魔法少女リリカルなのは、 〜伝説の傭兵〜

[161]37564<sage> 2006/07/01(土) 01:28:17 ID:qcxO7BC8
[162]37564<sage> 2006/07/01(土) 01:29:54 ID:qcxO7BC8
[163]37564<sage> 2006/07/01(土) 01:31:40 ID:qcxO7BC8

はやてが妙な男に捕まり既に一分半が過ぎた。

くそ〜、あの野郎はやてに汚い手で触りやがって、絶対に許さねえ!
…でも、これじゃ近づけねえ…まぁシグナム達も一緒だけどな。
…ん?アイツはやてを放す気になったみたいだな、チャンスだ。
「アイゼン!カートリッジロードだ!!」

「ふっふっふっ、助かりましたよ。これで大分情報も手に入りました」
「…うちの質問には答えてくれへんのやな」
「私の名を知ったとこで君が如何こう出来るとは思えませんが念の為ですよ」
男はそう言ってはやてを掴んでいた手を放した。
「うち、てっきり殺されるかと思ったわ…」
「言った筈ですよ。私は、野蛮な事『ラケーテンハンマー!』は、…!?」
男が声のした方を見るとハンマーを構えたヴィータが真直ぐ向かって来る。
「し、しまっ!?グガアっ!!」
「オラアアアア!!!ブチ抜けえぇぇ!!!」
ヴィータのハンマーは男の腹部に直撃、男はハンマーの威力により後ろに吹き飛び
一つの建物の壁をブチ破った。
「やったわ♪ヴィータちゃん」
「良くやった。ヴィータ」
その様子を見ていたシャマルやシグナムはそう言ってはやての下に駆け寄った。
「主、ご無事ですか?」
「はやてちゃん何処も怪我して無い?」
「うちは平気や、特に暴力は振るわんかったしな。でも何かちょっとしんどいわ」
シャマルとザフィーラがはやてと会話してると、
「如何した?ヴィータ。浮かない顔をしているが」
シグナムがヴィータの浮かない顔に気付きそう聞いた。
「…あの野郎、アイゼンが当たる寸前に後ろに下がってダメージを逃がしやがった」
「なに!それは本当か?」
「ああ、アイゼンが当たった時、手応えが感じなかった…」
それを聞いたシグナムは男の突っ込んだ建物を睨んだ。
「ザフィーラ!主とシャマルを頼む。行くぞヴィータ!」
「おう!」
そう言うと二人は建物に向かって飛んだ。
「…全くヴィータもシグナムも元気ええな」
「元気の問題じゃないと思いますけどはやてちゃん。ところであの男性が突っ込んだ建物って…」
「ああ、確かあれは『海鳴デパート』やね」
二人はシグナムとヴィータの向かう先の建物を見続けていた。
「……シャマル、うち何か嫌な予感がするねんけど…」
「…私もです。はやてちゃん」
(俺もだ)
シャマルに続いてザフィーラも心の中で呟いた。
          ※
「グッ、ゴホッ…痛ッ…あのガキやってくれましたね。
マントをしてるとは言え、咄嗟に後ろに下がってなかったら危なかったですよ」
男は咳をしつつ瓦礫を退かし、立ち上って自分の腹部に触れた。
「痛ッ!今日は厄日ですかね。
このマントは魔力ダメージは防げても物理ダメージまでは防げませんからね。全くついてませんよ」
男はそう言いつつ回りを見回す。
如何やら其処はデパートの洋服売り場の様だった。
「此処は確かデパートと言う場所でしたね。ん?アレは使えそうですね」
男はある物を見つけ笑みを零した。しかし、フードを深々と被っていたので顔色がまるで分からなかった。
           ※
一方、
「見せてやろう。俺の魔力攻撃をな!」
男はそう言うと両腕を顔の方に持っていきクロスさせ詠唱を唱えた。
「…ジュゲルベルドバルトエンドゲルツタイ…」
「な、なんなんだい、この詠唱は?」
「聞いた事が無い。でもこれは詠唱と言うより…」
「…まるで呪言じゃないか」
クロノ達は男の詠唱をまるで呪を吐く様に聞こえていた。
「…エルブスト、ゲルバリク!!待たせたな」
男はそう言うとクロスさせていた腕を解くと右手を高らかに上げた。
「行くぞ!!『ヘル・スコール』!!!」
すると、右手に集まっていた黒い魔力が一気に空中に上昇し突然消えたかに見えた。
……………
「…なに?これで終わり?」
なのは達がそう呟く。すると、
「(あの本の内容通りだとすると……!)皆、直にシールドを張るんだ!!」
「如何言う事!?ユーノ!」
「説明は後、早く!」
ユーノはそう言ってなのはの横に立ち一早くシールドを張った。
それを見ていたフェイト達もシールドを張った。その直後に、
ズババババババババババババババババババババババババババババババ……
辺り一面に男の放った魔力がまるで雨の様に空から降ってきた。
「くっ、何なんだいこりゃ!?」
「黒い雨?違う魔力の雨!」
「シールド越しでもこの威力なんて…」
この時、クロノ達は先のユーノの言葉が無かった時の事考え背筋が凍った。
それから、30秒近く経ってようやく魔力の雨も治まった。
「くっ、やっと治まったかい…」
なのは以外のメンバーはシールドを張った腕を抑えつつそう言った。
「大丈夫!?ユーノ君!」
なのはが心配そうにユーノを支えた。
「大丈夫だよ、これでも結界魔導師だからね」
ユーノは汗は掻きながらも笑顔でなのはに答えた。 
「そうか、なら先に潰させて貰おう」
「「!」」
なのはとユーノが気付いた時には男は既に目の前に居た。
「この程度で死ぬなよ…」
「!危ないなのは!!グフッ!!」
「キャア!?」
ユーノは咄嗟に横に居たなのはを突き飛ばした。
その直後にユーノは男の蹴りを左腕に食らう、
その時、ユーノは『ゴキッ』っとする音を聞いた。
「「「ユーノ!?」」」
「ユーノ君!?」
一番近くに居たなのはがいち早く駆けつけフェイト、アルフ、クロノと続いた。
「ユーノ君!ユーノ君!!」
「だ、大丈夫だよ、なのは。僕はピンピン…ウッ」
「動かないでユーノ。多分折れてる」
フェイトはユーノの左腕を摩りそう言った。
「くっ、あんた卑怯じゃないか!いきなり攻撃するなんて!!」
アルフが男に怒鳴ったが、
「ふん、馬鹿め。戦いの真っ只中で余所見をする方が悪いのさ。
言ってみれば自業自得と言う奴だ」
「…なんて人なの」
「…私の所為だ…」
「え?」
「私がユーノ君に『大丈夫!?』なんて聞いたからユーノ君が、ユーノ君が…」
「そんな、なのはの所為じゃないよ!」
「そうだよ、なのは」
フェイトとユーノがなのはを励ます。
「あ〜〜〜、責任を感じるのは勝手だが戦いを忘れて貰っちゃ困るぜ!」
「アルフ、ユーノを安全場所に」
「そんな、フェイト。僕はまだ戦えるよ」
「駄目だ、ユーノ。アイツはアンタを狙ったんだ。また狙われるよ」
アルフがそう言うとユーノを抱き抱えビルの方に向かった。
             ※
「退けえぇぇぇぇ!!!」
「ブチ抜けえぇぇぇぇ!!!」
シグナムとヴィータはある『物』蹴散らして居た。
その物とは、デパートによくある『マネキン人形』だった。
しかも、そのマネキンは手に包丁やカッターナイフ等も持っていた。
宛らホラー映画の様な光景であった。
「くっそー、何でこいつ等が動けるんだ!?」
「大方あの男の仕業だろ」
「ご名答。なかなか頭良いですね貴方」
「ふっ、挑発のつもりか?」
「まっ、そう受け取っても構いませんよ。それでは私はここで。
暫くその『魔導人形』と遊んでて下さい」
男はそう言うと地面に降下しだした。
「待てよ、また逃げんのか!?」
「逃げもまた兵法の一つですよ」
ヴィータの問いに男はそう返した。

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目次:魔法少女リリカルなのは、〜伝説の傭兵〜
著者:37564

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