※はっぴーさまー☆ふぇすてぃばる!の直後です※
※R18注意!!※








日が落ち、夜が更けて、花火が終わっても祭りは続く。
さすがに人は少なく、出店も寂しくはなったけれど、賑やかな空気は変わらぬままで。
浮かれ騒ぐ町を象徴するように、紙製のランプがそこかしこに灯る。夜通し、明かりは消えそうになかった。

―――そんな中。祭りの中心部であるノルウィッチ城は、祭りに比して静かになり始めていた。
まだ幼いスリスや、準備に終われていたメイドたちが休んでいることがその理由だろう。すっかり静かになった廊下を、アル・イーズデイルは自室へ急いでいた。
理由はただ一つ。祭りの間、実の姉エルザに付き合わされたゲーム――――その参加の条件として取り上げられた佩剣の、確認のためである。
浴衣のまま、慣れない履物で駆け込んで、部屋の中を見渡す。奥の、簡素なソファセットの上に――四本の剣と、革の剣帯が見えた。
ほっと息をつき、近寄って確かめると、師の形見である銀の双剣の上に一枚の紙が置かれている。
研ぎ師からのものらしいその手紙には、あまりに傷み過ぎているため表面を拭き鞘のほつれを直しただけに留めた旨が記されている。
確かに汚れは拭ってあり、鞘には修繕のあとがある。普段使っている剣の方は、申し分ないほどに研ぎ上げられていた。
翌朝になったら、エルザに研ぎ師の名前を聞いておこうとアルは決意する。――そのとき、扉が小さくノックされた。
「アル、あの――あたしです。入ってもいいですか?」
取り決めどおりのノックの後で、この国の主たる少女――ピアニィの声がする。剣を鞘に収め、アルは扉に向かって声をかけた。
「ああ、鍵は開いてるぞ、姫さん」
「はい、あの………アルの剣、戻ってきましたか?」
静かに開いた扉から、不安げな表情のピアニィが顔を出す。
「あぁ、戻ってきてる。ちゃんと研いでもあるしな」
「良かったぁ…あたしが、考えなしなせいでアルを巻き込んじゃったから…」
ほっとした様子のピアニィの頭を、アルはぽんぽんと叩いて宥めてやる。
「別に、姫さんのせいじゃねえさ。あいつらが関わってきた時から、こうなるのはわかってたようなもんだ」
実家の母親に加えて、頭の上がらない姉。勝負する以前の問題だと、アルは骨身に沁みて知っていた。
胸の奥から、溜息をひとつ。――落ち着いたところで、アルは大きな違和感に気づいた。
「……ところで姫さん―――着替えたのか」
「あ、はいっ! 寝間着用の浴衣なんです。肌触りが良いんですよ!」
風呂に入ったのか、髪を下ろしたピアニィの服装は先ほどまでの薄紫ではなく、生成りに淡く青で露草のかかれた裾の長い浴衣だった。
かすかに香る石鹸と、見上げてくる満面の笑み。――すいと目を逸らして、アルは自分の胸のざわめきを抑えた。
「…あぁ、良かったな。気に入ったみたいで」
「……………アル、さっきのエルザ先生との約束、守ってませんよ?」
ぷぅっと頬を膨らませて、ピアニィが正面に回りこむ。喉から低い唸り声を上げ、アルは視線をさらに逸らした。
『ゲームに負けたから』とエルザに言い渡された命令―――『今後ピアニィを褒める時は、正面から目を見て笑顔で』。
それが時には、アルにとって拷問にも等しいほどの意味を持つことを――姉は悟っていたに違いなかった。
「……別に、エルザ姉がいないときまで守る必要ねえじゃねえか。何でそんなに――」
「だって………あたしだって正面から褒めてもらったら、嬉しいですっ」
だから、約束守ってください―――そう告げたピアニィに、大きく溜息をこぼして。
「………わかったよ…二度は言わねえからな?」
そう言って、まっすぐピアニィに視線を合わせる。笑顔を作るのに苦労は要らない――口元が緩んでいるのは自覚済みだ。
「………よく、似合ってる。綺麗だ、ピアニィ」
「――――――………っ」
アルの言葉に、見る間にピアニィの顔が赤くなり――くるりと後ろを向いてしまう。俯いた背中からすると、どうやら顔を両手で覆っているようだった。
恥ずかしいのはこっちの方だというのに、その態度。少々カチンと来て、アルは背後からピアニィの体を抱き竦めた。
「………って、オイコラ、俺だって恥ずかしいのをお前が聞きたいって言うから…っ」
「――――――っ、や、あのっ、だって……か、顔がみられな…ひゃんっ!」
ぱたぱたと暴れるピアニィを抱いた掌に、昼の浴衣とは違うさらりとした感触が伝わる。独特の肌触りから、麻糸が織り込んであるのだろうと知れた。
「…本当だ。触り心地がいいな」
くすくすと笑いながら、華奢な肩から胸元へと撫で下ろすと、ピアニィの体が大きく跳ねた。
「―――ひゃぅんっ! や、やぁぁっ……!!」
ふざけるつもりで抱きしめたアルとは違い、ピアニィは本気で嫌がろうとしたらしい。予想以上に強い力で暴れられて、バランスを崩し――
「――――――っ!」
「きゃう…っ!!」
まとめてベッドに倒れこむ。仰向けに転がった拍子に腕が外れ、アルから離れたピアニィは慌てて両手をついて起き上がった。
「…って、暴れすぎだろ……」
顔を上げ、文句を言おうとしたアルの言葉が途中で凍りつく。下を向いたまま、乱れた髪を軽く直していたピアニィの胸元に視線は向いて。
「だ、だって急に――――ど、どうしたの? アル…」
「いや―――いい眺めだなと思って」
訝るように声をかけてきたピアニィの、浴衣の胸元は大きくはだけている。生成りの地と真新しい紅色の痕が、肌の白さを強調していた。
「ぇ…………あ、やぁっ……!」
自分の胸元を見下ろして気づき、慌てて両手で隠そうとするピアニィ。その肘を引きよせて、アルは自分の身体の上にピアニィを乗せた。
「―――アル………?」
不思議そうに首を傾げると、長い髪がアルの顔の横に流れ落ちる。薄紅の滝のようなそれを指に絡め、手繰り寄せて、小鳥を思わせる華奢な首筋を捕まえる。
一瞬、逃げ出そうとした少女を強引に引き込んで、自分が下になった状態のまま口付ける。
柔らかな唇を割って舌を絡め、音を立て吸いあげて。はだけた浴衣に手を差し入れて探ると、ピアニィの身体がぶるりと震えた。
「んん……………んぅ…っ…」
軽く達したのか、力を抜いて――アルに完全に身を預けてくるピアニィをしっかり抱え、ベッドの上を半回転する。薄紅の髪が流れて大きく散った。
シーツと柔らかなスプリングに背を預け、ピアニィが大きく息を吸い込む。大きく開いた浴衣の下で、形よいふくらみが震えた。
引き込まれるように手を伸ばせば、絹よりきめ細かな肌が吸い付く。丸みの上の蕾はすでに熱く、触れられるのを待っているようだった。
「あ…っ、やぁ、っ……ま、って、アル……っ」
そのまま、柔らかな双球を揉むように静かに動かしたアルの腕を、小さな掌が掴む。
視線だけで促すと、ピアニィはふるふると首を横に振った。
「だ、って……さっきも………した、のに……っ」
恥ずかしそうに顔を赤らめ、潤んだ視線で自分の身体を――刻まれたばかりの赤い口付けの痕を眺めて、ピアニィは囁く。
喉の奥で低く笑い、ピアニィの耳元に顔を近づけてから。
「―――――だけど…嫌じゃない、よな」
囁いて、熱く尖った蕾を指に挟み、弾く。細い背が、弓なりに反って甘い悲鳴が上がった。
「………っ、やぁあんっ…! だ、め…ぇっ…」
ぱたぱたと脚が暴れ、浴衣が乱れて白い素肌が見える。その膝を割って身を入れると、両手を使って胸を愛撫する。
掌で捏ね、指で揉みつぶして、先端を摘んで強く引く。啜り泣くような喘ぎが、唇を寄せると悲鳴じみた響きを帯びた。
「ん…ぁ、ふぁうんっ…! やぁぁああっ、いやぁ…そ、んな、胸だけ、いじらない…で…ぇっ…!」
「これだけで、イきそうだから…だろ」
囁いて、鴇色の蕾を唇に挟んで舌先で転がし――歯を当てる。腕の中で、華奢な体がビクリと跳ねあがった。
「……ぁあ、ああぁんっ…! やぁん…っ、ダメぇ、もう、あぁっ、あああああぁぁんっ…!!」
甘く蕩けるような悲鳴が長く続き、ふっつりと途切れる。荒い息の下で、微かな声がアルの名前を呼んだ。
―――湧き上がる欲望をいったん抑えるように息を吐き、身を離す。訪れた絶頂に身を震わせるピアニィの姿が、アルの腕の中にあった。
上気した頬に、乱れた髪がいく筋も張り付いている。磁器を思わせる滑らかな肌が紅潮し、荒い呼吸に形良い乳房が震える。
乱れきった浴衣が、上半身は肘まで落ちてすでに衣服の体をなしていない。長い裾も、アルが開かせた脚に大きくはだけられていた。
この上なく扇情的で、それでいて儚くも愛おしい――かけがえのない少女の姿に、アルは知らず生唾を飲み込んでいた。
ようやく感覚が戻ってきたのか、僅かに顔を動かしたピアニィが――潤んだ翡翠の瞳で、アルを真っ直ぐに見上げた。
「――――――あ、る………アルぅっ……、あたし、もぉ……おねがぃ…っ」
荒い息で途切れる言葉は、間違いようのない懇願の響きを帯びていた。薄く微笑み、汗ばむ額に口付けて、アルは静かに身を重ねる。
「………浴衣。脱いでおいた方がいいだろ…」
小さく囁いたアルの手が、簡素な浴衣の帯をほどく。白磁の肌と紅色の情痕、それに腰周りに張り付く小さな絹地が外気に晒された。
わななく細い背中に腕を回して抱えあげ、脱がせた浴衣を下に落とす。皺にはなるだろうが、このままだめにするよりはいい。手早く脱いだ自分の浴衣も、床に落としておく。
汗ばむ肌から絹地を剥ぎ取ると、胸にすがりついたピアニィが切なげな吐息をこぼす。下肢に伸ばした指を動かせば、粘り気のある水音が聞こえた。
「ひゃ…ぅんっ、やぁあああんっ! あ、んっ……!」
甘く零れる声が、トーンを跳ね上げる。びくびくと跳ねる華奢な身体を、腕の中に抱きしめて。
こめかみに軽くキスを落として―――腕に力を込め、シーツの上にころりと転がす。
「きゃう…んっ! や、アル、なに――――」
うつぶせになった拍子に胸が擦れたか、甲高い悲鳴をあげたピアニィが、不審を感じて身体ごと振り向く。――その前に。
「…こっちには、痕――つけてないよな」
囁きながら、処女雪のような白さの背中に触れて―――肩甲骨の上に口付けを落とす。強く吸い、背筋を掌で撫で下ろすと、細い腰が大きく跳ね上がった。
「あ…っ、や、やぁああんっ…! ん、あんっ、そこ、すごい…っ!!」
細かく震え、長い髪を乱して喘ぐピアニィの腰を両手で掴み――その中心、蜜を零しながらひくひくと誘う秘唇に、すでに熱く張り詰めた自身を押し当てた。
「―――挿れるぞ…」
低く囁きながら身を重ね、押し進む。いつもとは違う柔肉の感触と、一段と高く響く嬌声がアルを迎えた。
「――――ぁあああぁん…っ! っやあぁぁっ、こ…れっ、深……っ…! い、やぁあああ……っ!!」
きゅうきゅうと、アルを締め付け擦る内壁。細い指がきつくシーツを掴み、嫌がるように首を振るピアニィの目尻には、涙が光っている。
「―――ピアニィ? …辛いのか?」
慌てて動きを止め、愛しい少女の顔を覗き込む。ピアニィがもう一度ふるふると首を振ると、流れた薄紅の髪が汗に濡れる背中に張り付いた。
「……………違ぅ…っ、のぉ……すごく、気持ちいぃ…、けど…っ」
身をよじり、上気した頬に涙のつたう顔をアルに向けて―――乱れた息の下、甘く蕩けるような声が囁く。
「―――アル、が……見えない…から…っ……ぎゅって、できない…から……いや……なの…ぉっ…」
切ない声で、涙に濡れた瞳で、ただひたすらに――自分を想う言葉を告げられて。
「―――――………っ」
アルは数秒、息を呑み硬直する。身体を巡る血が、温度を上げたような感覚に―――
「…………ぁ…んっ」
生じた変化を敏感な部分で感じ取り、ピアニィが小さく声を上げる。アルの両手が掴んだ腰に、かすかな震えが走った。
大きく息をつき――呼吸を整えると、アルは腕に抱いた少女の背中に優しくキスを落とした。
白く細い背中に、華奢な体に腕をもう一度回し、器用にもつながったままくるりと仰向けにする。
「……………これで、いいか?」
「ぅん………アル、嬉しい………」
本当に幸せそうに、嬉しそうに。囁いたピアニィのたおやかな腕が、ほっそりとした脚が、そしてアルを包む柔らかく濡れた花弁が、強く抱きしめてくる。
「アル…………だいすき、です……」
うっとりと微笑む少女の細い身体を抱き締め、唇を深く重ねる。膝を掴んで押し広げ、最奥まで貫き通す。
アルの動きの激しさに、強く震えながら。ピアニィは力なく首を横に振った。 
「――――――ん、ふぅっ…ん、ふぁうんっ……! ん……っ!!」
重ねた唇の奥から溢れる喘ぎも、小さな爪の残す痕も、全てが愛おしくて。アルはただ、本能のままにピアニィを突き上げる。
「――ふぁ、ああんっ…! ある…っ、もぉ…ぁぁあああああ…んっ!」
大きく仰け反って、きつく眉をしかめて――ピアニィが絶叫する。熱い秘肉がアルを引き絞り、一瞬の後に――力の抜けた腕が、アルの肩を滑り落ちた。
「……………ぁ………はぁ…っ」
胸の奥から息を吐き、くったりとそのまま崩れて身を投げ出そうとするピアニィの腰を掴み―――強引に引き起こして貫く。
深く、強く。激しい動きに、たおやかな花を思わせる肢体が揺れて、細い指がシーツを必死に掴んでいる。
「―――――ぁんっ…!! やぁ……アルっ、……そ…んな、したら、またすぐ…っ……ひゃあああああんっ!!」
先ほどの声よりままだ高く甘く――理性を蕩かす声が響いて。アルを道連れにするように、陽物を包む膣肉が強く収縮する。
「――――――――ぐ、うっ………ピアニィ…!!」
詰めていた息を吐き、愛しい女の名を呼びながら――アルは迸る熱の全てをピアニィの中に解放した。
―――荒い呼吸と、鼓動だけを聞く沈黙が行き過ぎて。
華奢な身体から全ての力が抜け、シーツの上に崩れ落ちる。微かに紅潮した肌が時折痙攣し、半ば開いた唇がアルの名を呼ぶ。
腕に抱いた少女に体重をかけないように姿勢を変え、汗に濡れた薄紅の髪を額や頬から剥がしてやりながら、アルは大きく息を吐く。
「…………あんな顔で、あんな声で……あんな事言われて…加減なんかできるかよ…」
女の色香と、乞い願う巫女の神聖さを併せ持つような、艶めいて美しい表情。思い返すだけで、ぞくりと戦慄が走る。
「……………あ、る………」
腕の中で小さく呟いたピアニィの瞼が震える。その端に光る涙の跡に指を沿わせて、アルは低く囁いた。
「――――――我慢も手加減も、もうナシだ。…覚悟しとけよ」
薄く目を開いたピアニィが、再び瞼を閉じる。零れ落ちた涙が、アルの指を濡らした――。



―――夏の太陽は昇るのが早く、早朝から明るい空を見せる。
普段の鍛錬の時間に目を覚ましたはずでも、部屋は明るく。目を開いたアルは――硬直した。
「―――――ん……もう、朝……?」
室内の明るさと、すでにまとわりつく暑さのためか――珍しくピアニィが目を覚まし、もぞもぞと起き上がる。
「…………姫さん。浴衣、えらいことになってるぞ」
「ほぇ? ………えらいこと、って―――」
アルの忠告に、自分の身体を見下ろしたピアニィの顔が――あっという間に首筋まで赤く染まる。
寝間着用という事で、寝る前に着込んだはずの浴衣がはだけている。――というか。
合わせた浴衣の前がすっかり開いていて、身体を隠す用向きを一切為していない。むしろ、情欲を煽りそうな姿。
「―――ゃ、やあぁっ…! や、なんで、こんな…っ!」
わたわたと慌てふためくピアニィの姿から目を逸らし、アルは大きく溜息をつく。
「………締め付けが足りなかったかなんかしたんだろ。だから、俺がやるって言ったのに…」
「だ、だって、アルに教わった通りやればいいと思って―――………」
なんとか前を隠したピアニィが反論しかけて――なにやらじと目でアルを見入る。
「――――何だよ、姫さん」
視線を感じ、横目で問い返すと、ピアニィから意外極まりない反応が返ってきた。
「……………………まさか、アルが…あたしが寝てる間にその……脱がせた、とか…」
「って、そんなわけねえだろ!? 誰がンな卑怯なことするかっ!?」
「――――ホントに……?」
顔を赤くして反論するアルに、ピアニィはなおも疑いの視線を向ける。―――頭のどこかで、何かが切れる音がした。
「……あのな姫さん、俺だって今起きたばかりだし、起きてからこのかた姫さんに指一本触れてねえんだぞ。それでどうやって脱がすんだよ」
「……………うぅ…でも…」
大きく息を吸ってからまくし立てると、ピアニィがたじろぐ。そこを一気に、次の言葉で攻め立てる。
「ついでに言えば、俺はマトモに浴衣を着てる。………つまり、その格好は自分で着た姫さんの自業自得、ってことだ。理解したか?」
「―――あうぅ………わかり、ました…」
かくりと俯いて、ピアニィは沈んだ声を落とす。ふう、とひとつ息をついて――アルは軽く手招きをした。
「……とりあえず。こっち来い、姫さん」
「あ、はい…っ」
アルが浴衣を直すつもりだと思ったのだろう。素直に近寄ってきた少女の両手を―――アルはがっしと掴み取り、シーツの上に押し倒す。
「――――――っ!? あ、アル…っ!?」
「…人の事を疑ってくれた罰として、お仕置きだ。俺がこういう事するって、思ってたんだろ…?」
ぱたぱたと暴れる華奢な体をしっかり組み敷いて、動きを封じる。隠す物もなく、無防備な肌が晒された。
「……やっ…! あ、アルっ、ごめんなさい…は、離して……!!」
「ダメだ。―――そっちがそのつもりなら、こっちだって何も我慢する必要がねえよな」
ふるふると首を横に振るピアニィの薄紅の髪が、組み敷いた腕の下で流れる。それを器用に避けて、アルは謝罪を紡ぎ続ける唇を塞いだ。
舌を差し入れ絡ませて、抵抗しようとする気力を奪う。程なく、ピアニィの喉から声が溢れた。
「――――――んん……っ、ふぅん、ん―――」
鼻にかかった甘い声を聞きながら、アルはすこしづつ唇の位置を下げていく。首筋に強く痕を刻めば、抵抗は完全になくなった。
「―――ほんとに、酷い格好になってるな。…俺以外の前で、浴衣着て寝るなよ?」
小さく笑いながら露になったままのふくらみに唇を寄せ、紅の痕をつける。舌先を尖らせて蕾を弄ると、細い腰が身体の下で跳ねた。
「…っ、ふぁぁあああんっ…!! や、あ、アルぅ、そこ………っ」
目尻に涙をためながら、もっと欲しいと懇願する少女に――アルは小さく笑って答える。
「――――――お仕置きだって、言ったよな」
片手で膝を持ち上げ、その奥の秘裂に向かって腰を突き出す。前置きなしの挿入に、ピアニィが甘く大きく悲鳴を上げた。
「っ! ………や、あああぁぁん……っ!! や、だめっ、いきなりそん………ぁああんっ!」
突き上げるたびにほっそりとした体が揺れ、抗議の言葉が喘ぎに変わる。酷く嗜虐的な気分で、アルは琥珀の瞳を細めた。
「………その割に、ずいぶん濡れてるな? やっぱり期待してたか」
「ひゃううぅぅぅんっ、や、ちが…っ! ああぁん…っ、ふぁ、あぁんっ!!」
暴れ踊る身体を抱き締め、耳元に唇と舌を這わせる。一段と甘い響きを帯びた叫びに、アルの背を戦慄が走って。
「―――お仕置き終了だ。俺も、もう……」
囁くと、ピアニィは無言でこくこくと頷きながら――アルの背に腕を回してくる。愛しく思いながら抱き返すと、最後の瞬間に向かって、強く――
「――――っ、やっ、あぁああんっ、ひぁ…アルぅぅ……っ!!」
「ピア、ニィ……っ!」
互いの名を呼びながら達して、きつく抱き締めあう。―――ピアニィの手が、アルの背中を滑り降りた。
自身も力を抜き、汗に濡れた愛しい少女の額に口付けながら――今日も暑くなりそうだと、アルはぼんやり思った。




…この日、『祭りとそれに伴う激務による疲労』からピアニィは午後遅くになるまで寝室を出られず。
結果として、滞った書類の処理の為にその後の3日間をほぼ執務室に軟禁状態で過ごす事になった。

メンバーのみ編集できます

メンバー募集!