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今夜もまた、手を伸ばしてしまう。
誰に見られているわけでもない。
それならば気にすることはない。
…ああ。
私はいったい、誰を想っているのだろう。
それはたぶん、誰でもない誰かなのだ。
―おれだよ
…誰?
―それが、おれにもわからないんだな。
私だって、わからないわよ。
―おれはあんたが作り出したものなんだ。あんたならわかってるはずさ。
私が作り出した?私の知っている人?
―そう、あんたの中におれはいる。
でも、私には妄想の癖なんてないわ。
―それなら、日常の生活から産み出されたんだろう。
私の周りの男の人といったら年上の大人ばかり。
それなのにあなたは随分と私に近いようね。
―なるほど。おれはあんたに近いやつなんだ。
そう言っているじゃない。
―おれはあんたなのか。
私の中にいるけど、私自身ではないはずよ。
―じゃあ、もう一人のあんただ。
でもあなた、男の子でしょ?
―そうだな。あんたと同じ家に生まれ育った男さ。
やめて。
―おれは、あんたの鏡なんだ。
私はあなたじゃない。
―さあ、どうかな。もしかしたらおれがあんただったかもしれないんだ。
私は、ただ…
―俺が誰なのかわからないけどさ、あんたは俺を欲しがっているんだろ。
だめよ。だって、あなたは…
―誰なんだ?
私の中にいる、鏡に反対に映ったもう一人の私。
いつからか、私の中でのあなたを作り上げた。
私とあなたはもとから同じだった。
だから、あなたとはできない。想像することもいけない。
あなたは私の…

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