114 名前:二つの未来 20 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2008/08/13(水) 17:50:00 ID:+5wKvtSU
115 名前:二つの未来 21 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2008/08/13(水) 17:51:03 ID:+5wKvtSU
116 名前:二つの未来 22 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2008/08/13(水) 17:51:45 ID:+5wKvtSU
117 名前:二つの未来 23 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2008/08/13(水) 17:52:58 ID:+5wKvtSU
118 名前:二つの未来 24 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2008/08/13(水) 17:53:52 ID:+5wKvtSU
119 名前:二つの未来 25 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2008/08/13(水) 17:55:23 ID:+5wKvtSU

平和な日が続くある日の事、外に遊びに出かけていたナーノが突然泣きながら帰って来た。

「うわーん! お母さーん!!」
「ナーノどうしたの!?」

突然泣いて帰って来たナーノになのはも戸惑った。誰かに苛められたのでは無いのかと…
だが、ナーノの体に怪我の類は見られない。

「一体どうしたの? お母さんに言ってごらんなさい?」
「駄菓子屋でお菓子を買う為に持って行った100円玉と消費税用の5円玉を何か昔の不良漫画に
出て来そうな30代40代でも通用しそうなおじさん臭い不良男子学生にカツアゲされたのー!!」
「あらら!」

ナーノが誰かにカツアゲされてしまったと言うのは大変な事なのだが…
カツアゲされた金額が105円だけだとか、ナーノの言う例え方等が逆に笑いを誘っていた。
しかし、なのはは込み上げる笑いを我慢しながらナーノの頭を優しく撫でた。

「でもナーノが怪我しなくて良かったよ。お菓子ならお母さんが買ってあげるから…
これから一緒に駄菓子屋に行こう?」
「え? ダメだよ! またおじさん臭い不良男子学生が来ちゃうよー!」
「大丈夫大丈夫。そんな事になったらお母さんが頭冷やしてあげるから。」

と、この様な小さな事件が起こっていたのだが、大事には至らず、大した騒ぎにはならなかった。
しかし…これこそが全ての始まりだったのである…。

一方その頃、遊園地では一組のカップルがデートを楽しんでいた。エリオ=モンディアルと
キャロ=ル=ルシエである。普段から自然保護隊で一緒に仕事をしている二人であるが、
こうして別の場所へ出かけたりする事は久し振りで、二人は本当に楽しそうだった。

「それじゃあちょっと僕はトイレに行って来るよ。」
「うん。」

用を足したくなったエリオは、キャロに一言言ってから遊園地内にあるトイレへ向かった。
そこは実に綺麗で施設の整ったトイレであり、個室の一つ一つに独立した灯りがある程であった。

「ふぅ…すっきり…。」

エリオはズボンとパンツを下ろした状態で洋式便器に生尻を密着させる形で腰掛け、
満悦そうな表情でウォシュレットで尻菊を洗浄していた。どうやら大きい方をやった方だ。
その後で一度自分が出したブツを流すワケだが、彼は立ち上がらずにゆっくりと自分の
股間の一物を握った。

「それじゃあ…大きいのも出てすっきりした所で…契機付けに一発やろうか…。」

エリオはズボンの中から一枚の写真を出す。それはなのはとユーノの息子、ナーノの写真。
あどけない表情で写真に写っているナーノの姿を見ると…エリオの頬は赤くなり、
股間の一物が忽ちの内に怒張し、固く長く巨大になった。

「はぁ…はぁ…ナーノ…ナーノ可愛いよ…ナーノ…。キャロも良いけど…ナーノはもっと可愛いよ…。」

何とエリオはナーノの写真で興奮し、鼻息を荒くさせながら自慰行為を始めてしまったでは無いか!
一応確認の為に再度説明しておくが、ナーノは男の子である。確かに幼き日の父・ユーノに似て
女の子の様な顔をしたそれはそれは可愛らしい子であるが…紛れも無く男の子。そしてエリオも男である。
これははっきり言って…危ないとしか言い様が無い。フェイトとキャロが見たら絶対に泣く光景である。

「ナーノ! ナーノ! ナーノのお尻掘りたい! 僕のオ○ンポをナーノのお尻にぶち込んでやりたい!
お尻の穴がズルズルになるまで突き続けてやりたいぃぃぃぃぃ!! そんな事したらなのはさんは
絶対に怒ると思うけど…でもそんなの関係ねぇ!! でもそんなの関係ねぇ!! 僕のナーノに対する愛は
なのはさんの責め苦をも上回るんだぁぁぁ!!」

明らかに危ない事を叫びながら、エリオの自慰は最高潮に達した。だが…その時だった。

「実に美しいオナニーを見せてくれるじゃないの。」
「え!?」

トイレの個室の上の壁にある空白。そこによじ登ってエリオのいる個室に
ちょっと悪っぽい自動車修理工風のいい男が堂々と入って来たのだ。

「良いのかい? ホイホイ入って来て。俺はノンケでも構わず喰っちまう男なんだぜ。」
「入って来たのは貴方でしょう!? 一体何なんですか!?」

エリオは思わず股間を押さえながら叫ぶが、いい男は歯をキラリと輝かせながら言った。

「自己紹介が遅れたな。俺はドクター・ジェイル=スカリエッティが作った改造人間。
怪人・あべオトコだ。よろしくな! エリオ=モンディアル君!」
「どうして僕の名前を!? それにジェイル=スカリエッティって…。」

『怪人・あべオトコ』と名乗るいい男の言ったジェイル=スカリエッティと言う名。
それは紛れも無く、行方不明になっていた『あの男』の物であった…。

一方その頃、キャロはトイレの外でエリオを待ち続けていた。

「エリオ君遅いな〜…。もしかして大きい方なのかな…。でも遅すぎるよ…。」

キャロは余りにもエリオの帰りが遅いので心配していた。しかし、女性と言う立場上
男子トイレに入る事は出来ず、どうにもならなかった。が…そこで男子トイレの入り口から
エリオが顔を出した。

「あ! 戻って来た! エリオ君遅いよーって…キャァァァァァァァ!!」

エリオに対しご機嫌斜めっぽく見せようとした直後、キャロは悲鳴を上げて気絶してしまった。
何故ならば…

「どうだ? これが男同士の愛の形って奴だ。これを知ったらもう女は愛せないだろう?」
「んあぁぁぁぁぁ!!」

怪人・あべオトコの股間から伸びる巨大な一物がエリオの尻の菊を無理矢理こじ開け、
奥までねじ込まれていたのだった………………

数十分後、時空管理局地上本部内にある医療施設に二人の急患が担ぎこまれた。
無論…それはエリオとキャロの二人であった。

「エリオとキャロの身に一体何が起こったのですか!?」

慌てて駆けつけたフェイトが医師に対し問い詰めるが…医師は厳しい表情で言った。

「かなり危険な状態です…。もっとも…身体的に…では無く精神的に…ですが…。」
「精神的に!? 一体どういう事ですか!?」
「つまり、身体的にでは無く、精神的にこれ以上立ち直れなくなる様な事をされた様なのです。
目撃者の証言によると、エリオ二等陸士は遊園地でちょっと悪っぽい自動車修理工風のいい男に
尻を掘られ、キャロ二等陸士はそれを見たショックで倒れてしまい、そのまま意識不明になったそうです。」
「な…なんですって…。」

フェイトは愕然とする他は無かった。確かにエリオにもキャロにも怪我の類は無い。
エリオは怪人・あべオトコに尻を掘られはしたが、痔になる程の事は無かった。
だが、エリオとキャロが負った心の傷は余りにも大きい。エリオはナーノの尻を掘りたいと言う
夢を持っているくせに、自分が掘られる覚悟は一切持っていなかったが為に初対面の怪人・あべオトコに
尻を掘られたショックで心に傷を負い、キャロは自分以外の相手…それも男に愛するエリオを
取られてしまったショックで心に傷を負い、そのまま両者共に意識不明となってしまった。

「い…一体誰が…誰がこんな事を!?」
「それなんですが…現場にこの様な物が落ちていたそうです。」

そう言って医師はフェイトに一枚の紙を差し出す。それを見るフェイトだが…
この紙にはこう書かれていた。

          『帰ってきたジェイル=スカリエッティ! その尖兵ただいま参上!』

時を同じく、ミッドの一角で一人の女性がコンビニへ入っていた。ティアナ=ランスターである。
なのはとユーノが子供を作り、なおかつその子供がすくすくと育った様に、若手魔導師であった彼女は
今や立派な執務官となっていた。と言う事で、ティアナはコンビニで弁当を購入するのである。

「お弁当は温めますか?」
「お願いします。」

コンビニでレジ係をしていた男性店員とその様なやりとりを行い、購入した弁当を
レンジで暖めてもらってから持ち帰った。そして冷えない内に自室持ち帰り、食べた。

「うんまだ温かい温かい。」

そう独り言を言いながらティアナは弁当の中身を口へ運んで行き、あっという間にたいらげてしまった。
やはり時空管理局員は体が資本。よく食わねば力が出ないと言う事であったが…

「う!」

突然ティアナのお腹から変な音が鳴ると共に…激しい腹痛に襲われた。

「う! 急にお腹がぁぁぁ!!」

ティアナは大急ぎでトイレへ駆け込み…せっかくの安くて美味い弁当はくそみそな結果に終わってしまった。
そして、ティアナが弁当を買った際に包んでいたコンビニの袋にはレシートに混じってこの様な紙が入っていた。

          『帰ってきたジェイル=スカリエッティ! その尖兵ただいま参上!』

そう。実はあのコンビでレジをやっていた店員はジェイル=スカリエッティの作った改造人間。
『怪人・コンビニのレジオトコ』であり、ティアナの買った弁当を温めるついでに
下剤を混ぜていたのであった!

まあフィクションとかだと下剤は飲んで直ぐに腹を下したりするが、実際は効果が現れるまで
ある程度の時間が必要で、先の描写の様な即効性があったら即死ものなのだが…

一方その頃、スバル=ナカジマは自身の作ったウイングロードの上を駆けていた。
今は平和であるが、何時何が起こるか分からない。だからこそ有事に備えて鍛錬を
怠らなかったのだが…

「ん? 下に誰かいる?」

ウイングロードを展開させている下…つまり地上で誰かがバナナを食べているのが見えた。
道端でバナナを食べられる程ミッドは平和…それはスバルも微笑ましい気持ちになるのだが…
直後…それは起こった。そのバナナを食べていた何者かが、食べ終わった後に残ったバナナの
皮をポイッとスバルの進行方向の先のウイングロードの上へ放っていたのだ。

「え!? うわぁぁぁ!!」

忽ちスバルはバナナの皮を踏んでスリッぷし、ウイングロードから転落してしまった。
そして…気を失った彼女の上に…一枚の紙が置かれるのである。

          『帰ってきたジェイル=スカリエッティ! その尖兵ただいま参上!』

そう。先程バナナを食べていた男は…ジェイル=スカリエッティの作った改造人間。
『怪人・バナナを喰うオトコ』であったのだ!

エリオ・キャロのみならず、ティアナとスバルまでもが管理局地上本部内の医療施設へ運び込まれ、
ナーノと一緒に駄菓子屋に行って、お菓子を買ってあげた帰りにその報告を聞いたなのはは
慌てて駆け付けていた。

「ティアナ達が大変な事になったと言うのは本当なの!?」
「う…うん…。四人とも意識不明の重体で…。」
「え……。」

既に医療施設の廊下にいたフェイトの言葉になのはは愕然とせざるを得なかった。
ティアナ達四人はなのはの教えを受け、直々に鍛えられた者達であり、その実力…特に
耐久力に関しては並の魔導師を遥かに超越している。それを簡単に倒すのは何者なのかと…

「実はね、四人がやられた時の現場にそれぞれこんな物が…。」
「これは?」

フェイトが差し出した物。それは『帰ってきたジェイル=スカリエッティ! その尖兵ただいま参上!』と
書かれた紙だった。

「あー! それと同じ紙僕も持ってるよー!」
「ナーノ!?」

なのはに付いて来ていたナーノがポケットから一枚の紙を出す。それもやはり
例の『帰ってきたジェイル=スカリエッティ! その尖兵ただいま参上!』の紙だった。

「ナーノ…そんな物を一体何処で!?」
「あの時おじさん臭い不良男子学生に105円をカツアゲされた時に代わりに貰ったんだ。」
「……………。」

そう。ナーノをカツアゲしたおじさん臭い不良男子学生はただの老け顔不良男子学生では無かった。
彼もまたジェイル=スカリエッティの改造人間。『カツアゲするオトコ』だったのである!

「そんな…ナーノまで…。それにジェイル=スカリエッティって…まさか…あのスカリエッティの事?」
「うん。多分間違い無くあのジェイル=スカリエッティ…。奴は完全に諦めて無かったんだ。
奴は帰ってきた。さらに恐ろしい軍団を引っさげて…帰ってきたんだ…。」
「その人誰なの〜?」

数年ぶりに出て来たジェイル=スカリエッティと言う単語になのはとフェイトは深刻な顔となるが、
まだ幼いナーノにとっては初めて聞く単語であり、意味が分からなかった。

「ならどうしてティアナ達を!? 彼の目的が私ならば…私を直接狙えば良かった! なのにどうして…。」
「それは…多分…私の推測だけど…スカリエッティはなのはのして来た事を否定したいんだと思う。」
「否定?」
「うん。そもそもスカリエッティは一体何を思ったかなのはに求婚していた。でもなのははその求婚に
応じず、ユーノと結婚した。それがスカリエッティは悔しかったんだと思う。だから、なのはの遺志を継ぐ
教え子達…ティアナやエリオ達を潰して、なのはのして来た事を否定しようとしたんだと思う。
そしてスカリエッティは多分こう言いたいんだよ。なのはがスカリエッティの求婚に応じず、
ユーノと結婚した事は間違いだと…。」
「ねぇ〜一体誰なの〜?」

フェイトの話を聞いたなのはの表情は歪み…頭を抱えるしか無かった。

「そんな…じゃ…じゃあ…ティアナ達がああなったのは…私のせい…?」
「あ! でもこれはさっきも言った通り、あくまでも私の推測だからね? だから気を悪くしないで。
もしかしたらスカリエッティがただ単に管理局へ復讐しようとしてるだけかもしれないし…。」
「ねぇ〜そのすかりえってぃって言うのは誰なの〜?」

なのはとフェイトの会話は深刻を極めたが…ナーノのせいでどうにも緊張感が半減していた。
だが、逆に言えばナーノがいたからこそ、なのはは希望を捨てずに…スカリエッティへ
立ち向かって行こうと言う気持ちが湧いてくるのである。

「お母さん泣いちゃダメだよ〜。元気出してよ〜。」
「ありがとうナーノ…お母さんがんばるよ…。」

なのははティアナ達が自分のせいで犠牲になったも同然である事が申し訳無くて、涙する程だったが
そんな母の頭を心配しながら撫でるナーノになのはは勇気付けられ、思わず抱き締めていた。

「ナーノ…。」
「ところでお母さん、すかりえってぃって誰なの〜?」
「…………。」

なのはに抱かれるナーノの姿にフェイトは嫉妬していた。相手がなのはの息子とは言え、
顔はなのはに全然似ず、幼き日のユーノと違わぬ物になっている事がフェイトにとって
気に入らない事だった。故にナーノが生まれたその日以来…何度絞め殺そうとした事か…。

しかし、今はそんな内輪揉めをしている場合では無い。この一大事に時空管理局は
『帰ってきたジェイル=スカリエッティ対策会議』を開き、その対策の為に
軌道拘置所へ収監していた、スカリエッティと縁のあったとある二名を牢から出すのであった………

                        つづく


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目次:二つの未来
著者:◆6BmcNJgox2

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