2-547 無題

435 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/06(土) 23:04:44 ID:aq+p5pZI
子供ができてもその子(小学生くらい)が引くくらいに、ひたすらベタベタイチャイチャするというのはどうだろう

436 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/06(土) 23:14:44 ID:9N9Adbqp
子供視点から見た両親か、新しいな

437 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/06(土) 23:30:16 ID:HkXAM1B3
万年新婚さんで、そんな親に呆れてクールに育つ息子

その子は甘えん坊の女の子に懐かれて…


歴史は繰り返される

547 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/15(月) 08:42:22 ID:i9273BAA
>>435-437辺りに影響されて細々書いていたブツがやっとこさ完成
毎度の事ながら文才も濡れ場も無いですが投下



「由佳里〜じゃあ行ってくるよ!」
「行ってらっしゃい!ヒロ君♪」

ギュ

年頃の娘がいるというのに、我が家のアホ夫婦は
相変わらず朝っぱらから見せつけてくれる。
・・・つーか二人とも36歳にもなってよく未だに一緒にお風呂に入ったり、
同じベッドで寝たり出来るものだ。
私はハート型に焼かれた目玉焼きをトーストに乗せてかじりながら、
冷やかな視線でアホ夫婦を観察した。

「あのさあ・・・もう時間なんじゃない?」
私はそう言いながらエレガントに紅茶を一口飲んだ。

「まあっヒロ君大変よ〜!遅刻しちゃうわ!!」
「な、なんだって!?もう由佳里と離れて仕事に行かなくてはいけないのかい?
ああ・・・世界はなんって不条理なんだ!!」
「そんな不条理な世界でも二人で力をあわせて生きていきましょうね!ヒ〜ロ君♪」
・・・娘はどうでも良いのか?

「そうだな!じゃあ今度こそ行ってくるよ」
「行ってらっしゃ〜い♪」
母は玄関で父に投げキッスすると手をブンブン振っている。
対する父は投げられたキスをパクッと食べる動作をすると、
玄関の脇にある戸の鍵を開けて中に入っていった。

言い忘れていたけどウチの父は建築士で、自宅の隣に事務所を構えている。
そうゆうわけで先程の母の『遅刻する』発言は全く意味がない。
ただそう言ってベタベタするための口実を作っているに過ぎないのだ。

父曰く「お母さんは昔からあんな感じで
付き合い始めてから俺も洗脳されてしまったよHAHAHA」とのことだ。
昔から近所でもラブラブで有名だったらしく
「あんなに仲の良い両親で明美ちゃんは幸せだね〜」
と耳にタコが出来るほど言われたっけ。
どいつもこいつもおめでたい人ばかりで参る。

「ごちそうさま。じゃあ私ももう学校行くからね〜」
母にそう言うと私は食べ終えた食器を流しに置いて仕度をした。
玄関でローファーを履いていると母が近付いてきて
「アーちゃん最近やけに登校するのが早くない〜?
もしかして好きな人でも出来た?」
と言われて焦った。
こうゆう時の母は鋭いから困る。

「べ、別にそんなんじゃないよ!
ただケビンが登校がてら町を案内して欲しいって言うから・・・」
私は動揺しながらそう説明すると2週間前に転校してきた男子の事を考えていた。

「ケビン君ってこの間話してたハーフの転校生?」
「うん」
「そっかぁ・・・アーちゃんも恋しちゃったんだ〜」
「だから誰もそんなこと言っt」
「将来は国際結婚か〜♪アーちゃんやるぅ!」
勘違いしてる母に誤解を解こうとしたが無駄だった。
・・・もう放っておこう。
「行ってきます・・・」
「行ってらっしゃ〜い!」
後ろから聞こえた無駄に明るい母の声がやけに癪に障った。。

自宅から歩いてすぐのコンビニに向かう。
コンビニでお茶を買って外に出ると、丁度ケビンが来たところだった。

見た目は外人っぽいが
「朝ごはんは白米に納豆、豆腐の味噌汁がデフォ」
と豪語したり妙に日本人臭い一面がある。

「おはよう明美。How are you?」
「アンタねぇ・・・日本語と英語を混ぜて使わないの!胡散臭い人みたいよ」
「Sorry、次から気を付けるよ」
「言ってる傍から使うな〜!」
「あ、明美?何で朝からそんなにヒステリックなんだい?」
「うるさい!アンタに関係無いでしょ!」
「う〜ん、もしかして『あの日』なのかい?女心って実に難しいね☆」

ケビンはそんなこと言いながら親指をグッと立てて片目を閉じ笑った。
・・・私は深く息を吸い込むと、この胡散臭いハーフの頬に拳を叩き入れた。
「バカなこと言ってないでさっさと行くわよ!」
そう言って私はスタスタ先へ歩いていった。
後からケビンが頬を押さえながら付いてくる。
「今日はどこを案内してくれるんだい?」
「とりあえず通学路途中の商店街。
通学がてらザッと案内して、帰りに詳しく説明するわ」
「オッケー!じゃあ行こうか?」

私達は食パンをかじりながら走る女子高生が
曲がり角で美少年とぶつかってときめいたり、
覇気に溢れた会社員が恐そうな服着たお兄さんの胸ぐら掴んで
「サラリーマンを舐めんじゃNeeeee!」
と叫んでいる商店街を高校に向けて歩いていった。


―――それから何度も季節が移り変わり、高校を卒業した年に私達は結婚した。
結婚に至るまで色々あったけど、ここでは省略。
思い出は心の中に秘めてこそ思い出なんだし。
いつか子供が大きくなったら話してみようかな。

ケビンの家に挨拶に行くとご両親が温かく歓迎してくれてホッとした。
次に我が家へ報告に行ったんだけど・・・


「ヒ〜ロ君!やっぱり私が行った通りになったでしょ♪」
「由佳里〜!あ、明美が、明美がぁ!
小さい時はパパ、パパとべったり甘えてきたあの明美がぁ!
俺達二人の愛の結晶がぁぁぁぁぁぁっ!!」
・・・聞いてる方が死にたくなるようなセリフを何叫んでやがりますか。

「もう〜っ良い歳した大人が駄々をこねないの♪
これからは二人っきりになれるんだから・・・ね?」
「ケビン君。娘をよろしく頼む」
なんて薄情な両親だ。
突然真面目な顔をした父が続けて語る
「・・・・・・明美、結婚おめでとう!そしてケビン君。
明美は俺と由佳里の血を引いているんだ。
普段は普通だがスイッチが入るとデレッデレになるんだよ。
それがまた可愛くて可愛くて!」
「・・・ヒロ君、私と明美とドッチが可愛いの?」
「そんなの由佳里に決まってるじゃないか〜!」
「嬉しい♪ヒロ君大好き〜!」

ギュ

え〜っと・・・確か私とケビンの結婚報告に来たはずなんだけど。
なんで両親のノロケを見なきゃいけないのか?

「え〜っと・・・兎に角この度私達は結婚することになりました!」
「義父さん、義母さん、明美さんは必ず僕が幸せにします!」
「まあそうゆうことなら仕方ない。
とりあえず今日はケビン君も泊まっていきたまえ。
今度君のご両親とも話し合っておかないとな!HAHAHA」


―――そんなこんなで寝る時間がやって来た。
「いやぁ〜話には聞いていたけど本当に仲の良いご両親だね!」
私の部屋の床に座っているケビンがこう話しかけてきた。
「見てるこっちが恥ずかしいけどね」
「でもそれだけお互い愛し合っているってことだよ?
それってとても素晴らしいことさ☆」
「私達もあの二人みたいになるかな?」

そう尋ねてみると彼はこう即答した。
「なるよ!きっと・・・ご両親に負けないくらいに」
私がお母さんみたいにケビンに甘えるなんて想像もできない。
でも・・・そんな風に甘えるのも悪くないかな?

「明美、こっちおいで」
ケビンはそう言うと膝をポンと叩いて私を引き寄せる。
言われるがままにケビンの膝に座ると
後ろから腕を回してギューっと抱き締めてくれた。

嬉しさと恥ずかしさで頭が蕩けそうになる。
私は頭をケビンの胸に押し付けてこう言った。


「えへへ・・・幸せになろうね!ケービン♪」


同時間、両親の寝室―――

「いやぁ、ついに明美にもこんな時がやって来たか〜・・・
俺達の子だからいつかこんな日が来るって覚悟してたけど
実際にその日を迎えると寂しいもんだ」

「私達も卒業と同時に結婚したものね!
懐かしいわ〜♪」

「もうあの日から18年も経ったのか。長いようで短かったね」

「私達もあの二人にはまだまだ負けられないね♪」

「あの〜由佳里?話の内容が食い違ってる気g」

「野暮な事は言わないの〜!
アーちゃんを生んでからこうすることがあまり出来なかったんだから」

「相変わらず由佳里は甘えんぼうだな〜」

「今に始まったことじゃないも〜ん♪」

「・・・時に由佳里」

「な〜に?」

「俺達まだ36だろ?
年齢的には少しキツいかもしれないけど初めてじゃないんだ
・・・もう一人子供作らないか?」

「うん・・・ヒロ君が望むなら何人でも産んであげるよ!」

「じゃあ9人!」

「が・・・頑張る」

「冗談だ」

「ショック」

「と、兎に角・・・まずは二人目、作ろうか?」

「うん♪ところでヒロ君?」

「なに?」

「今度は男の子が欲しいから・・・一杯気持ち良くしてね♪」
2008年10月04日(土) 21:06:39 Modified by bureizuraz




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