
 あれからが大変だった。裸になった人達に服を着せる作業に一日の殆どをついやした。
「しかし、なのはちゃんすごいな〜あんな高いジャンプができるなんて」
「あははははまぁね」
「空を飛ぶ訓練もしないとな」
「疲れたから暫くそういう話はやめよう」
 こくんと頷くはやてちゃん。
 静かに歌いだす。
「さぁ、ひ〜〜〜〜と〜〜〜〜み〜〜〜〜閉じて〜〜〜〜〜〜お休み♪なのはちゃん」
 夕焼けの空を背にはやてがバイバイと腕を振った。
「お休み」
「またプールに行きたいな」
「勘弁して」
 らは〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜と口ずさみ去っていった。
 休日、下さい。
 つづく

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目次:つかいまなのなのは
著者:さばかん

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