多人数で神話を創る試み『ゆらぎの神話』の、徹底した用語解説を主眼に置いて作成します。蒐集に於いて一番えげつないサイトです。

物語
物語り

概要

冒険者の神アルセスの影を追い、世界各地を旅したナプラサフラス
彼は後に稀代の冒険者として永くその名を残すこととなる。
神代の遺跡の探検、紀竜との奇妙な関係、グレンデルヒをはじめとした大勢の仲間達。
そして物語の最後でナプラサフラスは遂にアルセスと出会い、
槍に触れて紀人の一柱として認められた。

物語り

さて、それではナプラサフラスの話をしよう。

ナプラサフラスには恋人がいた。
それが彼の運命を変えた。

結論から言おう。
その恋人とはキュトスの姉妹だった。
それはあの、「自分がキュトスの姉妹であることを知らない」40番だ。

知らない、ということはしばしば悲劇の原因となる。
ナプラサフラスの恋人の場合も、そうだった。

キュトスの姉妹の40番、クリエは自分がキュトスの片割れであることを知らない。
しかし、自身が不老不死の身であることは知っていた。

放浪の中で彼女は冒険者ナプラサフラスと出逢い、恋に落ちる。
しかし所詮は有限の者と無限の者。
やがて彼女はナプラサフラスの前から姿を消した。

クエリを追う、ナプラサフラスの旅の始まりである。

ナプラサフラスはクリエを七日七夜捜し求めたが、手がかりすらつかむことができなかった。
途方にくれ、人目も憚らず往来で嘆くナプラサフラスを黒衣のマロゾロンドが追い抜いていった。

ナプラサフラスはクエリとの会話を思い出す。
彼女の、アルセス神に対する強い執着を。

それは信仰ではない。
何か別の形でのこだわりであるようにナプラサフラスには思えていた。
ともあれ、クエリはアルセス神にまつわる物事に対して異常なまでの関心を示していたのである。

また、ナプラサフラスは思い出す。
黒衣のマロゾロンドが神々の伝令役であるという話を。
それはクエリの語ったアルセス神の物語の一場面であったかもしれない。

ナプラサフラスはマロゾロンドに付き従って歩くことにした。
今となってはその僅かな、縁とも言えない縁だけがクエリとの絆を感じさせてくれるものであるが故に。

かくしてマロゾロンゾとの旅が始まった。
まず困ったことは、「いつ寝るか」ということだった。

なにせマロゾロンドは、不眠不休で止まることなく歩き続ける。
いかに頑丈なナプラサフラスといえど、何日も眠らずに歩き続けることは不可能だった。

それを解決したのは他ならぬマロゾロンドであった。

眠らずに歩き続ければやがて死に至る。
ナプラサフラスはそれを理解しながらも歩みを止めることはなかった。
人里を離れてからは飲食を求めることもやめた。

足が石のように重くなり、飢えと乾きが人語を絶するほどになったころ、
マロゾロンドが転んだ拍子に菓子を落とした。

ナプラサフラスがそれをわずかな躊躇の後に口にしたところ、疲労は消え、飢えと渇きは癒された。
マロゾロンドはその後もごく稀に菓子を落とし、ナプラサフラスはそれを糧に旅を続けたのである。

ナプラサフラスは気付いた。
その菓子は、道行く人が戯れにマロゾロンドに与えた菓子と同じものだったことに。

一体いかなる作用であろうか、
マロゾロンドによって摂取された菓子は人を癒す超薬へと変じていたのであった。

とは言え、不眠不休で歩き続けるマロゾロンドとの旅が過酷なものであることに変わりは無い。
ナプラサフラスの旅は精神と肉体を限界まで責めるものであった。
それでもナプラサフラスはクエリを求めて歩き続けた。

この過酷な旅と、マロゾロンドの菓子の効能はナプラサフラスをさらに鍛えた。
マロゾロンドは物言わずとも知恵を語り、過酷な道程は心身を鍛え上げ、神秘の菓子はあらゆる衰えを退ける体を作り上げた。
ナプラサフラスは己でも気付かぬうちに神へと近づいていた。

尚、後世にナプラサフラスを真似てマロゾロンドに付き従い、神性を獲得しようとするものが
多く現れたが、誰一人成功しなかった。
ナプラサフラスがマロゾロンドを見失うことなく旅を続けることができたのは、
マロゾロンドが認めたからだとも、クエリの加護があったからだとも言われるが真相は定かでない。
確かなのは、マロゾロンドが菓子を落としたという伝承は他に存在しないということである。

やがて。
マロンゾロンドは、かの恐ろしキ【神跡】へと踏み込むのだった。

神跡を踏み越えた後、マロゾロンドは時々立ち止まる様になった。

マロンゾロンドとナプラサフラスが挑んだ最初の神跡、
それは……

喉笛吹きの館?』である。かつてこの神跡に住んでいた神は
人や動物を捕まえては喉に穴を開けて笛みたいに吹いていたそうである。

『喉笛吹きの館』に入ってから、ひとつの変化があった。
ナプラサフラスだけでなく、マロンゾロンドをも狙う魔物が現れはじめたのである。

もちろん、マロゾロンドに危害を加えることが出来る魔物などいようはずもないが、
良く転ぶマロゾロンドはあまりに無防備に見えた。
そこでナプラサフラスは暗がりから襲い掛かるそれらの魔物を全て退けることにした。

魔物たちは皆動くたびに笛のような音がするのでそれは初めのうちは容易いことであった。

しかし、魔物は数を増していった。
やがてナプラサフラスは、マロゾロンドを抑えきれなくなる。
討ち損じた一匹が、ナプラサフラスの不意を突いてマロゾロンドに襲い掛かった。

そのとき、マロゾロンドははじめて俊敏な動きを見せた。
いつの間にか手にしていた棒きれを軽く振って、見事魔物の攻撃を捌いたのだ。
マロゾロンドの次なる一撃で、魔物はあっさりと昏倒した。

そしてナプラサフラスとマロゾロンドの共闘がはじまった。

多くの魔物に襲われようともマロゾロンドの歩みは普段となんら変わることは無かった。
棒きれを軽やかに振り回すその姿は戯れているかのようであったが、
優れた戦士でもあるナプラサフラスにはそれがこの上なく洗練された技に基づくものであることがわかった。
ナプラサフラスが武技を極めた時期には諸説あるが、この【神跡】『喉笛吹きの館』を探検したときだという話が通説である。
後のアルセス神との一騎打ちでナプラサフラスの武名は神々にも知れ渡る程となる。

さて、マロゾロンドは相変わらずのマイペースで奥へと進んでいく。

(中略)

アウターの影っぽいボスを倒して『喉笛吹きの館』での冒険は終わったのだった。
アウターはアルセスに借りがあってここは通さんとか何たらどうたら言っていた。

アウターの影っぽいボスはちょっとしたアイテムをドロップしてくれた。
とある【具象言語?】である。

その【具象言語】が象徴する概念は【喉笛】だった。
いささか使いにくい概念だが、ナプラサフラスはもらっておくことにした。

【喉笛吹きの館】の次にマロゾロンドが向かったのは【火竜の滝?】であった。
ここに向かう際、彼らは【ジェイクールズの六本大樹?】を経由している。

この頃になって、ナプラサフラスにはひとつの考えを思いついた。
マロゾロンドは【アルセス・ストーリ?】におけるアルセスの旅と
同じ道程を辿っているのではないだろうか?

アルセス・ストーリー】には、アルセスがその知恵をもって滝に隠された洞窟にて
火竜から財宝を騙し取る話がある。
果たしてマロゾロンドの歩みは滝の洞窟へと向かっていった。

これはまだ彼がクリエを求める旅の序章にすぎない。
二人がまた出会うのは、実に数年後のことになる。
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