[389] 燃え上がる炎の魔法使い Last-01/15 ◆kd.2f.1cKc sage 2008/02/15(金) 15:07:23 ID:H46YBLsf
[390] 燃え上がる炎の魔法使い Last-02/15 ◆kd.2f.1cKc sage 2008/02/15(金) 15:07:55 ID:H46YBLsf
[391] 燃え上がる炎の魔法使い Last-03/15 ◆kd.2f.1cKc sage 2008/02/15(金) 15:08:22 ID:H46YBLsf
[392] 燃え上がる炎の魔法使い Last-04/15 ◆kd.2f.1cKc sage 2008/02/15(金) 15:08:46 ID:H46YBLsf
[393] 燃え上がる炎の魔法使い Last-05/15 ◆kd.2f.1cKc sage 2008/02/15(金) 15:09:11 ID:H46YBLsf
[394] 燃え上がる炎の魔法使い Last-06/15 ◆kd.2f.1cKc sage 2008/02/15(金) 15:09:41 ID:H46YBLsf
[395] 燃え上がる炎の魔法使い Last-07/15 ◆kd.2f.1cKc sage 2008/02/15(金) 15:10:30 ID:H46YBLsf
[396] 燃え上がる炎の魔法使い Last-08/15 ◆kd.2f.1cKc sage 2008/02/15(金) 15:11:05 ID:H46YBLsf
[397] 燃え上がる炎の魔法使い Last-09/15 ◆kd.2f.1cKc sage 2008/02/15(金) 15:12:18 ID:u485Op4r
[398] 燃え上がる炎の魔法使い Last-10/15 ◆kd.2f.1cKc sage 2008/02/15(金) 15:12:48 ID:u485Op4r
[399] 燃え上がる炎の魔法使い Last-11/15 ◆kd.2f.1cKc sage 2008/02/15(金) 15:13:14 ID:u485Op4r
[400] 燃え上がる炎の魔法使い Last-12/15 ◆kd.2f.1cKc sage 2008/02/15(金) 15:13:53 ID:u485Op4r
[401] 燃え上がる炎の魔法使い Last-13/15 ◆kd.2f.1cKc sage 2008/02/15(金) 15:14:44 ID:u485Op4r
[402] 燃え上がる炎の魔法使い Last-14/15 ◆kd.2f.1cKc sage 2008/02/15(金) 15:17:16 ID:u485Op4r
[403] 燃え上がる炎の魔法使い Last-15/15 ◆kd.2f.1cKc sage 2008/02/15(金) 15:17:42 ID:u485Op4r

「主はやてに危険はない」
 リインフォース、擬人化した管制人格は、はやての眠るベッドの正面で、そう言った。
 病室には、はやての他、シグナム、シャマル、ヴィータ、ザフィーラが集結していた。
騎士甲冑は解き、ラフな格好だ。
「既に魔力の侵食も、身体に影響を及ぼすようなものではなくなっている。不自由な脚も、
さほど時を置かずして、回復するだろう」
「それならいいが……」
 シグナムが言い、軽く、ため息をついた。
「こんな時に、レンの奴、どこ行ってんだよ」
 ヴィータが、そう言って、悪態をつく。
「あの5騎目の事なのだが……」
 リインフォースが言うと、シグナムき眉を少し上げて、反応した。
「あれは、夜天の書の守護騎士システムの、オリジナルではないな。それも、どうも近年
の技術、それもミッドチルダで書かれたフシがある」
「なんだって!?」
 ヴィータが声を上げて驚き、シャマルやザフィーラも、驚愕の表情を見せた。
 しかし。
「やはり、そうだったか」
 シグナムだけは、比較的落ち着いた様子で、そう言った。
「何だよシグナム、お前気付いてたのかよ!」
 ヴィータは、文句を言うように、シグナムに向かってそう言った。
「全員、最初からおかしいとは思っていたはずだ。我ら“ヴォルケンリッター”、以前の
記憶は4騎だったはず」
 シグナムの言葉に、シャマルやヴィータは、困惑気に視線を下げる。
「問題は、ベルカの衰退した今、誰がどこから付け加えたか。それは、リインフォースと
してシステムをリフレッシュした時に、気がついた」
「そうか、烈火の騎士は、あの時、稼動していたのだったな」
 シグナムの言葉に、リインフォースはそう、付け加えた。
「ああ。私自身の記憶と、システムのメモリバンクに、一時的に、食い違いがあったから
な。我々は、今回主はやてに、“シュッツリッター”と名乗っていたのだ。ヴィータ達は、
覚えていないかもしれないが……」
 シグナムはそう言って、ヴィータやシャマル、ザフィーラを見る。
「あれはおそらく、ミッドチルダ語をベルカ語に翻訳した時の、誤訳だ。それが、一番最
後に起動する守護騎士の術式内に書かれていたので、メモリバンクに間違った情報が上書
きされてしまったのだろう」
 リインフォースが、そう説明してから、ヴィータの方を見た。
「てめぇシグナム、なんでそこまで解ってて、黙ってたんだよ」
 ヴィータが、口汚く、シグナムに食ってかかる。だが、シグナムは平然と、それを受け
流す。
「別に、意識して黙っていたわけではない。レンは、製作された年代と、場所が違っただ
けで、間違いなく、我らの仲間の1人だった。いや……主はやてへの忠誠度は、オリジナ
ルの我らよりも強いかも知れん」
 シグナムの言葉に、ヴィータも毒気を抜かれ、俯く。
「あいつ、『はやてちゃんはやてちゃん』って、はやてになついてたもんな……」
「そう言うことだ」
 ヴィータの言葉に、シグナムは頷いた。
「でも、それじゃあ、レンちゃんは、可哀相かしらね」
 シャマルが、俯いたまま、重々しく、そう言った。
「ああ……あたし達は何百年と生きてきたわけだし、最後にはやてと出会えて、幸せな思
い出が作れたもんな。でも、レンは、前の時の後からだから、10年くらい、実際に起動し
たのは半年ほどで……消えちまうんだもんな」
 ヴィータも、彼女らしくなく、沈んだ声で、言う。
「いや、お前達は残る」
 リインフォースの言葉に、その場にいた4人の騎士は、軽く驚いて、顔を上げた。
「守護騎士システムは、既に、独立したタスクとして、主の中で動いている。だから、本
体を消しても、お前達が消えることはない消さなければならないのは、システムの根幹、
管制人格、つまり……」
 リインフォースは、そこで一拍置き、穏やかな笑みを浮かべた。
「逝くのは、私1人だ」

燃え上がる炎の魔法使い〜Lyrical Violence + A’s〜
 Last PHASE:Das Ende ist die Poesie des Anfanges.


「君の活躍、見せてもらったよ。大したものだ」
 『アースラ』士官室。
 グレアムは、クロノの同席を伴いつつ、アリサ、ユーノと面会していた。
 リーゼ姉妹はいない。グレアムの力になり得る使い魔だし、その場での判断とは言え、
彼女達はグレアムの指示の範囲以上の犯罪行為を行っていることもあり、同道は認められ
なかった。
「い、いやその、えっと……」
 歳が近い人間であれば、謙遜するにも自慢するにもツンとした態度をとるアリサだが、
さすがにグレアム相手では、言葉が詰まる。
「燃え上がる炎の魔法使い、そう名乗っていたな」
 グレアムが、あくまで優しい口調と穏やかな表情で、訊ねるように言った。
 しかし、アリサは、軽く驚いて、気まずそうに、言う。
「ひょっとして、まずかったですか? 管理局で、もう、そういう人がいるとか」
「ああ……いや、いた、と言った方が正しいかな」
 グレアムは、幾分顔を渋くして、そう答えた。その言葉に、アリサはキョトンとして、
ユーノと顔を見合わせる。
「The flame which burns vigorously of Magic user. 燃え上がる炎の魔導師。これは、
クライド君が、生前にそう、呼ばれていたものだよ」
「えっ!?」
 アリサは、ユーノとそろって、短く、声を上げた。
「クライドって……クロノのお父さんの!?」
「ああ」
 聞き返すアリサに、グレアムは頷き、肯定した。
「もう、私は、現役から追われる人間だ。今回のことも、あってね。だから、君をとがめ
る権利は、既にないよ。認めるべき人間がいるとすれば……」
 そこまで言って、グレアムは、視線を、クロノに向ける。アリサとユーノも、半ばつら
れる様に、クロノを見た。
「クロノと、リンディ君だろうね」
 グレアムが言うと、アリサはもう一度、クロノに視線を向けた。
「正直、継ごうにも、僕はこの通り、父さんとは、あまり性格が似ていないし、スタイル
も、違うからね。君が名乗りたいって言うんなら、僕は止めないよ。母さんも、駄目とは
言わないと思う」
 クロノは、相変わらず愛想に欠けた表情と口調で、そう言った。
「ありがと、クロノ」
 悪戯っぽい笑顔で、アリサはそう言った。
「もう、私もそれほど、思い残すこともなくなってきたか。後は、クロノの花嫁の姿でも、
見ておきたいぐらいかな」
 そう言って、グレアムは、はっはっと笑う。
「あー、それなら、もう相手がいますよ、クロノは」
 アリサが、急に、にたーっと意地悪そうな笑顔になると、クロノを見た。
「う、う、うるさい、余計なことを言うな!」
 かーっ、と、顔を真っ赤にして、クロノは、声を荒げた。
「提督も、変な冗談はやめてください」
「すまんすまん。とは言え、まったくの冗談というわけでもないぞ。クロノが1人前にな
るところまでは、見送るのが、私の義務だと思っているからな」
 グレアムはそう言うが、クロノは、赤い顔を険しくしたまま、押し黙ってしまった。
「さて、すまないがクロノ、ユーノ君。悪いが、アリサ君と、2人で話をさせてくれない
かね?」
「アリサと……2人で?」
 ユーノは、きょとん、として、聞き返す。
「提督、これ以上彼女に、余計なことを吹き込まないでいただきたいのですが」
 クロノは、苦い顔で、グレアムを見つつ、そう言った。
「ああ、安心しろ。その話題じゃない」
 グレアムが言うと、クロノは、はぁ、と軽くため息をついた。
「本当は、規則違反なんですよ、わかってますね?」
「ああ、大丈夫だ。もう、逃げも隠れもせんよ」
 クロノの言葉に、グレアムはそう答える。
 それを聞くと、クロノは、
「ほら、婿入りフェレット、行くぞ」
「だっ、その呼び方、止めろって言ってんだろ!」
 と、ユーノと、いくらか棘のあるやり取りをしつつ、退室して行った。
「嫁取り墨汁瓶がよーく言うわ」
「さて……」
 クロノの言い草に悪態をつきつつ、2人が扉の外に出て行くのを見送ったアリサは、グ
レアムの声に、姿勢を正面に戻す。
「クロノにはああ言ったが、実は、まだ心残りがひとつ、あってね。そもそも、今回の事
件も、そのために、魔がさしてしまった様なものなんだ」
 グレアムは、そう言って、一葉の写真を、取り出した。

 Dec.25.2005────日本国 東京都 海鳴市。
 関東地方は、12月にしては珍しい、前日夜から続く降雪に見舞われていた。
 ──海鳴海浜公園の高台。
「本当に、あなたを空に帰すの、私達でいいんですか?」
 フェイトが訊ねる。
 リインフォース、それに守護騎士の4人に呼び出され、アリサとフェイトは、そこにい
た。もちろん、ユーノも、付き添っている。
 ただ、レンの姿は、やはり、なかった。
「ああ……」
 リインフォースは、頷いた。
「ちょっと待ちなさいよ」
 アリサは不機嫌そうに、言う。
「自動防衛システムってのが無くなって、アンタも暴走する心配は無いんじゃないの? な
んで、アンタをいまさら、消さなくちゃならないわけよ」
 アリサは問い質す。
「自己修復システムは生きている。これが、新たな自動防衛システムを、構築してしまう。
残念ながら、悪意ある改変を受ける前の私の姿は、私の中に、既に、残っていない。時が
たてば、また、暴走する……」
「元の姿がわからなければ、戻しようが無いということだ」
 リインフォースが言い、ザフィーラが付け加えた。
「んで」
 アリサは不機嫌そうにそっぽを向きつつ、さらに訊ねる。
「このこと、はやては知ってるワケ?」
「いや……まだ、知らぬ。主は優しすぎるからな、私が消えるとなったら、止めるだろう
し、私の中にも、未練が生まれてしまうとも、限らない」
 リインフォースは、少し俯きがちにしつつ、そう言った。
「そう、それじゃあたしパス」
 アリサは素気なく言って、くるりと後ろを向く。
「何!?」
 リインフォースが驚いたように言い、他の騎士達にも動揺が走る。
「あーこのくそ寒いのに無駄に時間つかっちゃった。ユーノ、帰るわよ」
 アリサはぶつくさと言う。ユーノは困惑気に苦笑しつつも、アリサと一緒に踵を返しか
けた。
「待て」
「あによ?」
 呼び止めるリインフォースに、アリサは不機嫌そうな顔で、振り返る。
「お前は、また、昨日までのような、悲劇が繰り返されても良いと言うのか?」
 リインフォースが、険しい表情で問い質すが、アリサは呆れたように「はんっ」と言っ
た後、顔を正面に戻し、つまりリインフォースには背を向けた。
「そうやって、アンタ1人じゃ背負いきれない罪、あたしやフェイトにまでおっかぶせて、
自分はさっさと消えちゃおうなんて、ムシがいいにも程があるわ」
「なっ、何!?」
 アリサの言い草に、リインフォースの顔色が変わる。
 くるり、再び、アリサが身体ごと、振り返る。その表情は、憤りのものだった。
「アンタがやろうとしてるのはね、どう見たって逃げじゃない! だから、はやてがここに
いないんでしょーが! 本当は未練もある、まだ消えたくない。でも、そのために誰かが傷
つくのは見たくない。違う!?」
「それは……しかし……」
 アリサの言葉に、リインフォースは返事に詰まる。
「冗談じゃないわ。誰も傷つけないで生きてるヤツなんていない。自分が生きるための痛
みから逃げようとしてるヤツの、自殺を手伝えだなんて、あたしは真っ平御免よ」
 言うと、アリサはジャンバーフードを直し、雪を払った。
「ごめん、私もアリサが正しいと思う」
「テスタロッサ!?」
 フェイトの言葉に、リインフォースは、そちらを向いて、目を円くした。
「今ここで、あなたを消すのは簡単。でも、そうしたら、多分あなたは、結局『闇の書』
として、未来に伝えられることになる。それは、あなたの本意じゃないと思うし、シグナ
ムやヴィータ達にも不幸しか残さない」
 フェイトが言うと、アリサはにっと笑って、2人を振り返った。
「やっと始まったんじゃない、『リインフォース』がさ。だったら、もう少しでいいから、
頑張ってみようよ。アンタが『闇の書』だったなんて、誰も言わなくなるまではさ」
 アリサは、穏やかな笑みを浮かべ、そう言った。
「元の形がわからないなら、新しく作ればいい。『闇の書』でも、“古代ベルカの『夜天
の書』”でもない、新しいあなたを」
 同じように、優しげに笑って、フェイトはそう言った。
「…………っ」
 リインフォースは、歯をかみ締め、俯き、振るえる。
「駄目だっ」
 リインフォースはしかし、そう叫んで、その場に膝をついた。
「新たな自動防衛システムを、再構築してる間に、再生した今までのシステムが、暴走を
始めてしまう!」
 己をかき抱き、寒さにでは無く、がくがくと震えながら、リインフォースは、叫ぶよう
に、そう言った。
「そんときは、あたしとレイジングハートが、何度でも吹っ飛ばしてあげるわよ! そうよ
ね、レイジングハート?」
『That's right. Master』
 待機時の姿で、ペンダントとして、アリサの胸にかけられていたレイジングハートは、
アリサに同意する。
「私とバルディッシュもいる」
 フェイトもまた、そう言った。
「しかし……」
 リインフォースは、顔を上げて、2人の顔を見る。リインフォースの顔は、涙が止め処
も無く、頬を伝っていた。
「その必要はあらへん」
 また別の方向から、声がかけられた。関西弁と、その声から、はやてかとも思い、全員
が周囲をキョロキョロと見回すが、目に入ったのは、はやての影のようにそっくりな、し
かし、人目に地球人ではないとわかる姿。
「レン!?」
 その場にいた7人は、いっせいに声を上げる。
「こいつ! いつの間にかどっか行っちまいやがって! はやてが大変だってのに、どこ行
ってやがったんだよ!」
 ヴィータは駆け出し、レンに近寄りながら、怒鳴る。
「スマン、ちょっと、決心つけるのに、時間かかってもうてな」
「決心?」
 ヴィータは聞き返す。他のメンツもキョトンとし、アリサは、フェイトと顔を見合わせ
た。
「あたしの正体……『闇の書』の暴走を抑制するために、外部から送り込まれた、『闇の書』
にとっての破壊的術式、ウィルス。地球では、『トロイの木馬』とも、通称される、それが、
あたし」
 穏やかな顔で、レンはそう言った。
「何!?」
 シグナムやシャマル達も、驚きの声を上げる。
「『闇の書』は改変されていたとは言え、むしろその改変のせいで、外部からは簡単に書き
換えられへんようになってしもた。その元凶が、あの自己防衛システムやった。けど、暴
走する自己防衛システムは、蒐集中に主が死亡してのそれやあらへん限り、転生前に一度
切り離されて、再生される。そんなら、転生するとき、『闇の書』の本体に、自己防衛シス
テムがあるように見せかけて、自己修復されんようにしてしまえばええ」
「それで……ウィルス、か!」
 レンの説明に、ザフィーラが、納得の声を上げる。
 レンは、ザフィーラたちを振り返って、頷いた。
「せやけど、『闇の書』本体は、今も言った通り、マスター以外にはちょっとやそっとじゃ
変えられへんようになってるし、メインシステム自体は強固や」
「唯一、外部からの影響を受けやすいのが、守護騎士システム、という事か」
 シグナムの声に、レンは頷く。
「そうや。あたしは守護騎士システムに紛れてタスクを起動。自動防衛システムが切り離
されたら、そのAPIに取り付いて、自動防衛システムのふりをする。そうすれば、少なく
とも暴走は二度とおこらへんし、そうなれば、修正するチャンスもある」
 そこまで説明してから、レンはぽりぽりと、頬をかいて、決まりが悪そうに、苦笑する。
「まぁ、肝心の切り離しの瞬間に、あたしのタスク止められてもうてて、できへんかった
んやけどな」
「それは、あのバカ猫たちが……まぁ、それはどうでもいいか」
 アリサが、毒を吐こうとして、途中で止める。
「その性格上、蒐集がある程度進むまではあたしにもあたしがなんだかわからへんように
なっとるし、完成までは、他の騎士や主にこのことを伝えられへんようになっとった。せ
やから、騙した形になってしもたね、スマン、ヴィータ、シグナム、シャマル、ザフィー
ラ」
「そんなの、気にすんじゃねーよ!」
 ヴィータは、身を乗り出すようにしつつ、ぶっきらぼうに、言う。他の騎士も、レンを
責めたりはしない。
「それと……フェイト」
 レンは、前に進んで、リインフォースとアリサとフェイト、3人に近づきながら、言う。
「アルフに、ありがとうって言っといてな。ええ拳やった、アンタのおかげで楽しかった
って」
 にこにこと、本当に楽しそうに、レンは、そう言った。
「…………解った」
 フェイトは、少し逡巡してから、頷いた。
「ちょっと待ちなさいよ!」
 対照的に、アリサは、声を荒げる。
「いくらリインフォースを助けるためって言ったって、アンタが消えちゃったら、結局、
意味ないじゃない!」
「消えるんやない!」
 アリサに、レンは怒声で返した。
「消えるんやないよ。確かに、この姿はなくなる。言葉を直接、交わすこともあらへん。
せやけど、あたしはリインフォースの中におる。それこそ、健やかなる時も、病める時も、
はやてちゃんの命が尽きへんかぎり、あたしは、みんなと、一緒や」
「けど、でも、そんなのって……」
 納得いかないというように、アリサは、悲しげな表情で、さらに、何か、言おうとする。
「さっき、アリサちゃん、言うてたやんか」
「えっ?」
 レンが言い、アリサは、キョトン、として、聞き返す。
「誰も傷つけんと、生きてるヤツおらへん……せやから、あたしが、リインフォースの為
に、犠牲になる」
「アンタ……」
 その悲壮な覚悟をし、なお笑顔を作るレンに、アリサも、毒気を抜かれてしまう。
「まぁ、本音言うと、すごい苦しんだ。寂しいって、今まで迷ってた。けど、もう、怖く
はあらへん。逃げるんやない。皆と一緒に、前に歩き出す1歩。だから、寂しいけど、怖
くはあらへんのや」
 苦笑しながら、レンは、あくまで明るい口調で、そう言った。
「ほな、リインフォース、はじめよか」
「…………ああ」
 レンが言い、リインフォースは立ち上がる。
「1つだけ、聞かせてもらっていいかな」
 それまで、沈黙していたユーノが、レンに向かって、訊ねた。
「君を作ったのって、もしかして……」
 レンは、ユーノの問いかけに、頷きを返した。
「時空管理局、次元巡航警備部提督、クライド・ハラオウン」
 レンの答えに、フェイトとアリサは、あっ、と、息を呑んで、目を円くした。
「……まぁ、1人で組んでたわけやないんやけどな。けど、正式なプロジェクトでもなか
ったから、こつこついう感じで、作ってもろたんや。ただ、人格部分だけは、完全に完成
させとる時間がなくなってな、次回にマスターになった人間の、姿と、人格の表層を、コ
ピーしてスキンにするようになっとった」
 レンは、やはり、決まり悪そうに、そう、説明した。
「それで、主はやての影、か」
 納得したように、シグナムが言う。それから、
「レン」
 と、シグナムは、さらに、言葉を続けた。
「出自がどうあろうと、お前は、間違いなく、我ら守護騎士の5騎目だ。誇り高き、白銀(し
ろがね)の拳闘騎士レン。我らヴォルケンリッターの歴史に、刻み込もう」
「……あんがと、シグナム」
 満面の笑顔で、レンはシグナムに例を言った。
 そして、リインフォースとレンは、向かい合い、お互いに手足を、軽く開く。
「ベリクル・レイデン・イリカル。燃え上がる炎の魔導師の名の下に、今、破壊と怨嗟の
扉を閉じよ」
 レンがそう唱えると、その姿は、すっと、リインフォースの中に溶け込むように、消え
ていった。ただ、私服だけが、残り、ふわり、と、その場の地面に落ちた。

 Sep.9.2011────日本国 東京都 海鳴市。
 海鳴市立海鳴第三中学校。
「風芽丘か、悪いトコじゃないが……バニングス、お前さんの成績だったら、もっと上も
狙えるんだぞ?」
 担任の男性教師は、進路希望調査票を見つつ、個人面談中の、アリサに向かって、そう
言った。
「はい、でも、そこで充分ですから。あまり、遠くまで通うつもりも、ありませんし」
 アリサははきはきと、そう答えた。
 15歳となり、身長は伸び、プロポーションもやや早熟に女性らしくなったが、一方で、
顔には、まだまだ、少女時代の面影が、残っている。
 しかし、何より、6年前の彼女を知るものが見て気がつくのは、髪型だろう。
 背中にまで届いていたロングヘアは、ばっさりと切り落とし、肩口程度にまで、短くし
てしまっていた。
「まぁ、親御さんも納得しているのなら、これ以上はどうということもないか」
 そう言って、軽くため息をつくと、教師は、アリサの調査票を、フォルダに戻した。
「戻ったら、次、中山、呼んでくれ」
「はーい」
 返事をして、アリサは、面談に使われている指導室を、出て行った。

 アリサは聖祥大附属小を卒業した後、エスカレーター式に進学することを嫌がって、一
般の公立中学である海鳴三中へと進んだ。
 聖祥大は、中等部と高等部で、男女が別になる。当然、アリサは、ユーノと、一緒に通
うことができなくなってしまう。それが嫌だ、と、ごねたのである。
 ……………………というのが、“表向きの”理由だった。

「はぁー、んー、あ、メールきてら」
 何気なく、ポケットから取り出した携帯電話を見て、呟いた。発信者は、『すずか携帯』
になっている。
 今、“最後の”『闇の書』事件当時までのメンバーで、アリサと親交があるのは、婚約
者であるユーノを除けば、すずかだけだった。フェイトともたまにメールのやり取りはあ
るが、頻繁にあったりはしていない。なのはとはそれすらなかったし、はやてに至っては、
すずか越しの、惰性のつき合いだった。

「それ……おかしいわよ」
 “最後の”『闇の書』事件、その処分について、クロノが一同に報告したとき、アリサ
は、真っ先に異を唱えた。
 クロノが報告したそれは、略式措置による、八神はやてへのデバイス厳重管理訓告と、
ヴォルケンリッターに対する管理局の保護観察下による奉仕活動の命令。
「アリサちゃん!?」
 なのはが、驚いたような声を出した。
「それじゃあ、君は彼女達に、厳罰を課した方がいいって言うのか?」
 クロノも、目を円くして、聞き返した。
「そうじゃないけど、でも! これだけ大事になって、しかも以前にも犠牲者がいるのに、
きちんと裁判さえしないで、そんな風に決めちゃうのは、なんか間違ってると思う」
 アリサは、険しい表情で、そう、言い返した。
「でも、フェイトの時は、君は、反対しなかったじゃないか」
「そうだけど、でも、今回は違う。上手く言えないけど、違うのよ」
 クロノに言われ、しかしアリサは、言葉を荒げて、そう言い返した。
 フェイトは、ただ、おろおろとしている。
 はやては悲しげな眼でアリサを見ている。ヴィータは、あからさまに敵意をむき出しに
している。なのはも、『どうしてそんな意地悪するの?』と言いたげな顔だった。
 四面楚歌、かつての自分のように、孤立してしまったアリサだが、それでも、自分の考
えを、どうしても、曲げることができなかった。
「僕は、アリサを支持するよ」
 軽く手を上げて、そう言ったのは、ユーノだった。
「ユーノ、君は……」
 クロノは、驚いたように言って、ユーノの顔に、視線を向けた。
「僕は、ミッドチルダ人だから、心情的には、管理局のやり方も、わからなくはない。け
ど、『闇の書』については、前回の事件のときの被害者や遺族も、まだ生きてる。その人
達に、一方的な言葉で解って貰おうって言うのは、難しいと思う」
「ユーノ……」
 1人だけでも現れた援軍、それも、慕っている男の子。アリサは、一瞬、胸が心地良く
締まるような感覚を覚えた。
 だが、今はそんな場合ではない。
「それに、アリサは上手く答えられなかったみたいだけど、『ジュエルシード』事件のと
きは、フェイトは、その目的を知らなかったし、それに、一般には大した被害も出てない。
そもそも、ジュエルシードがアリサ達の世界に流失したこと自体、輸送していた管理局の
落ち度でもある。だから、これを罪に問うのは、可愛そうだって言うのは、当然だよ。で
も、『闇の書』の場合は、違う」
 ユーノの熱弁に、なのはとはやては圧倒されかけてしまう。ヴィータは、やっぱり敵意
をむき出しにして、ユーノを睨んでいた。
「…………解った。上層部に、再考を上申してみよう」
 クロノは、渋々といった感じで、そう言った。しかし、アリサとユーノを見据えると、
さらに、続ける。
「ただ、上層部も、できれば今回の事件は、『アースラ』周辺に留め、管理世界で表面化
させたくないらしい。グレアム提督の問題もあるからね。だから、決定が覆ることは、ま
ず、ないと思う」

 結局、管理局上層部は、その“温情的”結論を、覆すことはなかった。身体の不自由な
はやてに、罪を課す事は酷だし、ヴォルケンリッターも、事件の恒久的解決に対する協力
で、充分罪は相殺された、というのが、表向きの、発表だった。しかし、実際には、今は
廃れた古代ベルカ式の使い手、しかも軒並みAランク以上の彼女達を、自分の駒にしたい、
というのが、本音だと、クロノはわざわざ、説明した。
 しかも、貴重なAAAランカーということで、フェイトやなのはにも、時空管理局への正
式就職を、勧めていた。
 それどころか、アリサにまで、声をかけようとしていたのである。魔力ではDランク相
当がせいぜいでありながら、AAAランカーと互角以上の実力という点で、技術的にも、興
味をもたれていた。
「人事担当に、自分のツラの皮にカンナかけとけっていっといてね♪」
 先に打診してきたクロノに対し、アリサはにこやかな笑顔で、そう言った。
 とは言え、さすがにそれほどの魔導師が、管理局の把握する範囲の外にいるのはまずい
らしく、かえってアリサ側の不利にもなる。ユーノが説得したこともあって、アリサはユ
ーノとともに、“管理外世界駐在非常勤顧問”として、一端には名を連ねておくことには
なった。

 同じ頃────時空管理局本局、休憩室。
 がしゃん、と、自販機の取り出し口に出てきた缶飲料を、人間携帯のザフィーラが、取
り出す。
「ザフィーラか」
 背後から、声をかけられた。
「シグナムか、今日は、もういいのか?」
「ああ、全員、ギブアップだそうだ。そっちは?」
 ザフィーラの問いに、シグナムは答え、聞き返す。
「こちらも似たような者だ。もっとも、シグナムと違って、半分は見た目で逃げ出したが
な」
「そうか」
 そんな言葉を交わしながら、今度はシグナムが、飲み物を購入する。
 そして、2人は言葉少なに、ベンチに腰掛けて、一息入れる。
「…………正直、私自身は、バニングスの言葉にも一理あるのは、解っていた」
 呟くように、シグナムが独白する。
「また、その話か」
「ああ………………すまん」
 ぼやくようなザフィーラの言葉に、シグナムは、気落ちしたように俯く。
「いや、私も正直言えばそうだ」
「そうだったのか」
 意外そうに、シグナムは言う。
 シャマルはどうか良くわからないが、ヴィータは完全に、アリサとユーノの方を、悪人
のように扱っていたはずである。
「ああ……ただ、あの場でその事を言うことはできなかった」
「私もだ……誓ってしまったからな、主はやてを、1人にしないと」
「ジレンマだな」
「ああ…………」
 ザフィーラはベンチの背ずりにもたれかかって上を見上げ、シグナムはしばらく、俯い
ていた。
 シグナムはやがて、管理局の制服のポケットから、タバコを取り出し、口にくわえた。
銘柄は、管理世界のものではなく、日本の『ゴールデンバット』だった。ライターで火を
つけ、ゆっくりと吸い、紫煙をくゆらせる。
 もっとも、魔術的存在である彼女達は、いくらタバコに逃げたところで、寿命が縮むこ
とも、体力が衰えることも、なかった。

 その出来事をきっかけに、アリサと、すずか以外のメンバーとは、次第にギクシャクし
ていった。
 ユーノは、緩衝材であったが、ただ、白黒つけろといわれた場合は、間違いなく、アリ
サを選んだ。
 なのははフェイトとともに、本格的に管理局に出入りするようになり、中学に進学した
歳から、管理局の準職員として、はやても含めた3人で、働き始めた。

「メール? すずかから?」
「うん」
 ユーノが、近づいてきて、アリサに問いかける。
 本来なら授業時間中だが、個別面談を実施しているため、教室中はたがが緩み、あちこ
ちでグループを作って談笑している。
「レンを再起動するんだってさ」
 アリサは、ユーノにそう言った。
 もともと、レンは、暴走する自己防衛システムを再生させないために、それが存在する
ように振舞うスタブである。リインフォースに暴走の危険性のない自己防衛システムを組
み込むか、自己防衛システムの存在自体をキャンセルできれば、必要ではない。
 守護騎士システムの術式としても、きちんと完結しているので、取り出せれば、 “守護
騎士レン”として修正したうえで、もう一度起動させることもできる。
「それは……うーん、良かった、って言っていいのかな?」
 アリサの手前、ユーノは言葉を選ぶ。
「いいんじゃない? あたし別に、シグナムやレンまで嫌いになったわけじゃないし」
 携帯電話をしまいながら、アリサはそう言った。

 管理局で彼女達が本格的に訓練を積むようになると、なのはやフェイト、はやては、ぐ
んぐんと成長した。もう、アリサは、1対1では勝ちようがない実力差をつけられてしまっ
ている。もともと魔法出力の差がひとケタ以上離されていた上、アリサも鍛錬は怠ってい
ないものの、もともと本業にするつもりはないのだから、当然といえば、当然である。
 ただし、……これが2対2であるのなら、相手側がどんな組み合わせであろうと、“負け
ない”とも、公言している。
 それは─────

「で、ユーノは、イージスの相手、してあげなくていいの?」
 アリサは、嫌味ではなく、そう言った。
「あ、うん……まぁ確かに、できればAIを育ててはあげたいけど、学校でできることは、
限られてるからね」
 ユーノはそう言って、腕につけているリストバンドに、視線を向けた。エメラルドのよ
うな鮮やかな緑に染められた、金属のレリーフ。
 『アンブロークンイージス』。
 ユーノが製作した、自前用のデバイスだ。展開すると、縦長の方形状に、射撃用の端子
がついた盾になる。
 ミッドチルダで市販されている部品を取り寄せながらコツコツ組み上げたシロモノで、
なのはのL4U同様、ストレージデバイスの部品にAIを取り付けた、簡易インテリジェン
トデバイスである。
 リニスの協力が得られれば、レイジングハートやバルディッシュのような、本格的なイ
ンテリジェントデバイスにしたかったのだが、彼女も今や、管理局側である。もっとも、
主人であるアリシアは、どちらかと言うと、アリサに好意的だったのだが、そのアリシア
が、無限書庫司書長として勤め出した今、リニスもそちらのサポートに手一杯という状況
だ。
 もっとも、先日発売されたばかりのCVK-896D ドラムマガジン式カートリッジシステム
を早速つけているあたり、この男も凝り出すと止まらない性分ではある。
「ま、それもそっか」
 アリサは、ユーノの言葉に、同意の言葉を発した。

 ────放課後
「んー、今日は特に習い事もないし、恭也さんのところに行く予定もないし、どうしよう
かな〜」
 ユーノと連れ添って歩きながら、アリサは呟く。
「アリサがどこかへ行きたいんだったら、付き合うよ?」
 ユーノは、アリサにそう、声をかける。
「うん、それじゃあ……」
 アリサが、何か言いかけたとき。
「あたしは、お腹すいたわよ〜」
 するっ、アリサのカバンから、涙滴型の、オレンジ色の宝石が飛び出してきたかと思う
と、アリサの目の前へと勝手に浮遊して移動し、ぽんっ、と、その場で、少女の姿に“変
身”した。
 年恰好は10歳ぐらいか、リインフォースのような、古代ベルカ風の衣服を纏ったその少
女はしかし、身長で40cmくらいの、小人サイズだ。しかも、ふよふよと、空中に浮いて
いる。
 そして、その見た目は、小学生の頃のアリサと、ほとんど寸分違わない。
 ただ、左腕の二の腕だけ、まるで義手のように、金属の外装板になっていた。
「げっ」
 アリサはまずい、と声を出すと、昔の自分そっくりのそれを引っ掴み、建物の壁に押し
付けて、自分の身体で隠すようにする。ユーノも、その傍らに立ち、衆人環視を遮った。
「バカ! こんなところで飛ぶな喋るな人間形態になるな!」
「だってー、お腹すいたし、それに退屈だったんだもん」
 アリサに掴まれた小アリサは、しかし、悪びれもせず、その手の中で悪態をつく。
「わざわざ学校についてきたいって言ったのは、アンタでしょーがっ!!」
「だって、家の中に1人きりだと、やっぱり退屈だし」
「ゲームでもしてりゃいいでしょー。っつか、出てくるなら出てくるででっかくなってろ」
「ええー。やぁよ、消耗激しいもん。それでなくてもアリサ、魔力弱いし」
「スクラップにしてやろうか、アンタわ」
 手の中の小さい自分を、アリサはジト眼で睨む。なかなかシュールな光景だ。
 小アリサ、元アリサ・ローウェル。現、擬人化機能付インテリジェントデバイス『ホー
ンテッドクリムゾン』。
 ベルカ式ユニゾンデバイスの擬人化コードを参考にして製作されている。
 ちなみに、コードを流した内通者は、そのユニゾンデバイス“本人”である。
『It’s an unbecoming attitude as Device』
 アリサの胸に下がった、ペンダントの丸い宝石が、点滅しながら、そう言った。
「ムカ! レイジングハートまであたしをバカにするー!」
「当たり前でしょーが、レイジングハートはアンタよりずーっと先輩で、ずーっと優秀な
のよ!」
「あ、あたしだって、アリサがきちんと術式組んでくれれば、活躍できるもん」
「だったらもうちょっと聞き分けよくしやがれ」
「アリサ、アリサ」
 アリサと小アリサがぎゃあぎゃあ言い争っていると、ユーノが、ひじで、つんつん、と、
アリサをつついた。
「あによ?」
 不機嫌そうに言い返す、アリサの声が二重に、ユーノに聞こえる。
「まずいよ」
「え? あ?」
 ふと顔を上げて辺りを見ると、通行人が何事かと、アリサ達を注視している。
「ユーノ、とりあえず家まで全力疾走」
「うんっ」
 そう言って、2人はその場を離れ、アリサは小アリサを抱えたまま、一気に走り去る。
「あたしは家帰るより、駅前のマッハ軒でチャーシューワンタンメンを……」
 小アリサの声でドップラー効果を残しながら、アリサ達はバニングス家までマラソンす
る羽目になったのだった。



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目次:燃え上がる炎の魔法使い
著者:( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc

このページへのコメント

素晴らしい話をありがとうございました。

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Posted by 時代遅れの追随者 2009年09月28日(月) 13:53:57 返信

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