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「あーあ、今回は大はずれだったなぁ……」
眉間に小さな皺を寄せて、りんは街中を歩いていた。
先程抱かれた中年男性は、ほんの二時間前に知り合ったばかりである。
彼はただ若い女子と組み敷きたいだけの男で、テクも何も持ち合わせていなかった。
風俗焼けした褐色砲が本人を背丈以上に見せている。
挿入される前はその様にときめいていた彼女も
弱々しい姦勢と淡々とした腰の動きが露呈するや欠伸を噛み殺さねばならなくなった。
相手を鼓舞するために発した嬌声も彼を奮い立たせるに至らず
のっぺらぼうに似たつまらないセックスは幕を下ろした。

「せっかくのオフだっていうのに時間を無駄にしちゃったよぉ……。
 早めに切り上げたけど、今日は何しよう」

朝比奈りんは年頃の娘とは少し違った特殊性癖を持っている。
父親程年齢差のある年上の男性にしか彼女は興味がなかった。俗に言う所の枯れ専である。
いつ彼女がそのような性的趣向に目覚めたのか、それは分からない。
ただ、気が付けば彼女の惚れる相手は皆その類になっていた。
そして彼女はいつしか、趣味と実益を兼ねて壮年男性相手に援助交際をするまで
その性癖をこじらせていたのだ。
街中で渋い男性を見つけてはハントし、偽名を用いて関係を持っていく。
自分が人気アイドルグループ・魔王エンジェルの朝比奈りんとバレたら
火遊び程度じゃすまない大炎上が自分を待っている。
それを知らない彼女ではないが、それでも彼女は好みの中年男性と女として付き合い
金までもらえるこの美味しい趣味を止められないでいた。
そして危ない橋を渡りながら淫行を重ねるスリルがまた、屈折した興奮と快感を彼女に提供していた。
彼女は暇を持て余しながら、一人寂しくウィンドウショッピングでもして帰ろうとしていた。
そんな矢先、一人の男性の姿が彼女の瞳に映った。

(おっ……!)

彼女の口内に唾液が思わずじわっと滲み出た。それ程その男性は魅力的だった。
綺麗に年を取った初老の彼は背が高く、凛とした眉とすっと通った鼻筋が美男の容貌を呈している。
一点の緩みのない身なりは彼の紳士然とした様子を表していた。

「ねぇ、おじさん。暇だったりしない?」
早速りんはその男に声をかける。
物怖じしない所が良くも悪くも彼女の長所である。
件の男は彼女を一瞥した後、辺りを見回して尋ねた。
「ひょっとして用があるのは、私かな」
「そう。かっこいいおじさんの事」
「ははは……口が上手いねお嬢さん」
彼は朗らかな笑みを返した。
「私に何か用かな」
「ちょっとさ、ウィンドウショッピングに付き合ってよ」
「私とかね?」
「嫌?」
「別に。お嬢さんさえ良ければ付き合おう」
りんは行きずりの紳士と話をしながらウィンドウショッピングを楽しんだ。
勿論これはただのきっかけに過ぎない。
話してみると、この男性は非常にユーモアに富んだ人物である事が分かった。
話術も巧みで飽きる事がない。女性を楽しませる会話に長けている。
それが外貌と相俟って彼を魅力的に見せていた。
りんは俄然興味を持って彼に熱い眼差しを注ぐ。

「おや、もう夕方だね……」
彼が言った。都心のビル群に茜色のカーテンがかかっていた。
「本当だ」
「お嬢さん。君さえ良ければ、夕食をご馳走しよう」
食事をどうするか切り出そうと思っていた矢先だったので、りんは驚いた。
彼女をよそに、彼は洒落たレストランへと案内する。
その店のお勧めメニューとして運ばれた料理はいずれも趣向が凝らされていて
高級感に満ちていた。
普段手の届かないような料理に舌鼓を打ちつつ、彼女は彼が自分に惚れていると確信した。
少なくとも好意は持っているはずである。
下心もなく、出会ったばかりの女性を食事に誘う訳がない。
それが彼女の持つ男のセオリーだった。
食事後、別れる前に唾をつけておこうと彼女は裏道へと彼を誘い込む。

「おじさん。ちょっとさ、休んでかない?」
「休む?」
「そっ……ここで」
りんは近くに在ったラブホテルを指差した。ケバいネオンサインが夜闇を昼のように照らしている。
この誘いで相好を崩すという彼女の思い込みは外れた。
眼前の紳士は眉をしかめ、その口端を下げて険しい表情のまま彼女を睨んでいた。

「君は、何を考えている……」
「へ……? な、何?」
「こんないかがわしい所に案内して、何を考えているのかと言ったのだよ」
紳士の口調は先程とは打って変わって鋭くなり、娘を教え諭す父親のような内容が続いた。
りんは痛くなっていく耳を押さえながら、内に渦巻くフラストレーションを感じていた。
聞きたくもない説法を聞かされれば、機嫌の悪化も自然と顔に出る。
彼女の中に彼に対する失望感が広がっていった。
抱く気で風俗店に来た癖に風俗嬢へ水商売から足を洗うように説教をする
目的の分からない男がいるが、彼もその類の人間だと感じたのだ。

(何よ、やる気満々のくせに格好つけちゃってさ)

聞いていられないとばかりにりんは踵を返してその場を立ち去ろうとする。
そんな彼女を彼は引き止めて、その手に何かを握らせた。
そのまま振り解こうとした彼女はチラッと目尻に映ったその紙が気になって手中を覗いた。

「これって……」
手には五人の福沢諭吉が重なり合っていた。
それが何を意味しているのか分からず、彼女は一瞬混乱した。
「お嬢さん。お金が要り様なら、少ないが出そう。だからもう、このような事は止めなさい。
 もし足らないのならまた私に会って言って欲しい。月に二回程度なら時間を工面する事が出来るからね」
「あっ、えっ……」
「それでは、失礼」
「……待ってっ!」
スマートに去ろうとする彼をりんは大声で引き止めた。
「つ……次に会えるのは、いつ?」

   #  #  #

(何なのあの人……抱こうともしないでお金だけくれるなんて……)

その日帰宅してからずっと、リンはクッションを抱き締めて考えていた。
瑞々しい女子高生の肢体を前にして、どれだけの男が自制する事が出来るだろうか。
少なくとも彼女が今まで体を許した男の中に、今日のような人間はいなかった。
皆が皆、卑しいにやけ面を浮かべて娘程の年齢の彼女を抱いた。
金がない訳でもない。金のない人間が、行きずりの小娘にポンと5万円も出せる訳がない。
同性愛者の線も考えてみたが、そういった空気は感じられなかった。

(しかし、この臨時収入は……)

りんは仰向きになって五人の福沢諭吉を仰ぎ見る。
肉体奉仕もなく、まとまった金が手に入る。これほど楽な労働はない。汗水垂らして働くのが馬鹿らしくなってくる。
試しに彼女は場所日時を指定して再度彼と会った。
彼はまた彼女を高級店に誘い、以前の言葉通り金を渡した。
指定された時間に彼はいつもやってきて、彼女に一切手をつけずに金を渡して去る。
最初は底抜けの馬鹿とせせら笑い、彼女はお金を受け取っていた。
しかし、何日か経つにつれて彼女の心境に変化が訪れる。

(こんなにお金をもらって、何もしないってのも悪いなぁ……)

労苦なくして手に入る金で遊び続けていた彼女は、そこまで自分に尽くしてくれる彼に対して
下心のない好意を寄せるようになった。
愛されてばかりではかえって人は落ち着かなくなる。
愛を受ければまた相手に返す。相手はそれをまた自分に与える。
そうしてこそ愛という暖かな感情は育まれ、大きくなり、安定性を増していく。
愛とは本来、能動的側面と受動的側面が存在するものなのだ。

(私って、そんなに魅力ないの?)

彼の紳士的な好意に答えたい一方で、りんはまた小さな憤りも感じていた。
彼女は自身の魅力にある程度自信を持っていた。
アイドルとして老若男女に愛されているという誇りがあった。
しかし彼のプラトニックな態度は、その矜持を大きく揺さぶったのである。
彼女はどうしても彼をその気にさせたくて仕方なくなった。
会う度に、彼はその魅力そして輝きを増してりんの瞳に映り、彼女を虜にしていった。
それ程彼は彼女の思い描いていた理想の男性像に限りなく近かった。

   #  #  #

「おじさん……」
ある夜の事である。いつものように食事をご馳走になったりんは別れ際に彼の手を握り、引き止めた。
相手の顔色をうかがいながら、熱のこもった吐息に似た声で彼に尋ねる。
「何だね」
「私って、そのぅ……魅力ある?」
りんは上目遣いに彼の表情をうかがう。尻の軽い女と軽蔑されているのが怖かった。
しかし予想に反して、当人は至って優しげに笑っている。
「勿論あるとも。眩いばかりにね」
「本当?」
「ああ。君には人を惹きつけ楽しませる強い才覚を感じるよ。
 そして美しさや愛らしさも兼ね備えている」
「じゃあ……抱きたくなる? 私の事……」
りんは握っている手がじわと汗ばんでいくのを感じながら彼に囁いた。
心の鼓が速く鳴り響く、こんな気持ちの高ぶりはどんなライブでも感じた事はなかった。
「そういう意味で言った訳ではないのだがね……」
彼は豊かな髪を纏った頭を軽く掻いた。
髪は白いものが見え隠れしていて、それがまた彼の渋みを絶妙に演出している。
「君はもう援助交際をしないと、約束したんじゃないのかな」

「違うの……もうお金は要らない……」
そう口外に漏らした上で胸中に湧き溢れる想いを彼女は言葉を紡いで告白していく。
その瞳は深い慕情によって美しく潤んでいた。
「私……おじさんが欲しいの……。おじさんの事、もっと知りたいの。
 一日中ずっとおじさんの事ばかり考えてて……こんな気持ちになったの、これが初めてで……」
「……。変わった子だと、よく言われないかな」
彼の問いに、りんは小さくうなづく。
「おじさん……私の事、嫌い? 私のような汚い体の娘って、嫌?」
「……。お嬢さん、女性の魅力は心こそが本質だよ。少なくとも私はそう考えている。
 知らない異性と何度も肌を重ねようと、清らかで美しい精神を保っている女性はいる」
「……」
「ははは……少し難しいかな。安心したまえ、今の君は立派なレディだよ。掛け値なしに」
「それ……信じても、いいの?」
気がつくと彼の眼差しがりんの眼前にあった。
彼女は思考を挟む隙もなく、その愛唇に彼の口づけを不意に受けた。
コクのあるブラックコーヒーに似た深みのあるキスは
今まで味わった事もない幸福感を彼女に与えた。

「嫌いな娘には、このような真似は出来ないよ」
「おじさん」
りんはたまらず彼の服を掴むようにして抱き締めた。
胸の中の鼓動が鳴り響いて止む気配がない。
彼の愛でこの激しい恋情を静め、愛撫されたくて仕方なかった。
「私に……おじさんの事、教えて」

   #  #  #

「名前を聞かせてもらえないかな?」
「えっ、名前……?」
彼の言葉を聞いてりんは、はっと気づいた。
彼と会い食事をする仲になって数ヶ月、そして都内のホテルに入り
一線を越える関係になろうとしている二人は、未だに互いの名前を知らないでいた。

「名前の知らない娘を抱く訳にはいかないよ」
「私の名前は、あ……」
朝比奈りんは本名を言おうとして焦り、出掛かった声を飲み込んだ。
彼女は一時期ネットゲームでよく使用していたハンドルネームを名前として彼に教えた。
「あ……アスミ」
「ふむ、アスミ君か……」
「ね、ねぇ……名前教えたんだから、おじさんのも教えてよ」
「私かね? ふむ……レディが名乗った以上確かに私が名乗らないのはアンフェアだね。
 私は……“ジュン”だ」
「ジュンちゃん……」
りんは彼の名前を喉奥で味わうように呟いた。
「じゃあ、じ、ジュンちゃん……」
「んっ?」
「もう一度、キス……して」
ジュンはいじらしいりんの様子に微笑し、再度その愛かしい唇を春に染める。
りんは舌をそっと差し出して吸い合い、やはり味わい深い
大人のキスだと相好を崩し、何度も相手の下唇を吸った。

(あっ……)
ジュンの手がりんの服にかかる。りんは抵抗しない。相手は大人だ。
合意で交わしたキスの背後に控えているものの姿くらいは承知している。
スルスルと男は手慣れた手つきで彼女の服を脱がしていく。
一切の無駄のないその動きは、彼女の纏っていた服が雪か何かなのではないかと
錯覚させてしまう程見事だった。
服を彼の手によって溶かされたりんは、その美しい肢体を露わにした。
彼女は、やや頬を赤らませて相手を見つめた。

「ジュンちゃんのも、見せて……」
不思議とりんは、このジュンの前で生娘のようにかしこまってしまう。
相手の落ち着いた父性的態度に気後れしているのだろう。
彼女はいそいそと張り詰めている彼のズボンを楽にしようとベルトを外し、一気に下ろした。

   #  #  #

「えっ!?」
りんは一瞬蛇か何かを見間違えたのかと思い、後ずさりする。
それ程、男の股部にそびえ立っている肉根は巨大だった。
黒光りしたその立派な得物は三十センチ近くあり、雁はくっきりと高く
肉厚の鈴口からねっとりとした先走り汁をだらしなく垂らしている。

(うわぁ……巨っきい!)
興味深々で男の太物に触れたりんは、その硬さにも驚いた。
鉄骨でも通しているのかと疑いたくなる程の剛直物だ。
今まで受け入れた事のない最大の豪雄根を前にして彼女は舌なめずりをしながら、夢中で品定めをしている。
その間、彼女の身体は強い興奮によって武者震いが止まなくなっていた。

「お嬢さん、大丈夫かね? 震えているように見えるが……?」
「えっ、あっ、へ……平気だよ! こんなにワクワクさせてくれるおちんちんって、初めて!」
りんは瞳を輝かせながら早速その巨淫根をパクっと口に頬張った。
咥え込んでみて初めて感じる大きさもある。
雁首まで口に含んだだけだというのに、圧倒的な圧迫感が口腔を支配してしまった。
下手に喉奥へ動かすと息が苦しくなって保たない。彼女は慎重に口淫を開始した。

「はふ……んっ……むふっ……」
その太い肉幹をりんは細い両手でシュッシュッと懸命にしごく。
そしてまずは、肉穂に重点を置いてしゃぶり回す事にした。
ペロペロとすがりつくように亀頭をなぶり、ほじくった鈴口から漏れた淫液を啜る。

「んぶっ……んっ……じゅびっ……」
健気な口淫に対してジュンの肉厚根は硬度こそ保っているものの、射精感の兆しは全く見せていなかった。
まるで厚さ一メートルの鋼鉄の扉に体当たりしているかのような無力感を覚える。
りんは頃合いを見て、裏スジや睾丸裏にも丹念に淫舌を差し向け様々な性感筋から雄を責め立てた。
小一時間経ち、満遍なく巨淫根を味わい尽くしたものの
彼の豪根はその絶え間ない痴奉仕に対して涼しげな態度を崩さなかった。

「アスミ君、程々でいいよ。無理をすると、君の可愛い口がくたびれてしまうからね」
ジュンはりんをいたく気遣って話した。十分あれば大抵の男を骨抜きに出来る
自分のフェラテクに彼女は少なからず自信を持っていた。
それが全く通用せず、りんは恥ずかしそうにしながら歯噛みした。
額には健闘した印である玉粒の汗が滲み出ていた。

「ごめんなさい」
「はは、謝らなくてもいいよ。別れた妻も、私の愚息には辟易としていてね……」
身体をベッドに移したりんは、ジュンの手によって下肢を左右に開かされた。
男の味を知っている恥奥にある若々しい性泉が、淫気を白煙のように周囲へと漏らし続けていた。
「むしろ私は、相手を悦ばせたいタチなんだよ。……広げてくれるかね?」
「んっ……、はぁい」
りんは美しい白指で躊躇う事なく己の肉唇を軽く開いた。
桜に似た淡肉色が愛露を帯びて妖しく照り映えている。
何とも艶のある美しい光景だ。
女性が体の中に小宇宙を秘めていると言われるだけはある。

「じゅるっ……、じゅぶっ、ちゅぴ……」
「んっ、くっ……! あはぁ……っ!」
ジュンはりんの股へと頭をうずめてその桜色の淫唇にむしゃぶりついた。
理性をごっそり鷲掴みにして吸い取っていくその巧みな舌遣いに
りんは驚きを隠せず全身を処女の如く身を震わせる。
ねっとりと淫部に絡み付く蛇に似た肉舌は、彼女の溢れる淫欲を充分に満たしていく。
「んんっ、あんっ、やぁっ、やらぁっ……!」
りんは小さな頭を左右に振り、ジュンの頭へ両手をまっすぐに伸ばした。
「こぉっ、これいじょおされたらぁ……ヘンになりゅ……なるってぇ……っ!」
舌を垂らして切迫した快感に眉を顰めてりんは怯える。
しかしその大きな瞳は許容量を超える快感を期待している風でもある。
彼もそれを知っての事か、彼女の股座を両腕でしっかりとホールドし
命乞いをする牝唇を舌肉で犯し抜いた。
動きを封じられた分、激しい口淫感が脳天までダイレクトに衝き上がっていく。

「んううぅぅ……っ! あ……っっ、あひいぃぃ……んっ!」
何とりんはジュンの舌姦のみで、豪快に蜜潮を噴き出して果てた。
男は顔一面に愛潮のシャワーを強かに浴びた。
彼は荒息を立てている少女を一瞥した後、涼しい顔をして淫雨と彼女の疼きが止むまで口淫を続けた。

「だめぇ……お、オシッコも出ちゃうぅ……!」
「ふふふ……飲んであげるから構わず出したまえ」
りんはもう体裁などどうでも良くなった。股座を拘束されたままショオオオ……
と痴尿を浅ましく男へと放つ。醜態を晒す彼女を見据えたまま
ジュンはその口を愛唇にひたと押し付け、出された甘露を全て飲み干した。
放尿しきったりんは体面を気にする余裕もなく、だらしなくベッドで横たわっていた。

(す、すご……まだおちんちんも入れていないのに……)

そう、これはあくまで前戯に過ぎないのだ。
前戯ですら本番並みの喜悦をもたらしたのだから、インサート後のセックスは
どれほど気持ちいいのだろうかと、彼女は体を熱くさせる。

「もう、お疲れかな」
「ま、まだ……」
りんは蜜犯にとろけきった笑みを浮かべ、改めて淫唇を男の前に晒し出した。
そこは新たな蜜露によってしっとりと湿っていた。
いつでも受け入れられる淫牝の門は、どこまでも淫らに雄を凝視していた。
「メインディッシュ、食べてないもん……」
「……少々ボリュームあるが、食べられそうかい?」
男の問いにりんは満面の笑みで返した。期待と受諾を示すのに言葉は要らない。
相手の眼前に晒した豪根にジュンはゆっくりとコンドームを嵌めていく。
箱に印刷されたアルファベットの羅列を見て、りんはその避妊具が外国製品だと気づいた。
国産のコンドームは彼の巨淫には窮屈なのだろう。

「いくよ、アスミ君」
「は、はぁい……!」
ジュンはりんをオーソドックスに組み敷いて軽く接吻をした後、最後の承諾を得た。
眼下で揺らめく唯一無二の巨淫根に、りんは胸をときめかせる。
それはジェットコースターに乗り込み、急降下を待つ時の心境に似ている。
心地良い恐怖は時に強い期待となって細胞まで活発にさせるのだ。

「いっ……っっ!?」
ジュンの肉根が淫唇を捉え、根元まで一気に膣内を穿ち抜いた。
「いひぃぃ……!」
快い電撃が、りんの体を脳天から爪先まで貫いた。
射精すら終えていない肉茎の挿入だけで、彼女は早くも歯を食いしばる力すら奪われて天昇したのである。
それは男遊びを覚えてこの方、初めての事だった。
ジュンを受け入れた途端、女としての悦びが蜜となって体奥からどっと溢れ出す。
「いくよ」
ジュンは巨淫を根元まで強引に収めた後、上に下にとダイナミックに腰を使って豪交する。
彼の逞しい肉剣が何度も彼女の肉鞘に出入りした。
その度に女肉は雄茎に吸い付き、膣外へと引っ張られていく。
牝は肉の細胞一つ一つまで牝なのだ。

「ううん……っ! あんっ、……あはぁっ!」
暴根の激しい動きに合わせるように、りんの精神は大きく揺さぶられる。
その抜挿中には冷静さなど到底保てるものではない。
少女はすっかり快美をもたらす春根の事で頭を満たしてしまい
まともな事など考えられなくなってしまった。
彼女はベッドシーツを逆手で握り締め、弛緩した口を閉じようと歯を食い縛る。
しかし歯間より漏れ出る唾液が口端から堪えられずに垂れ落ちていく。
緊々と締まった少女の甘唇を痴根は容赦なく攻め立てる。
淫肉が絶えず引きずられる暴力的なまでの新鮮な感覚に、彼女は夢中になっていた。

(こっ……腰遣い上手過ぎぃ……っ!
 私が奥さんなら……毎日やりまくっているよぉ……!)

ものの数分でりんの恥肉は完全にほぐしきられ、肉色の性具と化す。
しまいに彼女は両手両脚を彼の体に絡ませてしきりに快哉を叫んでいた。

「あ……っ、はぁああん……っっ!」
この一夜でりんは何度絶頂に達しただろうか。三回目以降は全く記憶にないという。
気がつけば彼女は浅ましい格好で四肢を投げ出してシーツの海に沈んでいた。
ベッドに突っ伏している彼女に、ジュンはねぎらいの言葉をかけた。

「済まないねアスミ君。妻と親しくしていないから、どうも加減が思い出せなくて」
ジュンは既にコンドームを脱いでいた。驚くべき事に、ゴム袋の先端には全く精液が溜まっていなかった。
つまり彼はこの四時間にも及ぶ激しい淫交を無射精でこなしたのだ。
その事実はりんに信じ難い衝撃を与えた。顔や性格が良いだけではない。金もいなる程あるに違いない。
おまけに性技は天才的。彼女はすっかりこの紳士に心を奪われてしまった。

   # # #

ある日、りんは例の如くボーイフレンドのジュンと濃密な時間を過ごした。
帰りは雨だったので彼の自家用車で最寄り駅まで送ってもらった。
「りん?」
降りた駅前のバス停で、りんは見事なロングヘアをした美少女、東豪寺麗華とばったり会った。
麗華はりんのユニット仲間であり、東豪寺プロダクション所属のプロデューサーも兼ねている。
彼女によると、今日は単身でテレビ局に行き、出演予定の番組に関する日程調整を交渉していたそうだ。

「……りん、『彼』と何を話していたんだ」
二人になって開口一番麗華が尋ねた。
「えっ? 麗華、あのおじさんを知ってるの?」
「業界筋の人間だから頭に入っているのは当然だろう」
「業界筋? 偉い人だったりする?」
「偉いも何も……彼は765プロダクションの社長、高木順一郎だよ」
りんは目を丸くしてしばらく阿呆のように口をポカンと開けていた。
この時彼女は、初めて 恋人の隠されていた素性を知ったのである。
まとまった金をさらっと手渡す所から並々ならぬ金持ちだという認識はあった。
しかし、まさかライバル事務所の社長だとは夢にも思わなかった。

   #  #  #

その日も、りんはいつものようにジュン――高木順一郎――と会い
楽しく食事をした後でホテルに行って肌を重ねた。

「ねぇ、……順一郎さん」
キスの後でその呼び名を口にした途端、ジュンの顔が強張った。
それを見てりんは言った事を後悔した。このまま黙っていれば
二人の関係は波風立たず過ごす事が出来るのに、何故波乱を起こす必要があっただろうか。

「どうやら知られてしまったようだな……朝比奈りん君」
今度はりんが驚く。高木もまた相手の本名を知っていたのだ。
「ジュンちゃん、知っていたの!?」
りんは呼び親しんだ名前で高木に聞いた。
「私はアイドルたちのスキャンダルを予防指導する立場にある。
 多少身なりや髪型を変えたとしてもすぐに分かるよ」
「そっか。あは……あははは……」
「それよりもりん君、君は変装なしの私に対して援交を求めてきたね。
 あの時本当の事を告げようかと悩んだのだが……」
高木は柔らかい微笑を会話に挟んだ。
「しかし、このような仲になってはもう何も言えないね」
二人は互いの顔を覗き見て笑い合う。

「楽しい日々も、……これでお開きだ」
「えっ」
「アイドル事務所の社長が別事務所所属のアイドルを抱いたんだ。
 マスコミにリークすれば恰好のスクープになるよ」
高木は自嘲気味に笑った。彼の言う通り
アイドル朝比奈りんとの爛れた関係は世間の注目と非難を浴びるだろう。
彼女のファンをはじめ、両者の事務所からも罵倒が飛び交うに違いない。
「そんなの……私だって一緒じゃん……」
「いや、このようなスキャンダルでは女性は得てして守られる。
 それに……私からは何も言わないつもりだ」
「ど、どうして……」
「惚れた側の弱みというものだ。君に不名誉を被せて傷つけたくはないのだ。
 ……君にほだされたその時から、既に私は負けていた」
高木は潔くりんと別れ、過ちを自ら全て 背負う決意を表した。
最初は肌を重ねる気など毛頭なかった。ただ忙殺されている日々において
一時の安らぎをアスミという美少女に求めていた自分がいた。それは否定できない。
愛は思わぬ場所に深みを有している。
父娘程年齢が開いている事など、一線を越える抑制にはならなかった。

「分かったよ……」
りんは言った。
「でもジュンちゃん、どうせなら……私に任せてくれない? その……私たちの関係を言うの」
「……別に構わないよ。所属アイドルたちに矛先が向かなければ、君の告発したいようにすればいい」
「じゃあ……」
うなだれた高木の手をりんの柔らかな手が握った。そして彼女の柔唇がそのまま彼の口に重なる。
「ジュンちゃんと結婚するって……発表していい?」
少女の思わぬ申し出に高木はどういう反応を示していいのかやや戸惑った。

「私さ、この事をマスコミにリークしてジュンちゃんを困らせる気なんて全然ないの。
 ジュンちゃんは私の大切な人だし、このまま別れるなんて考えたくない」
「りん君……」
いつの間にか、りんは高木の手に自分の美指を添わせ絡めていた。
胸にこみ上げてくる言葉の一つ一つを吟味して、彼女はゆっくりと言った。
「私は……ジュンちゃんと一緒にいたい。一緒になりたい。
 ジュンちゃんと会って、本当に好きって何なのか、分かったんだ。……それにね」
りんはすっと立ち上がって、彼の手をそのまま淫部へと導いた。
そこは先程の情事の温かみをそのまま残している。
「私の体ね……すっかりジュンちゃんの、覚えちゃったんだぁ……。
 もうジュンちゃん専用だよ、私……。今更別の人に抱かれたくない……」
「りん君……」
「だから……こうなっちゃった私の……責任を取って欲しいの……」

高木は真剣な面持ちで黙ってりんを見つめていた。
彼女は彼が真摯に問題と対峙して悩んでいる事をひしひしと感じていた。
やがて、高木はりんを抱き返した。
「……レディを悲しませるのは私の望む所ではない。」
「ジュンちゃん……」
「ふふ、この年でまた伴侶をもらうとは思っていなかったよ。……一緒に、来てくれるかな」
「うん。私を……ジュンちゃんの奥さんにして」
抱き合った二人は落ち着いていた情炎を激しく再燃させた。

   #  #  #

「あっ……っっ! あん……っっ!」
朝比奈りんの瑞々しい肢体を高木順一郎は改めて抱き寄せ、そのまま淫欲のままに組み敷いた。
今回のセックスは特別な意味を孕んでいた。
彼はいつも欠かさず装着していたコンドームを付けずにその夜彼女を愛すると決めた。

「いいの?」
「りん君も私も本名を知り、互いの気持ちを教え合った。心も体も裸になった私たちに、これは不要だよ」
「えっ……でも……」
「りん君……私はね、君と新しい家族を作りたいんだ」
高木にキスされて深い愛を説かれては、りんも了承せざるを得ない。

「ああんっ……! あんっ、ジュンちゃぁあん……っっ!」
生の勃根を女隠に深く咥え込み、りんは長い髪を大きく振り乱して悦び狂った。
薄膜を一枚取り除いただけなのにこれほどまで淫感が違ってくるのかと彼女は驚いていた。
それには愛する妻を孕ませる男の一途な愛があった。
古来より遺伝子に紡がれてきた繁殖への熱望が、意志を通して女体へと直に伝わってくるのだ。
雄と雌の本来あるべき肉交を彼女は全身で味わっていた。今までの遊びとは違う。
真剣に男の愛を受けて、その種を宿そうと盛んに肉根を送迎した。

「ああっ……! ちんちんっ、おちんちんしゅきぃ……っっ!」
淫楽のあまり、りんはだらしなく舌を垂らしている。
口端からだらだらと涎を流して呂律の回らない淫言をとめどなく漏らす。
そんな浅ましいあるがままの自分すらも受け入れ
愛してくれる相手に彼女は感謝し、ますます情愛を募らせた。
高木もまた、眼下の娘の放つ澄んだ愛波に身を任せて性悦に酔いしれた。
二人は流れる時間も忘れて翌日の昼まで愛し合った。
りんの子宮は幾度も高木の愛精を注がれ、蓄納され続けて乾く暇がない。
膣内に収まりきらずに溢れ出しているにも 関わらず
りんは恥果を左右に広げて更なる施しを願って止まなかった。

   #  #  #

「一体アンタの事務所(トコ)はどうなっているのよ?」
「……それはあたしが聞きたいっつうの……」
テレビ局内にあるカフェテリアで東豪寺麗華は水瀬伊織と卓を挟んで難しい顔をしている。
彼女たちは幼なじみであり、また事務所的にはライバル関係にある間柄だ。
本来なら事務所単位で牽制し合っているはずの二人だが
最近はこうして同じ時間帯を共有している事が多い。
二人を未だに悩ませているのは、先月末に行われたある記者会見だった。
現役女子高生アイドルの朝比奈りんと765プロダクション社長の
高木順一郎氏の入籍発表は、業界を驚かせ新聞や週刊誌を賑わせた。
親子ほど歳の離れているこの結婚に、当初は遺産目当てだ枕営業の延長だと揶揄する声もあった。
だが既婚女性から向けられた怨悪も難なく跳ね返す程、当の二人の意志や想いは厚く強かった。
二人は眩いカメラのフラッシュの中で毎回熱愛ぶりを遠慮なく見せていた。

「何を思って社長と結婚したんだか……」
「あたしもあいつと付き合いは長いけれど、時々何を考えているのかさっぱり分からないね……」
この縁からここ数日、東豪寺プロと765プロは様々なコラボが企画されて進行していった。
メディアにも発信していて、力のある事務所の二人三脚は上場の出だしを見せている。
麗華と伊織もデュオを組んで一ヶ月後にリリースする新曲の最終調整をしている最中だ。
「まあ本人たちがいいなら私は構わないけど」
「私も」

りんは今、妊娠二ヶ月目に入っていた。

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