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あたし、日高愛は876プロの同期アイドル、秋月涼さんとデュオユニットを組んでいるDランクアイドルだ。
でもまさかその涼さんとこんな関係になるなんて・・

                       
それはあるオーディションが終わった後の楽屋でのこと。

「涼さーん!着替えるの遅いですよ!先に事務所帰っちゃいますよ!」

涼さんが着替え始めるのは決まってあたしが着替え終わった後。
見られるのが嫌なのかな?でも涼さんはスタイルもいいし隠す必要ないのに、といつも思う。
それともあたしが女の子同士肌を見せあうのを恥ずかしいと思わないほうがおかしいのかな、なんてことも考えてしまう。

「あ、今日は先に帰っていていいよ。律子姉ちゃんが話あるって言うから」

秋月律子さんは涼さんのいとこにして765プロのAランクアイドル。
涼さんのことが心配らしく忙しいのによく楽屋に迎えに来てくれる。
「そうなんですか!それじゃあたしは先に事務所に戻ってますので!」


マネージャーのまなみさんと共に会場を後にして数分、あたしは不意にポケットをまさぐって大きなミスに気付いた。

「あー、携帯忘れちゃったぁ!まなみさん、ここで待っててください!」

そう言ってダッシュで楽屋に向かう。すると楽屋から話し声が聞こえた。

「涼、今日のダンスのキレ、イマイチだったわよ」
「正直、今日は自分でもミスしたなって思ってた」

(この声は・・涼さんと律子さん?)

そして話は思わぬ方向に展開した。

「涼、あんたねえ・・。ダンスの時は男らしくしゃきっとしなさいよ?」
「ちょっと律子姉ちゃん、声大きいから!誰かに聞こえたらどうすんのさ!」
「こんな時間に誰もいやしないでしょ」
「そうだとしても都合いいときだけ男らしく、っていうのはやめてよね」
「ごめん、言いすぎたと思ってる。・・でも、あんたも次回はダンスをしっかりね」

(涼さんが男の子・・??)

その部分だけが強く印象に残り、あとは何を言っているか聞きとる気も起きなかった。
というより、ぼうっとしていた。
確かに、女の子にしてはかっこいいし、頼りになるとは思ったけれど、
男性だなんて、異性だなんて考えたこともなくて。
頭がモヤモヤしたまま扉の前に突っ立っていたあたしは目の前に涼さんが現れたのにも気づかなかった。

「愛ちゃん?先に行ったんじゃなかったの?」
「涼さん?律子さんは?」
「もう話終わったよ。一緒に帰る?」
「はい!」

元気よく言ったものの帰りに涼さんとは話すどころか目を合わせることすらできなかった。
どうしても男の子だと意識してしまう。心臓がドキドキして落ち着かない。
女の子同士だと思っていた頃にはなかったキモチ。
そのキモチが大きすぎて事務所についてからのことは覚えていない。


「ただいまー」
「おかえり、愛。オーディション受かったんでしょ?良かったじゃない」

家に帰ってからあたしのママにして元Sランクアイドル以上の存在、
日高舞の一言であたしは今日自分がオーディションに受かっていたことを思い出した。

「あ、そうだったね」
「何か悩みでもあるの?いつもなら真っ先にオーディションの話するのに」
「実は、その、一緒にユニット組んでる子が隠し事してるみたいで..どうしようかなって」
「実はその子は男だった、とか?」
「えっ?!」
「冗談よ」

どうしてママってこういう時、妙に鋭いんだろう。男かどうかの話も本当に冗談で言っているのか疑わしい。

「・・どうするかは自分の胸に聞いてみなさい」
「どういうこと?」
「人に悩みを話すときは9割方自分でどうすればいいか答えを持っているものよ」
「でも・・」
「たぶんこの話は愛自身、答えを持ってるはず」
「あたし自身の、答え・・」

言われた通り自分の胸に手を当て、聞いてみる。涼さんに直接、問いただす。それが今のあたしの答えだった。


「涼さん!」
「愛ちゃん?どうしたの?」

次の日、事務所であたしは涼さんに尋ねた。思い立ったらすぐやる、今までだってそうしてきた。
結果を考えるのは二の次で行動を実行に移す。

「しょ〜じきに答えてくださいね!」
「うん。私に答えられるなら」
「涼さんは本当は男の子なんですか?」
「!!」

涼さんの表情が固まる。
涼さんと一緒に長い期間ユニットを組んでいるあたしには
両手を交差して後ずさった涼さんのポーズで図星だと分かったけれど。
確かめたいという思いが「本当だと察した」程度ではあたしの心を許さなかった。

「どうなんですか!ホントのこと言ってくださいっ!」
「愛ちゃん、ごめん!」

涼さんが叫んで頭を下げた。

「今まで黙っててごめん。私、ううん、僕は・・本当は男の子なんだ」

そう言って涼さんは女装アイドルとしてデビューしたわけを話した。

「・・だけどもし、愛ちゃんが女装してる男なんかと一緒にアイドル活動するのが嫌だ、って言うなら・・僕は・・」

えっ?そんなの違う。一緒にいるのが嫌で問い詰めたんじゃないのに。
追いつめたくて問い詰めたんじゃないのに、これじゃ涼さんが離れてしまう。

「そんなこと言わないでください。そんなこと言わせるために問い詰めたわけじゃないです!」
「えっ?でも僕は・・」
「涼さんが男の子でも一緒にいたいんです!涼さんはあたしの頼りになる仲間・・じゃなくて、もっとこう・・」

なんだろう。こういうの、なんて言うんだろう。親友よりも、もっと上の・・

「コイビトですから!」

そうだ。男の子って知ってドキドキしてたのは。
追い詰めるような真似までして男の子と確かめたかったのは。
恋人と、意識してたからで。

「愛ちゃん・・」
「だから、一緒にやっていきましょう、これからも・・」
「うん、本当に僕でいいの?」
「はい。涼さんは?」
「僕も、愛ちゃんと一緒にいたい」

幸せなキモチ。このキモチを待ち望んでたんだ。
そして、涼さんにあたしはそっと告げた。

「今夜、涼さんの家、行ってもいいですか?」
「ええっ?!いやそーいうのはもうちょっと段階を踏んで・・」
「思い立ったらすぐしましょう!ママもそうやって生きてきたんです!」
「ちゃんとお母さんに連絡してね?・・それと泊めるだけだから」

正直なところ、あたしが恋人同士がすることについて知っているのは全部ママからの偏った知識。
パパとのノロケ話を小耳にはさんでるだけだから何歳からすればいいのかとか手順とかも全然わからない。
そしてこれから、それが始まるのかどうかも家に行こうと言った本人のくせに分かってない。
こんなことならママの話、もっとまじめに聞けばよかったと思いつつ何が起こるか分からないワクワク感もあった。


携帯で「ユニットを組んでる女の子の家に泊まる」とママに伝えて了解をとると、
涼さんとの一日の仕事を終えたあたしは「彼」の家に向かい、インターホンを押した。
涼さんには悪いけど、こういうときの言い訳に「女の子」相手なのは便利かもと思った。

「おじゃましまーす!」
「あ、愛ちゃん。何もないけど、あがって」

そう言った涼さんの服装は普段とはかけ離れた「男の子」のそれで。
普段見せないメガネもカッコイイ小道具に見えるのは今のあたしにとって
涼さんが恋人だから思う錯覚なのかな。

「涼さん..すごくカッコイイ・・」
「そう?カッコイイってなんだか新鮮だな・・」
「どしてですか?」
「学校では男の子にカワイイって言われてるからさ・・」
「あはは・・」

地雷に触れたかな?なんて思っていると涼さんがあたしをそっと抱きしめた。

「でも愛ちゃんもかわいい・・」
「涼さ・・んっ・・」

せいいっぱい背伸びしてキスを交わす。
恋人って言ってから1日も経ってないけど、もっと先を求めていたあたしがいた。

「涼さん・・この先、しませんか?あたし、お風呂入ってきましたし・・」

とりあえず裸になることは知ってる。後のことは涼さん任せだ。

「愛ちゃん・・」

涼さんのベッドに仰向けになったあたしの上に涼さんが覆い被さる。
いよいよ始まるんだ、と思ったその時。

「・・これ以上はダメだよ」
「どうしてですか?Hなことは嫌ですか?」
「もし、愛ちゃんに子供ができたら、愛ちゃんに迷惑かけることになる」

忘れていた。「それ」は子供を作る準備だってこと。
恋人同士だからって安易にやっちゃいけないことだって。

「それに・・僕らの年でこんなことするのは愛ちゃんのお母さんにも悪いと思うんだ」

自分の仕事がなくなる話はせずにあえてあたしやママの心配をする涼さんは
今までとは違う意味でカッコよくて。
だからこそ興味本位でこんなことしようとした自分が恥ずかしい。

「涼さん、ごめんなさい・・」
「いいよ。・・でも、まねごとだけなら・・」
「えっ・・?〜!!」

声も出ないほどの突然の激しいキス。
先ほどのキスなんかまだまだ地味という風に涼さんが舌をあたしの口に挿れる。
にゅるり、と音がして入る涼さんのそれ。
ふわふわした気分になりながらも負けじと強がって舌を挿れ返すあたし。

「ぷ・・はぁっ」

お互いが口を話すとねっとりした唾液が糸を引いた。

「大人の・・きす・・ですか?」
「うん。適当な知識だったけど、案外うまくやれたかも」

涼さんはそう言って吐息で少し曇ったメガネのレンズを吹いてにっこり笑った。

「涼さん」
「何?・・ねだってもこれ以上はしないからね?」

涼さんがそういうのは自分も我慢の限界だからだろうか。

「はだかんぼで、きすするだけなら・・子供はできませんよね?」
「はだかんぼで、きす・・」

涼さんの復唱であたしは自分がとんでもなくHなことを言っているのに気づいた。
恥ずかしがるあたしに対して涼さんは言った。

「それでいいなら付き合うよ。・・というより、僕もそうしたい」

えへへ、と笑う涼さん。
はじめて涼さんが「男の子」なんだなと意識した瞬間だった。

「服、脱がすよ。バンザイして」

上着を脱がした後の涼さんは妙にぎこちなくて、下着は思わず自分で脱いでしまった。
女の子同士だと思っていたころはあんなにポンポン脱げたのに。
今はズボンひとつ脱ぐのにも躊躇してしまう。

先に裸になったあたしを見る涼さんの視線は服を脱ぐ前のそれよりも恥ずかしさを煽った。

「涼さんも早く脱いでください!あたしだけ恥ずかしいですよ!」
「ごめん、愛ちゃんに見とれてて・・」
「知りませんよぉ!」

口ではそう言いつつも結構うれしい。
胸もあんまりないし、体のどこを見渡しても産毛が数えるほどしかない子供っぽい裸でも、褒めてもらえたことが。
そんな中メガネをはずし、おずおずと服を脱いでいく涼さん。
あたしより白く、体毛の薄い身体。涼さんも気にしているのか、ポツリとつぶやく。

「気持ち悪い・・よね?女の子みたいな身体で・・」
「そんなことないです!たとえそうでもあたしは涼さんが好きです!」
「ありがと、愛ちゃん。お世辞でもうれしいよ」
「お世辞なんかじゃ・・あっ」

涼さんに再び抱きしめられる。直接肌と肌がこすれあってキモチいい。

「胸・・触るよ」
「はぁぁんっ」

あたしの声じゃないみたいな声が漏れる。涼さんで、感じてるんだ。

「涼さ・・ぁん・・その・・ぁたしのぉ・・そこ・・にぃ」

息も絶え絶えになりながら涼さんの股間を指さす。

「ぎゃおおおおん!こ、これは」

涼さんが気づかない間にムクムクと大きくなっていたみたいだ。
あんまり言いたくないないけど・・おちんちんが。

「ごめんね・・グロテスクで」
「たぶん・・大丈夫です。」
ちょっと落ち着きを取り戻したあたしはそれを見て自分のしようとしていた行為の愚かさに気づいた。

(こんなの、今のあたしじゃおなかにも入りきらないよぉ・・)

「じゃあ、抱くよ・・」
「あ、はい!」

思わず大声を出してしまうあたし。大丈夫、心の準備は万端だ、といってもこの先はないけれど。
二人で裸で抱き寄せあって、大人のキスをする。それだけでも今のあたしたちの年では、やりすぎなくらいだ。

「りょぉ・・さぁん・・」

涼さんの大きなおちんちんがおなかにこつこつと当たってとろけそうな快感を与える。

「あぃ・・ちゃん・・ぼく・・もう・・」
「ぁたしも・・なんか・・きちゃいますぅ・・」

『ぁぁぁああああ!!』

二人で絶叫してきつく抱き合うあたしたち。
たしかこういうのを「イった」って言うんだったっけ。

おなかにかかった白くて少し匂いのする液体はたぶん、涼さんの精液だろうな。
何か不思議な気分だ。
そんなことを考えていると、目がとろんとして、眠くなって..


「愛ちゃん、おはよう〜」
「涼さん、おはようございます!あれ?」

あたし、家から持ってきたパジャマを着ている。
涼さんが着せてくれたんだろう。

「パジャマ・・ありがとうございます、涼さん」
「やだなぁ。そんなことでいちいち感謝されても困るよ」

涼さんは既に着替えているから1人暮らしにも慣れてるんだろうな、ちょっとうらやましい。

「今日はオフですから、ゆっくりできますね」
「でも、さすがにもう1泊は許さないよ?」

笑いながら言う涼さんの顔は少し残念そう。
仕事になれば、また「女の子」になってあたしと接しなきゃいけないんだもんね。

「愛ちゃん・・」
「はい?」
「僕、愛ちゃんと結婚できる年になるまでには、トップアイドルになりたいな」
「涼さん、あたしは涼さんと結婚できる年になるまでに、歴史に残るアイドルになりたいです!」
「あはは、愛ちゃんの目標のほうが上だったね」
「あたしの目標は2人の目標!一緒に頑張りましょう!」

そう、2人なら、やれる。
2人なら、怖いものなんてない。
必ずママを超えるアイドルに涼さんと共になってみせる。
恋人同士となった2人なら、実現できる気がする。


あの日から、あたしたちはいまだに恋人同士だ。
あたしは声が大きいから、涼さんが男の子ってことは絶対に口に出さないように言われている。
でも、一緒に活動して嫌と思ったことはないし、
将来はお互い結婚したらどうするかという予定まで立てている。
ちょっと早すぎるとは思うけど、
待ち遠しく思っているあたり、あたしもママに似たのかな・・

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