5-438 りょうちゃんとエミちゃん


「りょうちゃん!これ!」
タプンッ!
遠足にでも使う様なポッドを持った幼馴染みのエミちゃんがやって来て、僕にポッドを突き出した、そのポッドには何かの液体が入って居る。

「なんだこれは?」
と僕が聞くと、エミはニヘラっと笑いながら
「バレンタインプレゼントのホットチョコだよ!」と僕に渡そうとする、僕は
「甘いのは苦手だ。」
と突っ撥ねるとエミちゃんは、涙ぐむ。

「寒い今日これを飲むとあったまるんだよ?折角作って来たのにぃ、クスン…。」
いや、今日は昨日の春一番で暖かかったから。
と突っ込みたかったが、泣きそうなので仕方が無く、受け取り飲んで見る、おっ!これ以外と甘く無くていけるじゃん!

「旨いよ、これ。」
素直に言うとエミちゃんは、泣き顔から笑顔にたちまち変わり。
「でしょ〜♪えへへ♪りょうちゃんが喜んでくれてうっれしいっな♪」
と僕に擦り寄り頭を僕の顎の下に付ける。

ああ、これは「撫で撫でして♪」のサインか。
僕は、エミちゃんを撫でるとエミちゃんは、いつもの様にハニカミながら顔を赤らめて喜んで居る、まるで猫だな。

撫でるとエミちゃんは
「りょうちゃんに撫で撫でされて幸せ〜♪」
と目を細めている。
本当に猫だよこいつ
撫でてると、その内エミちゃんは、幸せそうな顔して無邪気に僕の膝の上で眠りに就いた。

僕は、そんな彼女に微笑みながら、来月のホワイトデーのお返しを考えて居た。
〜完〜
2009年06月19日(金) 21:06:13 Modified by amae_girl




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