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※注意 未成年の飲酒はダメ、絶対!



「ただいまー・・・って、むおっ!?」

打ち合わせを終えて765プロの事務所に帰ってきたプロデューサーを出迎えたのは、
むせ返るような酒の匂いと、想像を絶する光景だった

「お、おかえりなさーい! 帰るのを今か今かと待ってましたよー(泣」
体当たりの勢いでPに飛びついてきたのは小鳥さん
765プロの夢見る事務である
Pを見上げる顔は半泣き、今にも決壊しそうだ
「お、落ち着いてください小鳥さん とりあえず状況説明をお願いします
 いったい何がどうしてこんなことになったんですか?」

「そ、それが――」
事の発端は打ち上げ会で空けられた一本のジュースだった、らしい
口当たりのとても良いそれは、実は社長秘蔵のワインだった
亜美真美コンビが悪戯心で持ち出して、こっそりジュース瓶の中に紛れ込ませていたというのだ
最初に誰が口をつけたのかはわからない
とても美味しいからと他の人に勧め、あれよあれよという間に全員がグラスを飲み干してしまっていた
765プロのアイドルたちは大半が未成年、当然酒の経験などほとんどない あるわけがない
慣れない酒精に一気に呑まれた皆はあっという間に酔いが回り――

「・・・それでこの地獄絵図ですか・・・」
「そおうなんですよ〜! 私止めたんですよ? でも皆聞いてくれなくて!
 ひどいと思いません? 私のことなんて皆どうでもよかったんです!
 ええもう、皆さんの気持ちがよ〜くわかりました!
 これというのもですね、Pさん!」
突如えらい剣幕でPをにらみつける小鳥さん
突然の展開に思わずかしこまるPであったが・・・
「これというのもですね、Pさん! あなたの教育方針が間違ってるからです!
 私たち、縁の下の力持ちのことをですね、軽く見てるようじゃ本当のアイドルになんてなれるわけないでしょう!
 聞いてるんですか、Pさん!! 私はあなたのことを咎めてるんですよ!?
 みんなが悪いわけないじゃないですか みんなとっても私のことを慕ってくれてるんですから
 だから悪いのはPさんなんです そうに決まってます!!」
「あ、あの? 小鳥さん? ――小鳥さん? モシカシテ酔ッテマス?」
よくよく見ると、思いっきり目が座っている
部屋自体が酒臭かったから気づかなかったが、小鳥さんもすっかり出来上がってるご様子だった

「キャハハハハハハハ!!」
突然、横からとんでもない笑い声が入ってくる
「どうしたの〜Pさん 小鳥さんに怒られて〜
 ん〜 まだまだ半人前ってことですかにゃ〜 キャハハハハ!」
「・・・律子さんもですか・・・」
「って何 Pさん? 律ちゃんはかわいいですよ? うれしいこと言ってくれるにゃ〜 アハハハハハハハハ!」
あ〜、皆を抑える役どころが二人ともコノザマか こりゃ止まりようがないな
ってか律子さん笑い上戸だったんですか 完全にキャラ壊れてるし


「まったく、小鳥さんも律子さんもだらしないわね〜
 このくらいのお酒で酔っちゃうんだから」
「あれ? もしかして伊織、正気なのか?」
「当然よ こんな安酒に呑まれる伊織ちゃんじゃないわ
 社交場でお酒を飲む機会なんて一度や二度じゃないもの これくらい淑女の嗜みよ」
得意気に言う伊織だが、いや、お酒は二十歳になってから、だろ?
水瀬家の教育方針は何か間違ってないか?
「と、とにかく お前は正気なんだな?
 じゃあ手伝ってくれ みんなを止めなきゃ」

「や〜よ」「――はい?」
「こんな面白い見世物 止めるわけないじゃない♪
 お酒が醒めてから皆をからかうのに絶好のネタだわ にひひっ♪」
だああ! そうだった! 伊織は普段でもこういうキャラだった!!
ってちょっと待て お前の周囲に転がってるその空き瓶の数々はどういうことだ?
「ん? ああこれ? うちから持ってこさせたのよ
 あんな安酒じゃあ皆がかわいそうじゃない
 せっかくの機会だもの 美味しいお酒で気持ち良く酔わないと♪」
視線に気づいた伊織がさも当然とばかりに説明してくれる
そうですか 火に油注いだのはお前かよ!!!
ダメだこいつ早くなんとかしないと


なんとか事態を収拾したくて、正気の者が他にいないか部屋をみわたすP

小鳥さん以外で唯一の大人なあずささんは――
ダメだ ソファに突っ伏して気持ちよさそうに寝息を立ててる
ある意味うまくこの惨状から逃げ出してるな
スカートの裾がめくれて ほんのり色づいた太ももがとっても目の毒なのだが
地獄絵図を収拾しようとするPとしての責任感が かろうじて煩悩を抑え込んだ

「すみませんあずささん とっても眼福でした」
裾を直してから自分の背広を脱いでふわりと横たわるあずさにかけ、
両手をパンと合わせて一礼するP すでに部屋の空気に当てられ始めているようである

「うっ うっ うっ」
不気味な唸り声(?)が聞こえた気がして そちらを向くと
ソファの影にうずくまる白い服は――?

「Pさん 帰ってきてたんですね・・・こんなダメなあたしを見に 帰ってきたんですね」
「今度は雪歩か・・・」
「わかってます あたしダメな子なんです だから――」
「いやちょっと待て 雪歩がダメな子なわけないだろ」
Pを見上げる雪歩に向かって爽やかな笑顔を見せるP
「頑張る雪歩はいつだって魅力的だよ」
――だんだんヤバくなってきているようである

「Pさん――あたし、Pさんが見ていてくれるならもっと頑張れる気がします だから――」
「こんなあたしは穴に埋まっていればいいんです〜〜!!」
突如どこからともなくスコップを取り出し、穴を掘り始める雪歩
毎度思うがいったいどこから取り出しているんだろう?
・・・まあ、やってることはいつも通りか

「ああ――まあ、その、なんだ 頑張れよ雪歩」
「はいPさん! あたし頑張ります! 頑張ってみせます!!」
勢いを増して掘り方を進める
どうやら放っておいても大丈夫そうだ
どうせいつの間にかもとに戻ってる不思議床だし
そっとしておこう

「まったく、皆さんにも困ったものです そう思いませんか 貴方様?」
「って うおわっ!?」
お、お姫様 いつの間に横にイラシテタンデスカ?
神出鬼没過ぎて怖いです
できれば、もう少し前振りがあると助かりますんで次からお願いします

「アイドルとは険しき道のり このようなことで醜態を晒しているようでは、自覚が足りないと申さざるを得ません」
いやまったくその通り
「わたくしとしましては、今一度、皆の心を引き締めなおさねばと存じます」
うれしいことを言ってくれます
「明日からまた修練を重ねましょう ご指導の程、よろしくお願い申し上げます」
プロデューサー冥利に尽きます

貴音の表情は真剣そのものだ こんなときでも凛とした佇まいはいささかも揺らぐことがない
彼女ならまだまだ高みに登っていける そう確信を持てる横顔だった
目の前で手をひらひらさせても まったく表情を変えることなく語り続けるのが玉に瑕だな

とりあえず、そおっと後ずさりし、次の現場へ向かうPだった
「貴方様のご厚情、わたくしは全力で応えさせていただきます――」
当分はあのままで大丈夫だろう


状況を整理しよう

「だからね、Pさんは間違ってるんです! そう思いませんか律子さん?」
「うんうん、ピヨ子も律ちゃんはかわいいって? うれしいにゃ〜あたし愛されてるにゃ〜 キャハハハハハハハ!!」
…小鳥さんと律子さんは二人で掛け合い漫才の真っ最中だ
会話のキャッチボールはさすがに普段の息の合いようでピッタリなのだが
いかんせん内容がまったくかみ合っていない
――本人たちはまったく気にしてないようなので問題はないようだ

視線を感じて振り向くと、優雅にワイングラスを傾けながら
にこやかに微笑んで手を振る伊織
『頑張って 止めれるものなら止めてみなさいよ♪』
期待のオーラが背中に痛い
伊織にしてみれば状況が収拾するも混乱に拍車をかけるも
どちらにしても良い酒の肴なのだろう
うん、後でお仕置きな
――つうか、まだ飲むのかよ

あずささんは相変わらず気持ちよさそうにすぅすぅ寝息を立てている
時折寝返りを打つ度に しとどに服が乱れて その 困る
これ以上そっちを見ていると 目線を外せなくなりそうなので
なんとか振り切ることにした
――少し、いや、大変に勿体ない

雪歩は・・・おお、もう姿が見えない深さまで掘り進んでる
普段とまったく変わらない光景だ
――いや、普段以上かな?

貴音もずーっと見えない俺と会話を弾ませている
よくあんだけ一方的に喋っていられるものだ
――ともかく放置でOKだ



今のところ彼女らはそれぞれが自己完結してるから周囲に被害を及ぼしていない
伊織も傍観者に徹するつもりみたいだからとりあえず置いておこう
後のお仕置きフルコースは念入りに考えないといけないが 当面の問題じゃない
ここまでは小手調べ、だな

これからが本当の地獄だ・・・

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