ムーンセルにより作られた都市、冬木市は月の輝きも静まり人や鳥獣の姿も影も潜めた。、車で道路を走る者も、街を練り歩く者もおらず街中のコンクリートは振動していない。街を空から見れば、まるで写真を見ているかのように景色には一切の変化が無かった。
しかし、それは至極表層的なもの。コンビニエンスストアの電飾看板は絶えず中で放電している。空気は常に一定の組成を保ちながら乾きと潤いを繰り返す。
表に出ていないだけで、家の中で活動している者はいくらでも居た。
その内の一人、バーサーカーは異変を感じてベッドから目覚めた。彼が異変を感じたのは、今同じベッドでくっつき寝ていた自らのマスターである遠坂宵と召喚時に魔力パスを繋げて出来た太い一本線の魔力提供ライン、ヴァイタルソースでの変化だった。
バーサーカーはバーサーカークラスの特権として強いステータスを誇るが魔力消費量が膨大であった。ただ、宵は無限と言える魔力を貯蔵しておりそれで困ることは無かった。無駄遣いをしても良い分、彼らはいつも魔力で繋がっている。
バーサーカーはそのラインの長さに違和感を感じた。まるで、いつもより短いような。具体的にどうなっているかは分からないのは、彼がバーサーカーだからに他ならない。せめての情報判断でバーサーカーが宵を見た時、宵は酷く疲労していた。いくら魔力を無限に持つとはいえ、一度にかなりの魔力消費をすればそれなりの負担は宵にもかかるだろうが、それが起きる理由がバーサーカーには分からなかった。第一、彼には未だ魔力補給が行われている。むしろ、より魔力を注がれているかのようにさえ思える。
彼の頭がスムースに回転を始めたころに導き出した推測は宵の中にある魔力のコアが、ラインに入り込んでいるのではないか。ということだった。そう思えば、感覚的に理解することができた。ただ、あくまでも感覚的にしか理解できないことにバーサーカーは強く不安を覚えた。
なんにせよ、宵の英気を養わねばならない。魔力をバーサーカーから宵へと受け渡すのも必要だが、魔力パスを再構築する必要がある。バーサーカーは2つのことを同時に為せる行為を知っていた。
宵を覆う布団を捲くる。彼は少なからず興奮していて、理性の一部を失っていた。何より妨げるものが無いというのが、彼の記憶から道徳法則を損なわせた。
上着を脱がせても宵は全く抵抗する様子を見せない。バーサーカーは、躰で魂魄を理解していた。サーヴァントが精神的な存在で魂で全身が出来るのに対し、人間は精神を司る魂と肉体を司る魄の二つがある。宵は今、魂をほとんど失い魄だけでなんとか自立しているのだろう。バーサーカーと宵の躰は何もかも違い、躰同士の差の凸凹はバーサーカーが宵の肌に触れる度に感応を産んだ。
バーサーカーは宵の胸を白いブラウスごしに触れた。柔らかい感触は彼の中の熱を駆り立てた。バーサーカーが今から行おうとしている行為への認識は魔力補給ではなく、魔力補給を理由にした性行為だと定めていた。
「あ……、ん」宵が小さく口を動かす。口からそのまま魔力がこぼれているようなほど色気を感じ、バーサーカーは身を乗り出して宵と口付けた。
唇同士が触れ合い、運動エネルギーが抵抗力で摩擦熱へ散逸する。何度も角度を変えて熱を生み出し、唇が離れた時にひいた銀色の糸は世界で一番硬度が無い糸だった。
宵は苦しそうに呼吸を繰り返し始める。体力を失い魄さえ消えてしまう前にバーサーカーは事を急いだ。スカートの中に両手を入れて下着を引き下げるとすでにそこは濡れていて、バーサーカーもズボンの中で自身を張り上げていた。
バーサーカーは宵の女性器の襞を広げる。もし、宵に意識がまともにあれば為し得ない事をしていることに酷く背徳感を覚えた。
卑猥な音が部屋に響き、バーサーカーは中を掻き分けて指に愛液を絡めた。やがて充分に解したと思える頃、バーサーカーは手を引き抜きズボンから誇張する自分を取り出して軽く上下に抜いた。それから宵の両足を持ち上げ、挿入しやすい体制にして宵の中へ徐々に挿れ始める。
先端が埋まり、もう半分が中に入っている。またいやらしい水音が鳴り、かたく張り詰めているバーサーカーのものは周囲から湿った粘膜に押し寄せられ、その快感にそのまま動じない訳にいかず奥へ腰を進めていく。
「は、ぁ、く……」バーサーカーが思わず声を漏らす。
「全部、入ったか……?」バーサーカーが眼で確認できるのは根本だけなのに対し、感覚では己の男性器を全て感じ取れた。
「ぁ、んん、っ……」宵が顔を少し苦しげに歪ませる。より周りに圧迫をかけられ、バーサーカーは我慢ができず腰を揺らし始めた。やがて荒々しくなるピストンは強い感覚を両者に与え、宵の声は次第に甘くなっていく。
「んっ、ん、や、ぁ」彼女は眉間に皺が寄せられていた苦しそうな表情から、だらしなく溶けていく顔になる。バーサーカーは足を支えていた手を外し、前に傾いて宵のブラウスのボタンをいくつか外して二つの乳房を空いた手で揉みながら片方の乳首を口内に含めた。
バーサーカーすらも性的興奮に支配され、宵と同じようにまともに意識を保たず活動している。宵の膣内は胸の刺激から激しく蠢き、その中をバーサーカーは獣を連想させる動きで幾度も犯し続けた。すでにシーツはお互いの汗と結合部からあふれる宵の愛液で変色している。
腰のスピードを緩めないまま乳首を舌で転がすようにいじり、乳からほのかに香る女の匂いに酔いしれた。口を離し、色っぽく開く宵の口を塞ぎこむようにバーサーカーは上からくちづける。宵の口内を嬲るように舌で弄る。
躰の中心から熱が湧き、腰へと流れていく。バーサーカーはラストスパートと言わんばかりに出し入れをはやめる。それに宵の躰が感応して一度膣がきゅっと強く収縮したのを最後にバーサーカーは絶頂を迎えた。
「よ、いっ……!」彼女の中に大量の精液を吐き出し、膣壁にうちつける。その強烈な刺激を受けて、宵の中もしぼりとるようにひくひく締め付ける。
血のめぐりと共に何度も凄まじく精を送り出したバーサーカーの男性器が静まった時、
ゴン、と殴られたような感触を受けた。
おそらくは、魔力のパイプに入り込んでいた魔力の核が宵の躰へと戻ったのだろう。
それに安堵を感じたのか感じなかったのか、
判断もまともにできないままバーサーカーは無意識に沈んだ。
__
バーサーカーは覚醒し、若干疲労を感じる肉体を起こす眼をこすりぱちぱちと両眼を開閉させた。ベッドには自分だけで宵の姿は無く、シーツは寝る前と同じ白さだった。
外から流れ込む陽光の眩しさに眼をくらませながら、あの夜は夢だったのかと思案しているとバーサーカーに声がかかった。
「ハニー!朝ごはん、出来たわよ」
その声をきいて、躰を動かし立ち上がってダイニングへ向かう。
机の上にはいつものように蜂蜜のかかっているトーストとブラックコーヒー、ふわふわのオムレツに添えられているソーセージ、サラダが並んでいた。
半ばぼうっとしたままバーサーカーが椅子に座る。トーストにはマーガリン派のバーサーカーだが、ハニーにはハニーよね。なんて言う健気なマスターに意見を言えなかったことを思い出した。
宵はキッチンの奥でエプロンを脱いでからこちらへやってくる、その時に宵の椅子ではなくバーサーカーの方へやってきた。バーサーカーはハグでもされるのかと思ったが、宵はバーサーカーにこっそり耳打ちするのだった。
「赤ちゃん、できちゃったかもね」
バーサーカーは面映さに口を開けなかった。
[END]
しかし、それは至極表層的なもの。コンビニエンスストアの電飾看板は絶えず中で放電している。空気は常に一定の組成を保ちながら乾きと潤いを繰り返す。
表に出ていないだけで、家の中で活動している者はいくらでも居た。
その内の一人、バーサーカーは異変を感じてベッドから目覚めた。彼が異変を感じたのは、今同じベッドでくっつき寝ていた自らのマスターである遠坂宵と召喚時に魔力パスを繋げて出来た太い一本線の魔力提供ライン、ヴァイタルソースでの変化だった。
バーサーカーはバーサーカークラスの特権として強いステータスを誇るが魔力消費量が膨大であった。ただ、宵は無限と言える魔力を貯蔵しておりそれで困ることは無かった。無駄遣いをしても良い分、彼らはいつも魔力で繋がっている。
バーサーカーはそのラインの長さに違和感を感じた。まるで、いつもより短いような。具体的にどうなっているかは分からないのは、彼がバーサーカーだからに他ならない。せめての情報判断でバーサーカーが宵を見た時、宵は酷く疲労していた。いくら魔力を無限に持つとはいえ、一度にかなりの魔力消費をすればそれなりの負担は宵にもかかるだろうが、それが起きる理由がバーサーカーには分からなかった。第一、彼には未だ魔力補給が行われている。むしろ、より魔力を注がれているかのようにさえ思える。
彼の頭がスムースに回転を始めたころに導き出した推測は宵の中にある魔力のコアが、ラインに入り込んでいるのではないか。ということだった。そう思えば、感覚的に理解することができた。ただ、あくまでも感覚的にしか理解できないことにバーサーカーは強く不安を覚えた。
なんにせよ、宵の英気を養わねばならない。魔力をバーサーカーから宵へと受け渡すのも必要だが、魔力パスを再構築する必要がある。バーサーカーは2つのことを同時に為せる行為を知っていた。
宵を覆う布団を捲くる。彼は少なからず興奮していて、理性の一部を失っていた。何より妨げるものが無いというのが、彼の記憶から道徳法則を損なわせた。
上着を脱がせても宵は全く抵抗する様子を見せない。バーサーカーは、躰で魂魄を理解していた。サーヴァントが精神的な存在で魂で全身が出来るのに対し、人間は精神を司る魂と肉体を司る魄の二つがある。宵は今、魂をほとんど失い魄だけでなんとか自立しているのだろう。バーサーカーと宵の躰は何もかも違い、躰同士の差の凸凹はバーサーカーが宵の肌に触れる度に感応を産んだ。
バーサーカーは宵の胸を白いブラウスごしに触れた。柔らかい感触は彼の中の熱を駆り立てた。バーサーカーが今から行おうとしている行為への認識は魔力補給ではなく、魔力補給を理由にした性行為だと定めていた。
「あ……、ん」宵が小さく口を動かす。口からそのまま魔力がこぼれているようなほど色気を感じ、バーサーカーは身を乗り出して宵と口付けた。
唇同士が触れ合い、運動エネルギーが抵抗力で摩擦熱へ散逸する。何度も角度を変えて熱を生み出し、唇が離れた時にひいた銀色の糸は世界で一番硬度が無い糸だった。
宵は苦しそうに呼吸を繰り返し始める。体力を失い魄さえ消えてしまう前にバーサーカーは事を急いだ。スカートの中に両手を入れて下着を引き下げるとすでにそこは濡れていて、バーサーカーもズボンの中で自身を張り上げていた。
バーサーカーは宵の女性器の襞を広げる。もし、宵に意識がまともにあれば為し得ない事をしていることに酷く背徳感を覚えた。
卑猥な音が部屋に響き、バーサーカーは中を掻き分けて指に愛液を絡めた。やがて充分に解したと思える頃、バーサーカーは手を引き抜きズボンから誇張する自分を取り出して軽く上下に抜いた。それから宵の両足を持ち上げ、挿入しやすい体制にして宵の中へ徐々に挿れ始める。
先端が埋まり、もう半分が中に入っている。またいやらしい水音が鳴り、かたく張り詰めているバーサーカーのものは周囲から湿った粘膜に押し寄せられ、その快感にそのまま動じない訳にいかず奥へ腰を進めていく。
「は、ぁ、く……」バーサーカーが思わず声を漏らす。
「全部、入ったか……?」バーサーカーが眼で確認できるのは根本だけなのに対し、感覚では己の男性器を全て感じ取れた。
「ぁ、んん、っ……」宵が顔を少し苦しげに歪ませる。より周りに圧迫をかけられ、バーサーカーは我慢ができず腰を揺らし始めた。やがて荒々しくなるピストンは強い感覚を両者に与え、宵の声は次第に甘くなっていく。
「んっ、ん、や、ぁ」彼女は眉間に皺が寄せられていた苦しそうな表情から、だらしなく溶けていく顔になる。バーサーカーは足を支えていた手を外し、前に傾いて宵のブラウスのボタンをいくつか外して二つの乳房を空いた手で揉みながら片方の乳首を口内に含めた。
バーサーカーすらも性的興奮に支配され、宵と同じようにまともに意識を保たず活動している。宵の膣内は胸の刺激から激しく蠢き、その中をバーサーカーは獣を連想させる動きで幾度も犯し続けた。すでにシーツはお互いの汗と結合部からあふれる宵の愛液で変色している。
腰のスピードを緩めないまま乳首を舌で転がすようにいじり、乳からほのかに香る女の匂いに酔いしれた。口を離し、色っぽく開く宵の口を塞ぎこむようにバーサーカーは上からくちづける。宵の口内を嬲るように舌で弄る。
躰の中心から熱が湧き、腰へと流れていく。バーサーカーはラストスパートと言わんばかりに出し入れをはやめる。それに宵の躰が感応して一度膣がきゅっと強く収縮したのを最後にバーサーカーは絶頂を迎えた。
「よ、いっ……!」彼女の中に大量の精液を吐き出し、膣壁にうちつける。その強烈な刺激を受けて、宵の中もしぼりとるようにひくひく締め付ける。
血のめぐりと共に何度も凄まじく精を送り出したバーサーカーの男性器が静まった時、
ゴン、と殴られたような感触を受けた。
おそらくは、魔力のパイプに入り込んでいた魔力の核が宵の躰へと戻ったのだろう。
それに安堵を感じたのか感じなかったのか、
判断もまともにできないままバーサーカーは無意識に沈んだ。
__
バーサーカーは覚醒し、若干疲労を感じる肉体を起こす眼をこすりぱちぱちと両眼を開閉させた。ベッドには自分だけで宵の姿は無く、シーツは寝る前と同じ白さだった。
外から流れ込む陽光の眩しさに眼をくらませながら、あの夜は夢だったのかと思案しているとバーサーカーに声がかかった。
「ハニー!朝ごはん、出来たわよ」
その声をきいて、躰を動かし立ち上がってダイニングへ向かう。
机の上にはいつものように蜂蜜のかかっているトーストとブラックコーヒー、ふわふわのオムレツに添えられているソーセージ、サラダが並んでいた。
半ばぼうっとしたままバーサーカーが椅子に座る。トーストにはマーガリン派のバーサーカーだが、ハニーにはハニーよね。なんて言う健気なマスターに意見を言えなかったことを思い出した。
宵はキッチンの奥でエプロンを脱いでからこちらへやってくる、その時に宵の椅子ではなくバーサーカーの方へやってきた。バーサーカーはハグでもされるのかと思ったが、宵はバーサーカーにこっそり耳打ちするのだった。
「赤ちゃん、できちゃったかもね」
バーサーカーは面映さに口を開けなかった。
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