325 名前:エンカウンターズ・ウィズ(4話 1/6)[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 23:50:23 ID:2y+1bfsz
326 名前:エンカウンターズ・ウィズ(4話 2/6)[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 23:51:33 ID:2y+1bfsz
327 名前:エンカウンターズ・ウィズ(4話 3/6)[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 23:53:25 ID:2y+1bfsz
328 名前:エンカウンターズ・ウィズ(4話 4/6)[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 23:54:09 ID:2y+1bfsz
329 名前:エンカウンターズ・ウィズ(4話 5/6)[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 23:55:44 ID:2y+1bfsz
330 名前:エンカウンターズ・ウィズ(4話 6/6)[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 23:59:33 ID:2y+1bfsz

焼けつく広場に投げ出されるように止まったヘリ。中は散乱して荷物が飛び出したカーゴやらこわれた機体の部品に埋め尽くされ
時折、パチッパチッとショート音がなった。

「くっ、みんな無事か?」
「ああ・・・大丈夫じゃ」

ヴァイスの言葉に全員、残骸の中から顔を出す。何とか無事だったようだ。

ヴァイスは街はずれに形成された、灰色の半球状のカーテンを見て言った。
無数の黒い影がこちらに向かってくる。ヴァイスはデバイスのスコープで覗いた。違法魔導師、相当な数が接近してくる。

「あいつら・・・最初から俺達のヘリだけ本気で狙ってこなかった。はなから護衛を結界に閉じ込めて、俺達のヘリを外に出したんだ」
「そうか、おそらくこいつが目当てじゃな・・・」

そして少年が側で震えているのがわかり、ヴァイスは言った。
「どうした?」
「あの灰色の結界。アムラーダ、村を襲った奴らだ。崩壊した軍事政権側について、内戦への参加に反抗的な村々を
ああやって結界に閉じ込めて、助けを呼べなくしてから金品を奪い取るんだ。父さんとか抵抗したみんなも・・・管理局
のPKF(平和維持監視)艦隊が掃討してくれたはずなのに」


在野に下った武装集団が、村人のもつなけなしの金よりも高価なロストロギアのために密輸専門の次元海賊と手を組んだ。
おそらくそういったところだろう。

ヴァイスは決断した。
「じいさん、サイード、こいつを持って逃げろ。連中はまだ俺達に気づいていない。みんなも2人を護衛してやってくれ。
廃墟を越えた先の砂漠に、駐留している管理局PKFの基地に助けを求めるんだ」

「しかし、ここからだと転送魔方陣の方が駐留艦隊より近いんじゃないのか?」
「・・・さっき、艦に念話を送ったが。まったく通信ができなかった。あの結界の影響かもしれないが、艦自体が奴らの仲間に落と
された可能性も捨てきれない」
ヴァイスの言うとおり、転送先で蜂の巣にされる兆候が少しでもある以上は危険な行動はできない。

「それで、お前さんはどうするんだ?」
「俺はここに残る。連中は空戦魔導師、すぐに追いつかれちまう。それなら少しでも連中の足をここに止めさせて、時間稼ぐしかない」

「・・・」
ヴァイスの言葉にヘリパイロットや魔導師たちは納得した。しかし少年は明らかに不服そうだった。

「何で残るんだよ!!あんたも逃げろよ!!たくさんの魔導師がせまってきてるんだろ!!奴らは空戦魔導師だし、何よりあんな
数の中に一人で残るなんて、無茶すぎるよ!!」

一生懸命反対する少年にヴァイスは言った。
「大丈夫だ。無理だと思ったらすぐに引き上げる。それにお前が助けを求めれば援軍も駆けつけてくれる。今はこのロストロギアを
渡さない事が重要なんだ・・・もうこの世界、いや他の世界でも戦いを引き起こさせないためにもな。もう誰かが戦争で亡くなるのは
イヤなんだろ?」

ヴァイスは心配そうにしている少年に対して、笑って重ねて言った。
「大丈夫だよ。俺には家族が・・・妹がいるんだ。あいつを残して簡単にくたばってたまるか。安心しろ、俺とこいつでしっかり
守ってやるよ」

そう言ってヴァイスはストームレイダーを構えた。

砂漠のむこうから飛行してくる魔導師の一人が飛行しながら資料に眼を通していた。
「B、Cランクの魔導師が合計で6名、それに非魔導師のヘリパイロットが搭乗、大した事ないな。周囲の防御を
固めすぎた結果がこれだ」

「あのオペレーターからの情報か?」

「あの女はなかなか役に立ってくれた。こいつが片付けば、女の弟も用済みだ」
「護衛の魔導師たちは結界に封じ込めた、あとはネズミ狩りをやるだけだ」

魔導師たちは大した警戒もせずに廃墟へと飛んでいた。空戦魔導師と陸戦魔導師の戦力差はそのフィールドの使える範囲から
圧倒的であった。また空士階級が一人混じっていたが、ランクから飛行魔法が未熟だと判断したのだろう。
その様子を見ながらヴァイスは物陰に隠れて、愛用のデバイスを構えた。
「頼んだぜ相棒、時間を稼ぐぞ」
『all right. one shot,one kill』

広場で黒煙をあげるヘリに、近づこうと先行していた2人の違法魔導師は気がつき、広場の上空へと飛んでいく。
すると、広場に止めてあったボロいトラックのエンジンがかかる。
「よし!!エンジンがかかったぞい!行くぞ」
「さすがじいさん!機械にかけちゃプロだぜ!」

「奴らトラックで移動しようと・・・」
「逃がすものか!」

そしてトラックへ向けて魔導師たちはデバイスを向けて射撃魔法を撃とうとする。
(ブンッ!!)
その時、何かが通過した。その直後に一人はストレージデバイスのコアを粉砕されもう一人も地上へ落ちていく。
そして射撃魔法音が廃墟の空に響いた。

「何があっ・・・!」
上で待機し、そう叫ぼうとした魔導師も言葉を終わらす事をできずに、前の2人と同じく地上へ落下した。

「狙撃だ!!」
違法魔導師たちは地上に降り、散会して廃墟の裏に隠れる。それに向けて逃げるトラックの荷台からも陸戦魔導師が応戦を開始した。

その様子をスコープで追いながら、ヴァイスは念話を送る。
『よしっ!!町を出るまで2人を頼むぜ!』
『わかった!』
そうして魔導師たちは移動を開始した。

「すぅ・・・!!」

1人になると、ヴァイスは大きく息吸い込んで呼吸を止める。ブレスコントロールを行い、呼吸による身体の余計な動きを止めた。
そしえ硬直した腕でデバイスをしっかりかまえトリガーを引いた。
スコープの先には標的は全くいない。

しかし2秒後に索敵を行おうと動いていた魔導師がスコープに移り、魔法が見事に命中する。

「はっ!! はぁはぁ・・・」
4人目をしとめてヴァイスはゆっくりと吐く。そして再び右眼に意識の半分を集中させた。もう半分の左目で周囲を確認する。
自分の今いる位置から魔力弾が届くまでの時間は2〜3秒。その2〜3秒後に相手がどう行動をとるのか予測していく必要がある。

身体中から汗が流れる。しかし、心は常に冷静であることを心がけた。

cool & glass heart。それが狙撃の魔導師に必要なことだとシグナムから教わった。トラックはもう少しでこの廃墟から抜け出せる
はず。それまでは相手の注意をこちらに引き付けなくてはならない。

「(あと少し。もう少しだけもってくれ!)」
そう思いながらヴァイスはまた息を大きく吸い込んだ。

ヴァイスがなんとかしのいでいる時、とある次元航行艦でこんな念話が繰り広げられていた。

『ブリッジまで突入して、一気に制圧する!?』
『本気ですか?』

あわてる大人の男性達の問いに少女が冷静に答えた。
『通信が途絶えた・・・予断を許さない状況かもしれません』

そうして転送魔法が発動する。

2人のガラの悪い魔導師が廊下を歩いている。航行艦の時計は11:58を指していた。
「駆動系の機能が停止したようだ。さっきから船舶救難信号もピーピー鳴ってるらしい」
「そうか、これで管理局の最新鋭巡洋艦とロストロギアを・・・」
「どうした?」

仲間が話をやめてしまったので、魔導師は振り返った。すると、仲間の魔導師が床に倒れていた。
その背後にはシルエットしか見えないが、金色に光る大きな鎌のデバイスを持った小さな子供、11、2歳くらいの少女がいた。

暗闇の中でデバイスの発する金色の魔力光が薄暗い廊下の中で不気味に光る。

「なっ?」
そんな見た目の恐怖もあってか、魔導師達はデバイスを相手に向かって構えるが、接近してくる少女の方が鎌の柄を相手の
みぞおちに深くつきたて、昏倒させた。

それに気づいた仲間の魔導師たちであったが、あっという間の出来事であったため唖然としてしまう。

『ファイアリング・フリー!(魔法使用を許可します)』

少女は念話でそう言うと、艦尾の転送魔法の部屋へ通じる廊下の壁際で位置につき、待機していた重武装の武装局員がデバイスを
構え射撃魔法を撃ちながら援護と移動を繰り返して突撃してきた。


途端に薄暗かった海賊の航行艦は魔力光で明るくはじける。


違法魔導師たちは壁に隠れ、反撃の態勢を整えようとするが、少女は残像を残す程の速さで廊下を移動し、違法魔導師達の集団の懐に
飛び込んで鎌でなぎ払い、インターセプターとして後方の武装局員たちの道を作る。

奥にいた魔導師達は、やられている仲間ごと少女を吹き飛ばそうとするが、無数にとんでくる魔法弾を飛ぶように側転しながら
プロテクションで防いだ。そして少女は黒いデバイスを相手に向けた。
デバイスのコアが猫の目のように光り、文字が浮かぶ。

『Yes,sir. Photon Lancer.』

魔導師たちはそれに応じてラウンドシールドを前面に張った。

『(ブォン・・・!)』
すると魔導師たちのすぐ背後に雷撃をともなった魔力球が大量に現れた。
魔力反応を感知できないくらい迅速な生成であった。

違法魔導師たちは驚き振り向こうとするが、防御が間に合わずフォトン・ランサーをゼロ距離で喰らって倒れる。
他の武装局員も統率の取れた動きで的確に少女の援護を行っていった。

そうして疾走しながら魔力球を生成して廊下を進んだ。
管理局の武装局員の鬼のような攻勢に違法魔導師たちは後退していった。

とりわけ、ものすごいスピードで切り込んでくる黒い魔導師に驚愕した。魔法が全くあたらない。
艦橋へ続く廊下は「黒い死神」のせいで死屍累々であった(実際は非殺傷設定で気絶させているだけであったが・・・)

『ブリッジへ通じる隔壁を閉じろ!!』

違法魔導師たちはブリッジを制圧されまいと、防御魔法と分厚い鉄で覆われた隔壁を下ろす。魔力と物理面の両方を強化した隔壁は
並の魔法や物理攻撃ではビクともしないはずであった。そこで時間をかせごうとしたが。

「みんな、どけぇ!!鉄拳粉砕!!」

しかし、誰かの掛け声とともに隔壁が思い切り吹き飛ばされた。ドアの前には若い長身の女性、耳や尻尾が生えている事から
使い魔であろうか・・・拳を前に突き出して立っていた。

その使い魔の背後から少女と武装局員が現れ、デバイスを違法魔導師達に構えた。
格が違いすぎる・・・そう悟った違法魔導師たちは全員、デバイスを床において両手を挙げた。

その直後少女に念話が入る

『ブラボー2、機関区画クリア』
『ブラボー3、船倉区画クリア』
『ブラボー1了解、艦は完全に制圧しました、テスタロッサ執務官補、いや・・・もう執務官でしたね』

「(カチッ・・・)」
その直後、艦の時計がちょうど12時を指した。

「くそっ、このままじゃ弾の方角は南側の聖王医療院跡から見えた!」
「いや、他の場所はどうだ?」

「バカ野郎!!ここらに見える高層じゃ医療院跡以外で高い建物はかなりの距離があるだろ!!そんなところから狙えるヤツなんざ
いねえ!医療院を狙え!!」

正午、太陽は真南に昇っている。逆光の中、違法魔導師たちは一斉に医療院の上階や屋上を攻撃し始めた。すさまじい爆発音があたりに響く。
そして医療院の屋上は完全に瓦礫と化し煙があがった。

「やったぜ!!」
そう言って振り向いた違法魔導師たちの目の前で、後方に控えていた魔導師たちが一斉に倒れた。自分達の放った無数の射撃魔法の
光と音、煙にさえぎられヴァイスが反撃した位置を割り出すことができなかったのだ。

狙撃された魔導師は全員死んでいなかった。当たれば半日昏倒する程度の低出力の非殺傷設定の魔法。しかし、その分魔力反応
を感知しにくく、魔力は全く減衰をしない。そして何よりするどく早かった。

『防御魔法を展開しろ!』
仲間にそういわれ、他の数人は防御魔法を展開しながら索敵のため移動を開始した。
「低出力の魔法だ。プロテクションさえかけちまえば」

そして予想したとおり狙撃がとんできた。プロテクションでかき消されると思いきや、魔力弾の外殻がはがれプロテクションと相殺
しあい内殻が防御を抜けてヒットする。

ヴァリアブル・バレッドという相手の防御の上からでも落とす事のできる特殊技巧の魔法である。

「はぁはぁ・・・」
ヴァイスの足元に大量の薬きょうが転がる。魔力量の少ない、また魔力コントロールの習熟度の高くないヴァイスにとってこの魔法
はあまり使いたくないものであった。一発発射するだけで息が上がる。
「(こいつで相手の動きを更に鈍ってくれれば!)」

防御の上からでも落とす事ができる程の実力を持っている。相手にそれをわからせ、少しでも足止めしてくれることをヴァイスは願った。

「(・・・ターン・・・ター・・・)」
魔法の射出音が魔力弾より再び少し遅れて響いてくる。遠距離、それもかなりのアウトレンジから撃っている証拠だ。

「ホントに相手は『Cランク魔導師』なのか!?」
違法魔導師の一人はそうつぶやいた。

砂漠の中の廃墟。内戦や古代の戦による魔力素の乱れ、熱波をともなう風、蜃気楼、逆光。射撃魔法の行使にはかなりのハンディが
あるフィールドである。現にこちらの射撃魔法や砲撃魔法は思った以上に誘導が効きにくく、ゆがみや魔力の減衰が起こっていた。

(ヒュン)
そして指揮官の男の隣で、位置特定を行おうとスキャン魔法を詠唱していた魔導師がヘッドショットで落とされた。
弾は数10cm程度の廃墟に空いた穴をぬってとんできた。

「違う!各自警戒しろ。相手は・・・『エース』だ!!奴め・・・いぶいりだしてやる」
エース:戦場で華麗に敵を討つことのできる魔導師に与えられるもの。その言葉に他の違法魔導師たちは戦慄した。


その頃、ヘリパイロットと少年達は街を脱出しようとトラックは廃墟を囲む城壁へと急いでいた。
背後で多数の射撃魔法の音が断続的に聞こえる。その合間にすんだ狙撃音のこだまが響いていた。
「もう少しだ!!」

トラックはヴァイスがワン・ショットで先に始末した違法魔導師たちが倒れているのを横切っていった。
しかし、出口付近で廃墟から逃がさまいと、違法魔導師たちが待ち構えていた。
仲間の魔導師たちはトラックを急停車させて側面の壁に隠して応戦するが、数もランクも違いすぎる。
違法魔導師たちは魔法を容赦なく撃ちこんでくる。トラックを隠した壁にもヒビが入った。

「これで終わりだ!」
砲撃魔法をチャージしていた魔導師が仲間にむけて発射しようとしていた。
万事休す!パイロットと少年を守っていた魔導師たちはそう思った。

しかし、倒れたのは砲撃魔法をチャージしていた魔導師であった。
そして倒れた魔導師が放とうとしていた特大の砲撃魔法があさって方向に向いたデバイスから発射され、射撃魔法が近くのエネルギー
タンクを直撃する。分厚い鋼板に覆われていたが、高出力の魔法によりタンクの鋼板は打ち抜かれ、そうして大きな爆発が起こり
違法魔導師たちは防御も間に合わずに巻き込まれた。一発の魔力弾により小隊が一瞬にして壊滅させてしまった。

少年は医療院の更に奥にある聖王教会跡の尖塔を見た。蜃気楼でゆらぐ塔の上に長大のデバイスを構えた男の姿がかすんで見えた。

ヴァイスは尖塔の中から途中の建物の窓や空いた穴を通して狙撃を行い、敵を混乱させていた。しかし、塔から廃墟の出口が死角に
なり見えなかった。そのため、尖塔の上にのぼり狙撃を行ったのだ。

『(守ってやるって言ったろ?)』
念話は使えなかったが、少年はそんな声を聞いた気がした。その直後、尖塔は砲撃魔法をくらい吹き飛んだ。
爆風の中でトラックは廃墟を脱出し、砂漠へと消えていくのをヴァイスは見た。

「見つけたぜ。自分の位置をさらすとは、しょせんCランク魔導師か。しかしそんな距離から撃っていたとはな、各自砲撃魔法を
くらわせてやれ!!」

違法魔導師たちはありったけの魔法を尖塔にぶつけた。ヴァイスは逃走のため塔からロープで降下しようとするが、砲撃魔法の一発が
塔の土台を崩し、ヴァイスは尖塔から放り投げだされて地面へ落ちていった。

落ちていく途中に垂れ幕の布やバザール跡の屋根に引っかかり、また自身の少ない魔力による飛行魔法で浮かび地面への直撃は避けら
れたが身体に力が全く入らない。砲撃や落下の途中であちこちが骨折していたのだ。


『戦場では誰が誰をしとめたところまではわからない・・・』
シグナムが訓練中に言った言葉をヴァイスは思い出していた。
『・・しかし【狙撃】だけ最初から名詞がついている事から全く別ものだ。誰が魔法を行使し、誰が撃ったか特定しやすい。だから
補足されてしまった狙撃手は例え負傷し、投降したとしても捕虜にはなれない。卑怯者のように見えないところに潜み、自分達
の仲間や指揮官を討った代償として、悲惨な末路を与えられる他ない。それを十分、承知しておくことだな』

しかし、後悔はしていなかった。今頃トラックは街を抜けて、砂漠へと消え管理局の駐留部隊に出会えるはず。少年達もロストロギア
も無事に保護されていると思ったからだ。

倒れて動けないヴァイスに違法魔導師たちは接近してきた。

「どうします?情報を聞き出しますか?」
「かまうな、やれ。一部隊を殲滅させるだけの腕を撃つ魔導師だ。今のうちに確実に仕留めておくに限る」

指揮官格の男がそう命じ、違法魔導師たちは砲撃魔法をチャージし始めた。今まで散々、仲間を倒された礼もあるのだろう。
完全にヴァイスを消し炭にするつもりであった。

ヴァイスは激痛ではっきりしない意識の中で思った。
「(そうか・・・もうダメなのか・・・ラグナ・・・)」


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目次:エンカウンターズ・ウィズ
著者:44-256

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