452 鉄拳の老拳士 sage 2008/03/11(火) 00:21:04 ID:ZyHqW0so
454 鉄拳の老拳士 sage 2008/03/11(火) 00:22:41 ID:ZyHqW0so
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459 鉄拳の老拳士 sage 2008/03/11(火) 00:26:04 ID:ZyHqW0so

鉄拳の老拳士5


久しぶりに兄弟の声を聞いた。
こいつの声を聞いたのは何年振りだろうな、もう昔過ぎて思い出せもしねえ。
少なくとも十云年は聞いてねえ、きっとクイントが家を出て行って以来だろうな。
まったく、いつもはムッツリ黙っていやがる癖にどうしてここぞって時にくっちゃべりやがるかねえ。

拳が泣いてるなんざ、とっく知ってるってんだバーロー。





機動六課フォワードメンバーの潜入した大規模工場区画の工場内部。
潜伏しているスカリエッティを捜索するも工場内部はあまりに広大で、時間と体力を無駄に浪費するばかりだった。
そうしている内にも隊長陣は空で激しい戦いを繰り広げているのだ、その事を思えば捜索に走るフォワードメンバーの内には苦い焦りが湧いてくる。


そして敵はそんな彼らの焦心を呼んでいるかの如く、絶妙のタイミングで現われた。

突如として工場内に轟音が響き渡り地響きの如く揺らす。
衝撃に驚きながらスバルは散開して捜索に当たっていたライトニングや他のメンバーに念話通信を飛ばす。


『みんな大丈夫!?』
『スバルさん、こっちに敵ガジェット現われました。また見たこともない新型で、うわああぁっ!!』
『ちょっ! エリオ!?』


叫びと共に念話は途切れ、各種通信も阻害されて繋がらなくなる。
スバルは隣にいた相棒と視線を交錯させて互いに危険な状況になっている事を認識、そして迷う事無く窮地を迎えているであろう仲間達の下へ駆け出した。
宙を走る青白い魔力光で形成されたウイングロードの上をスバルとティアナの二人が疾走する、そこへスバルのものより深い青をしたウイングロードが併走して現われる。
そして言うまでもなくその上を走るのは黒いバリアジャケットを羽織った一人の老兵。
捜索の為に別行動をしていたバウンティハンター、アルベルト・ゴードンである。


「よう嬢ちゃん方、元気してたか?」
「ゴードンさん、冗談言ってる場合じゃないですよ」
「こいつぁ失礼。つい癖でな」


ゴードンの緊張感の欠けた様子にティアナが呆れたように漏らす。
だが対するゴードンはこれもまた緊張感の無い返事を返す。
だがそれも一瞬の事であり、ゴードンは即座に真剣な顔に変わった。

「さっきから通信が入らねえ、そっちはどうだ?」
「こっちも同じです、恐らくは敵の妨害が入ってます。それにエリオ達のところに敵が出たみたいで‥‥」
「そうかい、じゃあグズグズしてられねえな」


ゴードンはそう言うと、自身のウイングロードを突然スバルのそれに近づけてティアナに腕を伸ばす。
そしてティアナを自分の脇に抱き抱えた。


「きゃっ! ちょっ、ゴードンさん?」
「嬢ちゃんが走るより俺の方が速いだろ? ほれスバルの嬢ちゃんも」
「うわっ!」


ゴードンはスバルをティアナと同じように自分の脇に抱え上げる。
そうして二人を抱きかかえると今までの比でないくらいに速度をあげて走り出した。
脚部のローラーブーツがギアを上げて唸りを上げ、漆黒をした一陣の風となる。


「ひいいいいぃっ!!」
「うわ〜い♪」


ティアナは驚いて悲鳴を、スバルは嬉しさから嬉声を上げた。





「がはっ!」


若き槍騎士はその口から鮮血を吐き散らして呻いた。
腹部に刺さった敵の攻撃は内臓まで貫通こそしなかったもののバリアジャケットを引き裂き幼い身体に強烈な衝撃を与える。
反動で後方に吹き飛んだエリオは瓦礫の山に突っ込み何度も転がった。


「くっ‥‥まだ‥やれる」


なんとか手にした槍型デバイスを杖代わりにして起き上がり眼前の敵を睨む。
そこには自分を吹き飛ばした新手の敵が無機質な金属製ボディを鈍く輝かせ、何の感情も無いモノアイでこちらを見据えていた。

それは今までのどんなガジェットとも違う形状をしていた。
あえて言うならばヒトデだろう。
全長は120センチ前後、各部5箇所が鋭角的に尖った星型をしており、その先端は鋭い刃を装着されている。
そしてボディ全体に推進器(スラスター)が取り付けられており、急速な加速性能を持って手裏剣の如く飛んで襲い来るのだ。
最高速度こそエリオに劣るものの、一瞬でトップスピードに達するその加速性は驚異的の一言である。

これでも1体程度ならばエリオでも十分に対応できる、だが相手は優に30を超える数を誇り、さらにはキャロが初撃で気を失って今はフリードの背で守られているのだ。
フリードがキャロを守らねばならない以上は実質的に孤立無援、エリオは一人で戦うよりない。
自分が引けばキャロもろとも無残に敵の手に落ちるは必定、ならば後退・逃走の道は眼中になかった。
例え五体が砕けても戦い抜く覚悟はあった、しかしそれにはあまりに手傷を負いすぎている。
無論、敵はそんな事などお構い無しに襲い来る。


「ぐあああっ!!」


星型をした新型ガジェットが急加速で飛び交い、不規則な軌跡を描いてエリオに凶刃を振るう。
瞬く間に少年の身体は刻まれて赤い赤い血の雫を散らしていく。
圧倒的劣勢、遠のく意識の中で死を覚悟したエリオの下に救援の鉄拳が辿り着いた。

金属を剛力で無理矢理引き千切るようなけたたましい音が響き、火花の華が宙に咲く。
異形の戦闘機械は老兵の振るった剛拳により四散し、膝を屈して倒れんとした少年は彼の手で支えられた。


「よくがんばったな坊主、大したもんだ」
「‥‥ゴードン‥さん」


ゴードンは傷ついたエリオを優しく抱きとめると太陽のように明るい笑顔を見せる。
エリオは思わず、ゴードンのその顔に記憶の彼方にある父の影を見た。
温かくて大きくて、そしてとても強い男の手に抱かれる安堵にエリオは意識を手放した。


「嬢ちゃん、この坊主を頼むぜ」


ゴードンは意識を失ったエリオを傍にいたティアナに手渡す。
そしてコキコキと肩を鳴らしながら腕を振りかぶり、バリアジャケット越しに隆起した筋肉が逞しい形を見せる。
そして勢い良く眼前で両の鉄拳を打ち合わせて甲高い金属音を響かせた。


「嬢ちゃんらは少し下がってな、この鉄屑共は俺が掃除してやるぜ」


お得意の不敵な笑みを以ってガジェットの群れに拳を構えるゴードン。
そんな時、彼の隣に同じく鋼の拳を持つ少女が並び立った。


「ならあたしも一緒に戦います!」


額のハチマキを揺らし青い髪を振り乱した少女、スバルは勇ましく吼える。
その瞳は固有技能の使用に備えて金色に変わり、同時に熱い闘志が燃え盛っていた。


「おいスバル嬢ちゃん、そいつぁお奨めしねえぜ?」
「ちょっ! 何言ってんのよスバル!? ここは一旦全員で引いて体勢を立て直して‥」
「こんなに敵がいたら殿が必要だよ。ティアはエリオとキャロを連れて撤退してちょうだい、あたしとゴードンさんが敵を止めてるから」
「む、無茶言ってんじゃないわよ、それなら私が残るわ!」
「ティアじゃ火力不足だよ。それに大丈夫、ゴードンさんと一緒なら絶対負けないから」


スバルは真っ直ぐ過ぎるくらいに曇りの無い瞳でティアナに答える。
その言葉に一切の淀みは無く、後退の意思など一欠けらも無い。
スバルの意見はもっともであったがそれ以上にこうなった彼女は何があっても自分の意思を曲げないという事をティアナは知っていた。故に大きく溜息をついて呆れる。


「分かったわよ、確かに単純に敵を潰すんならあんたの方が適任だしね。でも無茶するんじゃないわよ? 分かった?」
「うん」
「まったく本当に分かってんだか‥‥ゴードンさん、スバルの事お願いしますね」
「まったく無茶ばっか言う嬢ちゃん方だ‥‥まあ良いぜ、まかしときな」


ゴードンはやや仕方無さそうにしながらも了承する。
今は亡き妻や娘といった自分の家系の女の強情さを知っている故に、下手な説得など意味が無い事をよく理解しているのだろう。

ティアナは傷ついたエリオを連れてキャロやフリードと共に撤退。
そしてその場には二人の拳士と異形の戦闘機械の群れのみが残された。
物言わぬガジェットは周囲を取り囲みゴードンとスバルを無機質なモノアイで観察しながら、隙を伺って奇襲の機会を狙っている。
ゴードンとスバルは背中合わせに構えてガジェットを見据える。


「嬢ちゃん、こいつらの特徴分かったかい?」
「はい。高速起動での近接戦闘、恐らくは数に任せた同時攻撃で逃げ場を殺して襲ってきます」
「OK、そこまで分かってんなら上出来だ。ならどうする?」


ゴードンの言葉の残響が消えるか否かの瞬間、唐突に何の前触れも無く敵は攻撃を開始した。
巨大な手裏剣のような新型ガジェットが高速起動戦闘を得意とするエリオにも匹敵する速度で以って前後左右からタイミングを合わせた攻撃が回避する空間を殺して迫る。
並みの魔道師ならば自分が倒されたと気付く間も無く意識を闇に落としているだろう、だが破壊されたのは襲い掛かった戦闘機械。
老兵と少女の鉄拳が凄まじい速度で数発繰り出されれば、装甲を紙のように切り裂かれたガジェットが宙を舞う。


「無理して回避せず、敵の動きを読んで後の先を取りカウンターで倒す。で、どうですか?」


攻撃を仕掛けた数機のガジェットを倒すと、スバルは先ほどゴードンの言った質問に答えた。
敵に囲まれつつもしっかりと返事を返すあたり彼女の律儀さが伺えるだろう。
ゴードンは思わず嬉しそうに豪快に笑った。


「ガハハハッ!! 良い答えだ嬢ちゃん、きっと腕の立つ師匠に教わったんだな」
「はい。なのはさんやギン姉、それに母さんに」
「そうかい」


スバルの口から出た母という言葉、言うまでもなくゴードンの娘クイントの事だ。
自身から娘に伝えた技がこうして孫の代まで継承されているという事にゴードンの胸が思わず熱くなる。
老兵は柄にも無く感傷的になりそうになるのを押さえ、務めて明るく振舞った。


「それじゃあ、楽しい喧嘩パーティーとしゃれ込もうぜ!!」





廃棄工場区画内部の一室、薄暗い部屋の中でモニターを眺めている男が一人。
言うまでも無くこの事件の首謀者、ジェイル・スカリエッティである。
モニターには群がるガジェットを次々と倒していくゴードンとスバルが映っていた。


「やれやれ、タイプγでも倒せないなんてどういう強さだ。しかしせっかくタイプゼロがいるのだから無理をしてでも捕獲させてもらおう」


スカリエッティはそう呟くと部屋を出てガジェットを格納している倉庫に入る。
そこには彼が作ってきたあらゆる兵器の中でも最高傑作の一つ、巨大にして凶悪な鉄塊が鎮座していた。

優に40メートルを超える巨体、ムカデのよう多脚式の下半身に上半身は人のような形をしているが6本もの腕を持ちそれぞれに銃火器や棍棒といった様々な武器を装着している。
まるで古に伝わる戦の神、阿修羅を髣髴とさせる歪な姿形は異形というほか無い。

これぞ最高の予算と時間をかけてこの世界で作り上げた単一戦闘能力を求め続けた最高の戦闘機械、タイプδである。

スカリエッティはその禍々しい姿に魅入られるように恍惚とした笑みを零す。
この異形の前ならばいかに強大な魔道師であろうと容易く葬り去るだろう、例え傷ついた状態であってもタイプゼロ・セカンドが手に入ると思えば愉快で仕方が無い。
異形の機械の前で狂気に身を浸した科学者の笑みが闇に溶けていった。





「こんなもんかねぇ」


ゴードンが呟くと同時に最後のガジェットの残骸が砕かれて無数の機械部品となって地に転がる。
老兵と少女、二人のシューティングアーツの使い手はまるで長年共に戦ってきたかのように卓越した連携を誇り、一切の反撃を許さず敵を掃討し尽くしていた。


「やっぱりゴードンさんって凄いですね、あたし一人じゃ絶対無理でした」
「ありがとよ、しかしこんなカワイ子ちゃんに褒められちゃあ照れちまうぜ」


ゴードンの言葉にスバルは顔を真っ赤にして照れて恥ずかしそうにはにかむ。
その柔らかい微笑みに復讐の業火を宿す老兵の心に一陣の涼風が流れる。
だが一時の安らぎは呆気無く破られた。


「いやぁ〜お強い事だ。さすがはベルカ最強の拳士と呼ばれただけの事はある」


高らかな拍手を以って愉快そうな声が響く。
それはゴードンにとって忘れようの無い残響、憎むべき仇敵の声。
振り向けばそこには邪悪な黒い笑みを顔に張り付けた白衣の男、ジェイル・スカリエッティが実に悠然と佇んでいた。

スカリエッティのその姿を見た刹那、ゴードンの思考は暗黒の殺意に塗り潰される。
淀み濁った憎悪の波に精神を侵され老兵は一匹の狂える野獣へと変わり果てる、そして脚部のローラーブーツを最高速度で加速させ鉄拳を振りかぶり白衣の科学者に襲い掛かった。


「があああああぁっ!!!」


あらゆる魔獣をも恐怖させるような雄叫びを上げてゴードンは一直線にスカリエッティへと駆け、最高の重さと速さを持った右ストレートを打ち込む。
だがその一撃が復讐を果たす事は無かった、何故ならその寸前にゴードンの身体が吹き飛んでいたのだから。

ゴードンが加速してスカリエッティに接近し鉄拳を振り下ろした瞬間、一筋の閃光が彼を飲み込み吹き飛ばしたのだ。
それは横合いからの待ち伏せ、高町なのはにすら匹敵する砲撃で理性を失った復讐鬼を仕留める為の理詰めの算段。
ゴードンは閃光に吹き飛ばされ、壁をぶち抜いて瓦礫の山の中に消えた。

そしてゴードンに砲撃を打ち込んだ主、異形の戦闘機械はその奇怪な姿を露にする。
優に40メートルを超える巨体がカモフラージュを解いて鈍い色を輝かせる。

この異形が今まで気付かれずに隠れられていたのは周囲の像を歪ませるステルス機能の為だ。
それほど高度なステルス能力ではないが薄暗い屋内ならば十二分な効果を発揮するのだ。


「ゴードンさん!!」
「ふむ、ステルス性はなかなか悪くないな。少なくとも通常のデバイスの索敵能力の裏はかけるか」


スバルの悲痛な叫びが響き、スカリエッティが自身の作った戦闘機械の性能にしみじみと呟く。
吹き飛ばされたゴードンの下にスバルが駆け寄ろうとする、だがそんな彼女に無数の銃弾が乾いた炸裂音を立てて放たれる。


「きゃああっ!!」


デバイスが咄嗟にオートで作り出した防御障壁で銃撃を防ぐが、敵の持つ機銃はかなりの大口径でその威力は凄まじく、スバルの強固な防御を容赦なく軋ませる。


「タイプゼロ、いやスバル君とでも言った方が良いかな? 君にもこのタイプδの実戦テストに付き合ってもらおうか」


スカリエッティはそう言うとパチンと小気味良い音を立てて指を鳴らす。
それを合図にタイプδと呼ばれた異形の戦闘機械が下半身のムカデのような多脚を不気味に動かしてスバルに迫り来る。


「くっ!」


苦い表情を浮かべながらもスバルはウイングロードを展開して後退。
少なくともあの巨体を相手に真っ向から接近戦をするのは得策ではないと瞬時に考える。
タイプδの上半身には6本の腕が備えられており、1本が巨大な熱線砲、1本が多砲門型ロケットランチャー、2本が大口径ガトリングガン、そしてもう2本が白兵戦用の巨大な棍棒。
どの攻撃でも直撃で喰らえばひとたまりも無い、もし先ほどゴードンの受けた熱線砲の砲撃など受ければスバルは容易く倒される。
まずは体勢を立て直して様子を見なければという冷静な思考に従いスバルは距離をとろうとした。
だが突如として彼女の走る魔力の道ウイングロードがかき消され、スバルは地面に落とされる。


「こ、これは‥‥AMF? なんて重さなの‥」


高性能のAMF発生装置で展開される高濃度のAMF下でスバルの魔法行使能力は著しく阻害される。
そして苦い顔で膝を突くスバルめがけてタイプδの腹部から何かが放たれた。


「きゃあっ!」


それは射出式対人捕獲用ネット、太い鋼線と特殊繊維で編みこまれたネットがスバルの肢体に絡まり動きを殺す。
呆気無く捕縛されたスバルに金色の瞳を不気味なほどに輝かせたスカリエッティが近づいた。


「案外アッサリいったねぇ、もう少し粘ってもらわねば実戦テストにならないんだが」


スカリエッティの浮かべる薄ら笑いにスバルが気丈に睨み付ける。
だがスカリエッティはそんな彼女の敵意も意に介さず、嬲るような妖しい手つきで指を伸ばした。


「いやぁっ! やめてっ!!」


スカリエッティの指が優しくそして淫らさも孕んだようにスバルの頬を這う。
その表情は満面の喜悦を浮かべ、瞳が不気味な光を放っている。
明らかに常軌を逸したスカリエッティの目つきにスバルの悲鳴が響く。


「前回手に入れた君の姉君は固有技能を持っていなかったからねぇ、大した研究材料にならなかったんだよ。しかし君の固有技能、振動破砕は興味深い。くくくっ‥‥たっぷり時間をかけて調べさせてもらうとしよう」


スカリエッティは気味の悪い笑みを零しながらスバルの柔肌を指で撫で回す。
あまりの恐怖にスバルは涙さえ浮かべる。

だがそんな時、先ほどゴードンが吹き飛ばされて崩れた瓦礫の山が轟音を立てて爆ぜ飛ぶ。
濛々と煙が立ち昇り、黒いバリアジャケットに身を包んだ老兵が再びその勇姿を現した。


「何してやがる糞野郎。てめえの相手は俺だぜ?」


続く。



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目次:鉄拳の老拳士
著者:ザ・シガー

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