1-615 無題

「……んっ……ちゅ、……んはぁっ」

 二度目のキス。
 微かに開けられた口に舌をねじ込み、彼女の舌に絡ませる。
 くちゅくちゅと鳴る音が、どこかリアルで生々しい。
 夢中になっているのか、彼女は時折苦しそうに喘いで空気を求めた。

「んん……、っあ……やあっ」

 口を離そうとすると、彼女は小さくいやいやをする様に首を振りながら、更に強く自分の口を押し付けてきた。
 ―――離れたくない。
 いつも以上にべったりとくっつけられた彼女の身体は、普段体温の低い彼女とは信じられない程に熱を持っている。
 口付けたまま指で下着にそっと触れると、彼女は切なそうに身を捩じらせた。

「ほし……」

 目を潤ませて彼女が呟く。
 ―――欲しい。
 そう聞こえた気がして指を動かすと、彼女は首を振り、俺の耳元でそっと囁いた。










「…………………………ほしゅ」
2008年07月20日(日) 12:55:26 Modified by amae_girl




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