525 名前:ハラオウンの系譜[sage] 投稿日:2008/10/22(水) 22:18:30 ID:iPcAWoEj
526 名前:ハラオウンの系譜[sage] 投稿日:2008/10/22(水) 22:19:42 ID:iPcAWoEj
527 名前:ハラオウンの系譜[sage] 投稿日:2008/10/22(水) 22:20:33 ID:iPcAWoEj

(…………やってしまった)

 自室のベッドの上、クライド・ハラオウンは頭を抱えてうずくまっていた。
 激しい自責と後悔の念が、胸に繰り返し襲ってくる。いっそのこと、タンスの角に頭をぶつけて死んで
しまいたいほどに。
 ほんの少しだけ頭を上げたクライドだが、視界に緑の髪の毛が入った途端にまた顔を伏せてしまう。
 同じベッドの上で横たわっているのは、妻であるリンディ・ハラオウン。快活な性格の女性だが、今は
ぴくりとも動かないままシーツに倒れ伏している。
 クライドが夫婦喧嘩の果てにかっとして殺害に至った、などということではない。単に気絶しているだ
けである。しかし気絶の原因を作ったのは、紛れもなくクライドであった。
 こうしててもしかたがないとようやく思い切ったクライドは、髪の毛をかきむしっていた手を振り払う
ように勢い良く顔をあげ、ベッドサイドのティッシュを手にしてからリンディを直視した。
 妻の格好は全裸。身体に飛び散った汗とまだほんのり紅い肌が、ついさっきまで夫婦の営みを行ってい
たことを示している。
 しかし一箇所、徹底的に普通の性交後と違うことがあった。
 クライドの男の精髄が零れ落ちているのがリンディの股間ではなく、もっと後ろの穴なのである。
 つまりなにがあったかというと、激しいアナルプレイをしすぎたせいでリンディが気絶してしまったと
いう、ただそれだけのことであった。

「分かってたはずなんだけどな。リンディが俺の言うことはなんだって聞いちゃうってことは」

 とりあえずの応急処置として、リンディの尻にこびりついている精液をふき取りながら、クライドは嘆
息した。
 最初は本当に冗談のつもりだったのだ。お尻でやらせてほしいと言えば、きっとリンディは真っ赤になっ
て「そ、それだけはあなたでも絶対に駄目っ! 絶対に!」と照れるだろうから、その恥ずかしがる顔を
見てみたいという他愛もないクライドの悪戯心だった。
 しかしリンディはいともあっさり頷いてしまい、どころか「初めてだからあなたが挿入れやすいように」
と自分で穴をほぐし出してしまい、あっという間にクライドもその雰囲気に飲まれてしまい、気がついた
らリンディが痛みに涙を流しているのも構わず、尻を徹底的に気が絶えるまで攻め抜いてしまった。

「明日の朝ごはんと弁当は俺が作って、欲しがってた服も買ってあげて……あとはどうやって謝ろうか」

 思案していながら手を動かすうち、白濁液はだいたいふき取れた。中にもまだ残ってるだろうが、そこ
は自分で始末してもらった方がよさそうだった。
 とりあえず今晩はもう寝ようと思うクライドだったが、その瞬間とある重大なことに気づいてしまう。
 後始末している間、半分無意識にずっと触っていた、リンディの尻の感触である。
 胸にまけない大きさの美尻は、汗で湿っていることもあってただ触れているだけで尻の方からクライド
の手に吸いついてくる。ほんのちょっと指を動かしただけで、すばらしい弾力で応えてきた。
 そのぬめりとと力強さが思い出させるのは、表面ではなく内部の感触。初めてのアナルセックスで締ま
りがよかったということを除いても、きゅうきゅうと絡みつきながらクライドの性器を攻め立ててくるリ
ンディの尻穴は、前に劣らぬ快楽の園だった。
 こうして手を置いているだけでも、気絶しているリンディの尻に再度挿入したくてたまらくなってくる。
 なんとか最後の理性で尻から手を離したクライドだったが、この時はっきりと未来への予感を感じた。

「…………きっと俺、もう一回お尻でやらせてくれって頼んじゃうんだろうな」

          ※




 湯船の中で、クロノとフェイトは重なり合っていた。
 風呂に全身を浸したクロノの上に、同じようにフェイトが乗ってクロノに背中を預けている体勢。
 魅力的な肢体を持った恋人と、全裸でくっつき合っている。激しく興奮してもおかしくない状況でも、
クロノの下半身はぴくりともしなかった。

(…………さすがに、出しすぎた……な)

 時には情事の後にも余韻覚めやらず風呂の中でも濃厚に絡み合うことも無いではないが、今日はそうい
う気分では無かった。最前までの激しい交わりに、性欲ですら疲れきっている。

(何回やったんだろう…………そういえば明日の予定は……)

 虚心となったクロノの思考は、掴み所の無い断片的な思考を垂れ流し続ける。
 明日から始まる航海の日程。今晩フェイトが作ってくれた食事。数日前に無限書庫へと行った時にユー
ノとやらかした他愛の無い口喧嘩。
 浮かんでは湯の中に解けていく思考が、やがて一つのはっきりした感覚を捉えた。
 クロノの腰の上に乗っている、フェイトの尻の感触。
 湯の中であるにもかかわらず、しっかりとした重みを伝えてくるボリューム。かといって余分に肉が付
きすぎていることもなくしっかりと引き締まっており、しかして柔らかい。
 相反するはずの要素を兼ね備えた、極上の尻。もちろん中の味も極上であることまでクロノは知ってい
る。

(そういえば、こっちではしなかったな)

 航海前夜は身体の隅々までクロノの匂いを染み付けるかのように、フェイトは膣だけでなく口も尻も犯
されることを望む。それが今晩に限っては無かった。
 もしもこの後フェイトがねだってくるなら、体力と気力を振り絞って一回はなんとかしようと考えるク
ロノだったが、フェイトの様子に気づいて苦笑する。
 身体の上の恋人は、いつしか目を閉じて眠ってしまっていた。
 可愛らしい寝息を立てるフェイトを起こさぬよう、細心の注意を払いながらそっとお姫様抱っこの体勢
で湯から持ち上げながら、クロノは呟いた。

「君も僕も、お尻は航海から帰るまでのお楽しみ、かな……」

          ※




 航海から帰っての、久しぶりに家で過ごす休日。家族や親しい人達とやろう考えていたことは色々あっ
た。
 しかしそのうちの何一つとして実行に移さず、クロード・T・ハラオウンは黙って、妻であるユーナ・
T・ハラオウンがベランダで洗濯物を干している姿を眺めていた。
 妻が何気ない家事をしているという、ただそれだけの風景。なのに、目にしているだけで限りない安ら
ぎに包まれるのをクロードは感じていた。

(きっとこれが、幼馴染なのか奥さんなのかの違いなんだろうな)

 背中に流れる父親譲りの金髪に沿って落としていく視線が、やがて一点で止まる。
 その場所は、ユーナの何もかもが好きなクロードにとって、特にお気に入りの場所。
 ロングスカートの上からでも、はっきりとした丸みを持って存在感を主張しているユーナの腰つきであ
る。
 決して出っ尻などではない。ユーナの背丈に合う大きさぎりぎりのボリュームを保った奇跡的なバラン
スの尻。目でも手でも舌でも分身でも、クロードの全てを愉しませてくれる、極上の身体の一部。
 本人は胸が小さいことに多少コンプレックスを持っているが、あの尻だけで胸の分を補って余りある。
 そもそも、クロードは巨乳が少々苦手だった。
 幼少期、風呂場や寝床の中で母のフェイトや師のシグナムの生のおっぱいを見たり触ったり枕にしたり
していたせいで、グラビアなどで胸の大きな女性を見ると反射的に二人が思い出されてしまう。
 フェイトとシグナムが女性として魅力的であることを否定する気はさらさら無いが、性愛の対象として
見れるほど自分は腐れ外道では無い。
 だからクロードにとって、胸は貧乳に限る。
 この理論をおっぱい好事家である親友八神トウヤに話したら「くたばれおっぱいブルジョワジー!!」
と本気で首を絞めにかかってきた。ユーナがアクセルシューターで助けてくれなかったら、危うく冥土へ
旅立ちかねないところだった。

(トウヤは乳が絡むと頭が悪くなるから困る)

 あっちはあっちで、「クロードは嫁が絡むと馬鹿になるから殴りたくなる」と言っているが。
 そのうちとち狂って姉貴分であるシャマルやディードあたりと結婚すると言い出さなければいいがと思
いながら、クロードは砂糖入り茶をすすりつつ、なおもゆっくり妻の尻を干渉し続けた。
 腰に熱い視線を送られていることに、ユーナは全く気づいていない。そのことが視姦プレイでもしてい
るようで、少しずつ自分の中で淫心が高まってくるのを自覚する。
 流石に真っ昼間から欲情を起こすのはまずかろうと一旦目を切りながら、クロードははっきり決心した。

「今晩もお尻でしよう。絶対しよう」




          終わり


著者:サイヒ

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