4-496 寂しがり屋な彼女 続き
みなさんは寝るまでにどのぐらい時間がかかるだろうか?
――ぎゅー
まあ、状況によっては違うだろうから例をだすと彼女に蹴り起こされた後とか。
――スリスリ
少なくとも俺はいくら眠くても蹴り起こされた上、揺すられながら10分もたたずに寝られるほど寝付きは良くない。
「くぅー」
ちなみに蹴り起こした本人はすでに寝てるが。
「んぅ〜 優斗ぉ〜♪」
俺の背中に抱き着いて寝言を言いながらメッチャ幸せそうに……
「ハァ〜」
ため息をつく。
俺が寝たふり(本当に寝るつもりだったが)をしてると花梨は布団に潜り込み背中に抱き着いて、ものの5分もたたないうちに可愛い寝息をたて始めた。本当に器用な奴だ。
だが、これでは俺がムラムラして寝れないではないか!
「くそっ! 無害だと思ってたのにこんな手で俺の安眠を妨害するとは!」
一人憤る。完全に目が冴えてしまった。
幸せそうに寝てる花梨を軽く睨む――とそこでふとあることを思い付きニヤリとする。
「これはもう悪戯するしかないな」
俺の前で無防備に寝てる花梨が悪い。
それにコイツには俺を勘違いで蹴ったという罪もあるし。
「とりあえずっと」
ベッドから身体を伸ばして近くの机の上に置いてあるリモコンで暖房のスイッチをいれる。布団がめくれて寒さで花梨が目を覚ましたら台なしだ。
次にこのままでは手の出しようがないので向き180度変える。
「ん〜 やぁ〜」
「ちょっ――」
ぎゅっ――俺が離れると思ったか更に抱きしめ、あまつさえ足まで絡めてくる。
かろうじて向きを変えるのは成功したが身体が完全にロックされた。これでは腕しか自由に動かせない。
「まあ、腕が自由ならいいか」
起きた時、向かいあって足を絡めてたら花梨がどんな反応するかは心配だが今更あとには引けない。
それに足絡めてきてるの花梨のほうだし。
「さ〜て♪ どうしてくれようかな〜♪」
手をわきわきさせる。なんか楽しい。
取り敢えず花梨の綺麗な銀髪を触ってみる。
(お〜 さらさら〜)
相変わらず手触りがいい。上質の絹糸みたいだ。
なんか邪魔だったのでリボンを取る。丸めて机の上に置いとこう。
(そういえばコイツがツインテールにしてるのって俺のためだよな)
コイツが何気なく俺の好きな髪型の話しをふってきたので花梨に似合いそうだな〜とか思いながらツインテールと言ったら次の日からしてきたのだ。
ちなみに『い、言っとくけど、あんたのためじゃないんだからね! そ、そういう気分だったのよ!』と顔を赤らめながら言った台詞は俺の胸にクリーンヒットし、危なく萌え死ぬとこだった。
そんなことを考えながらなんとなく髪をといていた手を止め、頭を撫でとく。
――なでなで
「んふぅ〜」
綺麗な顔がニヘヘ〜と幸せそうにだらしなくゆがむ。なんか可愛い。
ついでにヨダレがでているのでそれを指で拭ってやる。
(さてっと)
暖房のお陰でそろそろ部屋が暖かくなってきたので布団をベッドの下に落とす。
――ぎゅぅ〜
まだ肌寒さを感じたか抱きしめる力が強くなる。足の絡みも大きくなりスカートが更に捲くれる。――やはり白。
(にしてもよく考えるとこの体勢だとやれることがあまりないな)
この体勢――花梨が顔を俺の胸板に擦り付け足を絡めている――だと触る所が限られるしキスもできない。
(と、なると……)
スカートがめくれて丸見えになっているデルタ地帯に目を向ける。
(ここしかないな)
ゴクッと唾を飲む。なんか緊張してきた。
正直頼めばいつでも――いやTPOをわきまえれば普通に触らしてくれるだろうがそれとこれとはまた別だ。
ゆっくりと慎重に白い布に右手を差し入れ――
「ぅん〜」
――ビクッと固まる。
「すぅー」
(ふぅ〜 セーフ)
静かに寝息を立てる花梨を見て安堵する。
寝てる間に悪戯しているのがバレたらどれだけ怒られるかわからない。
まあ、バレたら今日一日かけてでも謝ろう。
そう軽く考え、止めていた右手を再度もぞもぞと動かし、花梨の小柄な身体に見合った小振りの白桃の手触りと柔らかさをたっぷり味わう。
(う〜ん なんかいい感じ)
時々『あっ』とか『くぅん』とか感じたみたいな言葉が花梨の口から漏れるが目を覚ます気配はない。
(よ〜し、次はここにチャレンジだ)
目を覚ます気配が無いのをいいことに俺は桃の中心部である割れ目に手を伸ばす。
「はぁんっ」
谷間をなぞるように手を動かすと花梨は一際大きな声をだす。
ヤベッ――咄嗟に手を引く。
「か、花梨さ〜ん」
花梨の様子を確認するため恐る恐る声をかけてみる。
「んんぅ〜」
……まだ寝てるようだ。
(ま、まだ、大丈夫か? なら! いけるか!?)
俺は更に禁断の領域へチャレンジすることにする。谷間の奥、その小さな窄まりに……
(ここは触らしてくれないからな〜)
一度触ってみたら烈火の如く怒られた――『ど、どどど、何処触ってるのよ!! 変態ぃーー!!!』――と
(でも俺、変態だし〜)
その時は平謝りしたが今は開き直る。というか花梨は俺のものなのに触れてはいけない場所があるとかおかしくないだろうか。
勝手にそんなことを思いながら右手を動かす。丸い丘を越え谷間を進み、その小さな洞窟へ――
パッチリ――突然、花梨の目が開く。
「うおぉ!?」
思わず声をあげる。寝ぼけた瞳がこちらを向く。
「お、おはよう」
とりあえず挨拶してみる。
(え、え〜と……ど、どうしよう)
必死に頭を巡らすが妙案は浮かばない。というか洞窟に浅く入っている中指はどうしようもない。
「? ?? !?」
バッ――と花梨が自分のお尻を確認する。
「〜〜〜〜〜〜」
花梨が声にならない声をだし、みるみる顔が、耳が、赤くなっていく。
「ま、まずは冷静に話し合おう」
右手を引っ込め、まだ抱き着いていた花梨からゆっくり離れる。
花梨は凄まじい形相で俺を睨らんでいる。……かなり恐い。
充分に楽しんだがそれだけに代償も高くつきそうだ。
「し、信じられない〜〜〜〜」
今、わたしは怒りと恥ずかしさで頭が一杯だ。
目の前には優斗が床に正座している。わたしほうはベッドの上で両手でお尻を押さえて座っている。
「寝てる間にお尻を触り――」
これぐらいならまだいい――本当はよくないけど――だが
「――あ、あまつさえ、お、おしりの、あ、ああ、あなを触るなんて〜〜〜〜〜」
そうなのだ。彼氏とはいえ、大好きな優斗とはいえ、やって良いことと悪いことがある。
「いや、悪かったって。謝るから。この通り」
優斗は床に両手をついて頭を下げる。所謂、土下座だ。そして『すみませんでした』と謝る。
「うぅ〜〜〜」
納得できない。これだけのことをして、ただ土下座をしただけでは到底許せない。
「なんでも言うこと聞くから、な? 許してくれ」
顔を上げて拝んでくる。
なんでも? 例えば、そう――
「ぁ…ぇさせて」
「? スマン。聞き取れなかった。もう一度言ってくれるか?」
「!? な、なんでもない!!」
つ、ついトンデモない願望を口走ってしまった。顔から火が出そうだ。
「?? ともかく俺が悪かった。なんでも言うことを聞くから言ってくれ」
優斗が私の目を見て言ってくれる。その口調は真剣だ。
(真剣な優斗、カッコイイ――じゃなーい)
ポッーとした頭を横に振る。
優斗は寝ているわたしに悪戯した極悪人なのだ。見惚れてどうする、わたし。
「じゃ、じゃあ、優斗は今日一日、わたしの命令に従うこと」
あんなことをしたのだ。これぐらいの報いは当然だろう。今日一日、こき使ってやる。
「わかった」
「あ、あとわたしのアレを触ったことは忘れなさい!!」
「アレって――キッと睨む。
……いえ。なんでもありません……」
とりあえず、2、3発蹴っとこう。
さて、どうしよう?
「じゃあ、わたしの頭を撫でなさい」
少し考えて最初に思いついた命令を言う。
「はぁ?」
いきなり優斗は不満の声をあげる。なにが不満なのか?
「頭を撫でろと言ったのよ。なにか文句ある?」
「い、いや。つーか…それって罰か?」
「と、取り敢えずよ! 取り敢えず!!」
慌てて言う。成る程、言われてみれば確かに罰っぽくない。でも、わたしは得するから問題はない。
「ヘイヘイ、ご主人様」
優斗が茶化して言う。
「余計なこと言わない」
まったく誰がご主人様か。変なこと言わないでほしい。
優斗がベッドの上に移動して座り、わたしの頭を正面から撫でる。
――なでなで
「えへへ〜」
自然と笑みがこぼれる。撫でられるだけでなんでこんなに幸せなんだろう――ハッ。優斗と目が合う。
途端に顔が赤くなる。撫でられて緩んだ顔を優斗に見られてしまった。
(恥ずかしい〜)
変な顔してなかっただろうか? そんな顔を優斗に見られたら――
「お〜い、大丈夫か?」
わたしの顔の前で手の平を振りながら優斗が聞いてくる。
「大丈夫!!」
本当は大丈夫じゃないが強がってそう言う。本人に『今、わたし変な顔してなかった?』とは聞けない。
「なら、いいけど……」
心配してくれたのだろうか? やっぱ優斗は優し――ハッ!? また顔が緩みそうになった。
(この体勢はマズイ)
そう気付く。これでは優斗に変な顔を晒してしまう。
そう思い。その場で反転して優斗の膝の上に座り、頭をコテンと胸板に預ける。
うん、いい感じだ。
「? どうした?」
手を止め、突然反転したわたしに疑問を投げかける。
「いいから続ける」
「まあ、いいけど」
優斗は気にせず続けてくれる。
よし、今日はこの調子で命令していこう。
今日一日、優斗はわたしのものだ。
――ぎゅー
まあ、状況によっては違うだろうから例をだすと彼女に蹴り起こされた後とか。
――スリスリ
少なくとも俺はいくら眠くても蹴り起こされた上、揺すられながら10分もたたずに寝られるほど寝付きは良くない。
「くぅー」
ちなみに蹴り起こした本人はすでに寝てるが。
「んぅ〜 優斗ぉ〜♪」
俺の背中に抱き着いて寝言を言いながらメッチャ幸せそうに……
「ハァ〜」
ため息をつく。
俺が寝たふり(本当に寝るつもりだったが)をしてると花梨は布団に潜り込み背中に抱き着いて、ものの5分もたたないうちに可愛い寝息をたて始めた。本当に器用な奴だ。
だが、これでは俺がムラムラして寝れないではないか!
「くそっ! 無害だと思ってたのにこんな手で俺の安眠を妨害するとは!」
一人憤る。完全に目が冴えてしまった。
幸せそうに寝てる花梨を軽く睨む――とそこでふとあることを思い付きニヤリとする。
「これはもう悪戯するしかないな」
俺の前で無防備に寝てる花梨が悪い。
それにコイツには俺を勘違いで蹴ったという罪もあるし。
「とりあえずっと」
ベッドから身体を伸ばして近くの机の上に置いてあるリモコンで暖房のスイッチをいれる。布団がめくれて寒さで花梨が目を覚ましたら台なしだ。
次にこのままでは手の出しようがないので向き180度変える。
「ん〜 やぁ〜」
「ちょっ――」
ぎゅっ――俺が離れると思ったか更に抱きしめ、あまつさえ足まで絡めてくる。
かろうじて向きを変えるのは成功したが身体が完全にロックされた。これでは腕しか自由に動かせない。
「まあ、腕が自由ならいいか」
起きた時、向かいあって足を絡めてたら花梨がどんな反応するかは心配だが今更あとには引けない。
それに足絡めてきてるの花梨のほうだし。
「さ〜て♪ どうしてくれようかな〜♪」
手をわきわきさせる。なんか楽しい。
取り敢えず花梨の綺麗な銀髪を触ってみる。
(お〜 さらさら〜)
相変わらず手触りがいい。上質の絹糸みたいだ。
なんか邪魔だったのでリボンを取る。丸めて机の上に置いとこう。
(そういえばコイツがツインテールにしてるのって俺のためだよな)
コイツが何気なく俺の好きな髪型の話しをふってきたので花梨に似合いそうだな〜とか思いながらツインテールと言ったら次の日からしてきたのだ。
ちなみに『い、言っとくけど、あんたのためじゃないんだからね! そ、そういう気分だったのよ!』と顔を赤らめながら言った台詞は俺の胸にクリーンヒットし、危なく萌え死ぬとこだった。
そんなことを考えながらなんとなく髪をといていた手を止め、頭を撫でとく。
――なでなで
「んふぅ〜」
綺麗な顔がニヘヘ〜と幸せそうにだらしなくゆがむ。なんか可愛い。
ついでにヨダレがでているのでそれを指で拭ってやる。
(さてっと)
暖房のお陰でそろそろ部屋が暖かくなってきたので布団をベッドの下に落とす。
――ぎゅぅ〜
まだ肌寒さを感じたか抱きしめる力が強くなる。足の絡みも大きくなりスカートが更に捲くれる。――やはり白。
(にしてもよく考えるとこの体勢だとやれることがあまりないな)
この体勢――花梨が顔を俺の胸板に擦り付け足を絡めている――だと触る所が限られるしキスもできない。
(と、なると……)
スカートがめくれて丸見えになっているデルタ地帯に目を向ける。
(ここしかないな)
ゴクッと唾を飲む。なんか緊張してきた。
正直頼めばいつでも――いやTPOをわきまえれば普通に触らしてくれるだろうがそれとこれとはまた別だ。
ゆっくりと慎重に白い布に右手を差し入れ――
「ぅん〜」
――ビクッと固まる。
「すぅー」
(ふぅ〜 セーフ)
静かに寝息を立てる花梨を見て安堵する。
寝てる間に悪戯しているのがバレたらどれだけ怒られるかわからない。
まあ、バレたら今日一日かけてでも謝ろう。
そう軽く考え、止めていた右手を再度もぞもぞと動かし、花梨の小柄な身体に見合った小振りの白桃の手触りと柔らかさをたっぷり味わう。
(う〜ん なんかいい感じ)
時々『あっ』とか『くぅん』とか感じたみたいな言葉が花梨の口から漏れるが目を覚ます気配はない。
(よ〜し、次はここにチャレンジだ)
目を覚ます気配が無いのをいいことに俺は桃の中心部である割れ目に手を伸ばす。
「はぁんっ」
谷間をなぞるように手を動かすと花梨は一際大きな声をだす。
ヤベッ――咄嗟に手を引く。
「か、花梨さ〜ん」
花梨の様子を確認するため恐る恐る声をかけてみる。
「んんぅ〜」
……まだ寝てるようだ。
(ま、まだ、大丈夫か? なら! いけるか!?)
俺は更に禁断の領域へチャレンジすることにする。谷間の奥、その小さな窄まりに……
(ここは触らしてくれないからな〜)
一度触ってみたら烈火の如く怒られた――『ど、どどど、何処触ってるのよ!! 変態ぃーー!!!』――と
(でも俺、変態だし〜)
その時は平謝りしたが今は開き直る。というか花梨は俺のものなのに触れてはいけない場所があるとかおかしくないだろうか。
勝手にそんなことを思いながら右手を動かす。丸い丘を越え谷間を進み、その小さな洞窟へ――
パッチリ――突然、花梨の目が開く。
「うおぉ!?」
思わず声をあげる。寝ぼけた瞳がこちらを向く。
「お、おはよう」
とりあえず挨拶してみる。
(え、え〜と……ど、どうしよう)
必死に頭を巡らすが妙案は浮かばない。というか洞窟に浅く入っている中指はどうしようもない。
「? ?? !?」
バッ――と花梨が自分のお尻を確認する。
「〜〜〜〜〜〜」
花梨が声にならない声をだし、みるみる顔が、耳が、赤くなっていく。
「ま、まずは冷静に話し合おう」
右手を引っ込め、まだ抱き着いていた花梨からゆっくり離れる。
花梨は凄まじい形相で俺を睨らんでいる。……かなり恐い。
充分に楽しんだがそれだけに代償も高くつきそうだ。
「し、信じられない〜〜〜〜」
今、わたしは怒りと恥ずかしさで頭が一杯だ。
目の前には優斗が床に正座している。わたしほうはベッドの上で両手でお尻を押さえて座っている。
「寝てる間にお尻を触り――」
これぐらいならまだいい――本当はよくないけど――だが
「――あ、あまつさえ、お、おしりの、あ、ああ、あなを触るなんて〜〜〜〜〜」
そうなのだ。彼氏とはいえ、大好きな優斗とはいえ、やって良いことと悪いことがある。
「いや、悪かったって。謝るから。この通り」
優斗は床に両手をついて頭を下げる。所謂、土下座だ。そして『すみませんでした』と謝る。
「うぅ〜〜〜」
納得できない。これだけのことをして、ただ土下座をしただけでは到底許せない。
「なんでも言うこと聞くから、な? 許してくれ」
顔を上げて拝んでくる。
なんでも? 例えば、そう――
「ぁ…ぇさせて」
「? スマン。聞き取れなかった。もう一度言ってくれるか?」
「!? な、なんでもない!!」
つ、ついトンデモない願望を口走ってしまった。顔から火が出そうだ。
「?? ともかく俺が悪かった。なんでも言うことを聞くから言ってくれ」
優斗が私の目を見て言ってくれる。その口調は真剣だ。
(真剣な優斗、カッコイイ――じゃなーい)
ポッーとした頭を横に振る。
優斗は寝ているわたしに悪戯した極悪人なのだ。見惚れてどうする、わたし。
「じゃ、じゃあ、優斗は今日一日、わたしの命令に従うこと」
あんなことをしたのだ。これぐらいの報いは当然だろう。今日一日、こき使ってやる。
「わかった」
「あ、あとわたしのアレを触ったことは忘れなさい!!」
「アレって――キッと睨む。
……いえ。なんでもありません……」
とりあえず、2、3発蹴っとこう。
さて、どうしよう?
「じゃあ、わたしの頭を撫でなさい」
少し考えて最初に思いついた命令を言う。
「はぁ?」
いきなり優斗は不満の声をあげる。なにが不満なのか?
「頭を撫でろと言ったのよ。なにか文句ある?」
「い、いや。つーか…それって罰か?」
「と、取り敢えずよ! 取り敢えず!!」
慌てて言う。成る程、言われてみれば確かに罰っぽくない。でも、わたしは得するから問題はない。
「ヘイヘイ、ご主人様」
優斗が茶化して言う。
「余計なこと言わない」
まったく誰がご主人様か。変なこと言わないでほしい。
優斗がベッドの上に移動して座り、わたしの頭を正面から撫でる。
――なでなで
「えへへ〜」
自然と笑みがこぼれる。撫でられるだけでなんでこんなに幸せなんだろう――ハッ。優斗と目が合う。
途端に顔が赤くなる。撫でられて緩んだ顔を優斗に見られてしまった。
(恥ずかしい〜)
変な顔してなかっただろうか? そんな顔を優斗に見られたら――
「お〜い、大丈夫か?」
わたしの顔の前で手の平を振りながら優斗が聞いてくる。
「大丈夫!!」
本当は大丈夫じゃないが強がってそう言う。本人に『今、わたし変な顔してなかった?』とは聞けない。
「なら、いいけど……」
心配してくれたのだろうか? やっぱ優斗は優し――ハッ!? また顔が緩みそうになった。
(この体勢はマズイ)
そう気付く。これでは優斗に変な顔を晒してしまう。
そう思い。その場で反転して優斗の膝の上に座り、頭をコテンと胸板に預ける。
うん、いい感じだ。
「? どうした?」
手を止め、突然反転したわたしに疑問を投げかける。
「いいから続ける」
「まあ、いいけど」
優斗は気にせず続けてくれる。
よし、今日はこの調子で命令していこう。
今日一日、優斗はわたしのものだ。
2009年01月16日(金) 23:24:46 Modified by amae_girl