ここは、クトゥルフ神話TRPGのオンラインセッションに関する各種情報がまとめられているWikiです。


キーアイテム「イカヨピコロ」様、近影。
この「イカヨピコロ」の大小様々な円盤部分を「これヨグ=ソトースに似ていません?」などと考えた人がいたらしいです。主に私ですが。

はじめに

どどんとふ使用のオンラインセッション用3-5時間卓です。
アイヌ民話をベースにしたオリジナルの神話生物「キムンカムイ(熊の精霊)」が登場します。
異世界クローズドサークルですので「PCの行動/KPの発想」次第でアレンジは容易だと思われます。
推奨技能は<目星>くらいでしょうか。(他の技能も活かせなくはないです)

異空間と化した地下鉄車内で不可思議な祭器を手にした探索者たちが、如何にして脱出を図るか、といった内容です。

<シナリオ進行>
1:乗り合わせていた地下鉄車両(七両編成)が次の駅に到着せず、無限に走り続ける不可解な状況になる
2:近くの座席には謎の祭器(イカヨピコロ、詳細は後述)とメモが
3:最初にいた六両目(最後尾は七両目)から、地下鉄車内を探索してゆく
4:以前に巻き込まれた犠牲者たちのメモなどを手掛かりに不可思議な祭器の謎を解き、上手に処分できればクリア

舞台

札幌の市営地下鉄をモデルにしていますが、探索者たちが乗り込んだ地下鉄は「1920sニューヨーク」でも「2010s東京」でも「どこか」でも問題ありません。

地下鉄自体や運営会社に問題があるわけではなく、不思議空間発生の原因は、ひとえに「アイヌ民族の遺したイカヨピコロという祭器」にあります。
アイヌ民族の崇める神(カムイ)にヨグ=ソトースが混ざっていたという冒涜的な設定です。関係者の方、創作ですので御許しください!

これは「ヨグ=ソトースの時空を操る能力で、周囲の空間を脱出困難な不思議な世界に変えてしまう」という傍迷惑な代物です。
(探索者は知りえない情報ですが)これを地下鉄に持ち込んだ過去の犠牲者が、意図せず作り上げてしまった不思議空間。それが今回の舞台です。

七両編成の地下鉄

上記のような構造となっております(シンプルな構造なので、これをそのまま共有メモに貼り付ければマップの代用にならなくもないです)

また七色に光る球体の集塊であるヨグ=ソトースに因んで、この列車の「七両目」から「一両目」までには、それぞれ以下のような「イメージカラー」があります。
また、時空を司る神であるヨグ=ソトースに因んで「七両目」から「一両目」までには、以下のような「象徴する時代」が与えられています。

イメージカラー/象徴する時代

このイメージカラーは前述した不可思議な祭器(イカヨピコロ)の謎に大きく関わってきます(ので、PLさんに公開してゆくタイミングは徐々に、慎重に)
詳しくは後述。

導入

一例

六両目(最初の車両)の情報

・イカヨピコロとメモ発見
<座席の上に「それ」は無造作に放り出されていた>
<縦15cm横60cmほどの長方形の形をした、木製の「それ」には>
<中央に巧みに描かれた不可思議な模様と>
<そして……大小様々な円形の金属板が付いていた>

[メモ内容]
「この外なる神の祭器を入手してしまったがばかりに、もう私は長くないだろう」
「私が次の駅に辿り着くことは、恐らく二度とないのだ」
「誰か、どうか……私に代わって、この祭器を闇へと葬り去って欲しい」
「普通の方法では無理だ」
「何度でも戻ってきてしまう」
「もはや狂ってしまった友人が幾度も呟く『赤から外に捨てろ』とは一体……」
<メモはここで途切れている>

イカヨピコロに対するロール

考古学ロール
<これはイカヨピコロという、アイヌ民族の儀礼具だ>
<日本で言えば江戸時代以降……比較的新しめの時代に作られた品だろう>
<模様は漆と金粉によって描かれた「蒔絵」という技法であり>
<状態はワレも少なく良好>
<仮に骨董品店に持ち込めば30万円以上で売れるのではないだろうか>

歴史ロール
<これはイカヨピコロという、アイヌ民族の儀礼具だ>
<大小様々な円形の金属板は「力強さ」を表す>

オカルトロール
<これはイカヨピコロという、アイヌ民族の儀礼具だ>
<どこかで、この大小様々な円形の金属板こそが「神の姿」だと聞いたことがある>

一両目/二両目/三両目/五両目/前方車掌室/後方車掌室の情報

それぞれの車両はスライド式の扉(ガラス窓付き)で仕切られております。

前方車掌室/後方車掌室

<目星>などで、あちらこちらの座席の隙間などから見付かるメモたち

<目星>で発生する「キムンカムイ」出現フラグ

<聞き耳>で聞くことができる冒涜的な詠唱

探索者に「タイムリミットが近付いている」と御報せするためのイベント

四両目の情報(キムンカムイ出現)

<ぼんやりと車内の闇の中、光るものが見える>
<それは……得体の知れないものだった>
<3m以上はありそうな巨体を屈めて>
<のっそ、のっそと優雅に歩んでいる……それは猛獣のようでいて>
<明らかに普通の猛獣ではない「何か」であった>
全員[正気度喪失1D3/1D6]どうぞ

キムンカムイ

キムンカムイに対するロール

歴史ロール
<あなたは知っている>
<アイヌ民族が、熊を「キムンカムイ」と呼んで崇めていたことを……>

生物学ロール
<外見のみで言えば……ぼんやりと光っていることを除けば>
<動物界脊索動物門哺乳綱ネコ目(食肉目)クマ科の最大の構成種>
<「ヒグマ」のように見えた>

(スペシャル/クリティカルなど)生物学ロールで良い目が出た場合の追加情報
<この「何か」は「ヒグマ」のように見えて「ヒグマ」ではないようだ>
<本来は聴覚と嗅覚の鋭い「ヒグマ」であるが>
<どうやらこの光る「何か」は、目標を捉える上で、視覚に依存しているようであった>

キムンカムイの役割

・勇敢さを示せば、後で「イカヨピコロ」を投げ捨てるときに窓を壊してくれる御助け要員
・襲ってはくるが四両目から外には追ってこない障害物
など、様々な立ち位置が考えられるでしょう。

七両目(未来の事故の際の先頭車両)の情報

この七両目の窓から「イカヨピコロ」を投げ捨てればシナリオクリアです。
他の場所から「イカヨピコロ」を捨てても何も起こらず<目星>ロールで座席の隙間に、あるいは探索者の荷物の中に「イカヨピコロ」は静かに戻ってきています。

七両目到着時の描写

<赤、赤、赤、赤、真っ赤!>
<あなたたちの視界は朱に染まる>
<先ほどまでは普通だった、七両目が>
<吊革から座席、床から天井に至るまで、赤一色に染め上げられていたのだ>
<見ればそれは「夥しい量の鮮血」である>
<鼻を突く臭気は、紛うことなく錆びた鉄のような匂いで……>
<突然に現れた血の海の光景に、あなたたちは惑う>
全員[正気度喪失1D3/1D6]どうぞ

目星ロール
<車掌室への扉を含む後方の壁のみが、不自然なまでに血飛沫を浴びていないように見える>

実際に後方の壁に触れてみると……?
<あなたの手には、べったりと血液が付着した>
<車掌室への扉を含む後方の壁は、血に塗れていないのではない>
<何故か「透明な血」が付着しているのだ……>
<いや、付着した血が透明になっている?>
全員[正気度喪失0/1D3]どうぞ
(裏話ですが、後方車掌室は「INFRARED(赤外)」つまり透明なので、後方車掌室に付着した血液は不思議なことに透明になっております)

「闇より深い闇」の到来

七両目から外にイカヨピコロを捨てるクライマックス展開/リアルタイムリミットなどの事情で発生した全滅処理などで、この「闇より深い闇」は到来します。
(リアルタイムリミットが存在する場合、事前アナウンスがあることが望ましく、また全滅よりは1、2人生き残らせるほうがドラマ性があるでしょう)

「闇より深い闇」の到来の描写

<あなたたちは気付く>
<既に闇の中にいるというのに、さらに濃い「闇」が迫ってきているのだ>
<響いたのは……あらゆる動物の鳴き声を混ぜ合わせたような、不快な雑音>
<「闇」に捩じれながら呑み込まれてゆく吊革や椅子が見える>
<あれに触れたら、生きて帰れないだろう>
<一目でそう分かった>
<「闇」は、ゆっくりと、ゆっくりと迫ってきている……!>
全員[正気度喪失1D3/1D20]どうぞ
※「闇」に接触してしまった場合「闇」が探索者を引き摺り込む力強さは「STR:30」
※七両目の窓は(他の場所の窓もそうですが)開かず、壊すには[窓の耐久:15]にダメージを与える必要があります
※「闇」が迫る中、窓を壊して外へ「イカヨピコロ」を捨てることができれば、シナリオクリアとなります

ヒント集

今回の謎(この神話的異空間からどう脱出すればいいか)は「七両目からイカヨピコロを捨てれば解決する」ことが解答となります。

ですが、探索者が謎を解けないから全滅……というよりは、自然に謎を解いて楽しんで頂くほうが楽しいセッションになるのではないでしょうか。
ということで、謎解きのヒントとなりえるオプション(つまり、出しても出さなくてもいい)情報集です。

イメージカラーを利用したヒント

「七両目=赤」と分かれば「赤から捨てろ」と繋がって「七両目からイカヨピコロを捨てる」のが正解と辿り着ける可能性があります。
それには
「ポスターの配色がオレンジ中心であることが分かった」「その車両に到達した瞬間、一瞬だけ視界が青く染まった……が、よくよく見てみれば何もなかった」
など、車両ごとのイメージカラーをさりげなくPLさんたちに御報せしてゆくことで<物理学><アイディア>などから「虹の七色と関係があるかもしれない」と仄めかす手が使えるでしょう。

「地下鉄の先頭車両は一両目のときも七両目のときもある」

ということを<アイディア>や<知識>で情報として出してしまっても問題はありません。
リアルアイディアで気付けたほうが楽しいかとも思いますが、ここで詰まってしまって時間をロスしても勿体ないと判断された場合にどうぞ。

ポスターの細かい時代

探索者の年齢によっては、見覚えのあるポスターがあって、どの車両がどのくらい昔なのかが分かることもあるかもしれません。

呪われていて外せない

イカヨピコロに最初に触れた人物が
一両目だと-25歳/二両目だと-20歳/三両目だと-15歳/四両目だと-10歳/五両目だと-5歳/六両目だと±0歳(そのまま)/七両目だと+5歳
くらいの年齢変化をしてゆく呪いに掛かります。
これを採用した場合、その探索者のSIZは変化してゆき、年齢次第では「0歳未満になってしまって消滅/ロスト」などということも発生するでしょう。
ただ、細かく変化してゆく年齢は「七両目側が未来、一両目側が過去」という重要情報を体現しており、大きなヒントとなりえます。

喋り出すキムンカムイ/車掌

別に話してはいけない決まりなんてありませんよねU・ェ・U <場合によっては重要なヒントをあげましょう!

エンディング

<「それ」が闇の中へと消えていった、その途端>
<ぐにゃり、と何もかもが歪んだ>
<歪みの中へと落ちてゆくあなたたち>
<>
<にさった=かむい><ぬまん=かむい>
<よぐそんの=とぅいま=かむい>
<>
<不気味な声が、次第に遠ざかってゆく>
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<>
<>
「終点、終点、御荷物等、御忘れ物のないように……」
<あなたたちは、車内アナウンスで、がばっと身を起こした>
<そこは明るく照明で照らされている……地下鉄の車内だ>
<降車予定だった駅は過ぎてしまったかもしれないが……見渡しても、もはやそこに「不思議」は見当たらない>
<あなたたちは全員、無事に現実世界へと帰還することができたのだ>
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<>
<>
<『地下鉄の怪』……END>

おわりに

・募集の際の難易度表記/SAN報酬などはKP諸氏に御任せしますが、私の感覚では☆☆☆/2D10くらいです
・「未来の事故(具体的には5年後にそれは起こるはずでした)」は、探索者たちの(終了後の?)提案次第では防げることとして大丈夫です

・使用/アドリブ/改造/あらゆる媒体でのリプレイ公開は無断で行ってくださって大丈夫です
・セッション募集/改造後の再配布/リプレイ公開などの際に、一応ですが作者名(猟犬倶楽部)を入れておいて頂けると嬉しいです

このページへのコメント

お借りします

0
Posted by 明星 2015年05月02日(土) 18:31:35 返信

シナリオをお借りして、セッションをやらせて頂きます!

0
Posted by そら 2014年06月21日(土) 12:55:44 返信

おお、そうでしたか。サプリにでも載ってても違和感がなさそうな内容だったので驚きました。

0
Posted by Vector 2013年12月29日(日) 15:49:12 返信

オリジナルの舞台装置(ヨグ=ソトースの化身)です。何らかの事情でステータスが必要になったときは自由に決めて頂けます。
また、ここで追い掛けてきている物はショゴスでも(ルールブックのデータより)巨大な無形の落とし仔でも、シナリオ上そこまで問題はありません。

0
Posted by 猟犬倶楽部 2013年12月29日(日) 03:09:28 返信

「闇より深い闇」のデータが何処から出たのかを教えて頂きたいです。

0
Posted by Vector 2013年12月27日(金) 18:44:14 返信

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