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注意:千早がP以外の男性とxxする話です。苦手な方はスルー推奨


 
「いいね千早ちゃん、今日の課題は合格だよ」
「ありがとうございます、先生」
「最近調子いいみたいだね。歌も上達しているし、なんていうか女らしくなった?
香水つけてるみたいだし」
「褒めていただけるのは嬉しいのですが、今日は香水どころかお化粧もしていませんよ」

ここにくるまでたっぷりダンスの特訓があり、汗びっしょりになったのをシャワーで
洗い流すのが精一杯だったというのが本当の理由。

「そうなの? 千早ちゃんが動くたびいい匂いがするんだけど」
「それは多分シャンプーの香りかと。プロデューサーにもよくいわれます」
「ふーん、こんないい匂いがするんだからさぞいいシャンプーなんだろうな」
「いいえ先生。スーパーでも売っている普通のシャンプーですよ」
「そうか……さて、そろそろ時間だね。今日はこのあたりで終わりにしようか」

先生は鍵盤蓋を閉じると立ち上がり腰を伸ばした。
プロデューサーより一回り以上年上だけど、私達アイドルともよく話のあう気さくな方で、
デビュー曲からお世話になっている縁もあり、プロデューサーが海外に出張している間
専属に近い形で個人レッスンを引き受けてくれている。

「では先生、お先に失礼します。また明後日のレッスン、よろしくお願いします」
「ああ、お疲れさん。気をつけて帰るんだよ」


忘れ物に気付いたのはスタジオを出てしばらく歩いたあとだった。
難しい課題をクリアできた嬉しさで我知らず舞い上がっていたのだろうか、
さすがに汗に濡れたウェアを置いて帰るわけにもいかず、私は少し急ぎ足で
もと来た道をもどりはじめる。

レッスン室の明りが落とされているから先生も帰ったあとなのだろう。
迂闊な姿を見られなくて済むと安堵しながら入っていくと。

「……千早ちゃん」

名前を呼ばれた気がして隣にある控え室を窺うと、薄暗い部屋の奥に人影が見えた。
休憩用の椅子に座ったそのシルエットはどうやら先生のようだけど……

「先生……ですか?」

どこか妙な雰囲気につい足音を忍ばせながら近寄っていく。
暗さに目が慣れてくると、やはりその人影は先生だったことがわかった。
背中を丸めて屈みこんでいるのは気分でも悪くなったのだろうか?

「先生、大丈夫ですか?」
「ち、千早ちゃん!?」

顔を上げた先生の顔が驚愕に歪んでいく。
その手に持っているのは私が置き忘れたレッスンウェアだった。
今日のレッスンでびしょびしょになるまで汗に濡れて汚れた……
それを掴んで先生は一体何を?

「あっ、ち、違うんだ千早ちゃん、これは、その」
「先生……そ、それ私のです」
「待ってくれ千早ちゃん、誤解しないで聞いてくれ。これは、その」

焦った様子で懸命に何かを伝えようとしているのだけれど
私の目はさらに驚くべきものを見てしまった。
先生の下半身、正確にはズボンの前に見える縞模様の布地。
それは明らかにダンスレッスンのあと履き替えた私のショーツだった。
何故それがそんな場所に。いや、何故先生がそれを。
穏やかで優しい先生が、何故私の下着をあんなところに……
あり得ない現実に思考が追いつかず、私は呆然と立ち尽くすだけだった。

耳が痛くなるような沈黙のあと、ようやく思考が現実を理解する。
以前の私なら悲鳴を上げて飛び出していただろう事態。
いや、それなりの経験を積んだ今だって受け入れがたい事実だった。
先生がしていたのは、紛れも無く男性の自慰行為に違いなかった。
その行為を見た事はないけれど、下着の隙間から見えていたのは
先生の男性器だったから。

「千早ちゃん、頼む……このことは黙っていてくれ! 魔がさしたんだ」
「……先生、どうしてこんなことを」
「済まない、今日は千早ちゃんの匂いが気になってしかたがなかったんだ。
帰ろうとしてこれを見つけて……気がついたらこんなことをしていた」

帰る間際の会話が思い出される。
香水の匂いとかシャンプーの匂いとか、そんなことを話したけれど
汗まみれのレッスンウェアがいい匂いなんかするわけがない。

「このことは全部忘れます。だから先生、こんなことは二度としないでください」
「すまない。もう絶対しないと約束する」
「それとひとつだけ……お聞きしたいことが」
「……?」
「そのウェア、かなり汗臭いと思うのですが……先生は何故それを?」

長い沈黙のあと、先生は重い口を開くと語り始めた。
シャンプーや香水の匂いはいい匂いと感じるだけだが、女の子の汗や体臭からは
性的な興奮を感じてしまうこと。もちろん私を含めた教え子にはそんな感情を抱いた
ことはなかったけど、今夜私の忘れ物がそれに火をつけてしまったこと。
大切な教え子の汗と体臭に満ちたウェア。その誘惑をどうしても断ち切ることができず
こっそり匂いを嗅ぐだけにするつもりだった。
けれどジャージの中に包まれたショーツを見つけたとき、先生の理性は蒸発してしまい
気がついたらこんなことをしてしまっていたのだと。


「変態だと軽蔑してくれ。僕はその通りのことをしていたんだから」
「……いいえ、先生」

先生の告白を否定はできなかった。
なぜなら私もプロデューサーのスーツに顔をうずめ残り香を嗅いでみたことがあったから。
彼に抱かれている最中その汗や体臭を密かに味わっていたことがあったから。
そんな浅ましい自分と先生が同類かもしれないのだから、否定どころか先生の行動を
責めることなどできなかった。

「先生、今夜のことは忘れる約束ですけど……今だけなら匂い、嗅いでください。
私なんかでよければ……」
「そ、それは駄目だ……千早ちゃん」
「私、少し汗かいてますけど……さっきの続き、さ、最後まで」

そういうと私はバッグを落として先生に背中を向けると、立ち上がった先生が
背後に密着したのが気配で分った。
プロデューサーとの経験から、男性の生理は分っているつもりだったけど先生に行為を
促したのはそれだけが理由ではなかった。
尊敬し信頼する先生と禁じられた秘密を持つことに背筋が震えるほど興奮を感じたからだ。

後ろ髪に先生の鼻が触れ、大きく息を吸い込む音。
ついで布地が擦れる音がして、その合間にクチュクチュというくぐもった水音がする。
やがてそれは先生の呼吸が乱れるのに合わせてテンポを速めていく。
私の匂いを嗅ぎながら、興奮した先生が行っている行為。
はぁはぁとせわしなく喘ぐような先生の吐息。
先生が嗅覚で興奮を感じているのと同じく、私は聴覚だけで興奮していた。
やがて押し殺すような声で私の名前を呼ぶと、先生は大きな溜息をついた。
それが意味することを私が知っているなんて先生には知られたくなかった。
だから私は散らばっていたジャージをバッグに押し込むと、先生のほうは見ないように
挨拶するとそのまま急ぎ足でスタジオを後にした。
家に帰りシャワーを浴びようと下着を脱いだとき、そこについたとろとろの液体を見て
果たして私はあの出来事を忘れることができるのか少し心配になった。



レッスンのある翌々日がきたけれど、まだあの夜の記憶は薄れていなかった。
約束通りさっさと忘れるべきなのに、何故こんなにも引っかかるのだろう?
プロデューサーが留守の間、違う男性と秘密を持つなんてまるで浮気……
いや、あれは浮気なんかじゃない。私はだ目を閉じて立っていただけだし、
先生だって私の体には指一本触れていない。
そんなことが罪になるなら、水着でグラビアを飾るほうが遥かに罪深いはず。
プロデューサーのいうとおりなら、私の姿を見て沢山の男性がいやらしい妄想を
しながら自慰に耽っているのだから。

そんな気分を変えるため、あまり履かないスカートを選び、少しメイクもしてみる。
香水があればよかったのだけれど、持っていないのは仕方が無いから途中の店で
探すことにして家を出た。


先生にいつもと変わった様子はなく、むしろ私のほうが集中に欠けていると
注意されるくらいだった。
大丈夫、これなら私もあの出来事をただ忘れてしまうだけでいい。
ペースを取り戻してからは真剣に課題に取り組み、予定時間を越えながらも
なんとかクリアできたときには薄っすら汗ばむほどだった。

「お疲れさん。さすが千早ちゃんだね、今日の課題も難易度高めだったんだけどな」
「ですが予定時間は越えてしまいました」
「始めのほう、ちょっとふらついていたからね。何かいい事でもあったかな?」
「あら、どうして“いい事”なんですか?」
「だってほら、スカート履いておめかししているし、香水もつけてない?」
「単なる気分転換です。このコロンもテスターをつけてみただけですから」
「だったら次は柑橘系を試すべきだね。ベルガモットなんか千早ちゃんに合うと思うけど
……おっと、これは僕の好みの匂いなんだけど」
「私、そういうのは詳しくないのでよくわかりません」
「じゃあ今度機会があったら教えてあげるよ。それより、これ……」

差し出されたのは有名デパートのロゴが印刷された包装紙だった。
軽くて柔らかい包みの感触から中身を想像した瞬間、鼓動が小さく跳ねあがる。

「あの、これは一体?」
「プレゼント、というほどじゃないけど、まあ気軽に受け取ってくれたらいいさ」
「あ、あの……あけてみても?」
「いや、それは家に帰ってからにしてくれ」
「ですが先生……いいのですか?」
「それは気にしないでほしい、一応お詫びの気持ちも兼ねているから」

やはり……中身は私の予想したものだったらしい。

「まるでわらしべ長者ですね。あれはスーパーで買った安物だから」
「本当に? 可愛いデザインだと思ったんだけどなぁ」
「特売品で使い古しです」
「売れっ子アイドルにはあるまじきネタばらしだなぁ」
「こんなこと言えるのも先生だからです」

“忘れる”という約束だったけど、この程度なら破ったことにはならないだろう。
それにこんな風に笑い飛ばしたほうが気分だって楽になりそうだし、
私と先生だけの秘密を持つのは思いのほか楽しいものだった。

「千早ちゃんのお気に入りだったらと心配してたんだが」
「安物でも一応は大事にしてましたから、洗って返してもらいましょうか?」
「あれはもう処分した……それで勘弁してくれないかな」
「しょうがないですね。でもこれ、先生が買いに行かれたのですか?」
「さすがに人には頼めないからな。買うときは冷や汗がすごかったんだぞ」
「でしたら先生のご苦労に報いるためにも大切にしなければ」
「是非そうしてくれ。千早ちゃんがより女らしくなることも間違いない」
「着けているところをお見せできないのが残念ですけど」

汚れた下着を見られるどころか、それを自慰にまで使われたのだから
今さらという気がするけれど、だからといって見てくださいと迫るのは
私が変態みたいだし、先生だってそんなことは望んでいないはず。
それよりもあの事がきっかけで近くなった先生との距離感を大事にしたかった。
それに先生にはいえないけれどプロデューサーと付き合っている以上、
浮気に類する行為は慎むべきだから。

「もちろん。だけどつけてみた感想は後で是非聞かせてほしいな」
「それなら……いま試して見ましょうか?」
「……千早ちゃんさえよければ」
「では、あの……向こうで履いてくるので待っていてください」

隣の控え室で包みを開いてみると、中身は高そうなシルクのショーツだった。
派手ではないけれどフリルも華やかな大人っぽいデザインは私も始めてだけど
シルクの滑らかな肌触りとフィット感は本当に驚くほど気持ちのいいものだった。

これなら変なつもりは抜きで見てもらってもかまわないと思う。
下着姿といっても、覆い隠す部分は水着と全く変わらないのだし。
だけどそんな事を言い出したら先生を困らせてしまうかもしれない。
やっぱりやめよう……溜息をひとつついてから先生のところに戻る。


「さて、千早さんのご感想はいかに?」
「シルクのショーツなんて初めてなんですが、履きごこちのよさに驚いています。
それにデザインも大人っぽくて、私に似合っているか心配ですけど」
「大丈夫、それは僕じゃない誰かさんに確かめてもらえばいいよ」
「先生、現役アイドルに恋人なんかいませんよ」
「そうだったね、悪い悪い」
「それより、あの……やはりこういう高価なものをただ貰うだけは、その……」
「気にしないでいいって」
「だけどそれでは私の気がすみません」
「じゃあささやかなお返しをもらっておこうかな。僕のしたいこと……あと一回だけ」

謎かけというには簡単すぎる先生の言葉。
もちろん私の匂いを嗅ぐだけのはずだけど、もしそれがあの夜の再現だとしたら……
それでもかまわない。私は返事の代わりにすっと先生に体を寄せていった。

「今度は向き合ったまま?」
「変なことは無しです。匂いだけ……髪とかの」
「もちろん分ってるよ」

ふらつきそうな体を支えるため、先生のジャケットの裾を摘んでみると
先生の手がそっと肩に添えられ、次の瞬間にはぐいっと抱き寄せられた。

「ハグくらいなら大丈夫かな」
「え、ええ……」

掠れた声で応えた私の頭を先生はくすくす笑いながらぽんぽんと撫でる。

「緊張してる? それともこういうのに慣れていないだけ?」
「そんなことはありません……それより先生」
「そうだったね、大事なことを忘れるところだった」

先生の顔が近づいた、頭のてっぺんあたりがほんのり暖かい。

「本当にいい匂いだ……これはシャンプーだけじゃないかな」
「そ、そうでしょうか」
「千早ちゃんの素肌がいい匂いなのかな。それにしても綺麗な髪だよね」

先生の人差し指がそっとさしこまれ、するすると髪を梳いていく。
少しくすぐったい感じがするけれど、それはそれで心地がよいのかも。
遠慮せず髪を撫でてくれてもいいのだけれど、催促するのは恥ずかしい。
そう思っていると指が耳の近くで動きを止める。

「もう少し……いいかな?」
「はい……どうかご遠慮なく」

それくらいならはしたない感じはしないだろう。
そして先生は私の気持ちを読み取ったのか、動き出した指がそっと髪をかきあげ
私の耳をあらわにする。

「ふーん、千早ちゃんの耳はこんな形なんだね」
「あの、少しくすぐったいです」

だけどそれを止めてもらうのは勿体ない。
私はだまって先生の胸に顔をつけて次のアクションを促してみる。
先生の指は耳の輪郭をなぞるように一周したあと、不意に指とは違う感触が
触れたのがわかる。

「千早ちゃんの素肌の匂い、もっと確かめてみないと」

低い囁き声が直接耳に流し込まれると、その振動は全身に伝わっていき
その最後には体の奥深くに集まって火が点ったように熱く燃え始める。
力が抜けそうになる足を踏ん張り、先生にしがみついて耐えようとしたけれど
先生の顔が耳から頬にそって降りてゆき、首筋に触れたところで限界がきた。

「せ、せんせぇ……そこ、だめぇ、力がぬけて……ふぁっ、んんっ……」
「うん……やっぱり。髪のにおいもいいけど、素肌の匂いが一番だ」

首筋に顔を近づけたまま話しかけてくるから、先生の唇が首筋に触れて
そのたびぞくぞくするような感覚が全身にひろがってゆく。
体の奥は耐えられないくらい熱く、炎の熱気に溶かされた蝋のようにじんじんと
疼きながら蕩けて流れ出し、いただいたばかりのショーツを侵食していく。

先生、だめです……それ以上はもう……わ、わたし
なにも考えられなくなってしまう……
私には付き合っている大切な人がいて……だからこれ以上のことをすれば
浮気になっ――

プロデューサーにいつもされているように、首筋から胸元に降りていく、
そう思った瞬間、先生は不意に顔を離した。
もどかしい快感に浸りかけていた私の中でプロデューサーと先生がごちゃまぜになり
離れようとする先生の服をついぎゅっと握り締めて。

その時私は「もう終わり?」みたいな顔をしてしまったのだと思う。
恐る恐る先生の顔を仰ぎみて自分の失策を悟った。
いつも浮かんでいる穏やかな笑みが消え、ゆっくり真顔が近づいてくる。
ハグならいいけどキスは…………だめです。
いくら先生でも……キスはだめ……?

今の今まで先生のことを異性として意識したことなんてなかった。
父親といっていいほど年も離れているし、なによりも私にとっては歌の先生で
今の私があるのも先生のおかげで、だから私にとってかけがいのない大切な……
大切な人。
大切な男性。

そんな先生にキスされたら、私…先生とキス…………するのは

先生ならキスしたって……おかしくない。だって先生は大切な人だから。

もうそれ以上考えるのはやめ、私は顔を上げたまま目を閉じた。

詰まりそうな息をそっと鼻から吐きだすと、思い切って唇を開く。
気配が近づき、自分の鼓動が痛いくらい響いている。


つん、と指で鼻を弾かれた。
瞼をあけると笑顔の先生に今度はおでこを弾かれる。

「困ります先生。からかわないでください」
「からかってないけど、さては千早ちゃん、違うことを想像してたかな?」
「そ、そんなことありません!」
「じゃあ、当ててみようかな、千早ちゃんが考えていたこと」
「べ、別にキスくらいで騒ぐほど子供でもありません」
「なんだ、じゃあしてもよかったのかな」
「そ、それは……」
「浮気になる? それとも挨拶程度なら大丈夫かな」
「…………」
「さてと。すっかり遅くなってしまったし今日のレッスンはおしまいにしよう」

そういうと先生はさっさと私から離れて片づけを始める。
熱がさめ理性が戻ってくる頭の片隅にある、ちょっぴり残念な気持ち。
だけど……これでよかったのだと思う。
確かに先生は優しくて素敵な男性ではあるけれど、だからといって私には大切な
人がいるのだから、気の迷いに流されて後悔するような真似は―

「そうそう、千早ちゃん、次のレッスンは僕の個人スタジオで」


もう、手遅れなのかもしれない。





あくまでレッスンだから、いつもと違う格好で行って私が変なことを考えていると先生に
思われたくないけれど、普段のスタイルだと前のように可愛いといってもらえそうにない。
下着は先生にいただいたシルクをつけているけれど……
考えた末に私が選んだのはノースリーブのシャツに長めのワンピースだった。

先生はそんな私を見てもただ微笑んだだけですぐレッスンを始めた。
いつものように厳しく容赦のない指導。
だけど私には分っていた。先生の視線が私のどこに向けられているか。
私がそれを仕向けたのは先生が何を考えているのか知るためであって
決して私から誘いをかけているわけではなかった。


「今日もなかなかよかったね。歌姫と呼ばれるようになったのも伊達じゃないか」
「先生のご指導の賜物です……でも私なんてまだまだです」
「そんなことはない、千早ちゃんの成長は誰より僕が一番わかっているつもりだ」
「そう……でしょうか?」
「本当さ。信じられないかな?」
「そういうわけではありませんが……」
「じゃあ気分転換をかねてちょっとしたゲームをしてみようか?」

先生が一方的に話をし、私は一切それには答えないけれど質問されたときには
頭の中で答を考えないといけない。
その結果、先生が私のことを言い当てたなら先生の勝ち。そうでなければ私の勝ち。
そして勝ったほうは相手にどんなお願いをしてもかまわない。

「というルールさ。どう、乗ってみる?」
「いいのですか、先生。レッスンに曲作り、こう見えて私って欲張りですよ?」
「もちろんそれでいいよ、勝つ自信があるから」
「ふふっ……それで先生のお願いは何ですか?」
「僕の願いなんて簡単でささやかなものさ、じゃ始めようか」


先生は私達が出会った時のことから話を始めた。
私も記憶を引っ張り出しながら、頭の中で先生の話に応じていく。
それがレッスンや仕事の思い出だけのうちはただの楽しいゲームだったけれど
やがて話が核心に触れ始めるとそうもいかなくなった。


「…の歌の頃。千早ちゃんが経験したある出来事は?」
先生がある曲名をあげ、思わせぶりな笑みを私に向ける。

答える必要がなくても、頭の中で考えないといけないルール。
恋の歌をものにできず窮した私はプロデューサーにあるお願いをして。


「…の歌のとき、千早ちゃんの身に起こったある変化とは?」
あのお願いをきっかけに、私はプロデューサーを異性として意識するようになり……


「そして千早ちゃんは……ついに」


記憶の映像はより鮮明となり、先生の言葉に促されるように再生が進んでいく。
先生の話は私とプロデューサーの関係を見ていたように正確に再現しており
このままでは一番秘密にしておきたい事実にもあっさり辿りつきそうだった。
プロデューサーには秘密厳守と言われているけれど、ここまで先生に知られているなら
いっそのこと全て正直に話してしまおうか……だけどそれでは。

私の思いが浮気になってしまうのでは?


「参りました先生。私の負けです」
「おやおや、まだ何も当てていないと思うけど」
「いいえ……これ以上はもう」
「だったら僕の勝ちってことになってしまうけど」
「はい。ですが……このことは私と先生だけの秘密に」

ついにその言葉を口にした私を抱きしめ、先生はそっと頭に手を置いた。

「僕が千早ちゃんにしてあげられるのはレッスンだけだよ」
「ならこの前のようなこと、あれもレッスンなのですか?」
「あれは忘れる約束だったはずだ」
「その次にしてもらったことも……それがレッスンであるなら私はかまいません」
「ではゲームの勝者がもっとレッスンを望んだとしたら?」

私は先生の胸にぎゅっと顔を押し付けると、背中に回した手に力をいれる。

「特別なレッスンになるけど、千早ちゃんに受ける覚悟はあるかな?
いったん始めたらギブアップできないよ…………最後まで」
「私が今まで先生のレッスンに音をあげたことがありますか?」
「そうだったね。じゃあ始めようか、レッスンを」

先生の手が頬に添えられ、見上げる私に先生の顔が近づいてくる。
今度はこの前のように目を閉じずにいるつもりだったけれど
先生の唇が重ねられた瞬間、無意識にまぶたが下りていた。
最初は唇が触れ合うだけの軽いキス。
やがて唇をこすりあわせながら接触が強くなると、体の奥に点った火が
一気に勢いを増して燃え上がっていく。
そう、私はキスだけでもう濡れ始めていた。

んっ……ふぅ、んむ…んっ、んんっ……
こんなに長く唇を奪われたことがなかった私は息継ぎのタイミングが分らず
顔をよじって逃れようとするのだけど、先生の唇は執拗だった。
なおも逃げようとする私に業を煮やしたのか、両頬を押さえられ唇全体が覆われる。
直後ぬるりとしたものが侵入してくると、何かを探すような素振りで口内を嘗め回してゆく。
そして引っ込めていた私の舌を見つけると、勢いを増して絡み付いてくる。
先生の指が私の耳をふさいでいるおかげで、ぴちゃぴちゃという音が頭蓋に響いて
もはや立っている事もできないくらい、足や腰ががくがくとふるえている。

「せ、せんせぇ……お願い、これ以上はもう」
「始まったばかりなのにもう降参?」
「だって……こんなの私、はじめてだから」
「そのためのレッスンだよ。それに途中でやめられないといったはずだ」
「あっ……そこ、やぁ、だ、だめです先生……」

初めてというのは行為のことではなく、愛撫のやり方のことだった。
私が知るただ一人の男性であるプロデューサーの愛撫は先生に比べると性急で
キスだってただ貪られているとしか感じなかった。
それなのに先生とは唇を交わしているだけでぐっしょりと濡れているのがわかる。
そして先生は再び私にキスをすると、唇をつけたままゆっくりと降りていく。
首筋まで来ると、今度は舌が這い回り私の快感は増していくばかり。

「先生、お願いです、もう立ってられない……」
「じゃあウォームアップはおしまいにしよう。レッスンはこっちでやるからおいで」

先生は私の手を取ると、今まで入ったことのない扉に向う。


暗い部屋に明りが灯されると、この部屋が寝室だとわかった。
大きなベッドに座らされ、もういちど唇のキスからやりなおしになったけれど
首筋のあと先生の唇は思ってもいなかった場所に向っていく。

「ほら、腕をあげて」
「やぁっ、先生…そ、そんなとこ、どうする気ですか」
「レッスンばかりじゃつまらないだろ? 僕だって楽しみたい」
「ですが……あぁっ、ふぁあ、あっ、いや、そこ…だめ」
「おとなしくしなさい、ここの匂いも味も千早ちゃんそのものだから」
「でも、んっ、あぁ、そんなとこだめです」

言葉ではそういってみても、気持ちのよさには抗う事はできない。
汗ばんだ腋を舐められるという異常な愛撫なのに、気持ちがいいというだけで
それをすんなりと受け入れている私。
ただ抱き合ってキスして性器を満たされるのがセックスだと思っていた、
そんな今までの経験は一体なんだったのだろう……?
これではまるで子供と大人だけど、もういい、考えるのはよそう……
今はただ先生の愛撫に応えることだけに集中しなければ。
だってこれは私のための特別レッスンなのだから。

「千早ちゃんがノースリーブなんて着ているのはもしかして僕のため?」
「……そ、そんなことは」
「そうだろうね、だけどおかげで望んでいたのが堪能できたよ」

そういいながら先生の目は次の目的地に向けられる。
もちろんそこは服で遮られているからこのままではレッスンにならない。
考えるまでもなく私の指はボタンを外し始めた。

「次は……ここですね」
「そう、よく分ったね。ここの匂いは女の子の体の中でも一番甘いんだ」

そんなに違うものなのだろうか。ここだって充分に汗をかいているから
甘いというより甘酸っぱいと思うのだけれど。
ワンピースをおなかの方に落とし、ノースリーブのシャツを捲り上げると
上半身を隠すのは薄いシュミーズ一枚だけ。

「つけていないのは胸が締め付けられないように?」
「はい……でも今日は」
「いわなくてもわかっている、これを見れば」

先生の指が柔らかい布地越しにそっと乳首を摘み取る。
キスされた時から固く尖り、じんじんと疼いていたそれがさらに熱くなり
我慢できずに大きな溜息をもらしてしまう。

「思った通り感じやすいんだ、千早ちゃんのおっぱいは」
「そ、そんなこと……恥ずかしいです」
「我慢なんてしなくていい、感じたとおり声にだせばいい」
「あっ、あ、ああっ、あぁん…せんせぇ……そ、そんな摘まないで」
「うん、いい声になってきたよ。もっと、感じたままに」

先生の囁きを耳元に受けながら、指先でやわらかく乳首をこねまわされ
手のひらにささやかな膨らみ全体を包なれてゆっくり揉みほぐされていく。
プロデューサーはただぐいぐいと揉むだけだけど、こんなふうにされると
声が漏れるのも止められないくらいの心地よさがある。

「さて、そろそろ味を確かめようかな。邪魔なものは脱いでしまおう」

先生の言葉がまるで催眠術のように、私は素直にシュミーズを脱ぎ捨てる。
これで上半身を隠すものは何も無い。
無防備な乳房に先生の顔がゆっくり近づいてくる。


最初はほんの軽いキスだった。
それなのに乳首から走った電流が全身に走り、声をあげのけぞってしまう。
だけど先生の責めは容赦がなく、咥えられたと思った瞬間には舌が絡みつき
先生の口の中で噛まれ、弾かれ、そしてちゅーちゅーと吸われていく。
飛んでしまいそうな意識を懸命に繋ぎとめながら、まるで小さい子供のように
おっぱいに吸い付いている先生の姿は奇妙なものだった。
その頭をしっかり抱きしめ、私はさらなる愛撫を先生に求め続ける。
そのままベッドに押し倒され、先生の大きい体にのしかかられても
私が感じたのは苦しさではなく恍惚とした幸せだった。

「どう、千早ちゃん。感じてくれたかな?」
「……はい。頭が真っ白になるうくらい」
「それはよかった。これならレッスンを続けても大丈夫かな」
「わ、わたしなら……平気です」
「うん。だけど念のため、確かめさせてもらうよ」

先生の手が胸を離れゆっくり下がっていく。
お腹、お臍。それから……その先はまだワンピースに阻まれているけれど
先生の手はおかまいなしに潜り込んでいく。

「やっぱりちゃんと履いてきてくれたんだね」
「はい、でも……もういっぱい汚してしまってます」
「汚れただなんてとんでもない、それこそ千早ちゃんが女になった証拠だよ」
「でも……わたし、はずかしいです、こんなぐしょぐしょになって」
「千早ちゃんがそうなることが僕の望みでもあったんだ。恥ずかしがることはない」
「でも……んむ!?」

恥ずかしさを誤魔化すために言い募ろうとする口が塞がれ
次の瞬間、ついに先生の手がそこにたどりついてしまった。
シルクの生地越しにもわかるくらい、私の体液で溢れかえった性器の上に。
先生の指がショーツの上から性器をうかがうように滑っていく。
少しくすぐったいけれど、先生が私の大事な部分に触れてくれたのが嬉しくて
もはや下着越しに性器をなぞれているのがもどかしくなってくる。
だけど先生は私の様子から何を求めているのか分ってくれたらしい。
指先が下着の縁に滑っていくと、するりとその中に潜り込もうとする。
あぁ、その指が直接私のそこに……は、早く触ってください、先生……

「さて、最後のレッスンに移る前に……とっておきのお楽しみを」

先生は指先で濡れた陰唇をさっとなぞると、そこから指を抜き出した。
その意図に気付いてそれを止めようとしたけれど間に合わなかった。

「だめです、先生……それはいや……か、嗅がないでください」
「どうして? 千早ちゃんの一番女らしい匂いだよ」
「だめ、恥ずかしすぎます……お願いです」

だけど先生は私の言葉にはまるで耳を貸さず、その指を鼻にかざすとスンスンと
わざとらしい音を立てながら、私の恥ずかしい匂いを嗅いでみせる。

「うん、千早ちゃんのここはもう立派な雌の匂いになっている」
「いやぁ、先生の意地悪!」
「匂いだけじゃないって分るよね」
「先生……そ、そんなこと駄目です!」
「やっぱりそうか。千早ちゃんはただ経験しただけなんだ。体は女になったのに
本当の悦びはまだ全然わかっていない、そうだろ?」

その時私はこれまでプロデューサーと交わしたセックスを思い返していた。
彼に迫られ押し倒されて、捧げたというより奪われた私の処女。
愛する故の行為というには強引で一方的な交わり。
それでも私は男と女のセックスはそういうものだと思い込んでいた。
痛みが消えてうっすらと快感を覚え始めると、男のひとに犯されること、
男のひとに征服され屈服することに悦びを感じようとしていた。
キスして胸を揉まれ、慌しく下着をずり下ろされてまだろくに濡れてもいない
性器にぎしぎしと捻じ込まれていくプロデューサーのペニス。
痛みを堪えているうち、ようやく濡れはじめてスムースになる交わり。
私はただ求められるまま体を開く人形に過ぎなかった。

先生とはキスするだけで下着がぐしょぐしょになるほど私は濡れていた。
胸を、腋を、首筋を、指と唇で触れられるだけで喘ぎ声を止められなかった。
そしてまだ挿入にすら至っていないのに、これほどの快感を得られるなんて。
これこそ先生が私に授けてくれたレッスンの目的だったとすれば
もはや私は何を求められてもただ受け入れるだけ。

「さ、次はどうするか分っているね」

無言で頷く私に先生は厳しい顔をしてみせる。

「ほら、ちゃんと言葉にして伝えないと」
「せ、先生……わ、わたしの…………味、た、確かめてください」
「私のどこ? 何の味?」
「私のあそこ……性器、舐めてください。私のそこがどんな味か確かめてください」
「よくできました。じゃあ脱がせてあげる」

腰にまとわりついたワンピースを脱がされると、あとに残るのは先生にもらった
シルクのショーツただ一枚。それも今から脱がされようとしている。

「うん、この色が似合うと思っていたんだ。すごく可愛いよ、千早ちゃん」

褒められたことは嬉しいのだけれど、それ以上に恥ずかしくてたまらず
両手で顔を覆い隠して先生の顔を見ることができない。
それなのに先生は私を丸裸にしてしまうと追い打ちをかけるようにいう。

「ほら、今からする何をされるかちゃんと見ていないとレッスンにならないよ?」
「……む、無理です、そんなの」
「じゃあここでギブアップする? 無理強いはしたくないから」
「……い、いや…………それはいやです」

指の間からのぞきこむと先生と目が合った。

「じゃあ手を離して。ちゃんと僕のすることを見ていなさい」

足首を掴んで開かれる。
先生の顔がそこに近づいてくる。
今からされることを考えただけでアソコが熱く煮えたぎるようで
実際、先生の唇がそこに接するまでのわずかな時間にも体の奥から
溢れ出す体液がとろとろと流れ落ちるのが分るくらいだった。

そしてその瞬間。

悲鳴のような叫び声を立てているのが自分だと気付いたけど声は止まらない。
性器にキスするように先生の唇が重ねられると、すぐに舌が活発に動き始め
さらなる快感を求めて開いた膣の中にぐいぐいと押し込まれていく。
ぴちゃぴちゃ、じゅるじゅる。そんないやらしい水音が寝室に響くなか、
私はびくびくと腰を跳ね上げて先生の舌にもたらされる快感に酔い痴れ
最後には意識が真っ白にショートして気を失ってしまった。



髪を撫でられる感触で目を覚ますと、まだ私はベッドの上に横たわっていて
先生に体を抱きかかえられていた。
温かいと思ったのは先生と肌を触れ合っていたからで、汗まじりの体臭からは
不快感どころか、下半身がぞわぞわするような刺激を感じる。
そしてあそこに生々しく残っている舌の感触。
女に目覚めた私の体はまだまだ満足していないみたい。

「気がついたね。どうだった、今のレッスンは?」
「……とても素敵でした、先生」
「そう、それはよかった」
「先生はどうして……私にこのようなレッスンを?」
「僕には全部わかっていたんだ。千早ちゃんの身に起こっていることは全部。
男ができたらしいこと。キスを経験し、体を見られ、触られてどんどん女らしくなって。
そしてついに処女から女になったことも。
声に艶が増し、歌の表現力が飛躍的に上がった事は嬉しかったさ。
僕の見込んだ子がどんどん力をつけていくことは本当に楽しいことだった。
だけど……正直いってそれが悔しくもあった。
立場上、手を出すなんてできるわけもないのに。
こんな年になってそんな執着をしてしまう自分が恥ずかしくもあった。
だから僕はなんとか歌のことだけに集中しようとした。
だけど……あのことをきっかけに僕は気がついたんだ。
千早ちゃんが女としてはまだまだ未完成なことに。
君を女にした男のことは悔しいけれどどうだっていい、だけど千早ちゃんを女として
完成させるのは僕の手でも、いや……僕じゃないとできないんだと。
最後のレッスン……それが何を意味するかもう分っているだろ?
千早ちゃん、本当にいいのか……最後にもう一度よく考えてみなさい」

先生は私から離れると向かいのソファーに腰をかけた。


本当にいいのか……?

レッスンが始まってから今に至るまで、ためらう気持ちがないわけではなかったし
心の中では今なお“理性”がこれ以上の行為をすべきでないと反対している。
プロデューサーの存在がその理由だけれど、ではなぜ私の体は心とは裏腹に
先生という雄を求めてやまないのか。

そうすることの何が悪いのか……?

これが浮気、あるいはそれに類する行為だとは私には思えない。
先生は決して恋人にはなりえない、けれども恋人と等しく大切な存在であり
私を導いてくれる尊敬すべき存在でもある。

だとしたら、先生の思いがこもったレッスンを断る理由など私にはない。
少しだけ迷ったのは、その決心を先生にどう伝えるかだけだった。

言葉? それとも行動?

考える以前に体が勝手に動いていた。
ベッドを降りると先生の前に膝をついた。

最後のレッスン、それは先生自身を私の中に受け入れ一つになること。
どうするかはさっき教わった行為を思い起こせばすぐわかることだった。
目の前にある先生の男性器。
こんな風に間近で見るのは初めてで、思ったよりも異形だけれど
これだって先生の一部なのだから……

目を閉じてそっと唇をそこにつける。

「千早ちゃん……」

先生の陶然とした声が耳に心地いい。
軽いキスのようなタッチを、二度目はもう少し深く。

「あぁ……気持ちいいよ、千早ちゃんの唇」

私がしたことでそうまで気持ちいいといってくれたのが嬉しくて
今度はもっと大胆に、そう……先生自身を口の中に包み込んで
そっと舌でなぞってみたのは先生の真似をしただけなのに
びくびく震える反応のあと、じんわりとしょっぱいものが滲んでくる。
これってもしかして……?
動きを止めた瞬間、先生が私の頭をそっと引き離し
唇と先生の間に涎が糸を引く。

「千早ちゃん……もう」

呼吸を荒げた先生に抱きすくめられるとそのままベッドに倒れこんだ。

「先生、あの……何かまずかったでしょうか?」
「違う、千早ちゃん、あぁ、僕はもう」

そういっている間も先生が腰をぐいぐいと押し付けてくるのに押されて
私の足は大きく開いていく。そうなるとさっきまで口にしていた男性器が今度は私のあそこに
キスするようにくっついて、とろとろの体液によってするりと中に潜り込んでくる。

「あぁっ……ふぁぁっ!!」

今度は私が喘ぐ番だった。
プロデューサーとのセックスではまだろくに濡れもしないうちにペニスが入ってくるから
痛みはなくてもぎしぎしという違和感のせいでしばらくは不快感しか得られない。
それなのに今、先生のペニスはまだ先端が入ろうとしているだけなのに
私の性器の粘膜はもう快感の信号を発し始めている。

「千早ちゃんのここ、きついな……痛くないか?」
「だ、だいじょうぶです……そ、そのままで」
「よし、じゃあいくぞ……奥まで」

さっきまでの落ち着きはどこへやら、ぐいぐいと激しい腰の動きとともに
先生のペニスが私の膣をおしひろげて入ってくる。
私の体が求めて止まなかった先生のペニス。
私は大きく足を開いてそれを迎え入れている。
先生の大きな体がのしかかってくるけれどその重さすら心地がいい。

「うっ、はぁ、はぁ、千早ちゃん……中、締め付けがきつい」

先生も余裕が無いのか、もう言葉が繋がらなくなっている。
だけどそれは私も同じことで、アソコの中をぎっちりと男性器に犯され
激しく抜き差しされる快感に涎と涙をこぼしながら喘ぎ声でそれにこたえる。
腰が持ち上げられて上から先生がペニスに力を入れると
熱くて固い先端が私の一番奥に突き当たるとノックするように動いている。
最初のうちは内臓を圧迫されるような違和感があったけれどそれもすぐに
快感になり私はもう先生という雄を受け止めることしか考えられなくなる。

「千早ちゃんがすごいから……もう我慢できそうにない」
「せんせい、せんせい、もっと……奥、あたって……きもちいいです」
「あぁ、僕だって……千早ちゃん、千早、あぁ、駄目だ、出てしまう」
「お願いです、最後まで……私の中、先生が欲しいです」

真っ白に飛びそうな意識の中、不意にそのイメージが閃いた。
私の性器の一番奥。
いま先生のペニスがごつごつとノックしているその中に。
やがて弾けるであろう精液で満たされ私の卵子と結びつくと……

すでにそこはとろとろの愛液に満ちてすっかり準備ができている。
背中に回した手に力をいれ、両足で先生の腰をしっかり抱え込む。

「千早ちゃん、だめだ……抜かないと」
「いやです先生、中で、そのまま!」

体の中でどくんと跳ねるペニス。
次の瞬間、じんわりと温かな感覚がひろがっていくのがわかる。
初めて受け止めたおとこのひとの精液が先生のものであることに
私は嬉しくて涙を止めることが出来なかった。


プロデューサーは妊娠を警戒して避妊具を欠かさなかったから
こんな風に直接性器を触れ合うことが気持ちいいなんてしらなかった。
興奮がさめてきてもまだ私は余韻にひたって身動きできずにいる。
もう先生のペニスは抜けてしまっているけれど、私の体の奥には
先生にもらったたっぷりの精液で満ちているのだから。

「おめでとう、これで千早ちゃんも一人前の女になれたね」
「……ありがとうございます。でも……先生?」
「どうした、まだ何か足りないことでも?」
「お忘れですか、私がレッスンに貪欲だってこと。まだまだ先生に教えてもらうこと
沢山あるはずです」


レッスンの終幕を私は否定する。
仰向けに横たわる先生のペニスに力は入っていないけれど
私はかまわずそこに口をつけるとさっきのように舌を絡ませる。
ゆっくりと力を取り戻しはじめると、私は先生に跨って指でささえたペニスの上に
自分から腰を落としていく。
挿れる直前、中から逆流してきた精液がこぼれようとするのを塞ぐように
一気に腰をおとすと頭のてっぺんまで電流が走りぬけ
私はもう気が狂ったようにひたすら腰を上下にゆすり続ける。
さきほどもらったばかりの精液がこぼれおち私の愛液とまじりあって
にちゃにちゃといやらしい音をたてるのを聞きながら、
私は意識を放り出してただ快感にのみ心を委ねていく。


おしまい。

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