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【定義】

『大般涅槃経』「師子吼菩薩品」に出る偈の一節である「一切衆生、悉有仏性」から取られた語。通常の訓読であれば、「一切の衆生は、悉く仏性有り」とされるところだが、道元禅師は『正法眼蔵』「仏性」巻にて以下のように示される。
悉有の言は、衆生なり、群有なり。すなはち悉有は仏性なり、悉有の一悉を衆生といふ。正当恁麼時は、衆生の内外すなはち仏性の悉有なり。

ここからすれば、悉有というのはことごとく存在するものという遍界を示すものであり、遍界に現象する個物を示すものであろう。「悉く仏性有り」では、何か実体的な存在が各存在にあるように想起せしめるが、道元禅師はそれを否定され、無常仏性として現成する個物を指す時に悉有を使った。

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