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「「たっだい(ま〜〜)『し〜……』」」
何時も通り、賑やかに事務所に帰ってきた双子を、あずさは目で抑えた。
穏やかな笑顔を浮かべながら、艶やかな唇に、そっと指を当てるゼスチャー。

『『?』』
一瞬ひるむが、直ぐに納得した。
あずさが腰掛けているソファーに、横になる小さな身体。
高槻やよいだ。

『ス〜ス〜……』
「最近やよいちゃん、頑張ってるからね。
学校の行事も、忙しいみたいだし……」
あずさのふくよかな脚に頭を預け、体を丸め、安心しきった様子で、やよいは眠りに
ついていた。

「あら、気持ち良さそうですね」
不意に、優美な声がした。
「お帰りなさい。貴音ちゃん」
小声だが、良く通る声で、あずさは迎える。

「あっ、お姫ちん!コッチコッチ」
「どうしたのです?双海亜美」
いきなり貴音の手を取り、反対側のソファーに座らせる亜美。
何時も持ち歩いているポシェットをひっくり返し、沢山の駄菓子を取り出した。

「お姫ちんは、コレ、食べてて。
亜美は→……」

コロン。
貴音の膝を枕にして、横になる。
「なんと⁉」
「ンフフゥ→、コレは良いまくらだよ→」
「しょうがないですね。
この娘は……」
何時もの、神秘的な微笑みを浮かべながら、貴音はお菓子を摘みはじめた。

「でも、頼られているようで、楽しいでしょ」
「どうでしょう」
はぐらかす貴音だが、亜美に落ちるその眼差しが、すべてを物語っていた。
あずさも、やよいの柔らかな髪を、愛しげに撫で続けている。
亜美も、もう眠ってしまった様だ。

穏やかな空気が流れる中、かすかにカタカタと、キーを叩く音が聞こえた。

『イイなぁ……』
取り残されてしまった真美が、言葉に出せない想いを浮かべる。
長椅子は埋まっていた。
そして、彼女の寝具も、仕事中。
ワガママは……。

「ん〜〜〜、終わった。
一休みしよっと」
大きな伸びを一つして、律子が事務机から立ち上がる。
スタスタと、応接セットに残る最後の場所、一人掛けのソファーに歩み寄った。

「リッちゃ……」
声をかけようとして、真美は口ごもる。
一人用なのだ。
疲れているのだ。
無理は言えない。

「ホラ、何してるの」
踵を返す真美の手を、律子が抑えた。
クイッ。
軽く引くと、真美は姿勢を崩し、懐に収まる。
「アッ」
気がつけば、律子の膝の上。
狼狽える真美。

「私も疲れてるの。
大人しく、マクラになりなさい」
「マ、マクラって……」
この体勢は、どう見てもマクラじゃない。
むしろ、律子のオッパイを、マクラにしてる訳で……。
口ごもる真美を、更に強く抱きしめて、律子は続ける。

「そっ、私の可愛い、抱きマクラ」
「…………///」

真っ赤になる真美を尻目に、アッサリと律子は寝入った。
『モウッ、リッちゃんは……』
後ろから、あずさと貴音の、暖かい視線を感じる。
恥ずかしくて、顔を上げるコトも出来ない。
だから真美は、律子の胸に、頭を埋めた。
トクトクと響く、鼓動を感じながら……。


「ただい……、あら?」
お使いから帰った小鳥は、応接セットの状況を確認。
「ホント、ウチの娘たちは、仲がイイわねぇ」
重なり合う様に、お昼寝を続ける娘達。
優しいお姉さんは、物入れを探り、取り出した毛布を、彼女達に掛けて回るのであった。

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