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「真美ー、先に上がるね」
髪と身体を洗い終わるや否や、亜美は浴槽に浸かる私を背にしてそそくさと風呂場を出て行く。
前からそれは変わらないけど、何だか最近気まずいものを感じる…ような気がする。
とは言っても、特別に亜美に何かが変わったような様子は無いと思う。
夜は私より先に寝ちゃうのも、そのくせ朝は私より起きるのが遅いのも、何気に寝言が凄いのも変わらない。
学校の行き帰りも、仕事に行くのも、レッスン中も、亜美は私の大好きな亜美のまま。
ちょっとぐらいイヤな事があっても、亜美がニコニコしていれば私も釣られて元気になってしまう。
それなのに、気まずいような気がしたり違和感を感じたりするのは…きっと私が変わったから。
「ん…っ、ん…」
あの日、あの新品くさいロッカーの中で垣間見てしまったあの光景。
まるで別世界の出来事のようなその全てを、私は食い入るように見ていた。
見て、そして、知ってしまった。
リンスを少量手に取って、まだまだこれからだと思い込んでいるサイズの胸にスリスリと塗りこむと、そこがビリッとした。
痛いわけじゃない。でも、痛くなる寸前の、クセになってしまう刺激。
「…っっ!!」
先っちょを人差し指でこねまわして、思わず声が出そうになってしまうのを、下唇を噛んでこらえる。
ここは、自分の家のお風呂場なんだから、変な声を出して家族に聞かれたりしたら大変だ。
でも、一度ぐらい、何もガマンしないで大声をあげてみたい、とも思う。
その時私はどんな声を出すのか、興味があったけど、きっとすごく変な声だろうし、恥ずかしくて聞きたくないとも思った。

こんな時、決まっていつも思い浮かべるのは、あの日ロッカーで見た一部始終のこと。
エッチなことをしてた兄ちゃんが、ロッカーの中で一人えっちしてる真美を見つけて…
「覗きなんて悪いことしてる真美には、それなりのお仕置きをしなくちゃな」
なんて言いながら、その大きな手で私の胸を撫でたり揉んだり…と、そんな事を、風呂場の床に座り込んで勝手に思い浮かべている。
適当に一人でいじっているより、その事を思い浮かべながらの方が何倍も刺激が強かった事に気付くのはそう長くかからなかった。
『身体はちっちゃくてもちゃんと気持ちいいんだな。ほら、ここ大きくなってるの、分かるか?』
頭の中の兄ちゃんが、私の先っちょを指でクリクリする。
同時に、オトナっぽいあの舌入れてちゅーするのを思い浮かべてみるけど、どんな感覚か分からないし、気持ちいいのかどうかも分からない。

ただ、ちょっとだけカッコよくて優しい兄ちゃんとちゅーしたり…とか考えるのは、ドキドキした。
人をスキになるのってこういう感じなのかな、って、甘酸っぱい気分にもなるけど、兄ちゃんから見たら私なんてきっとコドモでしか無いんだと思う。
だって、亜美がギューって抱きついても私が手を握っても特に変わった反応をしないのに、律ちゃんとは話しているだけでもたまに赤くなってたりするから。
多分、初恋。でも、始まる前にもう終わってる。だから…頭の中でぐらいは兄ちゃんの事を好きにしたっていいよね。
胸をいじっていた手を、お腹を通って下へ下へと下げていく。
あの日覚えてしまった、いけない遊び。遊び相手はいつも、私の頭の中の兄ちゃんだ。
『もう濡れちゃってるじゃないか。真美はエッチだなぁ』
大きい指が、おしっこじゃないもので濡れたアソコの溝になった所を往復する。
「(兄ちゃん、真美がエッチじゃ…ダメ?)」
『ダメなもんか。俺はエッチな女の子は大好きだよ』
「いぁっ…!っぁ…く」
最近になって気づいた、一番刺激の強い所。
割れ目のてっぺんにある、ちょっと突き出た所を、胸の先っちょと同じような感じでいじると、あのビリビリの凄く強いヤツが頭をガンと叩く。
声を出すのをガマンできなくなってしまうぐらい気持ちよくて、そこをいじる時は、いつも左手で口をふさぐ。
「…ふぅっ…んんん…!」
右手の指にぬるぬるを塗りつけて、兄ちゃんが耳元でえっちな言葉を囁きながらするのを思い描いて、そこを刺激する。
指でクリクリするのが中心だけど、時々掌で撫で回すのも…気持ちいい。
きっと、こんな事をしている私は、悪い子なんだ。そんな事を考えると、頭がボーッとしてしまうぐらい気持ちよくなる。
「あっ…くぁ………にぃ…ちゃ…!」
そして、そうなってすぐ、お風呂の壁の色も分からなくなって、目の前が白一色になって…力が抜けていった。

「はぁっ…はぁっ…はぁ」
シャワーの下にある鏡を見ると、そこには濡れた髪が顔中に貼り付いて、必死で息を整える私がいた。
いつもみんなが見ている私の顔とは、だいぶ違っているはず。亜美にはこんな顔、見られたくないって思った。




end

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