主に哀咲のTRPG(CoC)用wiki。ほぼ身内様向け。「そこのレディ、ティータイムの御供にクトゥルフ神話は如何かな」

概要

製作:哀咲
プレイ時間:テキストオンセ 4時間ほど
傾向:半クローズド 逃げるが勝ち。
使用に関して:改変、リプレイ等公開自由。制作者もしくはwikiのURLを明記してください。

シナリオ


<あらすじ>
気づけば、母校もしくは現在所属している大学もしくは高校の前にいた。夜中のようで辺りは真っ暗。
おかしいほどの暗闇に放り出され、不安に駆られる中、探索者の手の中のスマフォが着信を知らせる。

<キャラシについて>
アイデアが高い方がいい。基本的な探索技能を取って貰うこと。
一番の親友の設定をしてもらう。(もしくは恋人や兄弟など)
名前、性別、性格、口調程度、その親友の設定はシナリオ内でKPが使用する。
親友には、サポートとして、精神分析、応急手当がそれぞれ50%、回避は25%とする。
もし継続の場合で、親友がPCであった場合、そのキャラシままで使用すること。

<舞台>
日本として製作。

<推奨人数>
一人。

<友好者>
車を運転する男:亡霊。早くに亡くなってしまった探索者の祖父の弟。
親友:祖父の弟が作った明かり。

<敵対者>
包丁男:亡霊(悪霊) 本体はヘドロだが、心臓がヘドロと繋がっているため、心臓を貫かれると塵となる。
ヘドロ:亡霊の塊 ヘドロに触れてしまった場合、飲みこまれてロスト。

<その他>
バス運転手:亡者。学生時代に見覚えがある。残念ながら病気で逝去している。
バスの中の人々:亡者。老若男女。話しかけると生前の話で盛り上がることもできる。

<クリア条件>
探索者の生還

<他事項>
謎解きなどはないので一本道でただひたすら逃げるだけのシナリオとなる。
SANチェックが多い方と思うので、あまりにSANが低いキャラの場合は改変などで調節するといい。
またシナリオ内でロストになった場合は夢から覚める事が出来ずに、死亡という扱いになる。
シナリオにクトゥルフ神話的要素といえるものは大凡ないので、PLにそれを伝えること。


<導入>
探索者は気がつくと、母校もしくは現在所属している大学もしくは高校の校門前にいる。時刻は夜中三時。持ち物はこの時点で固定になるが、財布、スマフォである。
辺りは真っ暗で、数メートル先のものがうっすら見える程度だ。この時点で<目星>など視力に頼る技能を使用する場合はマイナス20の補正が発生する。
目の前にうっすらと通い慣れていたはずの校舎が佇み、その大きさを持って探索者を飲みこまんとしているように感じることだろう。
また、<聞き耳>を成功させた場合、この辺りは山や畑が多いとはいえ、民家はもちろん街灯、遠くにはマンションや24h営業の店もあるし、
そもそも国道沿いの学校であり、この静けさはあまりにも不可解だと思い至る。(0/1)
何はともあれ、嫌な汗が背筋を流れて行くことだろう。

探索者が上記の行動、もしくは大学から国道へ向かおうとした時点で探索者が所持しているスマフォが着信を知らせる。
表示される名前は、シナリオ前に設定してもらった親友である。
出る出ないは探索者に決めてもらって構わないが、出なくともスマフォの明りを頼りに親友は傍までやってくる。
応答した場合は、「あっやっぱり。ちょっと待って、今近くに居るから」と前置きをしてから傍にやってくる。
「何でかここにいて、きょろきょろしてたら人影……君がいたと思ったから電話してみたんだー。いやー一人じゃなくて良かったー」とほっとしたように言う。
もし<心理学>を行使しても、安心したようだ、等としか出ないし、親友は嘘をつくことはない。
また親友といると不思議と少しばかりとはいえ足元が照らされて、物に躓いたりすることはなくなるだろう。
「君も帰るんだろ? 駅前まで行けば流石にタクシーもいるっしょ。割勘で帰ろう」と誘われる。
誘いに乗るかはともかく、親友はここから探索者に同行する。
また、この状況で校舎内に入る、国道方向以外へ向かうなどの行動をすると、
移動したとしても必ずまた校門前に出て来てしまうといった無限ループ的表現をすること。
このループを一度経験してしまったもの場合は(1/1d3)
「帰る」「国道方向へ移動」といった宣言をした場合、次項へ。


<明り>
帰ろうと探索者たちが歩きだすと、かつて探索者が利用したこともあるだろうスクールバスが一台、国道方面からやってくる。
その明りに少しばかりほっとするかもしれないが、こんな時間にバスが来るわけもない。
その事実に慄いている間に、バスはすぐ傍にやってきて、探索者たちの隣に停車し、扉が開く。
扉が開いてすぐ顔を合わせることになる運転手も見知った顔だろうが、その優しそうな微笑みに何故か恐怖を覚えるだろう。(0/1)
このバスに乗るには「乗車チケット」が必要になるが、持っていないかと荷物を確認したりすると財布にちょうど人数分入っている。
(身の安全のためと、祖父の弟が用意してくれていた)
また、見つけられずとも手前に座っている、どこか見覚えのある男が一枚百円で譲ってくれる。
親友に意見を聞いたなら、乗りたいなぁという雰囲気を漂わせつつ、乗るか乗らないかは任せる、という風にすること。

―乗らなかった場合
バスは行ってしまう。バスが去っていった後、大学から人の呻きや断末魔が聞こえてくる。
振りかえると、人の手足、頭、臓物が浮いては沈み、浮いては沈みを繰り返すヘドロの塊を見てしまう。不思議とその際は校門前の街灯が付いている。(1/1d5)
ヘドロはかなりの速さで追いかけてくる。逃げ切るためには「バスが去っていった方向」「国道方面」に向かって走るという宣言と、
DEX10との対抗に二回成功しなければならない。国道に出た時点でヘドロは崩れて消える。
またもしこのルートに入った場合は、親友のDEXは探索者のDEXより二つ下に設定する。

―乗っていた場合
<聞き耳>成功で、呻きや断末魔が聞こえた気がする。(0/1)
何人かの乗客に声をかけても、普通に世間話で盛り上がれる。


<国道にて>
バスに乗った、もしくは逃げきった探索者たちが国道を見渡すと、あれだけ暗かったのが一瞬にして知っている夜の国道の姿を見せる。
街灯が唐突に現れ、中の様子は覗いても(目星しても)わからないが、店や邸宅には明りが灯っている。
少しは安心できるかもしれないが、バスが国道を出てしばらく走った後、歩きの場合は国道沿いを駅に向かって歩くと宣言した際にイベントを発生させる。

○包丁男 POW12 DEX10 HP12 回避20 包丁:30%:1d4 DBなし (1/1d3)
攻撃に成功した場合、軽傷でもPOW対抗が入り、失敗すると意識を失う。<幸運>に成功するか<応急手当>を受ければ意識は回復する。
悪霊の気は身体に良くない。男は額から血を流しているが、笑顔である。
包丁男に<心理学>をした場合、死んでいるため心理自体がないということに行きあたる。(0/1)

歩きの場合はちょうど正面から歩いてくる。バスの場合は、バス正面に飛び出してきて、バスが急ブレーキをかけるだろう。
右手には包丁が握られ、視線は探索者たちに注がれている。歩きの場合はすぐに戦闘に入る。
バスの場合、それに気付いた運転手が、驚きながらもどこか安心したような顔で、
「まだ生きていらっしゃるのか!?」と叫ぶと同時にバスが瞬時に溶けて行き、国道上に放り出され、戦闘となる。
(この場合包丁男のSANチェックに加えて+1)
戦闘技能を持っている場合、倒すという手法も取ることはできるが、親友は探索者の記憶がどうあれ、DEXが探索者より二つ下に設定する。
そのため、探索者が全力で走ったりするとどうしても遅れてしまい、包丁男に狙われてしまうことになる。
親友を庇う、先に行かせるといった宣言をした場合、受け流し、気を引くなどの行動をさせて包丁男のヘイトを探索者に向けさせること。
手を取って逃げる場合は、探索者のDEXを-1して対抗させること。
もし、駅方面以外の方向に逃げた場合は、国道から外れる辺りで不思議な力で弾かれてしまう。
駅に向かって走っている場合では、ダイス1d3でイベント発生までの行動回数(ターン数)を決める。


<車のライトに目を焼かれ>
ダイスにて決定したイベント発生ターン冒頭に発生。
歩道も車道もなく逃げまどっていたせいで探索者たちと包丁男は車道のど真ん中に立っているということをそれとなく伝えておくこと。
突然視界が真っ白に染まる。車のライトだ。クラクションと急ブレーキの音。
その場で身構えるであろう探索者たちの耳に入るどんっという音に、ドアが開けられる音。
その頃には視力も回復して状況を把握できるだろう。
車に吹っ飛ばされた包丁男。出血などはないが動かない。
(もし包丁男を観察などもせず、そのまま逃げると言った場合はこの遭遇パートで遭遇できない。)
それに加え男性が車から降りたところだ。若い男性である。彼はまず探索者たちを心配してくれる。
怪我がないことを伝えると、「よかった。……早くお逃げ」と駅方面を指差す。怪我を負っていた場合、タオルを差し出して簡易的に止血してくれるだろう。
逃げるのは…などの態度を見せた場合、男は「早く行きなさい。ここは君たちの知っている世界じゃないよ」とはっきりと告げる。
また、<目星>や注意して男を見るなどの行動をすれば、男の手がどこか血の気がなく、真っ白であることに気付くだろう。
<医学>、<知識>などで、生きている人間の色合いではないことを察してしまう(0/1)
それでも行こうとしない場合は、「行けと言っているんだ」と叱咤すること。


<駅までの暗闇を>
国道を進んでいくと少しずつまた暗くなっていく。
街灯の数が減り、不安がそろりそろりと這い上がる程度の量まで光源が減る。
高架の下を行くことになるが、本当に辺りは畑と少しばかりの民家が残るだけである。
周囲を注意して<聞き耳>を使用しているとどこからか呻きや叫びが聞こえるだろう。校舎前でチェックしていない場合は(0/1)
<目星>を使用すると草むらが少し揺れているように見えるだろう。
だがヘドロや包丁男がやってくるということはない。
車の通りは時折あるようで、高架の方から音はする。
しばらくすると高架の終わりが見え、再び明るさは普段のものと同レベルにまで戻る。
<幸運>に成功で、何かが這いずっていることに気づき、素早く逃げだすことが出来る。
大学前で遭遇するヘドロとの初もしくは再びの邂逅となるが、ヘドロのDEXは8に低下する。光が苦手で、街灯に照らされる度動きが少し鈍るためである。
対抗に成功すれば駅前まで逃げ切ることが出来る。


<駅前には>
ヘドロから逃げ切った先には通い慣れた駅が見えるだろう。僅かにだがしっかりとした光の灯ったそこに安心を覚えるかもしれない。
タクシーも何台か止まっているようだが、他の店などと同じように中を窺うことはできない。
しばらくタクシーと格闘するなり、周囲を警戒していると、追いかけてきたかのように街灯に照らされながら、包丁を手にした男が再び現れる。
戦闘に入るが、2ターン目から幸運判定で成功した場合、イベントに入る。
またもし「逃げる」という選択をした場合、ロータリーから抜け出ようとしても、ヘドロが壁を作っていることだろう。
ただ、このヘドロは壁になってしまっているため、もし触れてしまったとしても探索者を吸収することはできない。
もしこの時点で駅構内に入るという選択をした場合、目覚めることは出来る。一応生還という扱いにはなるが
……再び眠れば、ロータリーに逃げ込んだところから夢が再開されるだけだ。
※ロストではないがBEのため、SAN回復はない。


―幸運成功した場合
再び眩しいライトが周囲を照らす。
「大丈夫?!」
車から出てきた男は先程包丁男を跳ねた車の持ち主だ。
包丁の切っ先を向けられてもひるむことなく男との距離を一気に詰め寄ると、見ただけでも相当な威力が籠っていると分かる膝が包丁男の腹に入る。
包丁が手から滑り落ちる。

探索者に行動を確認すること。「心臓を刺して! 早く!」と男で指示を出す。
探索者が拾わないようで、親友が生き残っているのなら包丁を拾わせて同じようにRPをすること。(倒した場合は男で駆け寄りながらそう急かすこと)
心臓を刺すことに<幸運>、その他適切な技能に成功すれば、包丁男は刺した、という感触もなく塵となって消えて行くだろう。
薄暗かった周囲はふわっと明るくなり、空を見ればうっすらと赤みがかっている。
三回まで男性が包丁男を抑えてくれるためチャレンジできるが、四回目の失敗で男性が隙を突かれ反撃を食らってしまい、通常戦闘となる。
男性の仮HPは12。反撃により8に低下している。MA、キックともに50。男性のMA、キックに成功しダメージが入るとまた心臓を狙えるようになる。



<夢の終わりは>
「……お疲れ様。辛かったろう?」
男が柔らかな微笑みを見せてくれる。青が強くなっていく空と、僅かに遠くに聴こえる囀りに、
不安は一気に掻き消されて、あれほど感じていた恐怖は霧散することだろう。
もし男性と最初に出会った時に怪我を負っていて、タオルで簡易処置をされていた場合はそっとそのタオルが取られる。傷口は塞がっている。
「駅に入ってしまえば、帰れるよ」
と改札前まで背中を押される。
もし名前を訊くなりした場合、男は微笑んで誤魔化したり謝るだけだ。言えないのだ。
「さぁ、お帰り。これはただの悪い夢さ。起きたらちゃんとお母さんにおはよう、と言ってあげなさい」
改札は切符も電子マネーもないのに一人でに探索者たちを通してくれるだろう。
改札を通り過ぎてしまうと、ゆっくりと探索者たちは意識を失う。目覚める直前といった方が正しいだろうか。
その間、ずっと手を振ってくれる男に何かアクションを取ろうとした探索者がいたのなら、
男は嬉しそうな笑顔で、早く目を覚ましなさいと、探索者の名前を優しく呼んでくれるだろう。
そして、探索者はその笑顔にどこか、見覚えを感じる。
また、この項内で親友に「誰?」と問いかけると「君の明かりだった」と答える。
また、「楽しかった。最後まで連れて来てくれてありがとう」とお礼も言うだろう。


<朝を迎えて>
目が覚めると、休日の午前八時である。嫌な夢を見たということははっきりと覚えているし、その証拠に僅かに汗が流れたような跡があることだろう。
覚えている内容は親友と逃げ回ったこと、助けてくれた男ぐらいだろうか。
朝起きて、居間に出ると家族が揃っている。
(一人暮らしの場合は電話が母から電話がかかって来る。近くまで来たから寄ってもいいかという内容。
 両親と祖父母が来る。もし仲が良くないようなRPなら祖父母だけ寄越す。)
その家族の中に祖父がいることに探索者はなんの驚きも覚えないだろう。
祖父へおはよう、と言った探索者は、祖父の笑顔にふと何かを感じるはずだ。
<アイデア>を振ってみてほしい。成功したなら、祖父には早くに亡くなってしまった弟がいたということを思い出すだろう。
かつて見せてもらった写真の中で笑う祖父の弟は、夢の彼に似ていたということにも、思い至るはずだ。


<生還に関して>
探索者生還:1d3
親友生還:1d3+2
最後の<アイデア>成功:1d5

ちなみに親友に夢の話をしても、「へぇ。そうなんだ」程度の返事しか帰ってこない。
夢の中の親友は、祖父の弟が作ってくれた明かりだったためである。そのため僅かではあるが道を教えてくれたり、周囲が少し照らされる。

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