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流れぶった切りすみません。書いてみたのであげてみます。



「……うーん」

とにかくものすごぉーく暇だ。
神様いるんなら何か面白い事でも起こしてくんないかな?


竜宮小町の仕事で朝早く事務所に来たのに先方の都合で延期になった。
なんかトラブルがあったとかナントカで、詳しい事はよくわかんない。
でも夕方には別の仕事が入っていて、今日は実は忙しい一日になるはずだったんだけど。

律っちゃんは「仕事をする上でドタキャンなんて考えられない!」って凄く怒ってたけど、
偶然ぽっかり空いた時間は少し有難いから外仕事を終わらせてくる、って言って出かけて行った。
いおりんは「夕方また来るから一度帰るわ」って言ってどこかに電話して帰って行った。
携帯から漏れてきてた相手の声は多分ミキミキだったと思う。
なんか凄い叫び声が聞こえてて「うるさいわよ!今行くから!」って怒ってた。
あずさお姉ちゃんはピヨちゃんと買い出しに出かけた。

実はあずさお姉ちゃんは最近ピヨちゃんが気になるらしくて、
さっきも遠慮するピヨちゃんを押し切って買い物についていったくらい。
でもピヨちゃんはその事に全く気が付いてなくて、
この間あずさお姉ちゃんは「どうしたらいいのかしらね〜」って笑顔で困ってた。
ピヨちゃんは多分今人生の中で最も勿体ない時間を過ごしていると思う。
周りばっか見て自分自身の事はまるでわかってないんだよね。

亜美はと言うと、夕方また来ないとだとめんどくさいから帰らなかった。
それに事務所に居れば誰かいると踏んでいたのに珍しく今日は誰もいなくって。
やっぱり一度帰ろうかとも思ったけどピヨちゃんにお留守番を頼まれたので帰る事もできなくなった。


「しかたないなー」

ソファーにごろんと横になって置きっぱなしにしてた漫画を手に取った。
けれど何回も読んだ漫画は次の展開が全てわかるから面白くない。
ぼんやりとただペラペラとページをめくった。

少し経った頃、ふいに周りが暗くなった気がした。
漫画をどけるとそこにはゆきぴょんがニコニコして立っていた。

「わぁ!びっくりしたー!ゆきぴょん、いるなら言ってよー」

そういうとゆきぴょんはくすくす、と笑って亜美の耳を人差し指で軽くトントン、とつついた。
それで「あっ」と気が付く。そういえばずっと音楽聴いてたんだった。
起き上がってイヤホンを外すとゆきぴょんが「おはよう」と、また柔らかく笑った。

「一応部屋に入った時に言ったんだけどね、誰も返事がなくて…、誰もいないのかなぁって思ったら
 なんか鼻歌が聞こえて…来てみたら亜美ちゃんだったの。一人なの?」
「そーなんだよー。みんないなくなっちゃってさー、誰も来ないし暇だったんだ。
 ゆきぴょんは今からお仕事なの?」
「ううん、今日は私はダンスレッスンなの」
「あー、じゃあ真美とおんなじか」

そう言うとゆきぴょんの肩がぴくりと震えた。
少し何かを考えた後、凄い速さで亜美の隣に座った。

「ど、どしたの?」
「あ、あのね?ちょっと聞きたいんだけど…」

キョロキョロと辺りを見回すゆきぴょんは肉食動物に怯えてる草食動物のよう。
そんなに探さなくても誰もいないのに。

「あの…真美ちゃんって…好きな人とかいそうかな…?」
「え?真美?…うーん、そういう話あんまししないからなぁー」
「そ、そっか。そうだよね、ごめんね?変なこと聞いて。忘れて…!」

慌てて立ち上がってその場を離れたゆきぴょん。
持ってきた荷物を持って更衣室の方に向かっていった。


好きな人かー。真美好きな人いるのかなぁ?
確かに最近やけに髪型を気にしたりする様になったけどなー。
急に大人ぶってみたり、そういえばシャンプーを亜美とは違う物に変えたよなぁ。
でもなんでゆきぴょんはそんな事気にするんだろう?

と、考えてピンときた。

あぁ、もしかしてゆきぴょんって。
思わず顔がにやけるのを我慢してまたゆきぴょんが戻ってくるのを待った。
ゆきぴょんはさっき言った事は無かったかの様に平然とした顔で戻ってきた。

「私も時間までここにいよっかな?隣に座っててもいい?」
「いいよー!あのさ、ゆきぴょんって真美の事好きなの?」

ストレートに聞くとぽんっ、と音が鳴るんじゃないかってくらいゆきぴょんの顔は赤くなった。

「え、あの、そのっ!」
「…でね、さっきの話なんだけど…、やっぱり真美、好きな人いるかもしれない」
「ええ!?本当?」

今度は亜美の言葉に顔が青くなった。なんか面白い。
これは良い暇つぶしになりそう。

「うん、そんな事を聞いたことがある様な気もしないでもないかもしれない」
「そっかー…」

ゆきぴょんはまた俯いて何か考えてる様だった。

全然真美の好きな人なんて知らないけど、ゆきぴょんは本当に真美の事好きなんだ。
なんか自分のキョウダイの事を好きだという人を目の前にするとなんか複雑な感じ。
亜美と真美は似てて区別がつかないってよく言われてたのに、
ゆきぴょんは亜美じゃなくて真美を選んだんだよなぁ、と思うと言葉には出来ない気持ちになった。
ん、なんでだろ?

首を傾げて考えていると目の前に見えてたドアが開いた。

「おはよーん!って亜美じゃん。なんでいんの?仕事だって早く出たのに何してんのさ?
 ゆきぴょんもおはよう、もう来てたんだ、早いねー」

現れたのは今の亜美とゆきぴょんの中で一番旬な人。真美だ。


右手を振って事務所に入ってきたけど左手には誰かの手が繋がれていた。

「2人ともおはよう〜」

真美と手をつないで入ってきたのははるるんだった。
その姿を見て言葉が出ない。
えーと、整理してみよう。ゆきぴょんは真美の事が好きなんだけど、
今真美ははるるんと手を繋いで事務所にやってきた。
これは、つまり、その。

ちらりとゆきぴょんを見ると、眉を下げて二人に笑いかけて「おはよー」と言っていた。
その姿を見たらなんだか胸が痛くなった。

「ね、ねぇ!?二人ともなんで手を繋いでくるのさ?!」
「はぁ?」
「え?手?」

あまりにも大きな声で亜美が叫んだもんだから真美もはるるんも不思議そうに亜美を見た。
隣に座ってるゆきぴょんの視線も感じる。でもそちらは何故か見れなかった。
しまった、と思ったけどもう遅かったんだもん。

「はるるんって何にもない所でも転ぶからさ、危ないじゃん?
 今度の衣装ミニスカートだし。真美はパンツの時も結構あるけどはるるんは基本スカートだし。
 足にあざとか傷とかあったらかっこつかないっしょー?」
「うん…、ごめんね、真美。助かってる…、気をつけてはいるんだけど…」
「別に気にしてないけどー。今も何回か躓いてきたもんねー?」

2人は仲良さそうに顔を見合わせて笑って話してる。
理由はありがちなもので納得で出来たには出来たんだけど。
隣のゆきぴょんも「そっかー」と呟いたけど相変わらず表情は曇ったままだった。

「はるるん、真美たちも着替えてこよー」
「うん、行こ」

そう言って二人は更衣室に向かっていった。
だけどもう手は繋いでなかったから本当に深い意味はないんだろうと思う。
パタン、と扉が閉まった後、隣のゆきぴょんが「ふー…」と深いため息をついた。

「ま、真美の好きな人ははるるんじゃないと思うよ…?」

本当は知らないけど。何故かフォローしなきゃいけないような気がした。
そうしたらゆきぴょんは両手で顔を隠して俯いた。


「ダメだよね…、春香ちゃんの事も好きなのに真美ちゃんと一緒にいると妬いちゃってもやもやする。
 春香ちゃんじゃなくても真美ちゃんと仲良さそうにしてる子見ると嫌だなって思っちゃう…」
「そんなに、好きなんだ真美の事…」
「うん…」

いつからなんだろう?
そんなの全然感じなかったし、全然気が付かなかった。
誰にも知られない様にずっとずっと隠してきたのに。

「…ねぇ?なんで亜美に教えてくれたの?」
「…亜美ちゃんは、姉妹だしその、恋愛に関してはライバルにはならないのかなって…。
 他の子は誰でもライバルになっちゃうと思うから…」
「なるほど…確かに亜美は真美の事好きだけど姉妹だしそーいう気持ちはないね…」
「ごめんね、ダメだよねこんな考え…」
「ううん、ダメじゃないし。そもそも亜美が聞いたんだからゆきぴょんは悪くないよ」

最初ゆきぴょんの事見て面白いと思った事に反省した。
こんなに本気で好きならちゃんと応援しなきゃ、と思った。
けど、それて同時に何故か胸が少しだけチクチクするのが気になった。
胸を軽くさすっていると二人が帰ってきた。

「お待たせ〜、あ、今のうちにおトイレ行ってこようっと。真美はどうする?」
「んー、真美はいいや」
「…あ、じゃあ私一緒に行こうかな?」
「あ、そ、そっか。うん、行こー雪歩」

はるるんは何故かゆきぴょんが付いてくる事が意外だったみたいで少しどもりながら、
でも笑顔で迎え入れて二人は一緒に部屋から出て行った。
そうすると今ここにいるのは亜美と真美だけな訳で。
なんだかわからないけど緊張する。

「はー、今日新しい振り入れなんだってー」
「そうなんだ」

どかっ、と真美がさっきまでゆきぴょんが座ってたところに座る。


「…と、別にこんな事言うんじゃなくて、実は亜美にさ、お願いがあるんだよね?」
「え?お願い?」

振り向くとさっきまで笑ってた真美はどこにもいなくって真面目な顔でこちらを見ていた。
え、なんだろう。何言われるんだろう。今日はもうこれ以上何も起きなくていいんだけど。

「あのさ、はるるんってゆきぴょんの事好きなんだって。んで、真美は協力しようと思ってるからさ、
 亜美も一緒に協力してよ。…二人がラブラブになったらいいじゃん?」
「……………は…?」

真美の言葉に目が点になってるとはるるんとゆきぴょんが戻ってきた。

「真美ー、もう先生来てたから行かないとー」
「あ、うん、わかった!…じゃあ、亜美頼んだからね」
「え?あ?え…」

一言も喋れなかった。
一瞬扉が閉まる時ゆきぴょんが見えて、真美の伸ばした手を掴んでとても嬉しそうにしてた。
それをはるるんも笑顔で見てた。

え?
ちょっと待って?ゆきぴょんは真美が好きではるるんはゆきぴょんが好きで。
しかも亜美はゆきぴょんを応援しようとしてて、でも真美ははるるんの応援をしてて。
そして真美に二人の仲を協力してと頼まれた。

「…これ…どうなんの……?」

立ち上がってうろうろしてみる。
暇だったはずなのに一気に色んな事が起こって頭の中がパンク寸前だ。
ごめんなさい、神様。暇だなんて愚痴を言って。
お願いだから平凡な日常をください。

窓の外に向かって空を見上げて拝むと後ろから「何やってんの?」と言う律っちゃんの声が聞こえた気がした。





そして実はまだ全く恋愛とか考えてない真美と恋愛に気が付き始めている亜美。
やきもきして「真美の好きな人は誰!?」と聞いたら「ん〜、亜美かなー」って真美に無邪気に言われて
また頭を抱える亜美。
って言う話をどれかのカプ成就で終わらせようと考えて書いてみたけどここまで書いて力尽きました。

片想い分岐(直線)最高。

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