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目が覚めて台所に行き、水を煽るけど妙に頭が重い。昨日、何したっけ?
確か、真さんが訪ねて来て、持ってきてくれたケーキを日付が変わるくらいに食べた後……何故か飲み会状態になったんだっけ。真さん、ノンアルコールはお酒ですから……
はぁ、二日酔いかなぁ。大人になっても気をつけなきゃな。
とりあえず、シジミの雑炊でも作ろうかな。誕生日なおかげでオフなのは助かったよ。


良い匂いがしてくる頃になると、真さんも起きて来た。
「何か作ってるの?」
真さん無防備だなぁ。ノーブラだよ。
まあ、僕は真さんにとって女の子だから気にしちゃダメなんだけどさ。
「はい、二日酔いしちゃったみたいでとりあえずシジミの雑炊を、これなら食べやすいですし」
真さんは首を傾げる。
「二日酔い?」
やっぱり知らなかったんだ。堂々とビニール袋に入れてたから嫌な予感してたけど。
「はい、ノンアルコールってお酒ですよ」
苦笑いして視線を逸らし、そのまま台所を見る。何か変なところないよね?
土鍋に入った雑炊そっちのけなのが気になる。
「あれ? 調味料多くない?」
えっと調味料だと確か、砂糖・塩・お酢・醤油・味の素・みりん・胡椒は粒と粉・一味・山椒・ゴマ・バジル。
後は作り置きの出汁汁と味噌、それからケチャップ・マヨネーズ・タバスコ・豆板醤は冷蔵庫。
「多い、ですか?」
料理するには調味料が必要だと思うのだけど。
「いや、そんなこと無いよね。うん、ボクが知らないだけで」
あれ、もしかして、
「真さん、あまり料理はされないんですか?」
落ち込んだ顔になる真さんに思わず戸惑う。あんまりイメージにはなかったから普通に「まあね」とか言われるかと、思ったんだけど。
「少しは、と言いたかったけど自身がなくなった」
な、何とかフォローしなくちゃ。
「練習しましょう。ね? 私、教えますよ?」
パーッと表情が明るくなる。
「そうだよね。初めは誰だって下手だもんな、頑張るぞ」
どうしよう、真さん本当に料理初心者みたいだし、下手な料理教えると大変な事になりそうだし……
初めは、にアクセントあるのは嫌な予感しかしないよ。



「お昼はボクが作るから、何か教えてよ」
あはは、時間もなしか。無難にパスタとかかな?
初心者扱いすると昔の律子お姉ちゃんみたいに怒りそうな気がするし。
「わかりました、じゃあ冷蔵庫見てきますね」
あり合わせで作るとかは律子お姉ちゃんの実験創作料理で懲りてるから買い出しに行かなきゃ。
懐かしいけどあんまり思い出したくはなかったかな。
「その前に朝ご飯食べよう、作ってくれたんだよね?」
あ、気づいてたんですね。



「うん、美味しい。涼は良いお嫁さんになれるよ」
はは、何か複雑。美味しいと言われたのは嬉しいけどお嫁さんは……
「真さんに言われると本気にしちゃいますよ?」
ちょっとした、意趣返し位はしても良いだろう。
「やだな、ボク女の子だよ! よっぽど涼の方が……あれ?」
「えっ?」
自分の姿を見て、驚く。パットしてない! 格好は男物のパジャマだし!
「あのさ、涼?」
重苦しい空気。和気あいあいな食卓はもう、ない。
「はい」
「失礼だけど、胸のない女の子に見える」
はい? いや、何でそんな話に……
「いや、ボク自身でも何を言っているか良く分からないんだけどさ。
パットを使ってたのは分かるけど、少なくとも直ぐに男の子には見えないんだ」
……ですよね。男の子から告白されますもの。
「なのに、さっき一瞬だけど涼が男の子に見えたんだ」
常に、男の子なんですけど。
「自分で言ってて悲しいけど写真なら多分ボクの方が男に見える」
まあ、確かに女の子のファンが沢山いますしね。それに比べて……
「逆にもし涼が男の子だとしても、驚かない。と、思う」
言い聞かせないで下さい。出来ればそれは心の中でやって下さい。
心がヤスリ掛けされていく気分になる。
「ところで涼。昨日の記憶ある? いや、これだけで良いや。どこで寝た?」
必死に記憶を探る。嫌な予感しかしない。
「自分の部屋、だと思います」
それを聞いて、真さんが頷く。
「うん、ボクもそんな気がした。けど……客間に涼が入って来た記憶もあるんだ」
言われると、そんな気もする。そうだ、客間で寝て布団を畳んでから、台所に行ったんだ。
そして表情にも出ていたんだろう。真さんの表情も確信じみたものへ変わった。
「ねぇ涼。涼の部屋見に行かない?」



言葉の端からは、無かったことにしたいのが感じ取れる。
それをしたら、この先真さんにどう接して良いか分からない。それに、僕一人で絶望しか入ってなさそうな部屋を開けるのは辛い。
「……行きましょう」


匂い立つ雄と雌の香り。乱れたシーツには、白と紅。お掃除とお洗濯大変そうだなぁ。……じゃなくて!
真さんが僕が男だと分かるような事を、シたのだろう。
部屋に入った時から、心臓のリズムが速くなって、三番茶くらい薄い記憶が脳裏を過ぎる。
「あ、はは、ははは」
笑うしかない。どうしろというのだろう。
女装してアイドルして、仲良くなった先輩に何をシたんだ。
変態だ、変態なんだ、僕はどうしようもない変態なんだ。
「あのさ、涼? もう一人、例えばボクのプロデューサーが来て、それで三人でとか、」
力無く首を振る。この場所を765プロで知ってるのは律子お姉ちゃんと真さんだけだ。
そもそも僕は真さんのプロデューサーと面識すらない。
仮に僕が真さんの思うように、胸のない事に悩んでパットを使う、私服が女の子っぽくないアイドルだとして、
真さんの想像したようにはならない。
その為には真さんのプロデューサーと親密じゃなくちゃいけなくて、誕生日に約束してたなら、
真さんには悪いけど途中で帰って貰った。
有り得ないんだ、何もかもが。
「あはは、じゃあボクが襲っちゃったのかな? ほら、こうやって押し倒せるし」
言いながらベッドに倒される。多分、その通りだ。
僕が押し倒せるとは思えない。
自分の性の匂いが沸き立つベッドで、僕の中で何かがはじけた。
女の子とは思えない力で押さえつけられ、それに合わせ僕の声帯は意志を持ったかのように言葉を紡ぐ。
「優しく、して下さいね?」
女の子の声で女の子の言葉が、口から出た。
「当たり前だろ?」
真さんの言葉は真意かは分からない。ただ、舞台の上のように真さんは男で僕は女の子だった。
首筋から唇へ舌を這わせられると、キスへの期待もあるのかゾクゾクとした快感が頭で火花を散らす。
酸素が薄くなり夢見心地になりそうなほど長いキス。その間にパジャマの前をはだけさせられた。
今度は首筋を伝って下、乳首へ向かう。
「あっ、あう」
短い声が漏れる。もう僕が僕であることさえ溶けてしまいそうだ。
「涼は敏感だね。この先、大丈夫?」



その言葉の意味を回りの悪い頭で考え、頷いた。
優しくしてと何度も呟く。その言葉に本当に優しく、ゆっくりと快楽を与えてくれる。
のんびりと、そう称せる性行。恐怖はなくて、じわじわと高みへと近づき。止まった。

どうして、と。涙目で見上げる。すまなそうに表情を変え、ペースが上がった。
接合部から、理性をとろけさせる音楽が流れる。
「まこ、真さん激しっ」
言葉が上手く出て行かない。
それに対してそっとキスされて、囁かれた。
もう限界だと、ボクのペースでヤらせて貰うよと。
少しだけ怖くなり、私は真さんを強く抱きしめた。
耳元で聞こえた「ボクがついてる。だから、大丈夫だよ」と力強い言葉に、手を放して変わりに真さんの手を握った。
真さんは恋人がするように、絡めて短いキスをしてくれた。

嬉しくて、心強くて、自分では登れない場所まで、行ける気がした。
登って、登って、そしたら真さんは引き戻してくれる。そう思えたから、体を預けて、心も渡した。


意識が飛んだらしく、真さんが優しく声をかけてくれる。
繋がったままで、真さんはまだ足りないはずなのに私を気づかって。
もう、止めようかと言う言葉に首を振る。
「あれくらいでダウンしちゃうなんてまだまだですよね」
そうは言ったけど、腰を振ろうとしても力が入らない。そんな私にゆっくりでも良いと囁いてくれた。
好きと言えばボクもだと、愛してると言えば言葉ではなくて感じさせてあげるとキスを。
真さんは本当にカッコいい。私も頑張らなくちゃ。
部屋と衣装と私。いつでも綺麗にして真さんの帰りを待つんだ。
まるで夢の中にいるみたいで、こんな時間がいつまでも続けば良いなとただ願った。
きっと真さんとなら、幸せだよね。りゅんりゅん♪

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