【定義】
絵や彫刻ではなくて、本物の龍のこと。転じて、真実の修行者のこと。
大宋国に東坡居士蘇軾とてありしは、字は子瞻といふ。筆海の真龍なりぬべし、仏海の龍象を学す。 『正法眼蔵』「渓声山色」巻
【内容】
中国春秋時代の故事として、葉公子高が龍を愛しすぎた余りに、絵や彫刻を集めていたが、本物の龍を見て失神したというのがある。いわば、本物を見て驚く偽物の愛玩者を戒める故事だが、道元禅師もこの故事を用いて、仮の仏法を愛するのみで、真実の仏法を知ろうとしない者を戒めている。
彫龍を愛するより、すすみて真龍を愛すべし、彫龍・真龍ともに雲雨の能あること、学習すべし。 『正法眼蔵』「坐禅箴」巻
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