【定義】
道元禅師が、比叡山時代に用いていたと思われる房号であり「
仏法上人」とも、或いは「
仏法禅師」とも呼ばれたようである。ところがこの呼称は、『
正法眼蔵』『
永平広録』等の自身の著作には使われずに、
日本曹洞宗の後代の文献や、他宗派の文献にのみ登場する。
中比建仁寺の本願、入唐して、禅門・戒律の儀伝られしも、只校床にて事々しき坐禅の儀無りけり。国の風儀にまかせて、天台・真言などあひならべて、一向に禅院の儀式、時至て仏法房の上人、深草にて如大唐、広床の坐禅始て行ず。 無住道曉『雑談集』巻八・持律坐禅の事
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