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あの日から、世界はすべて変わってしまった。
2022年11月6日の13時、1万人という人物がとあるVRMMOの世界へと旅立った。
ところが、開発者は「ギアを解除しようとすれば中の人は死ぬ。中の人のHPが0になればやはりその人は死ぬ」と宣言した。
アイドルたちの多くも、中で歌い、そして拍手喝采を浴びようとしていたのだから、これは大変悲惨なことになった。
外の世界では、765プロはアイドル6人、プロデューサー2人、事務員1人、社長1人の10人、
876プロは水谷絵理を除く事務所の全員、961プロは事務員1人を除く全員がことごとく飲み込まれた。
アイドルの家族も多くが飲み込まれていた。765プロの14歳の少女は外の世界で大変過酷な状況に陥っていた。
まず、家族が1歳の末っ子を除き全員がその異世界へと旅立っていた。なぜ彼女が無事だったかというと、
明らかに異常な重さのギアを見て、「デスゲーム確定のこのゲームをやるつもりはない」と宣言したからだった。
末っ子が無事だったのは、ギアがどう考えても大きさが合わなかったためである。
彼女は、12時30分に「覚悟がない人は飛び込まないでください」と告知放送をするくらいには努力はしたのだが、
実際に飛び込まなかった人間は10人いたかどうかであった。ついでに言うと、765プロの人たちは、もう死ぬ覚悟完了してたので、
はじめから効果などなかった。今頃中で「765プロではよくあること」などといっているだろう。
死ぬ覚悟があったのは、遺書を見れば明らかであった。13歳の少女が普通遺書を残すはずなどないのだから。
また、ほかの事務所でも被害は甚大で、結果として多くのテレビ局で放送がまったく回らなくなった。

幸い、アイドルの中で死んだ人間はまだほとんど出てはいなかったが、今後、状況がどうなるかはわからない。
また、放送そのものも難しくなっていた。ニュースキャスターもかなりの人数が異世界取材のためという名目で、
初日からその異世界へともぐってしまっていたので、報道番組も維持が困難になっていた。
結果として、多くの放送局では24時間放送はほぼ不可能になっていた。というより、緊急事態が生じない限り、
放送開始時刻は午前5時、終了時刻は午後10時という笑えない状況である。14歳の少女は学業などに差し支えない範囲で、
最大限、放送業界の維持、およびVRMMO被害者救済のための政府との連携につぎ込んでいった。
菊岡という男性との付き合いもその一環であった。ちなみに性的な関係は一切持たなかった。
だいたいその必然性がなかったし、彼は少女に対し性的な欲求を覚えることなどなかったのだから。
また、少女も意中の人が異世界で生存しているので、彼に求めることもなかった。

そして、2年が経過した。少女高槻やよいも16歳になった。相変わらず背丈はまったく伸びず、性格もあまり変化していない。
だが、2年もの間テレビ業界を完璧に統合し続けていた代償はかなり大きかった。
まず、体力はかなり消耗していた。みんなの前でこそ元気に振舞っていたが、22時を過ぎて自宅に戻ると3歳になった末っ子と、
一緒に寝て、その後午前4時過ぎまでよほどのことがない限り起きられなくなっていた。
末っ子は3歳になったが、まだ目を離せる年齢ではなく、保育所もことごとくいっぱいだったので、いつもやよいは、
その末っ子をずっと連れて行かないといけなかった。さすがに録音室の中などには連れて行かなかったが。
さらに、人を下につけること自体も彼女を蝕んでいた。だいたい、彼女は本来指揮官にはそれほど向いてはいないのだ。
ところが、ほかの人たちがことごとく指揮官になることを拒絶していたからリーダーにならざるを得なかったのである。
そして、あらゆる交渉は原則的に彼女に降りかかり、一部の交渉(交渉する場所が高所)だけを雪歩や美希に任せていた。
ある日、彼女が病院に行くと、明らかにこれ以上は危険であるとの宣告が下された。
そりゃそうである。中学校を卒業した彼女は5時半から22時まで休憩1時間を除けばずっと動き回っていたのだから。
1日16時間半労働といえば明らかに過労死レベルである。ちなみに中学校時代もかなりひどい状況だったことは付け加えておく。
平日が7時間30分、土休日が16時間30分、さらに平日は学業がこれに加わるというやっぱり絶望的状況であった。
もう、これ以上、彼女が活動を続けることは困難だろうと判断が下された。
さらに、この活動をあと2週間も続けようものなら、かなりの確率で死んでしまうだろうとも言われた。ドクターストップである。
とはいえ、数日後、彼女は過酷な活動を続ける必要はなくなった。そう、異世界から人々が戻ってきたのだった。
6147人がログアウト、そのうち約300人がまだ戻ってないらしいが、アイドルたちをはじめとしたテレビ業界の人たちは、
ほぼ全員戻ってきた。765プロの人たちは全員帰還を果たし、ほぼ全責務を全うした彼女は社長たちにすべてを引き継いだ。
そして、その後、3日の休暇を経て、再び業界に戻ってきた。さすがにもう無茶は必要なくなったとはいえ、
まだリハビリ中の彼らのために会場のセッティングなどの仕事はあったが、神経を尖らすような作業がなくなった彼女は、
完全に生き生きとしていた。

そしてリハビリがひと段落した2025年の1月、彼女は家族の後押しも受ける形で戻ってきたプロデューサーに告白、
無事に結ばれることになった。結婚式の日取りはまだ未定ではあったが、少なくとも閉じ込められた約300人が戻ってからとした。
そしてその元凶となった事件も解決し、結婚式の日取りが決まり、彼女はプロデューサーを婿に迎え入れた。

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