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「美希さん・・・。」
ベッドに座っているとやよいが膝に跨ってきた。顔を交差させ抱きあい、頬をすりあわせた。
お互いに背中をさすりあう。艶のある吐息がもれる。
小さな声で何度も私の名前を呟く。
しばらくして体を離し、両肩を掴まれながらこう言われた。
「あの、キス・・・させてください。」
軽くうつむいて目が髪で隠れている。でも顔が真っ赤なのはわかった。
掴まれた肩から震えを感じる。こんな色っぽいやよいは初めてで、胸が高まる。
「うん。ミキもしたい。」
「私、初めてで。変になっちゃったらすみません。」
目を閉じて待つと、頭を抱えられた。手にこもる力から、顔が近づくのがわかる。
最初にふれたのは舌だった。唇がふれあうより先に舌が入り込んで歯に掠った。
それから唇全体が覆われた。でも激しく動くわけではなくて、ゆっくりと私の舌を撫でる。
私も初めてでよくわからないけど、慣れてるという感じの動きはしない。
何度も歯が当たってしまう。無理をしてるのが感じられる。でもそれが逆に可愛い。
口内を優しく舐める舌。唇にあたる鼻息。こぼれて喉を伝う唾液。それら全てが気持ちいい。
気持ちよさのあまりふらついてくる。
手の平で身体を支えていたのが、肘をついてしまった。
「うあ・・・!」
肘がシーツで滑ってバランスを崩し寝そべってしまった。それで唇が離れた。
私を見下ろすやよいの目はうるんでいる。
「気持ち・・・よすぎなの。やよってば。」
「見様見真似で、その、歯が当たっちゃって・・・。」
「ううん。そういうのも可愛かった。勉強したんだ。」
「事務所のパソコンで見ました。少し気になって・・・。」
「そうなんだ。やよいのえっち。」
私の隣に寝て顔を覆った。恥ずかしがってる。もうこのまま寝ちゃおうか。
「好きだよ。やよい。」
「はい。」
また、したいな。今度はミキからで。

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