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今日はグラビア誌の水着撮影ということであずささんと共に事務所近くの室内プールに来ていた。


「広いプールですね〜。でもどうして私達以外誰もいないんでしょう?」

「もう夜中だからですよあずささん」

朝から他の仕事があったため深夜の撮影となったが、そのお陰か俺達以外は誰もいなかった。
ただでさえ一目を引くあずささんの水着撮影を昼間にしていたらいろんな意味で騒ぎになっていただろうから、
今回の時間での撮影はむしろ好都合だ。


「じゃあ水着はこれです。着替えてきて下さい」

「はい」


水着が入った袋を受け取ったあずささんは駆け足で更衣室へと向かって行った。


それにしても……今回の撮影の仕事を貰った時はそのある意味特殊な内容に少し考えてしまった。


"スクール水着"での撮影―――


ある一定の需要があるジャンルだと思っていたが、
まさかビキニでの撮影が多いあずささんにも声がかかるとは予想外だった。
少し渋るあずささんをなんとか説得して納得してもらったが、
小中高生のような水着を着るはめになったあずささんの心境を思うと少し心苦しい。


「ぷ、プロデューサーさ〜ん」


いろいろと考えている間に着替えが終わったようで体に大きなタオルを巻き付けたあずささんがやって来た。
その足取りはこころなしか重たい。


「待ってましたよ。じゃあ撮影ちゃちゃっと始めましょうか」

「えっと……」

「どうかしました?」

「あの……」


タオルを巻いたままジッとして動かない。
よほど恥ずかしいのだろうか?
俺だってもし今になって「学生時代の水着を着ろ!」なんて言われたら恥ずかしいなんて次元じゃないだろう。
でもこれは仕事だから仕方ない。


「……あの、あずささん?タオルとってくれないと撮影出来ないですよ」

「はい…」


パサッ


タオルを床に落としてそこには俺が用意した紺色のスクール水着を着たあずささんが………ん?


「あ、あれ?」

「プロデューサーさん酷いです〜…こ、こんな水着を……」


そこにいたのは紺色のスクール水着をまとったあずささん、ではなく真っ白な水着を着たあずささんだった。
それだけならまだ良かったがその水着は、彼女の体にむちむちと食い込み、その体の線を歪ませていた。
おさまりきらない豊かな胸はギリギリ水着に包まれているようで、今にもこぼれ落ちそうである。


今回の雑誌は765プロのアイドル全員が掲載される予定だが、
白水着を着て撮影する予定のアイドルが何人かいた気がする。
朝事務所の棚に並んでいた全員分の水着からあずささんの分を取ったつもりだったが……。


「プロデューサーさん?」

「ち、違うんです!持ってくる水着を間違えただけでそんな変なこと…」

「変なこと、ですか?」

「あっ、いや、その〜…」

「もうっ!………プロデューサーさんのえっち」


拗ねてしまったあずささんを前に俺は己の不注意を恥じた。
俺がちゃんとしていればこんなことにならなかったはずだし、撮影前のアイドルの機嫌を損ねるなんて大失態だ。
穴があったら入りたい気分である。


「あの、プロデューサーさん?そんなに落ち込まないで下さい」

「でも」

「プロデューサーさんの姿を見て、わざとじゃないってわかりました。私もあんなに拗ねて大人気なかったです〜」

「あずささん…」

「撮影、しましょう?」

「…はい。ありがとうございます。」


あずささんのフォローで立ち直った俺はプールサイドに腰掛けるあずささんにカメラを向けていた。
水着効果かとても恥ずかしそうにカメラに目線を向けるその姿はとても扇情的だ。
白の水着が赤くなった頬の鮮やかさ、綺麗な髪を引き立たせている。

「じゃあ次は水に入ってみましょうか」

「わかりました〜」


その後は順調に進み撮影も終盤にさしかかっていたところで、
ふとビーチボールを掴んでプカプカと浮いて遊ぶあずささんの後ろ姿に目を奪われた。
撮影で動いたせいか、サイズの小さい水着がギュッと食い込み、かわいいお尻がほぼ全て出てしまっている。
普段下着に隠されているそこは水着に負けず劣らず真っ白で、見ているだけでその感触が容易く想像できた。
これは撮影したら…駄目だよな。
しかし本人は気付いてないようだが黙っているのも可哀想だ。


「あずささん、少し良いですか?」

「はい、どうかしましたか〜?」

「言いづらいのですが…お尻が少し」

「おしり?……っは、きゃあっ!!」


お尻を隠そうとあずささんは勢いよく両手を後ろに回した。
恥じらう彼女を前に俺はもっと大変な事になっているあずささんの胸元から視線を逸らせずにいた。


「プロデューサーさ〜ん、は…恥ずかしいです……」

「あずささん!ま、前!前…!」

「ええっ?…きゃっ!!ぅあ…っ……」


腕を後ろに回したことで逸らされた体の反動で、
豊かな胸が窮屈な水着からこぼれ落ち、大胆に外気にさらし出されていた。
大きいのにハリのある乳房、ピンと上を向く少しベージュがかった桃色の乳首。
初めて見るそれは俺の脳を甘くとろけさせた。


「うぅっ……ぷ、ぷろ…プロデューサーさん、そんなにっ…み、見ない…で…くだ………ぐすっ」

「はっ!あ、す、すみません!えっと…タオル!タオル持ってきますからちょっと待ってて下さい!」

「はい……」


高揚する気持ちをなんとか押さえ、涙ぐんだあずささんにタオルを渡し、撮影終わらせた。


施設を出るまで終始無言で気まずい空気が流れていた。

「「あの…」」

「あっ!ぷ、プロデューサーからどうぞ〜」

「えっ!あの…今日は本当にすみませんでした。俺が水着を間違えなかったらこんな事には」

「そんなに謝らないで下さい。私もいろいろと注意していなかったからあんな事に…泣いてしまうなんて恥ずかしいです……。」


顔を赤らめながら話す彼女は多分先ほどの事を思い出しているのだろう。
男の前に素肌を晒すのは初めてだったのだろうか。
いや、彼氏に1日でフラれたといっていたから多分初めてなのだろう。
俺みたいなやつに見られて…あずささんに悪い事したな。


「それに、さっきは本当に急だったのでビックリしましたけど、
プロデューサーさんになら……その、見られても……」


ん?


「えっ?それってどういう」

「や、やっぱりなんでもありませんっ」

真っ赤な顔をしながらも少し微笑みながら車に乗り込むあずささんを前に、
俺は胸の高鳴りを感じながらただ呆然と立ち尽くしていたのだった。
(おわり)

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