2-685 お嬢様は甘えん坊1話後編

『ジャー・・・』

台所より、食欲をそそるいいにおいとがしてくる。
また、それと同時にとても気分がいいのか、俺の彼女、明石香苗による鼻歌が同時に聞こえて来る。
さっきちらっと、台所を覗いてみてた光景を俺はリビングのソフォーに腰掛けつつ思い出し、苦笑いを浮べていた。
だってさ、香苗の奴ほんとに『舞うように』って言葉浮かぶくらい、なんだか浮かれて調理してるもんだからさ。
やっぱり、ご馳走してもらう方としても、いやいや物を作られるよりは、自分も楽しみつつ相手の事を思って作ってもらった方が、
何倍もおいしくなるのは、当たり前だし、俺だって嬉しい。
そんな事を考えながら、出来上がりを楽しみにしつつ、いつもの日課だけはすませないとなと、考えた俺は、台所に足を運び香苗に声をかけた。

「香苗」
「何?戒君。手伝ってくれるのかな?うん、手伝って欲しいかな」
「いや、そうじゃなくて・・・」
「前みたいに、手伝ってくれると嬉しいな・・・・・・・・・」

い、いかん・・・香苗さんが、以前の状態に少しトリップなされてる。

「いや、あんときと同じ事したら・・・」
「ウフフフフ・・・じゃ、戒君は、私の後ろに立って・・・」
「こら、ストップ!」

パンと、こっちを向いてにやけてる彼女に向かって、手のひらをパンと一つならす。
はっと、目に力が入って驚いた顔した、彼女を見つつ、

      • 何か、俺、催眠術師みたいじゃないか・・・

と苦笑を禁じえない俺が、苦笑いを浮べていると、香苗もちょっと自分の態度を反省したのか、恥ずかしそうに

「そうだね、あの時と一緒だったら、また料理失敗しちゃうね・・・?ごめんなさい」

と素直に、はにかみつつ謝ってくる。
まあ、以前にそのなんだ、俺が前で料理していた香苗に対していたづらしちゃった事で、香苗が折角の料理を台無しにしちゃった事は、
俺にも責任はあるんだから、こういう風に謝る必要はないんだけどな。
しかし、改めて制服の上からエプロンをかけて調理している、自分の彼女を眺めている事の幸せに少々酔いしれながらも
(だって、滅茶苦茶可愛いんだから仕方ない・・・)、やっぱり少しいたづらをしたくなってくるのは・・・そのしょうがない・・・よな?
なんて、自分に良い訳しつつ、香苗に近づく。

香苗は、香苗で何故か真面目な顔で近づいてくる俺の顔を首を傾けながら、こっちを覗き込みつつ、調理していたものの火を止め、
俺がくるのを待っている。
ちょっとの、疑問と、ちょっとの期待を両目にやどしつつ。

俺は、香苗の直前で止まり、頭を下に向けため息を吐く。

「・・・どうしたの・・・?」
「はあー、自分の魅力をわからないってのは、ほんとに罪じゃないかと、君に伝えたい・・・」
「ふぇ・・・?」
「無意識なのが、ほんとにたち悪いよな・・・。俺は、お腹がすいてるだけなのにさ・・・」
「???」

というと、俺は一気にぐっと距離を詰め、少々強引ながらも華奢な彼女の体をぐっと抱きしめる。

「か、戒君・・・?」

いつもは、自分から率先して抱きついてくる側なので、抱きしめられてない香苗は、この行動だけで一瞬で動揺を示す。

「えっ、えっ、えっ・・・?や、やだよー、戒君・・・は、はずかしいよ・・・」

声尻が徐々に下がりつつ、羞恥を声で示す。
しかし、そんな事で俺は許してやらん。
俺は、当初の俺の目的を忘れつつあることに、目を背け、さっき以上に彼女のきつく抱きしめる。

そして・・・

「香苗は、可愛いな・・・。俺の彼女が君だなんて、今でも俺は信じられない気分なんだ・・・、なあ、これってほんとは長い、長い夢なんじゃないかな・・・?」

と常々、いや毎日思わないでもない言葉を始めて、香苗に対して吐いてみる事にしてみた。
だってな、やっぱりこれはどうなんかと思うんだ。
余りにも、俺の願望を目の前に現した彼女が俺の彼女としていてくれていて、その子が俺が信じられないくらい俺に思いをくれている。
現実、彼女は、まさに非の打ち所が全くない彼女だし、現実を現実として受け止められない気持ちになるのは、ほんと毎日の事なんだ。
世の中、美人は三日で飽きるという言葉もあるが、香苗は、常に新鮮な感動を俺に与えてくれる。
また、それが可愛いんだから、はんぱない。
本人自覚ないかもしれないんだが、普段が淡々としている彼女だから、今のこの俺の前だけで見せてくれる姿が尚その破壊力を増しているのも気のせいで

はないだろう。
だからこそ、この現実を中々素直に受け入れられるような、心の余裕(大人の余裕かな?)がない俺には、今でもこれが夢としか思えない時が多々あるんだ


(途中から、相変わらずほっけ気味になっている点は、すまんあやまらない。しかし、俺も難儀な性格してるんかな?w)

少し抱きしめていた力を抜きつつも、彼女をすっぽり包み込んだ状態で、彼女の顔を眺めていると、今度は香苗の顔が一瞬できり変わる。
その綺麗な顔を一瞬くしゃっとさせ、そして笑顔を浮べつつも、吸い込まれそうなほど漆黒な黒い双眸から、一滴の涙があふれだす。

「戒君・・・、私も一緒だよ・・・?戒君は、自分に自信がなさすぎるよ・・・」
「香苗・・・」
「この際だから言うけど、戒君は、戒君が思っているより、ずっと、ずーーーーと、素敵な男の子なんだよ」
「・・・」
「周りがどう言おうが、自分でどう思っていてもね」
「うん」
「私にとっては、御堂戒って同級生は、どこにいる同年代の男の中では、一番魅力的で、一番大好きな男の子なんだよ」
「そうか」
「それでいいんじゃないかな・・・?」
「そうだな、ごめん」
「う、ううん。私も同じに思う事もあるから、だから私も毎日、戒君に嫌われないように一生懸命頑張ってるんだもの♪」
「いや、香苗は、もう頑張らなくても・・・w」
「いーや、やっぱりなんだかんだで、戒君は、私のこと必要以上に見すぎてる部分があるから、がっかりされないように尚頑張るんだよ!」
「じゃ、そんな風に見ないからw」
「無理ーーーー♪」

というと、香苗が、顔を俺の胸に押し当ててくる。
なんだかなー。やっぱりどうしても、俺の方が餓鬼らしい・・・。
香苗がそんな風に考えて、尚自分を高めようとするなら、俺は後どれだけ、頑張ればいいんだろう・・・?
中々困難な道だけど、最低学校の連中に認められるぐらいの努力はやっぱり続けなきゃいけないんだろうな・・・。
じゃないと情けなすぎるぞ、御堂戒!
俺は、新たな決意を胸に秘めつつ、香苗の背中と、頭を撫でながら、この香苗の体温と、彼女の匂いに、浸っていた。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「はっ!」
「いやっ!」

武道場に子気味よい声を響かせつつ、俺は無心に木刀を振り下ろす。
全身に心地よい汗をかきつつ、いつもの日課をこなす。
実は、俺の家は、昔ながらの古流剣術の家系で、俺は、その5代目という立場にある。
しかし、俺の両親は、俺がまだ幼い頃に事故でなくしたから、二人の姉に厳しく御堂流の後継者という立場として育てられてきたんだ。
だけど、そんな姉二人も、俺が高校生に上がる頃に、二人とも結婚(冴姉はまだ22だし、美由紀姉なんて20なんだけどな)してからは、
一応本家に一人ぐらしを俺はしつつ、姉達に与えられている日課をこなすという日々を送っている。
これも、俺が一人前の後継者として、家を引き継いでいく期待を二人から、受けてのものだ。
俺自身も、剣術は好きだ。

武道場で一人、自身を研ぎ澄まされた刀身の如く意識を沈め、無心に木刀を振るうのは、自分の雑念、邪念を払ってくれる。
穏やかに流れる時の中に、心身を同一にさせ、一つものに打ち込む事で、自分を無の境地へと導いてくれる。
かっこ良い事を言ってはいるけど、まあ、こんな気分になれるのなんて、ほんとごくわずかな時間だけど。
まだまだ、いろんな意味で俺は修行が足りないんだな、こりゃ。
今日は、香苗の事が気になってしかたないし・・・。
頭には、これからおこるであろう事に、気が取られ、いつもの漆黒の世界ではなく、ピンクな世界が展開されている・・・orz
しかも、そこでは、俺の頭の中で、香苗が全裸で手を広げ、俺に最大級の笑みを浮べてやがる・・・orz
ぶ、武道家としてなんたる事か・・・。
二人の姉に、こんな事が知れたら・・・

      • 冴姉には、全力で泣かれるな・・・。
      • 美由紀姉には、『その惰弱な心身を鍛えなおしてくれるわ!』とのお叱りを頂戴する事だろうな・・・駄目だ、想像したら、死にたくなってき・・・

俺は、ぶんぶんと頭を振り、目の前のピンクの映像を振り払う。
そして、木刀を台座に置くと、その上においてある、刀を新たに握りしめる。
妖しく光る、抜き身の刀身を眺め、正眼に構える。
一瞬の静寂の後、ブン、ブンと縦・横へと刀身を振り切る。
そして、さらに向きを変え、「せやっ!」と上段より、刀身を振り下ろす。
俺の汗が前方へ飛び、その一つ一つのしずくを眺めつつ、刀身を鞘に収める。
ふと、気付くと道場への入り口が開いており、そこから香苗がまだエプロンをしたままの姿で、こちらを覗いて入ることに気付いた。

「な、なんだ、みてたのか?声かけてくれたら、よかったのに・・・/////」
「えっ、えっと、その見惚れてたから・・・/////」

二人して、真っ赤になりながら、苦笑いを浮べる。
俺は、どうしてもこの胴着を着ている姿を香苗を見られるのは、慣れなくてどうしても気恥ずかしくなってしまうんだ。
そして、こう素直な感想だろ?
結構堪らない・・・。
俺は、手に持っていた刀を、台座に置きなおし、香苗へ目線を改めて向けた。

そして、俺はこの雰囲気を変えるために、香苗の右手に握り締められている濡れタオルに目をやった。

「あっ、持ってきてくれたのか?ありがとう。」
「えっ、うん。もうご飯の準備も出来たしね。でもやっぱり、素敵だね。か・・・」

俺は、ちょっとまったと、両手を前に掲げ、香苗を引き止める。

「こっぱずかしい、セリフはここでは無し!」
「えー、素直な感想を・・・」
「駄目!」
「もー」

ちょっと両頬を膨らませつつ、怒った風を装いながら、それでも香苗は近づいてくる。
そして、俺の目の前までくると、俺の胴着を掴んだ。

「おいおい・・・、香苗・・・?」
「はやく、脱いで。拭ってあげるから♪」
「こら!やめなさい!」
「やめないもーん」
「自分でやるからさ」
「だめ、自分でやっても、隅々までできないでしょ!恥ずかしがらずに大人しく拭われなさい!早く脱ぐ!」
「・・・」
「恨めしげな目をしても駄目!」
「なんで、こういう時は、お前の羞恥心は働かないのかな・・・ブツブツ」
「何か言った・・・?」

ちょっと、抵抗しすぎたようだ。
ちょっと香苗の言葉尻が、怖い形になりつつあるので、俺は急いで胴着を脱いで、背中を向ける。
すると、暖かい感触が背中に当たる。
そして、上下に優しく汗を拭ってくれる感触だけが、背中を覆いだす。
まだ、硬直していた、全身の筋肉の弛緩がすぐさま、ぬけていくような感じだ。
そうして、その感触に全身をゆだねていると、背中側から、香苗さんのブツブツした声が聞こえて来る。

『もう・・・人の事、ギャップ、ギャップとかいってて、なんなのよ・・・』
『戒君は、自分で気付いてないから、自分のがとってもたちが悪いって事きづいてないんだから・・・』
『なんか、悔しいな・・・』

      • 香苗さん、ほんと思っている事、言葉に出すのはわざとなんでしょうか・・・

でも、ここで突っ込むと、また彼女の怒りを買うのはごめんなので、恥ずかしながらもそのままで放置する事にする。
さらに香苗さんは、こっぱずかしいセリフを思うがまま、口にしているんだけど、もうなんという放置プレイなんだろうか・・・。
勘弁してくれ・・・。

「はい、じゃ、次、前向いて」
「いや、前は出来る・・・」
「何かいった・・・?」
「ごめんなさい」

もう、どうしてか、ご機嫌斜めらしい。
そして俺は、香苗の方に向くと、彼女をお顔を見てびっくりする。
言葉や、行動は、なんか怒ってるように見えるのに、顔に浮かんでいる表情はなんとも幸福な顔を、今日何度も見る事になる顔を浮べられておられます。

      • ナニ、コノツンデレミタイナコウドウ・・・?エッ、チョットコレツンデレナンダロウカ?

ぶつぶつ、文句と、俺に対するほっけな言葉をつぶやきつつも、俺の前も幸せそうなお顔で俺の汗を拭う。
というか、じょじょに幸せそうなお顔から、エロイ顔に変わりつつあるのは、気のせいだろうか・・・。

『戒君の匂い・・・戒君の・・・』
『汗の匂いって、何でこんなに変な感じにさせるのかな・・・?』

というと、顔が俺の胸元に近づいてくる。
そして、小さなお口から、赤く綺麗な舌が少しでてくると・・・

「ちょ、ちょ!!!!!!!!!まって!!!!!!!!!」

ペロッ



「や、やめなさい!香苗!」

ペロッ、ペロッ・・・ズッズッズッーーーーーーーーーー

「こ、こら!!!!!!」

アムゥ、アムゥ・・・・・・ペロペロペロ・・・

「お願い、ほんとに、お願いやめて・・・」

ペロペロペロ、アムゥ・・・レロレロレロ・・・

      • どうして、擬音がこんなにエロイんだ・・・

なんか、ほんとにとまらなくなるぐらいの勢いで、香苗が俺の乳首を攻めたくってくる。

このままじゃやばい。
まだ、こんな展開は俺の中では、予定がない!
ってか、今日はほんとに予想外の展開続きだけど、やっぱりここでの陥落は、俺的にはなしなんだ!!!!!
と、名残惜しくもぐっと、涙を堪えて、まだ一心不乱に、まるで猫のように俺の乳首を攻め立てている、香苗の両肩を俺は掴み、前へと押しのける。
すると、彼女の口元と、俺の胸元から、いやらしくも、彼女の唾液がのびており、彼女は何故!?というような顔を俺に向ける。
一種の強烈な怒りが、自分のご馳走を目の前から、遮られたことへ対する怒りがその双眸にやどっている。

      • こんな目を向けられるいわれはないんだが・・・

俺は、無言で彼女が正気を取り戻すのを待つ。
エロイ思考に包まれた、香苗が正気に戻るのを、名残を惜しみつつ・・・。

2、3分そんな状態で待つと、やっと自分の取っていた行動に気付いたのか、はっとした彼女は正気に戻って全身茹蛸のように真っ赤になるのでありました



「そんな風になるなら、やめなさい・・・ほんとに・・・」
「だって・・・」

なんだ、彼女反省してない・・・?

「だって・・・?」
「戒君っておいしいんだ・・・も・・・ん・・・」

お嬢様、あなたはやはり変態か・・・

「だから、戒君限定だってば・・・私も自分自身がわからなくなる・・・」

ありゃ?声でてたか・・・。
再度俺は、苦笑を浮べると、彼女の手から濡れタオルを受け取り、自分で前を再度拭うと、脱いだ胴着を掴み道場の入り口に彼女の手を掴み、歩き出す。
ちょっと、名残惜しそうに指をくわえつつ(どこの幼児ですか?w)、俺に言葉なく手を引かれながら、ちょっとしょんぼりした彼女に俺は、
耳元でささやくのを忘れない。

『じっくり楽しい時間は、後のお楽しみでしょ・・・。もう少し待ちなさい・・・』

ぱっと、顔を上げた彼女は、またまた一瞬で満面の笑みを浮べて、2度顔を上下に振るのでありました。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「はい、あーん」
「うまいな」
「はい、あーーん」
「おっ、これもうまい。前の失敗は、ありゃ、やっぱり俺が原因だな。」
「はい、あーーーーん」
「うん、やっぱり、香苗の料理は最高だね」
「か、戒君のいじわる・・・」

誰が、そんなこっぱずかしい真似をせにゃならん。
それだけは、断固拒否だ!

「もう、作ってあげないぞ・・・」
「・・・」
「戒君の好きなもの、作ってあげないんだから・・・」
「ほんとに、おいしいぞ。香苗。俺は、香苗のような彼女が持てて、ほんとに幸せだなー」
「次あっても、戒君の嫌いなものだけで、テーブル埋めてやるんだから・・・」

くっ、負けん!俺は断固として負けん!
この逆境にも、俺は・・・

「学校に、弁当持っていってあげないんだから・・・」
「あー、すいません、香苗さん、俺、あそこのハンバーグが食べたいです」
「♪はい、あーん♪」
「あーん;;;;」
「おいしい?」
「だから、うまいって・・・」

一人暮らしの身として、姉貴連中に生活保護を受けている身としては、昼食の問題はある意味死活問題である俺にとっては、
これだけは、断固として譲れない部分なのだ。
けっ、ののしるなら、ののしれ!
こんな事で、俺は、負け、ない・・・・・・いかん・・・恥ずかしさで死ねる・・・

「なんで、女の子ってこういう事、好きなんだろうね・・・俺にはさっぱりわかりません・・・」
「うーん、なんでだろうね?」

顎に人差し指をかけつつ、そんな可愛らしいしぐさで、彼女はおっしゃられる。
でも、ほんとに香苗の手料理は最高においしい。
お嬢様で、あんまりこっち方面は、得意じゃないんじゃないかと最初思っていた俺も、初めて作ってくれた弁当には感動したものだ。
しかし、学校では、最初教室のその弁当を食べようとした時に、クラス中の男子どもから、おかずを一品ずつくすねられていって(何たって、香苗の手料理

だからな)、最後には、見るも無残な状態になってしまったのは、苦々しい記憶として今も俺の脳裏に焼きついている。
なので、普段は、学校では香苗と屋上で昼食タイムとなっている。
(最初の料理の感想を満足に語れなかった事で、香苗に悲しい顔をさせてしまった事が悔やまれてならないしな。)

でも、それでもこの『あーん』だけにはどうしても慣れない。
俺自身も、以外に自分自身結構馬鹿な自覚はあるんだけど、それでもこれだけは、絶対になれそうにない。
だから、散々いろいろと抵抗するんだけど、そして抵抗するんだから、俺自身の意思表示として、それを香苗に訴えているつもりなんだけど、
彼女が許してくれる事はなく、結局こういう事になっちゃうんだよな・・・。
うー、ほんとこんな拷問は勘弁して欲しい。
そんな感想を持ちつつ、一通り、粗方机の上の料理を平らげると、彼女は自分のリクエストで買ってきたプリンを取りに台所に向かう。

ふー、いつものこっぱずかしい時間を何とか乗り切った俺は、リビングのソファーの上へ移動した。
すると、台所から、香苗が小走りにやってくる。満面の笑顔をともに。
家じゃ、一流の調理人の方々に、いいものを食べさせてもらってはずの、お嬢様なのに、彼女はスーパーやコンビニで売っているような、
プリンが何故かお気に入りのようで、今日もそれを食べられる事に大変ご満足のようだ。
ルンルンなんて、擬音が聞こえそうになるぐらいの機嫌のよさで、俺をリビングに見つけると、一直線に俺へ向かって歩いてくる。

そして・・・

「お、おいおい!」
「♪」
「あっ・・・!」

ソファーに座る俺の太ももの上に、彼女は横なりに座ってしまう。

「ここは、私の特等席だよ♪」

そんな言葉と満面の笑顔をともに・・・。

「予約された覚えはないんだけど?」
「えっ、戒君しらなかったの?」
「うん・・・?」
「戒君が・・・私のものになったときから・・・もう、ここはずっと無条件で私の予約で、ま、毎日・・・一杯なんだよ・・・//////」

くっ・・・!?

俺は、言葉が出てこなくなってしまう。
は、反則だ・・・って、今日このセリフって一体何度目なんだろ?

彼女は、今の自分のセリフに全身真っ赤になりつつも(香苗も何度こんなに真っ赤になってるんだろうね?)、おいしそうにスプーンを口に運び、
プリンを一口一口食べている。

少しでも、反撃したい俺は、

「俺にも、プリン一口頂戴よ?」

ある作戦へと写る事にする。ってか、さすがに我慢の限界だ・・・

「うん、いいよ、はい、あーん♪」
「ちがう、ちがう」
「ふぇ?」

不思議そうに彼女は首を傾ける。

「まず、口に含んで」
「誰が?」
「香苗が、あっ、飲み込んじゃ駄目だぞ?」
「ふぁい・・・あぅむん」
「そして・・・」

がっと、彼女の頭を抱え、俺は香苗の唇を強引に奪い取る。
そして、驚いた顔をした彼女の少し開いた唇から、強引に舌を差し出し、彼女の舌の上に乗っている甘い物体をなぶり取る。

「うーーー、くちゅ…うちゅ」

ちょっと嫌々と、彼女はしながらも、俺はさらに激しく彼女の口元から、プリンと彼女の唾液を貪る。
容赦はしない・・・。

「は……ふぁ…む……ぁく……ぉ……じゅ……じゅる……」

俺は、力の抜けてきた香苗の左手にあったプリンの器を片手で取り上げてから、存分に堪能した甘い彼女の口腔から離れ、
トロンと虚ろな目になりつつある彼女を堪能する。

「香苗?」
「うん・・・?」
「プリン欲しいか・・・?」
「う・・・、うん・・・・・・」

俺の口に入る、プリンをとてもとても期待の眼差しで眺めつつ、香苗は俺が近づくのを歓喜で迎える。

「あみぅ……は…む…うん……じゅ……じゅるじゅる…あぁぁぁ…」
「おいしいか・・・?」
「もっと欲しい・・・」
「そうか、んじゃ、もっとあげよう・・・」

残っていた、プリンを全て含みさらに、彼女の口腔へ流し込む・・・。
もう、香苗は俺の太ももの上で我慢ならないないのか、少しずつもじもじと動いている事を、敏感に俺は察知しつつも、それには触れず、今は全力で、
彼女の咥内を犯す。
流し込まれた、プリンは全て彼女の中に消えたにも関わらず、俺と香苗は尚口付けをやめない。
むしろ、戒の舌以上に香苗の中で火がついてしまったのか、香苗の舌は、戒の舌を味わい、戒の唾液を味わい、キスに酔いしれ、彼を離さなくなる。

「あ…あ……じゅる……じゅ…は……ふぁ…じゅ…じゅる…」
「うっ…(こんにゃろ…)、じゅるじゅるじゅる……」
「ふぁ……はむぅ………」

いつまでも続くのかというくらい、二人は互いに口腔内を犯しつつ、堪能する。
もう、我慢ならなくなってしまった、戒は、横乗りになっていた香苗を正面に抱きとめつつ、強く強く、香苗を抱く。
香苗の大きな大きな乳房がつぶれてしまうくらい。

そして、尚もおいしくて仕方ない、香苗の舌を自身の舌で味わいつくす。
ちゅっと、吸うと香苗も返し、また香苗も強く求めて、戒の舌先を吸ってくると、戒はその倍の強さで吸い尽くす。
そして、このキスと、強く強く抱きしめる戒のの抱擁に異常に興奮度が増した香苗は、突然唇を離し、

「戒くぅーーーん、もっと、もっと強くぎゅーってしてーーーー!」

と、大きな声を上げて全力で戒にしがみついてきた。

「壊れるくらい、戒君を感じたいのーーーーーー!」

もう、香苗にとっては羞恥なんて関係なかった。
ただただ、戒を求め、離れたくなんてなかった。
そんな感情に支配されてしまった香苗は、この時何かのスイッチが入ってしまったというような感じで、自分の欲望に忠実に戒に対してエロく、
甘えだすだけだった。

「はぁー、はぁー・・・」
「戒君、戒君、戒君・・・」

戒もまた、限界に近く、もうさすがに我慢が出来ない。
ただ、ひたすらこのエロく、甘えん坊な彼女が愛おしくて仕方がなかった。
だから、全てが欲しくなる。
戒も自分の欲望に忠実に、香苗を求め始めた。

「香苗・・・」
「うん・・・?」
「ちょっと上半身離して・・・」
「やっ・・・離れたくない・・・」
「こらっ、もっと気持ちよくさせて上げないぞ・・・」
「あっ・・・」

香苗は、戒の顔を丸々と覗き込み顔を尚赤くさせながらも、うんと頷き、戒の首に両手を回したまま、少し隙間を作る。

「戒君、顔がとてもいやらしい・・・」
「うるさい・・・」
「あっ、あん!」

戒は、反論しつつ、香苗のその豊満な乳房に手を当て、その柔らかさを堪能する。
時に上へ押し上げたり、下に下げたり、全体的にもう好き勝手に揉みつくす。

「あっ、あ…やーん」
「やーんじゃないでしょ…」
「う…う…あーーー、それ気持ちいいよ…戒君気持ちいい…」
「香苗の胸って、何でこんな大きいの…、んで何でこんないやらしいんだ…」
「ひゃう…!い、いやらしくなんてないんだもん…」
「・・・」
「別に好きで大きくなったわけじゃないんだもん…あっ、あっ、やーーーーん、気持ち良いの、戒君もっとして欲しいの…」
「・・・大きいのはい…や・・?」
「あぅぅぅぅぅぅ・・・気持ちい、もっと…ひゃ・・・うん……、か…戒君は大きいのは、い、嫌なの・・・?」

戒の両手で揉みしだかれながら、その快感に酔いつつも、香苗は少し不安そうに戒に視線を向けそんな事を問う。

「古今東西、大きな胸が嫌いな男がいるなら、俺の前に連れてきてもらいたいね・・・」
「でも、小さい方が好きって人もい……るって、、、あぁぁぁぁ、っていうもの……」
「どこから、そんな事聞いて来るんだか、このいけないお嬢様は…」
「し、知らない、知らない・・・」
「まっ、そういう人もいるけど、それでも大きな胸が嫌いなんて奴はいないさ・・・俺は・・・『大好きだ!』」

その言葉をかけると、さらに強く、そしていやらしく戒は、香苗の乳房をもみたおす。
もう、香苗はその言葉が嬉しくてたまらないのか、満面の笑みを向け、戒に再度キスを返す。
そして、そのいやらしい体は・・・彼女の下半身は自然に戒の太ももの上で前後運動を始めている・・・。

      • エロすぎるだろ、この子は・・・ほんとに、こんなギャップは最高です!

唇を離し、再度戒を見た香苗の視線は、愛おしさに溢れていた。
そして、さらにぎゅっと下半身の自身の敏感なところを、戒の太ももに押し付けつつ、自分でも無意識なのか、
さらに大きく自分の胸を揉まれながら彼女は腰を前後に揺らす。

「や、やだぁ…、やだぁ…、と、止まらないの…」
「な、何が・・・?」
「いじわる、いじわる、戒君のいじわる…」

その腰は止まらない…。

「こんなの、恥ずかしい筈なのに、う…あぁぁぁぁ、もっと胸をいじめて・・・、い、いや・・・!」
「うん・・・?」
「触るだけじゃいやなのぉぉぉぉ…!」
「ありゃま?」
「か、戒くーーーーーん………」
「はいはい」

さらに腰を振りつつ、香苗はさらなる要求を戒に求める。
その言葉だけで、理解した戒は、香苗の胸から手を離す。
しかし、そこから何も実行してこない・・・。

「あれ?なんで?」
「自分で」
「えっ!?」
「自分で」
「もう…は、恥ずかしいのに…」
「でもしてもらいたいんでしょ?もっと気持ちよく…」
「う、うん・・・」

自分の欲求をさらに満たしてもらうには、自分から行動しないといけないと、理解した香苗は恥ずかしくても、今の自分の体の欲求に打ち勝つことはでき

ない。
戒の要求通り、一つずつ半袖のカッターのボタンをはずしながら、その雪のように白い裸身をさらしていく。
しかし、一つずつボタンが外れるたびに、今迄無意識だった羞恥心を思い出してしまったのか、その雪のように白い裸身が、真っ赤に染まっていく…。

      • 綺麗だな、相変わらず・・・

彼女のブラにつつまれた、とても大きな胸は、今までの戒の愛撫に興奮してか、真っ赤に染まりつつ、玉のように汗が吹き出ている。
そして、ふと気付けば、彼女は今迄ないくらいの興奮しきった顔を戒に見せつつも、腰の速さがまた一段と上がっている。

      • むっ、スイッチってか、香苗の秘密のドアノックし、しすぎたかな・・・?今日、大丈夫だろうか・・・?

同じく、興奮しつつも、どこか冷静に状況を観察していた、戒は今までにない乱れ方を見せ始めている香苗の少々不安を覚えずには入られなかった。
香苗は、戒の要求通り、カッターのボタンを全て外し終わると、すぐにブラも取りはらってしまう。
ブリン!と全てが開放された彼女の両胸は、綺麗なピンク色の乳首を露出させ、その乳首は興奮からか、もう完全にたっちまっている。
そして、そこまで大胆にブラまで外し終えたところで、香苗は一遍に羞恥心が襲ってきたのか、胸を両手で下から抱え込むように腕を組んでは、一度大き

な伸びと震えを起こした・・・。

      • あっ・・・

「あっ、あっ、あぁぁぁっぁっぁぁぁぁ………」
「か、香苗…?」
「あぁぁぁぁぁぁぁ………か、戒君がいけないんだから…」
「い、いや、こんなに早く…」
「今日、散々じ、じらすから…」
「デートしてるときも…」
「玄関前で、抱きしめてる時も…」
「台所で抱きしめらた時も…」
「道場で、戒君を堪能させてもらったときも…」
「全部お、お預けにするから、こんなことになっちゃうんだもん…」

頭をいや、いやと左右に振りながら、今自分に起こった事を、自分自身でも信じられないという思いが一杯で香苗は、戒を責める。
今までの燻っていた思いと、さらに与えられた快感と、襲い掛かってきた羞恥心全てが合わさって、この時香苗は、軽く絶頂に達してしまっていた。
綺麗な彼女の顔には、わずかにだが、涙が見える…。

「ごめんな」

そんな彼女を優しく、背中から抱きしめ、少し落ち着くのを戒は待つしかなかった。

少し落ち着いたのを見計らい、戒は香苗に優しいキスの雨を降らせる。
そして、今度も優しい動作で彼女をその場に立たせ、自分もソファーから立つと、今までの自分と香苗との向きを入れ替え、香苗をソファーに座らせる。
そして、彼女に優しく微笑みつつ…

「ごめんな」

再度、謝罪を入れ、

「今から、もっともっと、香苗を喜ばせるから」

というや、いなや、香苗の大きく、形がとても綺麗な胸の先で、さきほどからヒクヒクと自己主張し、硬く実っている、乳首を口元に含んだ。

「はッ、はぁーーーーーー」
戒は、口の中で舌を存分に使い、香苗の胸を堪能する。もちろん開いている両手は、右手は、右側の乳房と、乳首をなぶり続ける。
「はぁぁぁぁぁーーーー」
「い、いや、そ、それ気持ちいいぃぃぃぃ…」
香苗は、もう我慢できず、快感を口にする。
そして、戒は、手のひらと、口元にダイレクトに伝わってくるきめ細かい肌の柔らかさと、温もりとを堪能し、さらに強くなる香苗自身の匂いを体中で感

じていた。

「はぁぁぁぁぁぁ、戒君、戒君…」
「ひゃぅぅぅ…乳首気持ち良いの、戒君に、戒君に気持ちよくされて、とてもとても、嬉しいのぉぉぉぉぉ…」
「はぁ…」

乳首から、唇をはずし、戒はまた、両手で生乳を揉み解しつつ、香苗に目を向ける。

「香苗、どっちがいやらしいのかな…ほんとに…」

少し、また意地悪げな声音で、戒は、香苗に告げる。

「ご、ごめんなさい…わ、私もいやらしいの…そう、いやらしくていいから、もっと…、もっと胸責めて欲しいの…戒くぅーん…」
「くっ…」

戒はその言葉にまた、興奮を覚え、今度は逆の乳首をその口腔で包む。
そして、左手は、徐々に下へ、下へと指先を落としていく。
その事に気付かない、香苗は、戒より与えられる乳首への愛撫に没頭していた。

「あぁぁぁあ…」
「やぁーん…」
「それいいの、戒君の舌先がざらざらして、とっても気持ち良いの…」
「もっと、もっとしてぇぇぇ…」

戒の指先は、等々目標地点に到達した。
スカートのホックをはずし、下にずり下げる。
しかし、香苗はその事にまだ気付かない。ただ、ひたすら戒に与えられる快感にみを震わせているだけ。
そして、戒は、ショーツの上から、香苗の秘所をツンツンとノックする。

「んんんんんんん…」

さすがに、胸に与えられた快感によっていても、その時点で、香苗は何事かをさっする。
無意識にさっと、開かれていた足元を閉じてしまう。
しかし、もう、その部分の上に置かれている戒の腕を振り払う事は出来ない。

「戒君…」

乳首から、口を離してそのまま、香苗の顔を眺めつつ、戒は呟かずにはいれなかった。

「もう、こんななんだな…」
「やっ、やだぁ…」
「うん、駄目な の か ?」
「だ、駄目じゃないけど、は、恥ずかしいよぉ…」
「さっきまで、快感に狂ってたのに…」
「うっ…それは、戒君がいやらしくするから…」
「どっちのがいやらしいんだ…?」

といいながら、戒の指先がびとびとの、ショーツの上より、秘口を上下にさすりはじめる…

「う、うん…し、しらないんだから…/////」
「しらないの?ほんとに…?」
「しらないったら、しらないもの!」
「さっきは、正直に口にしてくれたでしょ?」
「し、しらない!/////」
「そうか」
「あっ…」

というと、戒は動かしてた指先の動きを止めて、手も秘所より離してしまう。
そして、またまたいじわるな笑みを浮べて香苗を改めて見つめる。

『何か、問題でも…?』

もの言わぬ目は、そのような言葉を香苗に対して投げかけているようであった。
香苗は、それでも戒が与えてくれる快感を待つしかなく…
しかし、戒は何も言わない、何もしない。
ただただ、戒の目が、香苗に訴えかけてくる…

『もっと、もっとおかしくなってよ…』

と。
自然に、ほんとに自然に香苗の、下半身が先ほど戒の太ももの上にのっていたときと同じように、上下に動き出す。
そして、ほんの少し、ほんの少しずつだけ、閉じていた足が開きだす。
それを戒は確認すると、羞恥に耐え切れず両手を顔に覆っていた、彼女の手を捕まえると、後ろの壁の方へ上げつつ、優しいキスを再度、香苗の口元に落

とすと、その口は、顎、首筋、そして、両胸へと落としていく。

「あっ…あぁぁぁぁ…」
「ど う な の ?」

まだ、ほんとに欲しい快感は与えられない。
香苗は、この心苦しい快感だけでは、もう我慢ができなくなっていた。

「ど う な の ?」
「さ、サワッテホシイノ…」
「聞こえないよ?」
「さ、さわってほしいの…」
「具体的に…」
「ど、どうして、そ、そんなにいけずかな…?」
「そんな風にさせるのは、可愛すぎる香苗がいけないんじゃないかな?」

ニヤッと、いけずな笑いをさらに戒は浮べる。
自分でもそこ意地悪いなと思いつつ。
自分がこんな奴だったかな?とは、常々こういうときに思ってしまう。
でも、こんなに羞恥に一杯になりながらも、つつくと、素直に結局はなんでも要求してくる、香苗が戒は時たま見たくなって、
仕方がなくなってしまうのだから、仕方がない。
こんな彼女を見れるのは、自分しかいないんだというのをどうしても、戒は確かめずにはいられなくなる。

香苗の足は完全に、戒を迎えるために、開かれてしまった。
腰も、いやらしく上下動を続けている。
腰から上は、少しずつ、少しずつ戒自身があたえる、微妙な快感に歓喜の喜びをしめし、
しかしそれだけではもう足りないとその体自身は正直に訴えかけている。
でも、戒は香苗の言葉を聞くまでは、そこを責めてくれないのだ。
生来の恥かしがりやな一面が、このように自身が何かに没頭していないときは、どうしても出てきてしまう。
戒も、そんな事わかってくれているはずなのに、こういう時は、絶対に彼は許してくれないんだ。
覚悟を決めるしかないのは、わかっているのに

『は、恥かしいよ…』

この気持ちだけが、どうしても今の自分に歯止めをかけてしまう…。

「か、戒くぅーん…」
「甘えても駄目…してほしい事をはっきりいってくれないと、俺わからないよ…」
「で、でもぉ…」
「…」
「ね、ねぇ…お、お願い…、さわって…」
「…」

やっぱり許してくれない…

「あ、あ、あ…」

もう体は、戒に与えられてる快楽で一杯一杯なのに、ほんとに一杯なはずなのに、それなのにさらに深く、しってる喜びを感じたいと思ってしまう。
そんな自分の体が少々憎かった。
(何故か、香苗の頭には、こんないけずな、戒が憎いとの発想にはならないようで)

「もう、やめようか?」

ふと、不意に本気で、冗談じゃなく、戒の声音がそう伝えるように、言葉を発した。

「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
「でもね…」
「い、いやなのー、戒君に、一杯お○んこいじられたいのーーーー!一杯一杯、戒君のもので、満たしてもらいたいのーーーー!
それがないのいやなのーーー!!!!!!!!!!!!!」

「…」
「な、なんとかいってよ…/////////」

言葉ではなく、戒は行動でその言葉に反応した。
すっと、ショーツの中に手を入れて、薄いヘアを萌えさせた恥骨のすぐ下で、もう大きく顔を覗かせている秘芽を指先でノックする。

ツキーン

「あぁっ!」

香苗の背中をするどい刺激が、背筋を伝って脳髄を揺さぶるような快感が走り抜ける。
ビリビリと静電気のように走り抜けるその快感は、戒と知り合ってから、戒にのみ与えられる甘美な甘い刺激だ。

『こんなの、クセにならずにはいられないよぉ…』

言葉には出さないが、香苗はそう思わずにはいられない。
断続的に、とどまる事のない刺激が止め処なく襲う。

「んっ、んっ、んっーーーーー、はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
「気持ちいい?」
「よすぎるよぉ・・・・んっ、んーーーーー」

どんどん、最初の刺激から、刺激の洪水が香苗を満たす。

『もう…駄目…かも…』

少しずつ、短めの痙攣が襲ってくる。
もう少し、もう少し、快楽の波に完全に浚われてしまうまで、もう少し…
というところまで来たのに、不意に戒は動きを止める。

『えっ…』

「な、なんで??」
「いや、ね…」

というと、戒は座らせている、もう腰も抜けかけのようになっている香苗のまた間の地べたに腰を落とし、
さっと早業のごときスピードでショーツを取り外した。

「あっ…!?」
「すっごいな…」
「やっ、やだやだやだ…恥かしい!ひどいよ!いやぁあぁ!」
「っていってもな…見ないと、こうできないだろ?」

というと、戒はまた抜き打ちのごとく、秘口に口付ける。

「いやぁぁぁぁーー」

でも、戒は一度つけた口を離してくれない、またまたせっかく勇気をもって開かれた香苗の両足は、閉じようとする。
しかし、戒は、両手でそれを押さえつけて許してくれない。

『は、はずかしい…』

知識ではしってるし、こんな愛撫があるのも知ってるけど、こんなところに恋人が愛撫をするなんて、香苗には信じられなかった。
今までは、戒は指で快感をあたえてくれて一度自分を軽くいかせてくれると、そのまま挿入という流ればっかりだったのに、
今回このような行動に出た戒が信じられなかった。

「か、はぁはぁ、戒君どうして…?」
「いや…?」
「嫌だよ…汚いよ…か、戒君に嫌われちゃうよ…」
ジュルジュルジュル…ジュク・・・・・
「だめだめだめだめ、飲まないでぇーーーーーーー、あっ、だめ、舌先あてないでぇーーーーーー」
「ほんとに駄目?気持ちよくない?」
「き、気持ち良いけど、だめぇぇぇぇーーーーーーあぁぁぁぁぁ、いやぁぁぁぁぁーーーーーはぁ、はぁ、はぁ」

少し、涙まじりに声を出すような感じで香苗が訴えるので、さすがにまずいかと、戒はその動きをやめる。
やはり目元にじんわり涙を浮べつつ、初めての鋭すぎる快感と、それをされる事の羞恥で一杯の香苗は、精一杯、目線でそれは駄目!と戒に訴える。

「ごめん」
「ひどいよ、戒君…ま、まだ…それは駄目…」
「ま、まだ?」
「戒君がしたいなら、させてあげたいけど、私の踏ん切りがついてないんだもの…グスグス…」
「ほ、ほんとにごめんな…だ、だから泣かないで」

目元の涙にキスをしつつ、さすがに暴走しすぎた自分に少々ブレーキをかける。

「ごめんな。ごめんな。香苗」
「うん、いいけど、嫌いにならないでね?」
「な、なるもんか!」
「だって、だって、あんな汚いところみられちゃったんだものん…」
「いや、汚いって、綺麗だったよ…ってか、本番するときは、いつも見えてるんだけどな…」
「んっ!?」
「気付いてなかったの!?」
「ばか、ばか、ばか、ばか!」

ポカポカ胸元を叩かれる。
戒は苦笑を浮べつつも、されるがままになっていた。
香苗も気が済んだのか、ちょっと落ち着いてくると、今の体勢がいかに恥かしいものかがまたまた現実を思い出そうとしてくる。
こりゃいかんと、戒は改めて香苗の唇を奪った。

「こらぁ…アッ…じゅ…まだ、許してないぞ…あん」
同時に胸も責める…
「だから、アッ…だめ、だめなの…」
同時に秘所も責める…
まだまだ、彼女のそこは、水をさされたにも関わらず、とんでもないほど潤っている…
秘口からは、新鮮な蜜がこれでもか、これでもかと、戒の指先に絡みつく…
ジュブ、ジュブジュブ…にゅちゃ…
「こら、いやらしい音聞かせないで…」
横抱きに彼女の体を支えつつ、開いてる手で、彼女を秘口・秘芽を攻めていた戒は、そんな香苗の反応に苦笑しつつ、香苗の唇をさらに奪う。

「もう…だめぇ…ねぇ、(ジュブ…にゅちゃ…ジュブジュブジュブ…) 」
「なに?」
「やらしい音聞かせない!」
「やだぁ!(ジュブジュブジュブジュブジュブ!)」
「!?やっ、やっ、やっ、だめぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーはぁ、はぁ、はぁ…」
「ねぇ、香苗?」
「ちょっとまって…はぁ、はぁ、んぅん…あっ、あぁぁぁあぁぁぁぁーーーー」
「もう、俺さすがに我慢できそうにないんだけど…」
「んあ、あぁぁぁあ、いいよ、いいよ、きてきてきてきて−−−−−」
「ん」

というと、すばやく下のズボンをさっと戒は脱ぎ、香苗においかさぶろうとする。

「はぁはぁ、だ、駄目!」
「えっ?」
「か、戒君も、全部脱ぐ!」
「ぷっ…アハハハハハ、はいはい」
「『はい』は、一回!」
「はい、お嬢様」
「もう…」

全部脱いだ、戒は再度香苗をお姫様だっこで、ソファーに横たえ、自身の息子の亀頭をスリットに当てた。
そして、先端を秘裂にそって前後させる。
クチュクチュと音が鳴り、戒の先端が、洪水状態の香苗の愛液でドロドロになっていく。

「やぁーーー」

やらしい音に羞恥心を再度かきたてながらも、香苗は正直にその言葉を発した。

「あっ、んんっ………戒君……ぃ…て…」

膣口が物欲しげにヒクつき、小さなでも形もまろみも素晴らしい香苗のお尻が戒のものを追って前後する。

「ほ、欲しいの……、戒君のが……」
「なにが、欲しいかいってみて」

全身でおねだりする、香苗がほんとに可愛らしくて、さらに亀頭で膣口の入り口を前後すると、香苗の腰は、戒のものを追いかけてくる。

「い、入れて欲しいの……」
「だから、何が……」
「もう、今日そんなのばっかり……」
「いやならいいけど……、これお預けにするだけだし…」
「いや、いや、いや…」
「じゃね、お願い。」
「もう…欲しいの、入れて欲しいの…戒君の、お○ん○ん、入れてホシイノ…」

またまた、卑語を声低くだが、はっきりと戒には聞こえる声で、香苗は紡ぎ、その自分の行為に打ち震える。
また、その言葉を聞いただけで、達してしまいそうなほど、興奮した戒も、もう待てないとその自身のものを香苗の秘所にぶち込む。

「あぁあぁぁあぁ……、戒君いいよ…」

戒は、無意識に香苗の声を聞きつつ、ずんずんとものを押し込んでいく。
今迄、自分でじらしといてなんだが、戒ももうある意味限界に近かった。
猛然と香苗を攻めていく。

「あっ、あっ、いい、いいよーーーー、気もちいいよーーーー」

香苗もとてもいいのか、自身で必死に腰を振りつつ、さらに自身の快感を高めようとする。
そして、戒も全力で抜き差しするものだから、最終的には、戒の攻め位置は、硬いボール上の何かに触れていた。

「あっ、あっ、そこいい!!」
「なにこれっ、イイッ、イイのぉ!!」

香苗は、ブルブルと体を震わせ、腕を折った。

      • ここは、子宮口か?

とりあえず、香苗が今までにないぐらいの喜びを見せるので、戒は全力で、子宮口をコツコツとノックを始める。
それだけど、悲鳴を上げつつ、香苗は喜びを表す。

「やだぁ!やっ、だめだめだめ、でもイイッ!そこイイのっ、だめなのに!いいのぉー」
香苗は今までにないくらいの、快感と甘痛い快感を自身を襲う!

「だめだめだめだめだめーーーーーーーーー」
「はっ、香苗、お前凄すぎ……」

戒は戒で、香苗の中で少しでも気を抜くと果ててしまうぐらいの甘痛い締め付けと、火傷するほどの熱さを感じる。
そして、最初は少しは優しくするつもりだったのにも関わらず、余りのここまで見せてくれた香苗のエロさかげんと、自身が言わせたんだけど
卑語とのコンビネーション、またさらにぎゅーぎゅーと締め付けて離さない香苗の肉の感触が、気持ちよ過ぎて勢いが止められない。

「ほんとに、戒君だめだって、これ以上すごくしないでぇぇ!−−−−」
「いや、お前それは、ちょ…無理くさい…ってか、わかってるか、香苗も俺の事掴んで離さないんだぞ!」
「ち、ちがうもん…戒君が無茶苦茶してるんだもん!」
「今更そんな事いうか、このお嬢様は、じゃー、勢いこんで、腰を揺らしている人は誰なんだ…?」
「ち、ちがうもん、そんな事してないもん!あっ、あぁぁーーー!」
「まだ正直にならない、いけない子にはお仕置きが必要だな!」

というと、戒は、香苗を背中から抱え上げると、繋がったまま起用に彼女を俯けにさせると、バックの体勢で彼女をさんざんと後ろから刺し貫く。

「あっ、だめ、それだめ、さらに奥にあたるの、ジンジンジンジンして、ダメなのぉぉぉーーー」

香苗は、激しすぎる刺激から逃れようとして、腕を立てて、前に向かって這いずろうとした。
だが、強引すぎる律動に体全体がガクガクと揺さぶられて、腕を起こす事さえ出来ない。
ガクッと腕を折ったとき、十分すぎるくらい勃起していた乳首がソファーに擦られた。

「あぁあんっ……い、いやぁーっ!」

責められてる膣口と、余りの激しい突き上げで、ソファーによってこすられる胸の甘くて苦しい快感に香苗は悶えてしまう。

「あっ、あっ、あぁあん……やだぁーーーーこ、こんなのーーーー」

戒は、香苗の様子があきらかに変わっている事に気付いた。
汗で塗れたすべすべの背中は、せつなそうにくねりながら、上下しているし、お尻の肉も痙攣したようにプルプルしてきている。
なにより違うのは、膣ヒダの感触だった。
最初は、まだ押し戻そうとする抵抗が若干あって、それもあい合わさって、とてもきつい締め付けをしていたのに、
今は奥へ奥へ誘うように蠢いている。

「あっ、あぁぁ、あぁあっ、か、かいくん…かいくん、この体勢じゃやーーーーー」

香苗自身も敏感に自身の状態をさっしているのか、そろそろフィニッシュが近づいているのに、この体制はいやだと自己主張する。
しかし、香苗の膣肉は、今でも早く、早く精液を頂戴とばかりに、さらに戒のものをしごきたてるばかり。

「お、お願い…戒君…か、かいくぅーーーーん」

さらにどんどんよくなっていく膣ヒダの感触におどろき、没頭していた戒は、やっと香苗の訴えに気付いてやる事が出来た。

「何が…ダメ?…何がいやだって?」
「こんなに、香苗のま○こ、きゅうきゅうしてて、俺のものを根こそぎもっていこうな感じなのに……、何がだめなの?」

もう、いまの香苗のエロい他人じゃみられない表情も、その声も、そして律動している、彼女のエロすぎる膣肉の動きとに全部に戒は翻弄される。
また、同じく卑猥にひびく、水音や、突き入れつたびに触れる肌が立てる音、体に直接来る快感以外のものも全てが戒に、最後の時を今か、
今かと攻め立てるのである。

「か、香苗ももう、限界なんだろ…?」
「あっ、うん…だ、だけど、この体勢じゃやなの…」
「なっ、なんで…?」

さらに腰を勢いよく律動しつつ、質問する。

「やっ、やっ、もう、やっていってるのに、いっちゃうじゃない……!」
「だから、どうしたいの?」
「だ、あっ、あぁぁあ、だから、か、かいくんの、顔見ながら、ぎゅってしてもらって、一緒にいきたいのーーーーー!」

      • なぁーーーーーー、このお嬢様は、さらに俺を萌え殺すきなのなのかーーーー!
      • くっ、くそぉ!くっくそぉ!やってやらぁ!!!!!

一瞬律動を戒は、止めるとぜいぜいいいながらも、香苗の膣内から自分のものを引き抜く。
「ひゃうぅ」
香苗は一言上げながらも、一瞬ソファーの上に倒れそうになりながらも、戒が移動した位置に移動する。
戒が下になり、香苗が上。
対面騎乗位の形になりながら、改めて、香苗は戒のものを掴みつつ、挿入していく。

「か、かいくんの、びとびとだね…」
「だれかさんのせいでね」
「そうだね…」

もう、恥かしがる気も香苗にはないみたいで、ただいまは、自分の願望に忠実に進むことだけに頭が一杯の模様。
あまりにもいやらしすぎる、光景に戒のものは一瞬のみこまれる前にビクンとはねる。

「あっ…、あばれちゃだめだよ…、最後に私を最高に気持ちよくさせてね♪」

なんて、ハアハァ本人もいいつつも、ニ・三回自身の手で戒のものをしごきたてる。

「こ、こらぁ!俺も限界近いんだから、もう、たのむ……」
「えへへへ……んッ……」

可愛く香苗は微笑みを浮べると、一気に自身の膣口に戒のものを刺し貫いた。

「あっ、あっ、あっあぅ………」

ビクン、ビクン、ビクンと香苗が小さく小刻みに痙攣を重ねる。
膣口は、小刻みな収縮を繰り返す。
もう、それだけで全てもっていかれそうになるが、戒はこれではないと踏ん張った。

「こ、こらぁ、香苗!!!!」
「あぁあっぁぁぁ、ごめん、ごめんなさい……」
「まったく……」
「だって、戒君の、必死な顔を、捕まえた時の、すんごく愛おしげな顔が見れただけで、すんごく嬉しくなったちゃって…ごめんなさい……」
「ゆ る さ ん !」
「きゃ、やぁぁぁぁぁあぁん、だめーーーーー!」

下から、ズンと突き上げただけで、軽く逝ってしまったばっかりの香苗は、ものすごく悶えた。
口の端からは、いやらくしよだれをたらし、栓がぬけてしまったかのごとく、汗と愛液を垂れ流す。
その状態に戒は歓喜を上げ、さらに目の前にある豊満な乳房の乳首を左右ともにこねくりまわす!

「あっ!ダメぇ!そこっ……いじっちゃ……んうッ!」

きゅ、っと締め付けられて危うく俺が先に昇天しそうになる。
耐えろ!耐えるんだ!俺ッ!
ぐっ、とさらにこらえ、もう自身の力限りの律動を、香苗に対して実行する。


香苗は香苗で、目の裏がチカチカしつつ、貧血を起こす寸前のような感覚が襲い掛かる。
周囲の景色が銀色に光っているようだ。
こんなに快楽の襲いは、今までにない。
瞬間的に香苗は恐怖した。

「だめ、だめ、こ、こわいよ、か、かいくん、こわいよ!」
「うっ、締まる!香苗、香苗、香苗」

(香苗、香苗、香苗ーーーーーー)
もう、とまらなかった。
とまりようがなかった。
どこか、冷静な部分があった、戒自身の意識も全てを手放し、香苗を求めて仕方なくなった。
だけど、香苗のその言葉を聞いて瞬間的に香苗をぐいっと自身の胸元に力強くだきよせ、香苗の口元には、熱い熱いキスを落とす。
二人は、情熱的に口付けを交わしつつ、口腔内で舌をまさぐりつつ、香苗は上下に、戒は下から必死にフィニッシュに向けて抽挿を繰り返す。

「んじゅぶ、らめぇ……か、戒くん、もうだめぇぇぇぇぇーーーーー」
「いいぞ、いいぞ、そのままいっちゃえーーーーー!」
「く、ふッ!……んっ、ぅうっ!や、あっ!」

香苗の声が大きくなってきた。

      • こんな声初めて聞いた。 やばい、俺もマジもう限界。早くイっちまえ!

そう思った戒は、最後の一突きを叩きつける。

「香苗っ!俺……っも……」
「あぁあぁっ、イッちゃぅうぅうぅうぅっ!んッ!か、かいくん、かいくんっ!……かいっ!!」



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

満点の星空のもと、となりにすっきりもう完全に回復傾向にある自分の彼女を眺めつつ、戒は自転車を押して彼女の帰宅に付き合っていた。
あれから、二人してお風呂に入って、第二ラウンド目があったことは、まぁ、うん、ごめん。
っていうか、このまま、香苗のエロ化が進む事は、俺にとって良い事なんだろうか……。
俺の体力続くのでしょうか……まっ、普段は余り会えない関係にもあるんだし、仕方ないといえば仕方ないんだけど…。

自身の体力にちょっぴり、不安を抱えつつ、自身の横で、俺の袖口を掴み、いつも以上の笑顔を向けてくれる、
こんな可愛い彼女に俺が申し訳なく思ったことは、少しないしょだ。

「戒君」
「なんだ?」
「私が、さっき戒君の事、君付けでなく、呼び捨てでよんじゃったことって気付いてるかな?」
「ふぇ?そうだっけ?」
「もう、普段から、呼び捨てでいいって言ってくれてる人が、ご希望に答えたのに気付いてないなんて、なんか悔しいな……!」
「いや、だって、さっきって、あの時の事でしょ?だったら……」
「バカァーーー、思い出すなーーーーー!」

手の後ろから伸びた、学生鞄で戒の後頭部が強打される。

「い、痛いです、香苗さん……」
「あーいうのは、その時だけ記憶に留めておけばいいの……/////」
「自身の態度なのに……」
「だ か ら ー そういうこといわなーーーーい!!!」
「はい、わかったから、暴力反対!」
「もう……、でも、もう少し普段から気恥ずかしさが抜けたら、呼べると思うから、もう少し待っててね♪/////」
「じゃ、それなら、まずこの袖口を掴んでいるのを、どうどうと手を繋げられるするようにする事から、始めましょうかw?」
「それ、無理ーーーーー」
「ほんとに……あの時とえらい……」
「こらぁーーーーー!」

学生鞄を頭に抱えつつ、襲いかかろうとする香苗をさっと交わしつつ、前方に逃げて俺はこれからまた始まるであろう新しい日々に思いを馳せる事にした


もちろん、これからも香苗を隣に従えつつの、日々。
いろいろ問題はでてくるだろうし、いろいろあるだろう。
(姉のこととか、姉のこととか、姉のこととか、彼女のお父さんのこととか、彼女のお父さんのこととか、同級生連中のこととか)
それでも、俺は、彼女を護りつつ、一歩一歩前に進めたらと思ってる。
だって、今の俺には何故だが、彼女が隣にいない未来がもう想像できないくらい、彼女にいかれてしまっているようだからな……。
まっ、彼女には内緒だけどw

「こらぁー、まてーーーーー!」

彼女の楽しそうな、俺を追いかける声を聞きつつ、俺はそんな事に思っていた。

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2008年10月04日(土) 21:29:18 Modified by bureizuraz




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