アスベスト関連

 

中皮腫の死亡者、大阪が最多の714人・04年度までの10年間(10/7)


アスベスト(石綿)による健康被害問題で、1995―2004年の10年間に「中皮腫」の死亡者の都道府県別人数は大阪が最多で、造船業などが盛んな工業地域で死亡者が目立つことが、厚生労働省が7日発表した人口動態統計で分かった。04年度までの10年間に計411人にとどまった労災認定者数も、認定基準緩和後に増加する傾向がみられる。
人口動態統計によると、10年間の都道府県別の中皮腫による死者数は、大阪の714人が最も多く、兵庫、東京の順。京浜、中京、阪神、北九州の四大工業地帯以外で死者数が多いのは広島で277人。呉や尾道など造船業が発達している地域で死亡者が目立つ。同様に造船業が盛んな岡山(168人)、長崎(124人)も多い。
一方、10年間の中皮腫による死者数7013人に対し、ほぼ同期間の労災認定者数は5.8%の411人だったことも判明。この中には労災認定を受けずに死亡した石綿関連工場の労働者が多く含まれるとみられ、これまでの労災補償体制の不十分さを改めて浮き彫りにした。



石綿新法救済対象の中皮腫患者3万人・環境省が試算(10/6)


環境省は5日、アスベスト(石綿)新法の救済対象となる石綿関連工場の周辺住民や従業員の家族などの中皮腫患者数が約3万人になるとの試算結果をまとめた。年内に医療費や療養手当などの救済金の給付水準を決めた上で財源の規模を確定し、来年の通常国会に法案を提出する方針だ。今後、与党との調整を急ぎ、最終的な救済対象者の数を決定する。
同省は欧米の事例などを参考に、石綿使用量170トンにつき1人が中皮腫を発症すると仮定して患者数を試算した。日本は石綿のほぼ全量を輸入しており、1949年以降の石綿輸入量は、使用・製造が原則禁止された2004年までに合計で約960万トンにのぼる。この数字をもとに患者数を6万人弱と推定した。
[2005年10月6日/日本経済新聞 朝刊]



石綿で健康被害、死者374人、治療中88人・経産省89社調査(7/15)


アスベスト(石綿)の健康被害問題で、経済産業省は15日、石綿製品の製造業者89社を対象にした調査結果を発表した。「中皮腫」などでの死亡者数は27社で計374人、治療中の患者数は12社計88人だった。国が同問題で被害者数をとりまとめ、公表するのは初めて。
この問題を巡っては、石綿製品の製造業者のほか、造船、自動車関連などを含む企業の公表ベースですでに500人以上の死亡が判明。国土交通省も造船業界などへの調査結果を近く公表する予定で、被害者数はさらに拡大する可能性が大きい。
調査は経産省が業界団体の日本石綿協会などを通じ各社の回答を得た。被害者数には従業員のほか関連会社従業員らを含む。死亡者374人のうち中皮腫での死亡が114人、じん肺が154人で、いずれも労災認定を得ているという。
企業別でもっとも死亡者数が多かったのは、ニチアスの141人。なかでも1937年から昨年まで断熱材などを製造していた王寺工場(奈良県)の死亡者が57人にのぼった。
2005年11月12日(土) 23:29:17 Modified by xenon2112




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