フィギュアの作り方に関する情報をまとめるwikiです。原型制作からお披露目まで動画付きで初心者にも分かりやすく説明します。

原型素材の種類について

フィギュア制作の素材にはそのまま最終原型にできる素材と、別の素材に置換して最終原型にする1次原型向けの素材、補修用の素材があります。素材探しは原型制作の楽しみの一つだと思います。紹介しているもの以外の素材を探してみるのも良いでしょう。
最終原型に用いられる素材は最終的に変形しずらい硬度に変化する素材が用いられます。
1次原型に用いられる素材は時間がたっても変形させられる素材が用いられます。
補修用の素材には細かいキズなどにも流しこみやすい素材が用いられることが多いです。最終原型と同じ素材を用いる場合もあります。
最終原型にはファンド(=石粉粘土)、ポリエステルパテ(ポリパテ)、エポキシパテ(エポパテ)、スカルピー等の素材が用いられることが多いです。

ファンド(石粉粘土)

ファンドは乾くと硬化する素材です。
紙粘土と同様で、硬化する前に盛り付けて形を出し、
硬化後はナイフなどで削って造形精度を高めていくといった使い方をします。
硬化前は水でやわらかくしたり、表面を整えたりすることができるので、原型制作時に有機溶剤に触れる機会は少ないです。
さらに、若干ながら他の素材に比べて価格が低いため、初心者の方にもオススメしやすい素材です。
ファンドのより詳しい使い方はこちら
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ニューファンドアートクレイ厚み次第(数分〜数時間)模型店には良く置いてあるファンド。ファンドの中では固めの素材で、硬化後の密度が高いのが特徴。フィギュアのような精度の高い造形に向いているファンドだと思う。
ラドールパジコ厚み次第(数分〜数時間)球体間接人形などドールの製作でよく使われてる気がする軽いファンド。

ポリエステルパテ

ポリパテは主剤と少量の硬化剤を混ぜることで硬化する素材です。
硬化前はマヨネーズのように形を維持できない位のやわらかいペースト状の素材で、硬化剤と混ぜた後、必要なだけ盛り付け、硬化後にナイフなどで削って形を出していくような使い方をします。
ポリパテのより詳しい使い方はこちら?
注意:有機溶剤の臭いが強い素材です。初めて扱う素材としては少し抵抗があるかもしれません。ある程度造形に慣れてから扱うことをオススメします。
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モリモリウェーブ1時間どこの模型屋に行っても取り扱っているポリパテ。はじめてポリパテを扱うならこれを選択するのが無難。多くの造形師が愛用している模様。
スベスベウェーブ1時間モリモリに比べて固めのポリパテらしい。使ったことはないが、モリモリと比べて取扱店は少ないがおいてあるお店もちらほらある。
ドロドロウェーブ1時間盛って造形するというより型に流し込んで用いるためのポリパテらしい。1次原型の素材を置換するには優秀そう。

エポキシパテ

エポパテは主剤と硬化剤を混ぜることで硬化する素材です。
硬化前でも油粘土のように造形できる程度の硬さがあるので、形を作りながら盛り付け、
硬化後にナイフなどで削って造形精度を高めていくといった使い方をします。
エポパテのより詳しい使い方はこちら?
注意:必須ではないですが、原型の表面を整える時など、シンナーを用いた方が扱いやすい素材です。この点を考慮すると初めて扱う素材としては少し抵抗があるかもしれません。ある程度造形に慣れてから扱うことをオススメします。
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エポキシパテ(軽量グレータイプ)ウェーブ1時間素材自体が形状を捉えやすい灰色になっている。個人的には一番オススメしたい素材。
木部パテセメダイン30分かなり硬化時間が短い素材。価格も安く使っている原型師もちらほらみかける。ただし、造形用ではないため素材の目が粗く、少量混合すると硬化不良を起こしやすい。

スカルピー

スカルピーは高温で熱する(焼く)ことで硬化する素材です。
焼くまでは何時間でも変形させることができるため、しっかりと造形したのち、焼いて固めるといった使い方をします。
焼き固めた後は他の素材に比べて柔らかいため、細いパーツの成形には向いていません。
スカルピーのより詳しい使い方はこちら
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プリモ!焼き30分焼き固めた後、切削するといった使い方もできる。
fimo焼き30分素材自体に色がついているため、そのまま完成品にすることもできる。
1次原型にはインダストリアルクレイやワックスが用いられることが多いです。3Dプリントの出力を1次原型とする場合もあるようです。

インダストリアルクレイ

インダストリアルクレイは熱することで軟化し、常温に戻すと硬化する素材です。
熱することで塑性加工しやすくし、クレイを盛り付けて大体の形を出す。
その後、クレイの温度が下がって硬くなったら削ったり馴らして形を整えるといった使い方をします。
硬化するといっても力を入れれば変形させられる程度で、細いパーツを作るのには向いていません。
時間がたっても暖めれば柔らかくなるという特性から、繰り返し利用できるので練習用の素材としてオススメです。
インダストリアルクレイのより詳しい使い方はこちら?
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アルテ65新日本造形10分65度以上で軟化するインダストリアルクレイ。目も細かくフィギュアの造形にも用いることができる。夏は常温でも硬度が変わるので、高温で軟化するクレイのほうが使いやすいと思う。
アルテ57新日本造形10分57度で軟化するインダストリアルクレイ

ワックス

インダストリアルクレイと同様に熱することで軟化し、常温に戻すと硬化する素材です。
インダストリアルクレイと比べて軟化させるのに必要な温度が高く、硬化時の硬度が高いのが特徴です。そのまま原型にすることも可能です。
硬化した状態のワックスを削って形を出し、盛りが必要な箇所に熱して柔らかくしたワックスを付け足すといった使い方をします。
時間がたっても暖めれば柔らかくなるという特性から、繰り返し利用できるので練習用の素材として利用することができます。
注意:軟化温度が高いため、ワックスペン(ハンダゴテのようなもの)を用いる必要があります。導入としては少し難易度の高い素材かもしれません。
ワックスのより詳しい使い方はこちら?
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SDWAXSOLIDDESIG1分よくオススメされているワックス。切削感はスカルピーの硬化後のような感じで、硬度は冷蔵庫に入れたインダストリアルクレイくらい。
補修用の素材にはラッカーパテや光硬化パテ、接着剤が用いられます。

ラッカーパテ

有機溶剤が揮発することで硬化する素材です。
絵の具のように若干の粘度を持っており、シンナーと混ぜることで粘度を下げることができます。
この粘度を生かしてキズやヒケがある部分に塗りつけ、硬化後にナイフややすりで成形するといった使い方をします。
ラッカーパテのより詳しい使い方はこちら?
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タミヤパテ田宮模型10分ポピュラーなラッカーパテの一つ。ラッカーパテはどれを使っても大して差はない。

光硬化パテ

紫外線に反応して硬化するパテです。
ラッカーパテと同様に粘土の低い素材で、弱い光の中で補修箇所に塗りつけたのち、強い光にあてて硬化させるといった使いかたをします。
強い光に当てるまでは硬化しないため、補修材の塗りつけは時間をかけて行うことができ、光にあてるとすぐに硬化するため、短い時間で補修作業を進めることができます。
光硬化パテのより詳しい使い方はこちら?
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タミヤ光硬化パテ田宮模型1分ポピュラーな光硬化パテ。若干高価なパテだが補修用に1つは持っておきたい。

接着剤

説明不要の接着剤です。
硬化するので補修用の素材として用いることができます。
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シアノン高圧ガス工業10分白い瞬間接着剤で、硬化後の切削感も上々ということで、ガレージキットの補修等に用いられる。補修に用いる瞬間接着剤ならこれ
プラリペア武藤商事5分硬化後にアクリル樹脂に変化する造形補修材。硬化後も扱いやすそうな素材。
瞬着硬化スプレーウェーブ5秒硬化まで意外と時間がかかる瞬間接着剤ですが、これを一瞬で完了させるスプレーです。意外と必需品です。

このページへのコメント

すいません分かりやすく説明されていました、参考にさせていただきます

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Posted by 良 2016年05月28日(土) 10:15:59 返信

削る道具も紹介してほしいです

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Posted by 作りたい 2016年05月28日(土) 10:07:04 返信

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