7 名前:ピクニック [sage] 投稿日:2009/06/02(火) 20:17:48 ID:vh/wckII
8 名前:ピクニック [sage] 投稿日:2009/06/02(火) 20:18:53 ID:vh/wckII
9 名前:ピクニック [sage] 投稿日:2009/06/02(火) 20:20:14 ID:vh/wckII

「あら、ヴィヴィオちゃん。お久しぶり」
「お久しぶり、カトリーナちゃん。アルトセイム旅行楽しかった?」
「ええ! 自然がいっぱいで、珍しいお花も見れたわ」
「楽しそうだね」
「ヴィヴィオちゃんは、お休み中どうしていたの?」
「ママとピクニックに行ったよ」
「どこまで行ったの?」
「ママの出身世界なんだけど、『アマゾン』ってところ」
「アマゾン? どんなところなのかしら?」
「えっとね、緑がいっぱいだったよ。生き物もいっぱい」
「まあ。動物もたくさんいたのね?」
「うん! おっきな猫さんとか、おっきな蛇さんとか、たくさんいたよ!」
「蛇……? ……ともかく、そちらも楽しそうでよかったわね」
「川でママとお魚もとったんだよ! おいしかった」
「まぁ、お魚? すごいわ、ヴィヴィオさん。何ていうお魚?」
「えっとね、『ピラニア』っていうの」
「ふぅん、何だかおいしそうな名前のお魚ね」
「でも、お水がなくて大変だったの」
「どうして? 川があったんでしょう?」
「川のお水は濁っててそのまま飲むと危険だから小石や炭火の
 残りでロカして、シャフツしてから飲まないと駄目なんだって」
「……? よくわからないけど、大変だったのね」
「でも、おもしろかったよ。また行きたいなぁ」




「なのはぁぁぁっあぁぁぁあああああ!」

ある日、自宅で夕食の準備をしていると親友が血相を変えて飛び込んできた。
ずいぶんと取り乱した様子だ。何か良くないことでもあったのだろうか。

「どっ、どうしたの?」
「なのは! ヴィヴィヴィヴィヴィヴィオに何してるのッ!!」

突然、親友に怒鳴られてしまった。私、何かしただろうか。
毎朝、朝食とお弁当はつくってるし、仕事から帰れば、おしゃべりもする。
休日には、親子水入らずで一緒に出かけたりしているし、何も問題はないはずだ。
たぶん、何か勘違いでもしているんだろう。
彼女は結構、そそっかしい。

「ピクニックなんて言って、アマゾンまで連れて行って!」
「うん。この前の連休は、アマゾンまで行ったけど?」
「なのはの教育方針にはもう口を出さないでおこうって決めてたんだ!だけど――」
「うっ、うん?」
「いくら何でもやりすぎだよ!」
「えっ? やりすぎって?」
「行き先にわざわざ過酷な環境を選んでみたり」
「うん」
「食べ物もっていかずに、現地でワナの作り方を教えてみたり!」
「うん」
「テントや寝袋ももっていかずに、現地の樹や葉っぱで家をつくってみたり!」
「うん」
「ピクニックじゃなくてサバイバル訓練じゃない!」

鼻息も荒く私に食って掛かる親友の姿に、私は呆気にとられてしまった。
どうやら、やはり彼女は何か勘違いをしているみたいだ。
でも、露骨に呆れた顔をしたら、きっと彼女も傷つくだろう。
私は彼女のことを思って、なるべく遠慮がちに言った。

「フェイトちゃん。えっと……なに言ってるのか、よくわかんないよ……」

だって、『ピクニック』と言ったら


「恭也、美由紀、なのは!今度の連休は父さんとピクニックに行くぞ!」
「父さん、今度はどこ行くんだ?」
「アンデスだ。こっちは夏だが、あっちは冬だ。防寒着を忘れないように!」
「ええ〜! 私、寒いの苦手なんだけど……っていうか、なのはも連れて行くの?」
「にゃ? ピクニック?」
「ハハハ、楽しいぞぉ〜景色もすごく綺麗でなぁ〜」
「行く! なのはもピクニック行きたい!」

「うにゃああああ! 雪、寒い! 歩けないの!」
「ハハハ、まだ海抜4000mだぞ」
「美由紀、干し肉はあとどれぐらい残ってる?」
「あと5日分くらいは…。それより恭ちゃん、そろそろ寝床確保しないと」
「じゃあ、スノー・シェルターつくるか」


そういうものでしょう?


著者:鬼火 ◆RAM/mCfEUE

このページへのコメント

そういうもんじゃねぇ

0
Posted by あこ 2010年05月25日(火) 01:44:14 返信

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