季節は夏
宮間翔は、年の離れた友人である木賀 代から、パーティへの招待を受ける。
宴は夕刻より。晩餐も振舞われるとのことであり、彼の家に宿泊する許可も得られた。
友人を連れて来ても構わないとの事だったため、幼馴染である小長井まゆ、Iseh=Woolfと共に木賀の家を訪れる事となった。
郊外の森の中、古風で趣のある館…そこが木賀の住処であった。
館に到着した彼らは、やがて人知を超えた現象による惨劇を目の当たりにする事となる。
永い夜が、始まろうとしていた。
結末
館を覆っていた、生きている暗闇は消え去った。
そして、『子供たち』を狙っていた異形の化け物も、十字架に磔にされたまま、断罪を受けた。
この夏の夜の出来事は、あまりにも正常な世界の事象からかけ離れていた。
宮間翔の頭の中から、優しく大きな掌で自分を包んでくれた『父の記憶』が崩れ去ってゆく。
後に残ったのは、自分が『人外の子』であるという、やるせない事実だけであった。
人智を超えた現象は、生き残った者たちの心に、深い傷跡を残したかもしれない。
それでも、永い夜は終わりを迎え、新たな一日が始まろうとしていた。
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